話題の映画や作品等にまつわる、俳優や映画監督、アーティストら“Stars”へのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

インタビューまとめ:3.11を映画で振り返る

2011年3月11日に発生した東日本大震災から5年が経ちます。OKWAVE Starsでは、自然災害にとどまらず、原発事故をも引き起こしたこの震災を扱った映画の監督やキャストらへのインタビュー等を通じて、度々ご紹介させていただきました。
この機会にあらためて特集させていただきます。

Vol.207 舩橋淳監督(『フタバから遠く離れて』)
Vol.408 舩橋淳監督(『フタバから遠く離れて 第二部』)

舩橋淳監督(『フタバから遠く離れて 第二部』)
『フタバから遠く離れて』は東日本大震災による福島第一原発の事故により、町全体が丸ごと移住という事態となった福島県双葉町の避難所の姿を舩橋淳監督が追ったドキュメンタリー映画。

Q 『フタバから遠く離れて』映画製作のきっかけは?

A舩橋淳僕自身が被曝2世で父や祖母から原爆の恐ろしさを聞かされてきました。一方で原発は核の平和利用なので軍事利用と全く違うとずっと言われてきましたが、原爆の恐ろしさと原発事故で撒き散らされる放射能は、被曝ということでは全く一緒なんです。そして被曝について日本人は全く分かっていない。情報が錯綜していて、どういった対策を取るのが良いのか、みんな違うことを言っていましたから。長期避難が必要なほどの事故はチェルノブイリ以来の2回目なので事例が少なすぎて、日本人は身を守る方法が全く分かっていませんでしたよね。政府は3キロ、10キロ、20キロと避難区域を広げていきました。一方でアメリカ政府は50マイル(80キロ)と言っていました。どれが正しいのかという論争もある中、3月31日に福島県の双葉町が埼玉県の廃校(※旧、騎西高校)に引っ越してきたというニュースを聞きました。双葉町から埼玉県は250キロ離れています。これはとても正しい判断のように思えました。最大で80キロと言ってる時に250キロですから。最も遠くに避難した町なので理性的な判断だと思って、この町に行ってみようと思いました。その時はまだ撮影しようと思う前で、行ってみて様々な方に会って話を聞くうちに日本の原子力行政の矛盾や成れの果てのようなものがこの避難所にあると思うようになって撮影を決めました。

Vol.207 舩橋淳監督(『フタバから遠く離れて』)

Q 第一部から約3年の記録となりましたが、一番感じたことは何でしょうか。

A舩橋淳少しずつ忘却されていっていると感じます。それは政府や福島県がちゃんとした情報を詳らかに公開しないため、一般市民がどうしていいのか分からなくなっていますし、その結果、コミュニティが分断されていっています。被曝されていたり、放射能の線量の高いところに住んでいる人は苦しみ続けていて、新しい生活を始めようとできるだけ離れたところに移った人もいます。そのような分断が日に日に深刻になって、ギャップが大きく開いていったのがこの3年間です。

Vol.408 舩橋淳監督(『フタバから遠く離れて 第二部』)


Vol.222 女優/プロデューサー 杉野希妃(『おだやかな日常』)

杉野希妃(『おだやかな日常』)
『おだやかな日常』は震災・原発事故があったところとは微妙な距離感がある東京を舞台に、様々な人々の反応を描いた作品。最近は映画監督としても活躍されている本作主演ならびに製作の杉野希妃さんへのインタビュー。

Q 『おだやかな日常』の出演、製作を通じて一番印象的だったことは?

A杉野希妃プロデューサーという立場だと、とにかくお金を集めるのがすごく大変でしたね。「こういうテーマは、みんな忘れたがっているのに、フィクションとして描くことに何の意味があるのか」と仰る方もいました。また、福島に住んでいる方はもっともっとご苦労されていて、しかもそれが現在進行形で続いている問題なので、福島の方が作品を観た時にどんな反応がくるのかは懸念事項として感じていました。でも東京が舞台で様々な立場の人を描くことは避けて通れない気もしていました。最終的には、応援してくださる方がいて作ることができた作品なので、日本だけではなく海外でもちゃんと通用する普遍的な作品になったんじゃないかと個人的には思いますし、作品のためにも出資者のためにも海外でも公開していかなければならないと思っています。

Vol.222 女優/プロデューサー 杉野希妃(『おだやかな日常』)


Vol.517 ドラマ演出/監督 井上剛(『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』)

井上剛(『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』)
『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』は、「立入制限区域になっている母校の校庭に埋めた、タイムカプセルを掘りに行かないか?」という誘いを受けた福島出身の若者4人と同行することになった教師が福島を目指し、その地で見た光景を描いたロードムービー。本作の監督は「あまちゃん」等を手掛けてきた井上剛監督。

Q 福島の立ち入りが制限されている区域で撮られています。

A井上剛実際には線量が高いわけではなく、許可証があれば入れる区域ですが、制限があるということで怖く見える部分もありますので、表現として使わせていただきました。ストーリーとしてはそういう地域に行くんだということは最初からあって、出演者の子どもたちや関係者の方々には放射線に関する正しい知識をレクチャーして臨みました。

Q 普段見る機会がない制限区域の映像そのものが衝撃的でした。

A井上剛制限区域を分けるゲートが“中と外”という感覚にさせてドキドキする部分はあると思います。厳密に言えば、入れないわけではないのですが、自分たちも最初はそういう感覚がありました。

Vol.517 ドラマ演出/監督 井上剛(『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』)