OKStars インタビュー

Vol.127 映画監督

SABU

イクメンという言葉が生まれるような世相にぴったりな、人気漫画・原作の映画『うさぎドロップ』が松山ケンイチ、香里奈、芦田愛菜といった旬の面々でいよいよ2011年8月20日(土)公開!
OKStars Vol.127は当インタビューでは2回目登場となるSABU監督!『うさぎドロップ』撮影のエピソードなどお聞きしました。SABU監督からの質問も必見ですよ!

『うさぎドロップ』の映画化についてSABU監督はどう感じましたか。

原作は日常を描いている漫画なので、最初は映画にするのは難しいなあと感じました。映画化の話があった当時はまだコミックス第3巻くらいの頃で、話が続いている途中でしたので勝手に話の決着をつけていいのかなという気持ちもありました。

では映画化・映像化する上で気をつけたことは?

元々がほのぼのしている話なので、飽きずに観られるテンポ感が大事だと思いました。シーン数が多いので、観る人にきちんとストーリーを伝えながら、引っ掛かりを持たせられるかを気をつけました。

原作のエピソードを汲みながら、ダンスのシーンなど映像的な面白さも映画版ならではの見どころだと思いますが、これはどういったところから思いつきましたか?

原作は踏まえつつ、自分らしいところも出そうと考えていたので、以前から想像シーンやダンスシーンが好きだったのでやってみようかなと。香里奈さんが演じたゆかりの登場の仕方も先に想像のシーンから、というのもいいかなと思いました。

>ゆかりさんの職業がOLじゃなくてモデルになっていてびっくりしたんですが、原作の流れが壊れず上手くはまっていて、良い変化だったと思います。

原作ではダイキチの家や会社があるのが都会なのか地方都市なのかはっきりしていなかったのを、映画では東京のような都会に決めていったので、ゆかりの職業をモデルにすることもできましたが、舞台設定をどうするかは実際にはかなり迷いました。

最近は育児する男性のことをイクメンと呼んだりしますが、『うさぎドロップ』ではそういった世相を意識されましたか?

自分には子どもがふたりいて、映画監督なので会社員の方よりは家にいることも多いので、家事の手伝いをするのは自分にとって当たり前の感覚なんですね。なのでイクメンを応援しようという特別な意識があったわけでもなく、出来るのならやった方がいいよというくらいの気持ちでした。

>子ども抱えて走って登園って自分も経験あるので(笑)、あ~あるあるって感じで観てました。

最近も僕も子どもと走るハメになりましたよ…買い物に出かけたらトイレに行きたい!って急に言われてトイレを探しに(笑)。

主演の松山ケンイチさんについてはいかがだったでしょうか。

松山くんはすごくニュートラルで、すごく良かったですね。彼の自然な良いところを全部出せたんじゃないかなって思います。松山くん自身はノープランで現場に行ったって言っていましたけど、ダイキチという役の目線で見てくれてました。りん役の芦田愛菜ちゃんは天才的だけど、そもそも子どもなので、松山くんがきっちり誘導してくれていたと思いますね。

いま大人気の芦田愛菜さんについて。撮影に入る前に、あらかじめ各シーンを体感してもらったそうですね。

芝居ではなくできるだけ自然に演じて、どう転んでもそのシーンに戻ってこれるようにやっていただきました。それと撮影では愛菜ちゃん自身が楽しいかどうかということを大事にしました。本人が楽しいっていう状況を作れたことで、台詞もすごく自然なものになりました。それと、松山くんが台本にないことを仕掛けてくることもあって、愛菜ちゃんがそれにちゃんと役になりきって応えられていたのがよかったです。

撮影の現場の様子やエピソードなどお聞かせください。

撮影は昨年(2010年)の夏だったのでとにかく暑くて大変でした。
それと、保育園のシーンで他の園児たちがカメラを意識しないように、さり気無くカメラを置いてやってたのに、助監督が「よーい」って言ってしまったり(笑)、そんなこともありつつ、撮ったシーンです。りんがみんなの中にまだ溶け込めていないシーンで、他の園児が「何を描いているの?」って近寄ってくるのを愛菜ちゃんが完全無視できたのはすごいなと思いました。完璧に役になりきってましたからね。その撮影の合間に愛菜ちゃんは保育園の遊具で思いっきり遊んでいました。だから芝居でも完全無視することはなかなかできないと思いますよ。あれはすごかったです。感動しました。

一番気に入っているシーン、見どころをお願いいたします。

松山くんがパソコンで「正子め~」って言いながらメールしているシーンは大好きです(笑)。それと愛菜ちゃんとふたりでおじいちゃんのことを思い出している縁側のシーンですね。あのシーンの回想とかも好きです。面白くて、切ない。松山くん自身が特殊メイクでおじいさん役もやってくれているので、演出していて楽しかったですね。

>そうだったんですか!顔が出てこないから分かりませんでした。

おじいさんをどこまで出すかは迷いましたね。お葬式のシーンでみんながダイキチを見て驚くじゃないですか。でも本当にそんなに驚くのか?って、いくらなんでもそこまで間違えないだろうって思ったので。あんまり出し過ぎると嘘臭くなりますし。

『うさぎドロップ』に限らず、映画作りで一番大切なものは何でしょうか?

どれだけ楽しいかは大事ですね。楽しくないのは何も見えていないのと同じなので。ちゃんと想像力が湧いて作れているかどうかですね。

>では映画を作りたい、と思っている人にぜひアドバイスをお願いします。

やはり想像力ですね。それが一番大事だと思います。脚本を書くことも全部そうだし、その映画がどういう風に観られたり、どういう風に公開されたり、どれだけお客さんが来るのかというところまで具体的に想像が湧いていれば成功すると思います。うまくいかないのは想像が湧いていないからだと思いますね。ビジョンが見えているかどうかが大事です。

では最後にこのインタビューを読んでいるOKWaveユーザーにメッセージをお願いたします。

人と人が支えあって生きている、ということが観る角度によって感じられる映画ですし、「周りを見渡せば、世界は愛で満ち溢れている」というメッセージ通りなので、ぜひ沢山の方に観ていただきたいですね。

>私、個人的にも原作からのファンなので、公開が楽しみです。

今までの僕の映画のファン以外の人が観にきそうです(笑)。でも昔からのファンの方を裏切ってはいないと思いますけどね(笑)。

SABU監督がいま気になっていることを「質問」してください。OKWaveユーザーが「回答」します。

蟹(蟹工船)、うさぎ(うさぎドロップ)、と来たら、次は何でしょう?(一同大爆笑)

Information

『うさぎドロップ』
2011年8月20日(土)
渋谷シネクイント・新宿ピカデリーほか全国ロードショー


祖父が亡くなったことで久しぶりに訪れた実家で、27歳の独身&彼女なしの青年ダイキチは一人の不思議な6歳の少女と出会う。実はその少女・りんは祖父の隠し子だった…。
りんを施設に入れようと言う親族たちの意見に反発したダイキチは、つい、りんを自分が引き取って育てると宣言してしまう。そしてその日から、不器用な男としっかり者の少女とのちょっとちぐはぐな共同生活がスタートする。慣れないながらも一生懸命にりんを育てようとするダイキチと、徐々にダイキチに心を開き始めるりん。二人の姿は観る者すべての心を温かくする。

出演: 松山ケンイチ、香里奈、芦田愛菜、桐谷美玲、池脇千鶴、キタキマユ、木村了/ 風吹ジュン、中村梅雀
原作: 宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」(フィール・ヤング/祥伝社)
監督: SABU
脚本: SABU 林民夫
公式サイト: http://www.usagi-drop.com/
配給: ショウゲート

(C)うさぎドロップ製作委員会

Profile

SABU

1964年11月18日生まれ、和歌山県出身。
1986年、俳優として『そろばんずく』(森田芳光監督)でスクリーンデビュー。1991年には『ワールドアパートメント ホラー』(大友克洋監督)で初主演し、第13回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。
1995年頃より自身の企画で脚本を書き始め、『弾丸ランナー』(96)で監督・脚本デビュー。第18回ヨコハマ映画祭新人監督賞を受賞したほか、ベルリン国際映画祭をはじめ、海外の映画祭で一躍注目を浴びる。『MONDAY』(00)では第50回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。その後も第60回ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式出品作『蟹工船』(09/原作・小林多喜二)など話題作多数。

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