OKStars インタビュー

Vol.168 映画監督

アンドリュー・スタントン

OKStars Vol.168には映画『ジョン・カーター』のアンドリュー・スタントン監督が登場!「スター・ウォーズ」「アバター」にも多大な影響を与えた伝説的SF小説の映画化の狙いなどをお聞きしました!

原作「火星のプリンセス」ファンからの期待も非常に大きい『ジョン・カーター』ですが、どう映画化しようと考えましたか。

映画化には様々な理由で変更する部分があったけど、僕自身思い入れもあるし、プロデューサらと話し合って原作の良いところを取り入れるようにしました。

監督自身は原作のどんなところが気に入っていて、『ジョン・カーター』でどう描こうとしましたか?

僕が少年時代に読んだ時は、主人公が火星に突然行って大ジャンプをしたりする事や、4本腕に牙のある生物がいたりすること自体に魅力を感じていました。だけど大人になって読み返すと、冒険の物語であり、失われた大陸が発見されたような驚きや、そこにずっと続いている文化や歴史を発見する面白さがあることに気づきました。異国を旅するようなロマンに少年の頃は気づかなったので、『ジョン・カーター』は“時代物”にするのが僕の中のテーマの一つとなりました。
子供の頃は、ジョン・カーターは超人的で、スーパーマンのような存在だとも思っていました。英雄的なことを簡単にやってのけ、常に正義であり、どんなこともリスクを恐れずにやる人物。だけど大人の目線で見ると、全然違った見解に気づきました。英雄であることはリスクを伴うし、そこには大きな代償があります。そのため、映画ではジョン・カーターの人間的な側面をもっと出そうと思いました。

舞台の惑星バルスームや、キャラクターの造形をどう描こうと考えましたか?

まず、一ファンである僕個人の想像による映画にはしたくないと思いました。本当にあるんじゃないかとみんなが信じられるようなリアルな世界に近づけようとしました。地球上にも様々な文化や歴史がありますが、今では考えられないようなデザインがあったり、そこにしか生息していない信じられないような生物がいます。僕たちが目にして驚きではあるけど、突拍子のないものでもない、歴史や自然界の中にあってもおかしくないものをと考えました。
バルスームに住むキャラクターにしても、例えばデジャー・ソリスの衣装はかなり大胆だけれども、砂漠地帯で暮らす人達の衣装を論理的に考証しながら、そこにどんな文明が発達していったかをきちんと理論立てて、衣装や造形のデザインを行いました。

地球からバルスームへワープする方法が原作では曖昧でしたが、その部分が明確になりましたね。

10歳の時に原作を読んだ時から、緑色のガスが出てきて気づいたらバルスームにいた、という展開はおかしいじゃないか!とずっと思っていました(笑)。原作ファンの誰に聞いてもその点を気にしていたので、まず最初にその部分の理由付けを共同脚本のマーク・アンドリュースやマイケル・シェイボンと考えました。ただ、全くの創作ではなくて、原作に立ち戻って、原作2作目に出てくる悪役サーン族のふるまいを利用することにしました。彼らの存在はある意味、かつての西洋世界が発展途上国を操作するような、帝国主義の時代の比喩としました。

テイラー・キッチュらキャストの演技に求めたことは?リン・コリンズの演じたデジャー・ソリスのようなバルスーム人についてもいかがだったでしょうか。

まずテイラー・キッチュについてですが、ジョン・カーターは傷を持っている男にしたかったんです。正しい心を持ちながら、それを隠そうとしている人物で、傷ついているため、社会と関わりを持とうとしない人物。実はテイラーは若い頃にそういう役をドラマ「フライデー・ナイト・ライツ」で演じていたことを僕は知っていました。また、テイラー自身はユーモアのセンスもあるし、本人があまり見せないようにしているけど非常に知的なんです。そういう部分を誰かに演じてもらうよりも、彼自身が元から持っているので、この役にふさわしいと思いました。原作のジョン・カーターはあまり複雑な過去や性格の持ち主では無いけど、映画では見た目でも複雑なキャラクターであることを彼には意識してもらいました。
デジャー・ソリスは、原作では常に誰かに救われる様な人物で彼女自身が活躍する場面が少ないけれども、僕の母や妻、友人もそうだけど女性はみんな強くて頭も良いです。それに大人の女性というものは自分の弱さの見せ方もよく分かっています。リン・コリンズのことはそれまで知らなかったけど、彼女には情熱や強さもあって、しかも弱さも見せられる女優だと分かったので起用しました。ハリウッドには昔から言い伝えがあって、キャスティングとストーリーが決まれば映画は半分終わったようなもの、という言葉があるけど、まさにそんなキャスティングでした。

では最後にメッセージをお願いします。

『ジョン・カーター』は原作を知っていても知らなくても楽しめるし、ぜひ観に来てください。

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Information

ウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品
『ジョン・カーター』
2012年4月13日(金)3D,2D全国ロードショー

愛する妻と子を失い、生きる意味を失った元兵士ジョン・カーターは、不思議な現象によって未知なる惑星バルスームに迷い込む。地球よりも遥かに進んだ文明を持ち、不思議な生き物たちが暮らすこの星は、全宇宙の支配を狙うマタイ・シャンによって滅亡の危機に瀕していた。バルスームの民は、この星の重力下で驚くべき跳躍力を発揮する勇猛なジョン・カーターに最後の希望を見いだす。果たして彼はバルスームの救世主になれるのか?

監督:アンドリュー・スタントン
原作:エドガー・ライス・バローズ(「火星のプリンセス」)
出演:テイラー・キッチュ、リン・コリンズ、ウィレム・デフォー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

http://disney.jp/jc/

(C)2011 Disney. JOHN CARTER TM ERB, Inc.

Profile

アンドリュー・スタントン

1965年12月3日、マサチューセッツ州ロックポート生まれ。
カリフォルニア芸術大学(カルアーツ)でキャラクター・アニメーションを学ぶ。90年に、セカンド・アニメーターとして、ピクサー・アニメーション・スタジオに9番目に参加。以来ピクサーの主力メンバーとして活躍。96年、共同脚本として参加した『トイ・ストーリー』(95)でアカデミー賞脚本賞ノミネート。続いて、『バグズ・ライフ』(98/脚本・共同監督)、『トイ・ストーリー2』(99/原案・脚本)、『モンスターズ・インク』(01/脚本・製作総指揮)とヒット作の脚本を担い、世界中でメガヒットを記録した『ファインディング・ニモ』(03)で監督デビューを果たす。原案と共同脚本も担当した同作は、アカデミー賞脚本賞他にノミネートされ、ピクサー初のアカデミー賞長編アニメ賞を受賞した。その後、『レミーのおいしいレストラン』(07/製作総指揮)、『ウォーリー』(08/監督・共同脚本・原案)、『カールじいさんの空飛ぶ家』(09/製作総指揮)の3作がアカデミー賞長編アニメ賞受賞。『ウォーリー』では、アカデミー賞脚本賞にもノミネート。『トイ・ストーリー3』(10/共同脚本)でもアカデミー賞脚色賞候補となり、作品は長編アニメ賞に輝いたほか、世界中で大ヒットしてアニメーション映画の世界歴代第1位の興収をあげる。ピクサー・アニメーション・スタジオのバイス・プレジデントとして、ピクサーが創るすべての長編、短編アニメーションで指揮をとり監修する立場にいる彼が、今回『ジョン・カーター』で初の実写作監督に挑んだ。

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