OKStars インタビュー

Vol.178 製作発表会見

『ふるあめりかに袖はぬらさじ』

OKStars Vol.178は歌舞伎の名女形・坂東玉三郎さん、宝塚出身の実力派女優・檀れいさん待望の初共演『ふるあめりかに袖はぬらさじ』製作発表の模様をレポート!坂東玉三郎さん、檀れいさん、松田悟志さんの質疑応答をお送りします。

司会:土井敏之さん

意気込みをお聞かせください。

坂東玉三郎 : 2010年10月に赤坂ACTシアターで『牡丹亭』を演じさせていただきましたが、今回、赤坂ACTシアターにて『ふるあめりかに袖はぬらさじ』の公演が決まりました。亀遊役に檀れいさんが出ていただけること、松田悟志くんが藤吉役で出てくれたことによって、新しい『ふるあめりかに袖はぬらさじ』ができればと思います。実はこの作品ができてから40年目、私が演じるのは10回目です。これまでで一番大きい劇場は歌舞伎座で、歌舞伎座は間口も広くてお客様と近い関係が結ばれるのが特徴です。赤坂ACTシアターという空間は歌舞伎座とは違い、壁が黒く、広い客席ということですが、できる限りお客様と近い空間でお芝居ができるように、なるべく舞台の前の方で、雰囲気としては空間を最大に活かして、この戯曲を身近に感じていただけるようにと思っています。
松田さんとは京都の南座での公演を終えてきましたが、壇さんとは初めてですが、劇団で十分に経験を積まれていますので、これから一緒に楽しんでいきたいと思います。

檀れい : 亀遊役を演じる檀れいです。有吉佐和子さんの最高傑作と呼べる『ふるあめりかに袖はぬらさじ』で坂東玉三郎さんをはじめ、素晴らしいキャストとスタッフの皆さんとご一緒させていただくことをこの上ない幸せと感じるとともに、身の引き締まる思いでおります。亀遊という役は素晴らしい女優さんが演じられている役なので、私もそれに負けないようにお稽古ではいっぱい悩んで、1回1回の公演を大切に、1日1ミリでも成長できるように一所懸命取り組んでまいりたいと思います。

松田悟志 : 藤吉役をやらせていただく松田悟志です。最初にこの役のお話をいただいた時に「どうして僕なんだろうか」という気持ちでした。初めて坂東玉三郎さんにお会いしたタイミングで「僕にできますか」とお尋ねしたら「大丈夫です」ということでしたので、鵜呑みにして頑張っております(会場笑)。今は非常に安定した気持ちで演じさせていただいます。舞台の幕が上がって、名古屋の御園座と京都四條南座と立たせていただいて、1日1日、こうして僕は藤吉になっていくのだと実感しながら日々を過ごさせていただきました。藤吉という役は亀遊さんがいてそれで出来上がっているような役なので、亀遊さんが檀さんに演じていただけるということで中身がごっそりと入れ替わることになると思います。今度の赤坂ACTシアターでは全く新たな気持ちで舞台に立たせていただきたいと思います。素敵なシアターでたくさんのお客様を前にする緊張感に包まれていますが、藤吉のように正直な気持ちで全身全霊で挑んでいきたいと思います。

共演者の第一印象をお願いします。

坂東玉三郎 : 松田くんの第一印象は現代的なキャラクターを持っているので、こういう時代物に合うかなと思って本人に聞いてみたら「できると思う」ということですので大丈夫だと思いました(会場笑)。檀さんは、皆さんに申し上げるまでもない女優さんだと思います。見たところも優しい方ですが、大きな経験を積んでいらっしゃるので、本番になったら芯の部分も出てくるだろうという印象です。

檀れい : 玉三郎さんとはポスター撮りの時が初めてお会いした時で、どのように亀遊としてカメラの前に立てば良いのかをいろんな言葉で、私の心から引き出していただきました。私がこんなことを言うのもおこがましいですが、一役者としても、一演出家としても、とても感性の素晴らしい方で、私の心を動かしてくれる、こういう方とご一緒できるんだということへの喜びと緊張感に包まれています。松田さんとお会いしたのは今日が初めてでしたが、京都の南座の公演は拝見しまして、藤吉を演じていらっしゃる松田さんの舞台に対する誠実さ、役に向き合っている姿というのがとても印象的で、一緒にお芝居をするのがとても楽しみです。

松田悟志 : 僕が誠実なのは舞台に対してだけではないのですけど(会場笑)、坂東玉三郎さんと初めてお会いさせていただいた時は、事前に松竹のプロデューサーの方に「どのように準備していけばいいですか」とお尋ねしたところ、「準備していっても仕方がないのでそのまま行ってください」と言われましたので(会場笑)、丸腰でおじゃまして、「きっと出来ると思います」と答えました。本当に正直に接するように心がけています。稽古をつけていただいた際に、表面をいくら繕っても見抜かれているんだなと何度も感じまして、格好つけても仕方ないんだということでそのままで接させていただいています。本当に俳優としても素晴らしいですし、恐ろしいほど洞察力のある方だなと感じております。檀さんは先ほどお会いしたばかりですが、TVで何度も拝見させていただいている方なので、ご挨拶をさせていただいて、あぁ綺麗な人だなと客観的に感じました。

坂東さんが監修される点について、とくに注意しているところは?

坂東玉三郎 : 赤坂ACTシアターは客席と舞台がちょっと遠い感じがするんです。2階の勾配もありますので、その部分をこの戯曲に合うようにする必要があると感じています。どこにアクティングエリアを設定するか、ということですね。なるべく前の方にしたいと思っています。

御園座、南座で松田さんの演技に接してみて、檀さんとはポスター撮影に接してのこれからの公演への期待と、それを受けてご自分はどのように演じられるかについてお聞かせください。

坂東玉三郎 : 松田くんはこの会見で喋った通りの印象の人だと思います(会場笑)。ですから、そこを作品の時代に連れていくということが一番大切だと感じております。檀さんは初めてということの緊張はあると思いますけど、経験を積まれた方なので、こちらが何か状況を与えればすぐに表現できると思いますので、稽古でそれをやっていけば何も問題はないと思います。

>では坂東さんはそれを受けてどのように演じられるでしょうか。

坂東玉三郎 : 役者というものは同じようにやりたいと思っても、相手役が変われば自然に変わるものです。芝居ができてから40年、僕が演じ始めてから25年が経ちますが自分が変わろうと思ったことはあまりないんです。相手が変わることによって自分も変えさせていただくことを今までしてきました。ですからどうしたいかという作為よりも新しいキャストの方と真っ直ぐに会話していくことで自分が変わっていけるんだと思います。実は、御園座と南座で、戯曲の意味だとか演技の裏側について松田くんに問い詰められたんです。苦し紛れに(笑)答えていくうちに、そこで発見することがありました。松田くんの解釈の藤吉の中では、藤吉が亀遊を一生懸命想うことで、これは悲劇性が強いんだという解釈になるんだ、ということで、南座の後半は悲劇であることを、もちろん説明はしないんですが、悲劇的な部分が強いということを自分は発見しました。しかし、そこばかりを追いかけていっても暗い話になってしまいますし、有吉佐和子さんとしても今まで重いテーマを扱ってらしたので、この戯曲では重くもあるけども口当たりが非常に朗らかな芝居を書きたかったんだと思うんです。その重いテーマということを発見することができたので、檀さんのような晴れやかな方が来ていただければ重いテーマであっても美しさとして皆さんの心の中に残ると思いますので、その点が新しくなると思います。

>松田さん、きっかけになられたようですね。

松田悟志 : 僕にそんな意図はなかったので…(苦笑)

坂東玉三郎 : 聞かれたことをいい踏み台に僕が成長したようですね(会場笑)

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Information

坂東玉三郎主演
『ふるあめりかに袖はぬらさじ』
2012年9月28日(金)~10月21日(日)赤坂ACTシアター

幕末、尊王攘夷の機運が盛り上がる開港間もない横浜の遊廓・岩亀楼。
病で床に伏せった遊女の亀遊(檀れい)を見舞いに吉原の頃から顔なじみだった芸者・お園(坂東玉三郎)がやって来る。
そこでお園は、亀遊が通辞の藤吉(松田悟志)と恋仲であることに気づく。ある日、岩亀楼にアメリカ人のイルウスがやってくる。藤吉が通訳する中、イルウスは亀遊を気に入り、ぜひ相手にと熱望する。岩亀楼の主人はイルウスから大金をせしめることができると見るや亀遊の身請けを承諾するものの、亀遊は藤吉との恋が叶わないことを儚んで自害してしまう。
そのうちに、亀遊が自害したのは外国人への身請けを拒んだことが原因だという瓦版がまかれ、亀遊は一躍攘夷女郎のヒロインにまつりあげられる。
そして「露をだに いとふ倭の女郎花 ふるあめりかに袖はぬらさじ」という辞世の句を残したという話まででっちあげられてしまう。
一方、岩亀楼には攘夷女郎がいたと評判が立ち連日客が押し寄せる。亀遊の話を聞きたがる客にお園が話をするうちに、どんどん話が大きくなり、脚色されていってしまう。5年後、攘夷党の集まりが岩亀楼で開かれ、例によってお園が呼ばれ、亀遊の話をすることになる。手馴れたお園は流暢に話をし、最後に辞世の句を歌うと、それが脚色であることがばれてしまう。怒った攘夷党の侍に刀を向けられ、今後一切この話をしないように脅かされる。一命を取り留めたお園は、一人、降る雨を眺めながら酒をあおるのだった……。

作: 有吉佐和子
演出: 齋藤雅文
出演: 坂東玉三郎 檀れい
松田悟志 伊藤みどり 藤堂新ニ 団時朗 他

チケット発売: 2012年6月2日(土)10:00~
料金: S席 13,000円、A席9,000円(全席指定、税込)※未就学児童入場不可
お問合せ: チケットスペース 03-3234-9999

制作: 松竹株式会社/TBS

主催:TBS/TBSラジオ/BS-TBS

http://www.tbs.co.jp/act/event/furuamerica/

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