OKStars インタビュー

Vol.181 映画監督

キャメロン・クロウ

OKStars Vol.181はマット・デイモン主演、「動物園を買った」実話を元にした『幸せへのキセキ』のキャメロン・クロウ監督へのインタビューをお届けします!

『幸せへのキセキ』はどのような作品ですか?

人生における“セカンド・チャンス”についての作品でもあり、わずかな喪失感と深い悲しみを喜びにする作品でもあるね。僕たちがこの作品をきちんと作り上げることができたなら、ほんの少しだけど、世界に喜びをもたらすことができるって僕はいつも思っているんだ。それに映画を観た後、少しでも心に残る作品になっているよ。 映画を皆さんに観てもらって、この作品がどんな世代にも魅力的なことに気づいたよ。こんなの僕にとって初めてだし、とっても大切に思うよ。作品を観た誰もがキャラクターに魅せられて、映画が終わってしまうと、そのキャラクターを懐かしく感じる。これだから僕は映画が大好きなんだ。

『幸せへのキセキ』の物語のどこに惹かれましたか?

動物園を買う、というとてつもない発想が気に入ったんだ。自分自身ではそんなことは一度も考えたことはないけれど、共感する部分も沢山あったから、物語としては最高だと思ったんだ。他の人も共感できるだろうと思ったからね。

感動的で希望を与えてもらえるテーマでもありましたよね?

そうだね。『幸せへのキセキ』には喪失感も描かれているけれど、亡くなってしまったその人によって与えられるものに気づくという喜びも描いている。そうやってもたらされるものはそこかしこにあって、マット・デイモンはそれを演技を通じて実にうまく表現していると思うんだ。ベンジャミンの妻、キャサリンは過去の思い出に埋もれていく必要はない。キャサリンは今でもまだそこにいて、この地上を歩いていたときと同じ活力のまま彼らを未来へ向かって導いているんだ。

マット・デイモンにそれほど惚れ込んだ理由を教えていただけますか?

マットは素晴らしい俳優だよ。今活躍中の俳優の中で彼以上に注目すべき人は思いつかないな。彼には驚かされっぱなしなんだ。彼は実に的確にこの作品のポイントを理解している。彼は多くの作品に関わっているけど、変わらず意欲的に熱心に取り組んでくれる姿を見られて最高だよ。

スカーレット・ヨハンソンにとっては今までにないタイプの役だったのではないですか?

確かに違ったタイプの役ではあったけど、彼女はこの役にぴったりだったよ。特別な役作りなんて必要なかった。むしろそれとは正反対で、彼女に内在するもので演じることができる役柄だったと思う。スカーレットはどちらかというと舞台女優タイプ。“これが素材ね。私はこれからこの言葉を使って料理する。さあ始めましょう”って感じだね。

ダンカン・ミー役のトーマス・ヘイデン・チャーチの役柄はいかがでしたか?

ダンカンは映画の中で、真実を語る役柄だね。主人公のベンジャミン・ミーの兄で、H and B Blockで働く会計士で、彼は失われた10年を持っていて、人生で多くの間違いを犯した人間なんだ。でも、そういう生き方を運命だと割り切っているような男でね。多くの選択肢があったにも関わらず、平穏無事に暮らすためにH and B Blockの小さな事務所で働いているんだよ。そこに、動物園に投資するという無茶な話を弟が持ち込んできてしまったわけさ。この役には、トーマス・ヘイデン・チャーチがピッタリだから出演してくれないかな、と僕もマット・デイモンも同じ考えだった。二人とも彼の大ファンだったからね。すると、本当に出演が決まったんだよ。僕は、嬉しくなって彼のためにセリフをどんどん書き足していったんだ。

撮影にあたり気を付けたことはありますか?

僕らは個々のキャラクターやベンジャミン・ミーの物語に忠実でありたいと思ったんだ。「スカーレット・ヨハンソンが飼育員をやっている動物園を買わない奴なんていると思う?」っていうジョークをよく言ってたけど、物語が進むにつれて、スカーレット本人よりもスカーレットが演じるケリーの美しさに気づいていくんだ。

動物との撮影は大変だと聞きますが、今回はいかがでしたか?

動物たちはきちんと面倒を見てもらって、それぞれの専門のトレーナーにもなついていたよ。トレーナーたちも動物たちのことが大好きでね。動物たちとの撮影は、聞いていたよりも全然大変じゃなかったよ。

>ハイイログマが車のウィンドウに迫ってくるドキドキするシーンがありましたが?

確かにクマが車に近づいてきて手のひらでウィンドウを叩く瞬間は撮影していて怖かったよ。このシーンを見ていて思わず「飛散防止ガラスのことを調べなくちゃいけないな。それは本当に飛散防止ガラス?」なんていう話をしたよ。飛散防止ガラスってあんな風に巨大な手に耐えうるようにはできてないと思うんだ。でもとても上手くいったんだ。クマはとにかく好奇心が旺盛なんだよ。驚いたのはあのシーンでマットは実際に車の中にいたんだけど、ひるむ様子ひとつ見せなかったこと。トラのスパーとのシーンでも、隔てるものは小さなメッシュのスクリーンしかなかったのに、まったくひるんだりしなかった。マットは車の中で頑張って、あの瞬間をリアルなものにしたんだ。まるでマットが俳優として経験を積むように、ベンジャミン・ミーも経験を積んでいるような感じだったね。そんなわけであのシーンは怖かったけど、それ以外は上出来だ。動物たちは機嫌がよかったし、人間たちも彼らを尊重していた。ちゃんと準備を整えていたから、動物たちとのシーンにはそれほど時間はかからなかったよ。

では子供たちとの撮影はいかがでした?

僕自身にも11歳の子供がふたりいるので、その経験は役立ったと思うよ。ぴったりの子役を見つけるのには何カ月もかかることもあるけれど、今回は可愛いキャラクターが要求されるTVやCMで子役っぽい典型的な可愛さみたいなものが染みついていない初々しい子供たちを見つけることができたんだ。僕らはできるだけ自然な生活を撮ろうと思っていたから、ナチュラルなタイプの俳優を起用することが重要だったから。ディラン・ミーを演じたコリン・フォードは2、3本の出演作があるだけで演技経験がほとんどなかったんだけど素晴らしかった。マギー・ジョーンズはほとんど未経験と言ってもいいぐらいだったけど、母親との絆が強くて、お母さんと一緒にセリフを練習したんだ。あの子は今まで仕事をした中で一番準備をしてきた女優さんだよ。それからもちろんエル・ファニングもリリー役を見事に演じてくれた。彼らのおかげで親であることについての物語をリアルに語ることができたんだ。親であることの大変さは僕もよくわかっている。だからどの親御さんが見ても共感してもらえる映画になっていることを祈っているよ。僕自身が親でなかったら書けなかっただろうなと思うセリフもあった。マットと息子が口論するシーンがあるんだけど、このシーンはワクワクするし、リアルで、今までで一番自慢できるシーンになったよ。

観客の方々には『幸せへのキセキ』に何を期待してもらいたいですか?

本作は人間について描いた映画なんだ。だから観てもらえれば人生というものを感じてもらえると思う。ベンジャミン・ミーはとてつもない出来事を通じて、自分の生きる方向性を見出していく。これは人間の冒険、愉快で魂のこもった冒険の物語だね。動物園は誰もが買うものではないけれど、ベンジャミンと彼の家族が経験することには共感してもらえると思う。彼らが経験することは僕らにも起こり得ることなんだ。この映画の舞台となっているのは、スパイや世界的な犯罪者が登場するような世界ではなく、僕ら誰もが暮らす世界。そしてとてつもなく大きく、危険で、究極的に大胆で美しい選択、完璧ともいえる選択をする物語なんだ。

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Information

『幸せへのキセキ』
2012年6月8日(金)TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー

半年前に最愛の妻を亡くしたベンジャミン、そして彼の14歳の息子と7歳の娘は、いまだ悲しみと混乱の中にいた。
ベンジャミンは仕事を辞め、新しい場所で新しい人生を始めようと郊外に家を買うが、なんとそこには閉鎖中の「動物園」というオマケがついていた!
ベンジャミンは経験も知識もない中、ある思いを胸に動物園の再オープンを決心するが、慣れない事業にトラブル続出。莫大な修理費などで資金も底をついてしまう。だが、彼は飼育員や地域の人々、そして亡き妻からの贈り物に支えられ、再び家族、仲間と共に人生の冒険へと立ち向かう。果たして奇跡は起こるのか。

監督: キャメロン・クロウ
原作: ベンジャミン・ミー
出演: マット・デイモン、スカーレット・ヨハンソン、トーマス・ヘイデン・チャーチ、パトリック・フュジット、エル・ファニング、ジョン・マイケル・ヒギン

配給: 20世紀フォックス映画
公式サイト: http://www.shiawase-kiseki.jp/
(C) 2012 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

Profile

キャメロン・クロウ

1957年生まれ、米国カリフォルニア出身。
22歳の時に南カリフォルニアの高校への潜入取材をもとに書いた本がベストセラーとなり、映画化にあたって脚本も執筆。完成した『初体験/リッジモント・ハイ』(1982)は大ヒット。7年後に脚本も兼ねた『セイ・エニシング』(1989)で監督デビュー。『あの頃ペニー・レインと』(2000)にてアカデミー賞脚本賞受賞をはじめ、監督作『シングルス』(1992)、『ザ・エージェント』(1996)、『バニラ・スカイ』(2001)、『エリザベスタウン』(2005)はいずれも話題となった。

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