OKStars インタビュー

Vol.191 俳優

斎藤工

OKStars Vol.191には斎藤工さんが登場!東京セレソンデラックスの“解散”公演『笑う巨塔』への出演についておうかがいしました!

東京セレソンデラックスの“解散”公演への出演ということですが、きっかけは?

東京セレソンデラックスの芝居は以前から観ていて知っていました。僕は1年に1回は舞台に立ちたいんです。舞台って客観的に自分を見ることができる究極的な空間なので。映像に慣れている自分を俯瞰から見るという意味でも舞台に立ちたいと思っていました。とくにここのところ映像の仕事が続いていたところにこの『笑う巨塔』のオーディションの話があって受けたんです。

東京セレソンデラックスにはどんなイメージをお持ちだったのでしょう?

僕が観ていた頃はせつないものが多くて、芝居を観て泣いて、隣を見たら観客みんなが同じような心境になっている感じですね。今までの演劇のフォーマットを壊しているんだけど、そこに宅間さんの方程式みたいなのがあって、それがすごく心地よくて、毎回観に行かなきゃと思わせるものだったんです。人の感情にきちんと立ち向かっていて、そこに物語を再構築したような劇団なので、他にはないと思っていました。

>それが「解散」公演での出演ということですが?

僕自身は客演なので、そもそも次を意識して臨んでいるかというと、連続している間という意識もないので、客席側にいる自分としては、これでもう東京セレソンデラックスが観られないという残念な気持ちはありますけど、プレイヤーとして関わる意識としてはとくにそこへの感情はないですね。

では、宅間孝行さんの印象は?

映画『愛と誠』の脚本を宅間さんが書かれていて、役者として宅間さんの世界を文字にして見たのはその時がはじめてになるんですが、とても繊細だけど気丈の人というか…その両極の振り切ったものを持ち合わせている人だと思いました。だから出てくる全てのキャラクターがその間に収まるんですね。宅間さんが登場人物の感情を客観ではなく主観で捉えているので、人物がみんな生き生きとしているのは宅間さん自身の振り幅が広いからだと思います。

『笑う巨塔』、斎藤さんの役どころは?

僕は、父親が政治家でその秘書役です。父親が総裁選に出る最後のチャンスの時に体を壊して入院しているんですけど、選挙はお互いの削り合いなので病弱だということはマイナスなのでそれを隠そうとする父親思いの青年、というのがキャラクターとしての入口です。

『笑う巨塔』どんな舞台になりそうですか?見どころなどお聞かせください。

再演ですが、基本的にはスラップスティックな、一幕物で2時間通しのドタバタ劇ですね。病院というシチュエーションの中の人間関係で、テンポ重視の視点で観ていただいた方が入りやすいかなと思います。稽古は9月からなのでまだ何度もストーリーを追ってはいないけど、とにかく先輩たちに囲まれているので、作品のテンポ感や笑いには自信を持ってお届けできるカンパニーなので、その中で自分がどう旨みを出せるかという戦いになると思います。

>笑いの要素が多いということですが、ご自身、そういったドタバタ劇を演じるのはいかがですか。

自分の中では『愛と誠』という映画で笑いのパートを演じていて、カンヌ映画祭でも僕の役柄にはずっと笑いがあったと聞いてますけど、笑いって喜怒哀楽の中で一番難しい感情なんですよね。笑いは、たとえば変な間のような、空気の中で生まれるものなので、作品のタイトルが示すように計画的に笑いに持っていこうというのは難しいと思うんです。だから『愛と誠』で自分が得たように、僕に関しては笑いを取りに行くんじゃなくて、実直に演じて結果的に笑われるようになればいいんじゃないかと思います。むしろコメディに参加しているという意識を持たずに、真面目な人間ってどこか滑稽なところがある、というくらいであればいいと思います。

共演の方々についてはいかがでしょう?

初共演の方が多いです。全員変化球みたいな人たちなので、もしかしたら自分はストレートでいるのが正しいんじゃないかとも思います。長い公演になるので初日と千秋楽の間にはいろんなドラマがあると思います。舞台は自分以外の芝居を見る機会が映像よりも多いので、教科書みたいな人たちでもあるし、楽しみとしか言いようが無いですね。バランスも総合力もすごく良いと思います。

TVドラマや映画に活躍されていますが、役者として舞台に感じるところは?

舞台は、その空間を選んで決して安くないチケット代を払って観に来てくれたお客さんを意識しないといけないですよね。待ち構えるカンパニーの一員として、チケット代の倍の満足を目指してます。演者としては舞台は客席への意識が強くなります。一方で映像は撮影中は誰かに見られているとは夢にも思ってはいけないし、カメラの存在を消さないといけないんです。お茶の間やスクリーンの向こうで誰かが見ているというのを意識した時点で負けなので。受取り手をオンにするのとオフにする作業が大きく違うと思います。

>演じ方も変わってきますね。

舞台はお客さんにもよるし、天気一つでも違うので、そこが面白いです。一方で幕が上がったら何があっても終わりまで、お客さんと一緒の時間を過ごすことになるので、舞台上で何かトラブルがあった時に頼れるのは同じ舞台上の人だけなんです。舞台は幕が上がった段階でスタッフさんが助けられない領域だと思うので、それが映像だと補ったり整えたりもあるので、その緊張感が違いますね。自分のミスや他人のミスが個人のミスではなくカンパニーのミスになるので、いい意味での重圧を感じています。

>舞台上での動きというのはどのくらいあらかじめ決まっているものですか?

そのカンパニーによってやり方は違いますけど、1秒の間を2秒にするのが効果的という判断はその時にならないと分からないことも多いので、その場で変化することはあります。それと同じ台詞を話すので台詞に飽きてしまうという危険はあります。何ヶ月もやっているとどうしてもフレッシュさが無くなってしまうので、自分の中で常に台詞を新鮮なものにしていけば、そこにも変化がありますね。それよりも、稽古は恥をかく場なので、稽古でいろんな尾ひれをつけてみて、宅間さんが必要かどうかを厳しく判断してただけると思うので、その恥をかく作業はやっていきたいなと思います。

少しプライベートな質問です。いまハマっていることをお聞かせください。

自炊です。とくに夏場は卵は早く使わないといけないので、卵料理のバリエーションが増えてきました。卵焼きでも、溶いた卵にカツオだしの麺つゆを少し入れて、同じ分量のぽん酢を入れて、チューブ状のしょうがを加えて、半熟の状態でご飯にかけて食べるのが僕の最近のベストです(笑)。料理は作品作りに似ていて、素材を集めて、混ぜて和えて味付けして、食べた人が喜んで、後片付けはちょっと面倒くさかったりとか、似てますよね。ロバート・ロドリゲスという映画監督もその共通性を見出していて、自宅のスタジオに来た人には料理を振る舞っているそうです。料理と自分たちのしている表現は近い気がしているので、僕もなるべく自分で作るようにしています。

斎藤工さんの“モットー”をお聞かせください。

足りない自分を自覚することです。どこか過信して自分は完成していると思った段階で表現はやめた方がいいと思うので、足りない自分、向いてない自分が表現の現場をいただけて、何を準備するか、ということです。欠落している自分をどう補っていくかというのが自分の役者観ですね。

では最後にこのインタビューを読んでいる方にメッセージをお願いします。

感情は空間で感染するものだと思うんです。僕は感染していくものが笑いだと一番素敵だと思います。以前パリで『グラディエーター』という映画を観た時に、戦いのシーンで歓声とかハイタッチが起きて、まるでライブで観ているような空間だったんです。空間を共有する、感情が伝染することをヨーロッパの人たちは楽しんでいる素地があって羨ましいと思いました。この舞台という空間で、赤の他人同士同じ感情になったり、同じものを観たそれぞれの反応は、役者にも届くんです。観客の感情と僕らのお芝居がリンクしていくので、いっしょに舞台をクリエイトする感じで舞台を見ていただけたら楽しいと思います。そして『笑う巨塔』には笑いに来てください。笑いを保証します。見終わった後に自分のワット数が上がる、そういう舞台なのでぜひ観に来て欲しいです。

斎藤工さんからOKWaveユーザーへの質問!

自分の長所と短所を書き出すと自分というものが見えてくる、という演技法があるんです。それは自分自身のことだけではなくて、役柄の長所、短所、好きなものや嫌いなものを書きだしていくと人物が見えてくるということなので、みなさんの「正直な」長所と短所が聞きたいです。自分自身の把握にもなりますし、他の人のを見て、短所に何かが引っかかるとそこから人と人の距離が縮まると思います。役者は背伸びした部分ではなく本当の部分、とくに短所をいかに表現できるかが演じどころなので、是非聞かせてください。

>ちなみに斎藤さんの長所と短所は(笑)?

長所は、人の良いところを見つけること。どんな嫌われ者でもその人を好きになれるポイントがひとつはあると信じているし、そこを見つけるのは長けていると思います。短所は気が短い、集中力が足りない、それと中途半端ですね…。

Information

笑う巨塔

◇東京公演概要:
サンシャイン劇場 2012年10月3日(水)~28日(日)全29回
主催:フジテレビジョン/オフィスセレソン
チケット代:7,000円(全席指定/税込)、セレソンシート3,500円(最後列2列分)

地方公演あり。
詳細はオフィシャルサイトにて。 

宅間孝行
芦名星
斎藤工

石井愃一
藤吉久美子

伊藤高史
駿河太郎
越村友一
弓削智久
まつこ
井村空美
八幡夏美
喜多陽子

松本明子
デビット伊東

金田明夫

舞台は、都内某所のハイソな「北町病院」
ここにはいろんなオモロい人達が絶賛入院中。

アホなとび職の親方とそのファミリー!
ドジな代議士&おマヌケ秘書たち!
うっかり医師に、おとぼけナース!

ただでさえ問題を抱えてアップアップの奴らの元に
ハチャメチャな街の問題児が紛れ込んできた!

勘違い、行き違いのオンパレードで
事態は大爆笑の連鎖を巻き起こす!

2003年1月に上演されたコメディの決定版「HUNGRY」が
バージョンアップして蘇る!
お馬鹿な面々は、ラストに笑うのか!?
幸せは奴らの元へ舞い降りるのか!?

セレソンのラストは元気になれる!
劇場で盛り上がりを体感すべし!!

http://ts-dx.com/wp/waraukyotou/

Profile

斎藤工

1981年8月22日生まれ、A型。
高校生の頃からモデルとして活動し、雑誌や国内外のショーに出演。 映画『時の香り~リメンバー・ミー~』で主演デビュー。その後、様々なドラマや映画で活躍し続ける。「オトコマエ!」(08、NHK)、映画『カフェソウル』(09)『悪夢のエレベーター』(09) 「最上の命医」(11、テレビ東京)「江~姫たちの戦国」(11、NHK)映画『明日泣く』(主演)「QP」(11、日本テレビ)、『逆転裁判』(12)、「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」(12、毎日放送)、「37歳で医者になった僕~研修医純情物語」(12、関西テレビ)、『愛と誠』(12)などに出演。現在、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」(12、テレビ朝日)、WOWOW「映画工房」出演中。「映画秘宝」では連載コラムを掲載中。

斎藤工オフィシャルサイト

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