OKStars インタビュー

Vol.201 演劇家/俳優

中屋敷法仁/矢崎広

OKStars Vol.201は、日替わりキャストで行われる朗読劇『緋色の研究』に出演する演劇家・中屋敷法仁さんと俳優・矢崎広さんの対談インタビューをお送りします!

中屋敷法仁さん、矢崎広さん、おふたりは今回が初共演ですか?

中屋敷 : 今回がはじめてですね。

矢崎 : 中屋敷さんのパルコ・プロデュース『露出狂』という舞台を観に行って、すごく面白くて、僕の方が一方的に近づいていった感じです、マネージャーと『露出狂』に出演していた間宮祥太朗を通して(笑)。

中屋敷 : 観に来ていただいたのがこの8月のことですね。僕も矢崎さんのことは一方的に拝見していて、4月に「薄桜鬼~斎藤一編~」を観に行って、イケメン俳優の中に一人すごい俳優がいる…って他の人に失礼ですけど(笑)、あの人は誰だろうって気になっていました。

矢崎 : なので今回はすごく嬉しいです。中屋敷さんの舞台には度肝を抜かれてましたので。以前に「悩殺ハムレット」のポスターを見てから中屋敷さんの劇団・柿喰う客のことが気になっていて、絶対観たいなと思っていたんです。それで柿喰う客の舞台ではないですが『露出狂』を観る機会があったんですが、実は「話題にもなっているし、どんなものか見てやろう」という気持ちもあったんですよね。でも観たら本当にすごかったので、何で僕はこの舞台にいないんだろうと思いながら、出演してる舞台のようにTwitterに書いてしまいました(笑)。

中屋敷 : すごく宣伝してくれました(笑)。

朗読劇、ということですが、そもそも朗読劇ってどんな風にやるものなんでしょう?

矢崎 : 僕も初めてなんですよ。なので俳優の友人からいろんな情報を収集しているところです(笑)。

「緋色の研究」はもともと読まれていましたか?

中屋敷 : 決まってから読みました。

矢崎 : 僕はまだです…すみません!(笑)

中屋敷 : これ以外のホームズを読んだことがなかったので、意外と世の中にはホームズ好きな人がたくさんいるのをはじめて知りました。「名探偵コナン」とか「金田一少年の事件簿」のような日本オリジナルのものがあって、明智小五郎やホームズには触れていない世代なので、今回読んでみると、古典的だとは感じましたけど、こういうのがあったから現代の推理ものや探偵ものがあるんだなと、しみじみ思いました。

>ホームズとワトスンの関係性みたいなのもこれから探っていく感じですか?

中屋敷 : 役作りとか考えてます?

矢崎 : ホームズとワトスンの関係性って面白いなと感じていて。お互い、苗字で呼び合うのには何かあるのかなとか。そういう距離感がきっと素敵なんですよね。今回、日替わりでキャストが違うので、いろんな関係性ができてくると思います。だから勝負したい気持ちもあるし、ちゃんとやりたい気持ちもあるし。そのバランスは演出の毛利さんが見ているとは思いますけど。

中屋敷 : (笑)

では、どういう気持ちで臨みますか?

>中屋敷さんはご自分で演出されていますけど、役者としてのみ出演するようなことはありましたか?

中屋敷 : 僕、俳優としてちゃんとオファーをもらったのは、もしかしたら人生で初めてかもしれませんね。だいたい演出のオファーがあってプラス俳優なので。朗読劇も演出はたくさんしていますけど、自分が出るのは初めてです。
今はものすごく嬉しい気持ちですね。幸せな気持ちでやりたいです。いただいたことへの感謝と、そこでやらせていただく喜びを感じながら、いまは家でページをめくる練習をしています(笑)。僕、朗読劇をたくさん観ているので、意外とこのめくるという作業は大変なんですよ。人間が1時間の間にあんなにページをめくることってないから、やっていると惰性になりそうなので、いかにシャーロック・ホームズのようにめくるかという、どうでもいいことを今はやっておこうかと(笑)。

矢崎 : 役者は本を外すところから始めるので、それを読むのは初めてなのでどうしよう…無言になりそう(笑)。「朗読劇だから文字を追わないと」とは友達からも言われたので、「そうだよね」としか言えなかった…。

>会話なんですか?地の文もある?

矢崎 : 会話と地の文もあるみたいです。そこのバランスは毛利さん次第のようです。

>当日に向かって準備はどのようにしますか?今回は1回限りですよね。

矢崎 : 1回限りって普段の舞台では無いので、怖くもあるし、楽しみでもある…今の段階では怖さしか無いですね(笑)。

いきごみをお聞かせください。

中屋敷 : 一番いい初日が迎えられるかなと思います。

矢崎 : M-1に例えたらトップバッターですね、審査基準が決まるところです(笑)。

中屋敷 : 矢崎くんと僕は、普段の活動しているところが全く違うので、この距離感がうまく出るといいかなと思います。今回出ているのはみんな素敵な俳優さんですけど、僕だけ圧倒的に経歴が違うので、この距離感はできるだけ今のままがいいですね。僕が若手俳優のようにならない方がいいなと思っています。もしそんな態度でいたら怒ってください(笑)何を急にイケメン俳優の仲間入りしてんだって(一同笑)。

矢崎 : 生写真売ってたらどうしよう(笑)。

中屋敷 : ホームズとワトスンの微妙な距離感の化学反応が起こりやすいようにキャスティングの段階で選んでいただいているはずなので、これをいかに楽しめるかなというところです。

矢崎 : 僕も似たような気持ちではいますね。中屋敷さんの演出の舞台を見てすごいと思っていたら、まさかプレイヤー同士で戦うことになるとは思っていなかったので、そういうところも楽しみです。

中屋敷 : やりづらいらしいですよ、共演者は。

矢崎 : そうなんですか?

中屋敷 : いい俳優さんはいいパスを出すじゃないですか。僕はパス出さずにボールをもらっちゃうんですよ。だからどんどん共演者を殺しちゃう。でもホームズとワトスンだから演技として仲良くなり過ぎなくていいからそこは大丈夫かな(笑)。矢崎君もプレイヤーとして走っちゃって大丈夫です。

矢崎 : それを聞いてますます楽しみですね。

中屋敷 : ホームズについて「天才的な観察力を持つ」と紹介されていますけど、まさに僕みたいだと思っていて(笑)、こういうところに呼んでもらえて嬉しいなと思いますね。お互いに謙虚になりすぎずに話し合えたらいいと思います。

矢崎さんは朗読劇が初めてということですが、新しいところに踏み込むことについては?

矢崎 : 中屋敷さんはお話をいただいて感謝とか喜びとおっしゃってましたけど、僕は話をいただくとすぐに楽しみになっちゃいますので。その楽しさだけでやってきたところがあるんです。8月に舞台『MACBETH』を終えて、いろいろ悩みの時期ですけど、楽しさで始めたところがあるので、その楽しさを今回もお客さんと共有できたらいいなと思います。ホームズとワトスンの2人がどうなるんだろう、というところを楽しんでいただけたらいいなとと思います。

中屋敷 : 僕は俳優主義って呼んでますけど、俳優さんが好きでこの仕事をやっているんです。俳優に近い職業をやろうと思って最初は自分も俳優をやっていたんですけど、俳優さんが好きすぎて自分の演技がどうでもいいと思うようになってしまって、俳優にはなれないと思って演出を始めました。でも演出をしていても段々と俳優との距離が近くなってきて、とうとう矢崎君と隣で共演するほどに近づいてしまったという…(笑)。自分のことを考えすぎる俳優も良くないと考えていて、共演者に対する愛情とか興味とかが大事だと思っています。そういう気持ちがない俳優さんもいるので、僕の姿勢がいま俳優と呼ばれている人から有効なのかそうでないのか確かめたい気持ちはあります。でも、これで俳優として売れてしまったらどうしよう?(笑)と親にも言われました(笑)。

では朗読劇『緋色の研究』の見どころは?

中屋敷 : 怒られない限り、自分が読まなくていい、矢崎君が読んでいるところは見ようと思っています(笑)。台本をもらったらそういうところをチェックしておこうと思います。矢崎君をただ見ている時間があるよと。

矢崎 : 見どころってそういうことじゃないですよ!

中屋敷 : 本編の中で本編を楽しんでいる僕も見て欲しい(笑)

矢崎 : わがまま!…でも『大江戸鍋祭』の時に他の人の場面を楽しんでて「いまオレはどこだ!?」ってなってたので人のこと言えないですけど(笑)。あれは入り込みすぎて、どこを読んでるか分からなくなっちゃったので、ちゃんと文字を追うことが大切かなと。

中屋敷 : 見どころってそういうことじゃないのかな。

矢崎 : (笑)…音楽とかすごいらしいです。しかも生演奏らしいです。セットですごい本棚を組んだりするそうなので、そんな中でできるのを楽しみたいです。

中屋敷 : 銀河劇場は、劇場の雰囲気も重厚ですし、本棚も生演奏もあり、そして「緋色の研究」。これを才能あふれる俳優が読み、それを見て参加している僕。すごく楽しい時間を過ごせそうです。

矢崎 : それと以前に出演した舞台『シャッフル』を思い出しますね。その時も異なるキャストの組み合わせということでしたけど、今回も他のみんながどういう関係性で来るのかが楽しみですね。

中屋敷 : これは先出しじゃんけんだから、すごい事やるとみんな困るよね。普通は後出しじゃんけんが有利だけど、これは逆だからね。

矢崎 : そうですね。10月公演の方は下手すると方向性を変えられるかもしれませんね。

中屋敷 : これが語り草になって、初日にやったことが禁止事項として伝えられたり(爆笑)。

>他の人がどうされるかは気にされますか?

矢崎 : 『シャッフル』の時に僕は気にしました。でもそれを観てもそこに引っ張られないんだということにも気付きましたけど。せいぜいちょっとパクろう(笑)というくらいです。

中屋敷 : 気にしないですけど、他のメンバーに気にしてもらえるようになりたいとは思います。Twitterで朗読劇『緋色の研究』について一番盛り上がっているのが中屋敷、次が矢崎君という、ファンよりも身内で一番盛り上がっているくらいなので…。

矢崎 : 山崎樹範・村井良大コンビはブログでスマートに喜んでたみたいです。やましげさんは「全部ワトスンに解決させる」って書いてました。ここも仕掛けてきますね。

中屋敷 : どういうことだろ??いろんな関係性があるんだね。やりようがたくさんあるんですね。

>ちなみに朗読劇の場合、舞台上の自由度はどのくらいあるのでしょう?

矢崎 : 毛利さんご自身は役者が持ってきたアイディアを取り入れるタイプみたいです。

中屋敷 : じゃあなんでもやろうっと。伝説はずっと残るから。とりあえず、指を使わずに本をめくる方法とか、お客さんの度肝を抜くような方法をね(笑)。

普段の舞台との違いについてはいかがですか?体で表現する部分が制限されるので。

矢崎 : どうしても体が動いちゃうと思うので、そこは難しそうですね。実際、いろんな人に聞きましたけど、「朗読劇を、本が手元にあると思ってなめたらヤバイよ」とは言われてます。

中屋敷 : 自分が読んでいない時間をどうするか考えていて、普通の舞台でももちろんそうだけど、矢崎君が読んでいる時はどう聞いていようかなと。動きはないですけど、空間をどう広げていこうかとか、様々なことができるかなと思います。逆に矢崎君も僕が読んでいる間にニュアンスを稼いでもらうといいのかも。僕が読むのに一生懸命な間に雰囲気を作ってもらえたらいいなと思いますね。順番に読む会になってしまうのが一番怖いですし。ふたりで読んでいるチームの芝居になるので、いかに相手に興味を失わずにいけるかが大切になるかなと思います。

矢崎 : 集中をきらさないとかそういうことなんでしょうね…。

中屋敷 : あるか分からないけど水を飲むタイミングとかも。動きが制限される分、お客さんは指先まで見るから、その時に考えなしに動いたのか仕掛けようとしたのかが分かってしまうので。ところで矢崎君はナルシスト?

矢崎 : そうだと思いますね。

中屋敷 : 自分の体や動きにこだわりがある人は朗読劇とうまく付き合えると思いますね。そういう人は無防備になりにくいし、どれだけ自分と相手に集中できるかですね。

矢崎 : 大変なことに挑戦するみたいですが、総じて楽しみですね。どうなっちゃうんだろうなって。どんな壁にぶつかるんだろうって思います。

おふたりそれぞれ、今後の展望的なことをお聞かせください。

矢崎 : やはり自分なんだ、と考えています。いままで作ってきたところや嘘のような部分もあったので、そういうのをなくしていって、ありのままの自分をどんどん増やして、それが演技の深みだったり糧になるように、もっと勉強していきたいです。

中屋敷 : 演出をやっていると、いつも俳優さんを怒っているイメージがあると思いますけど、そういう時代でもないし、いろんな俳優さんや劇団があって、とくに僕は俳優さんの大ファンという大前提でぶつかっているので、ダメ出しもファンみたいなんですよね。「あなたのもっとこういう面が見たいんです」みたいな感じで。そんな風に俳優さんへの憎しみもなくやってきたので、このまま俳優さんをずっと好きで続けたいと思います。…でもその分、演出はうざいみたいです(笑)。好きすぎるファンみたいな感じらしいです。

生で観る舞台への気持ちをお聞かせください。

中屋敷 : 僕はもともと舞台中心ですけど、生が一番面白いと思っています。出演者とお客さんが対峙するのも素敵ですけど、お客さん同士も対峙するので、隣のお客さんは笑っているけどこっちは寝てるとか(笑)、みんな拍手してるけど自分はできないとか、そういうのも含めて劇場の楽しいところですね。家で自分の好きなものを観ているのとは違った魅力があるので、お客さんからの刺激も舞台からと同じようにもらえるので、客席というものはすごくいいと思います。また、お客さんの刺激を受けた共演者によって演技が変わることもあるので、俳優さんにとってもよいし、劇場の中はいろんな興味が渦巻く空間なので、舞台は見る見られるだけの関係ではなく、舞台を観ている自分も見られていたりもして、楽しいと思います。

矢崎 : 僕もライブ感がすごく好きですね。以前は自分のことで手一杯で気付きませんでしたけど、音響さんとかも生のお客さんの様子を見て音を出しているし、照明さんもそれによってタイミングが変わってきたりとか、舞台というものは本当にたくさんの人の力で作られているんだなって。そういうのが素晴らしいなと思います。いろんな人の生が集まっているんだと思います。

最後にOKWaveユーザーにメッセージをお願いします。

矢崎 : どうしよう…怖いとしか言えないです(笑)。

中屋敷 : 朗読劇は実はハードルが高いです。基本的に朗読劇に向いているかどうかは俳優さんに課せられているものがものすごく強くて、単純に顔や声がいいだけでは乗り越えられないんです。ただ逆に、俳優さんの生や個性が持ち込みやすい舞台なので、見たことのない矢崎君とか、見たことのない出演者の面々の姿が見られるんじゃないかと思います。まず、みんなの中のホームズ像がバラバラだと思うので、様々なホームズとワトスンが見られると思います。みんなの演技が楽しみですね。

矢崎 : こんなにいろんなコンビがあるのが面白いので、そこを楽しんでもらいたいですね。僕自身は朗読劇が初めてなので、自分自身も楽しみだしお客さんの反応を見るのも楽しみなので一緒に楽しみましょう。そこを目指して25日の本番を迎えたいと思います。

OKWaveユーザーに質問!

矢崎 : ホームズとワトスンが最強コンビということですが、これが「ご飯×○○」だったら何ですか?ってのうのはどうですか?

中屋敷 : それ絶対面白い。ちなみに矢崎君だったら?

矢崎 : 「ごはんですよ」と味付けメンマと納豆好きなので、その3つですね。卵かけご飯はそうでもないので…(笑)

中屋敷 : これ、みんなに答えてもらったら、食べなきゃダメ?

>いえいえ。そこは大丈夫です(笑)。中屋敷さんは?

中屋敷 : 僕はダントツで納豆です。

矢崎 : では最強の「ご飯×○○」よろしくお願いします。

Information

朗読劇『緋色の研究』

原作:アーサー・コナン・ドイル
脚本・演出:毛利亘宏(少年社中)

名探偵の元祖!!天才的な観察眼と推理力を持つ、世界でたった一人の顧問探偵シャーロック・ホームズと相棒ワトスンが送るミステリー朗読劇。毎日、日替わりのキャストを迎え、皆様を至極のミステリーの世界へお連れします!!

9月公演:2012年9月25日(火)~30日(日)
10月公演:2012年10月11日(木)~14日(日)

会場:天王洲 銀河劇場
チケット:S席 5,500円、A席 4,000円(税込)※未就学児童入場不可
お問合せ:キョードー東京:0570-064-708
(平日12:00〜18:00、土日祝10:00〜18:00)
http://www.tristone.co.jp/sherlock/

Profile

中屋敷法仁
1984年4月4日生まれ、B型。青森県出身。
柿喰う客・代表。独特の感性と高い演劇教養を武器に、幅広い舞台作品を手掛ける演劇家。柿喰う客全作品の演出を担う。
2004年、柿喰う客の活動を開始。06年、柿喰う客の劇団化にともない代表に就任。新作はもちろん、古典戯曲や短編、一人芝居など様々なジャンルの作品に挑戦し続けている。劇団公演以外での脚本・演出の依頼も多く、2012年7月にはパルコ・プロデュース『露出狂』に若干28歳で大抜擢される。

柿喰う客 http://kaki-kuu-kyaku.com/

矢崎広
1987年7月10日生まれ、O型。山形県出身。
映画『バッテリー』、TVドラマ「ごくせん」「赤い糸」「東京DOGS」など様々な作品への出演の他、声優としても「僕等がいた」矢野元晴役、「ヒロイック・エイジ」エイジ役など幅広く活動。近年は舞台作品にも多数出演し、「愛と青春の宝塚」「ワンダフルタウン」「ザ・ミュージックマン」「時計じかけのオレンジ」「ドラキュラ」など大劇場ミュージカルへの出演が続く。2012年8月に舞台「MACBETH」で初主演を果たした。

http://www.tristone.co.jp/actors/yazaki/

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