OKStars インタビュー

Vol.212 製作会見

舞台『阿修羅のごとく』

OKStars Vol.212は向田邦子さんの最高傑作として圧倒的な人気を誇り、2013年1月に上演される舞台『阿修羅のごとく』製作発表記者会見の模様をお送りします!四姉妹を演じる浅野温子さん、荻野目慶子さん、高岡早紀さん、奥菜恵さん、父親役の林隆三さん、母親役の加賀まりこさん、演出の松本祐子さん、そして向田邦子さんの実妹の向田和子さんが出席しました。

進行:城ヶ崎祐子さん

向田和子さん、公演タイトルの題字を書かれましたが、今のお気持ちなどをお聞かせください。

向田和子 : スタッフの方からお話を聞いて、これは面白くなるんじゃないかなと思って言いたいことを言わせていただいて、めげずにやっていただけることになりましたので、ありがとうございます。題字を書いた時は、私の字も捨てたものではないと思いましたが、よく見たら間が抜けていて、父に中学生の時に「お前の字は一つ一つは良いが、全体を見ると間が抜けているな」と言われたのを思い出して、親は私のことをよく知っているなと感心して、この『阿修羅のごとく』のお父さんの欠片を見た気がします。この作品が当たるといいなと思いながら書きました。

出演者の皆さん、意気込みをお聞かせください。

浅野温子 : 長女の綱子を演じます。TV界でも演劇界でも名作と言われる『阿修羅のごとく』に出させていただくことに、この舞台の当事者として今ここにいるというだけでも十分で、後はとっととずらかりたい気分ですが(笑)、2013年1月からの舞台が当たりますようにと、今ひしひしと切に願っております。大切に演じさせていただくしか無いと考えています。

荻野目慶子 : 次女の巻子を演じます。14歳の時にオーディションを受けて女優への道に入りましたけど、その直後に初めて名指しでいただいたお仕事がこの『阿修羅のごとく』のパート2で八千草薫さんが演じていた巻子役の娘役を演じさせていただきました。右も左も分からない中学生でしたけど、脚本の向田邦子さん、演出の和田勉さんがいて、憧れの女優さん達がいて、緊張感と華やぎに心からときめいて興奮したことを覚えています。あの時八千草さんが演じていた役をこうして演じさせていただくことに感慨無量で、数々の修羅場を越えて女優を続けて良かったなと思っております。向田邦子さんの描く日常に漂う深く妖しく切ない世界にどっぷり浸かりたいと思います。

高岡早紀 : 三女の滝子を演じます。古くから、著名な女優さんが演じてきていらっしゃった作品に声をかけていただいて光栄です。そしてなかなか先輩の女優さん方と共演させていただく機会が無くて、今回素晴らしい女優さんたちに囲まれて、いろいろな経験をさせていただければと思います。楽しみに観て欲しいと思います。

奥菜恵 : 四女の咲子を演じます。このような豪華な顔ぶれの中に家族の一員として参加させていただけることを嬉しく思います。本当に作品が当たりますように、私も精一杯努めてまいりたいと思います。

林隆三 : 父・恒太郎を演じます。ご覧のとおりです。阿修羅の四姉妹の親父ということで、配役を聞いて驚きました。奥さんは加賀まりこさんですし、この阿修羅の血を吸って勉強させていただこうと思います。

加賀まりこ : 母・ふじ役を演じます。私は向田邦子さんの作品には大変幸せなことに連続ドラマで3本も主役をやらせていただいていて、これが3本とも数字が取れなかったんですね…。どれも面白いものばかりだったんですけど、今度ばかりはぜひ当てたいと思います。私のところにもこの舞台への反響はすでに届いていますけど、やはりこの『阿修羅のごとく』は昭和の世代の人間にはぜひ観てみたい作品だと思いますし、向田さんの描いた「何て人間って愛しいんだろう」と思うものをお見せできたらと心から願っております。

松本裕子(演出) : この『阿修羅のごとく』に、美しく華やかで匂いたつ女優陣が集まってくれたことにとても感動しているし武者震いも起きているし、嬉しく思います。向田邦子さんの、人を見る目がすごく優しくて、辛辣で、細かくて、繊細さと大胆さがものすごいバランスで成立している原作になるべく忠実に、でも映像ではできなかったことも舞台で見せていこうと考えています。四姉妹とお母さんを映像だと1人1人のカット割りでしか見せられなかったものを、四重奏、五重奏のように重ねてみせていきたいなと考えています。人の営みの美しさや愛おしさを感じさせる作品にしたいと思います。

共演者の顔ぶれを見てどう思いましたか?

浅野温子 : 荻野目慶子さんとは『8人の女たち』で一緒で、奥菜恵さんとは昔ドラマで共演したことがあります。高岡さん、林さんとは初めてで、加賀まりこさんとはいつもの様に(笑)。ずらっと並ぶと妙にピカピカしてるなと思いました。顔合わせした際に、最近は女優さんも落ち着いた感じというか質素な感じになっていますけど、このメンツはやたらとピッカピカというかはみ出ている感じで、面白い場だと思いました。演出家がこのはみ出ているのをどうやって五重奏にするのか楽しみだなと思いました。

荻野目慶子 : 昨年、『8人の女たち』で加賀まりこさんと浅野温子さんと共演していて、今度はこのお二人と家族の役で本当に嬉しく思っています。高岡さんとは『忠臣蔵外伝 四谷怪談』という映画でご一緒していて、奥菜さんと林さんとは初めてですね。性格的に外れたところがあるので、そんなところを生かしながら(笑)、楽しく妖しく頑張りたいなと思います。

高岡早紀 : 私もほとんどの方が初めてで、奥菜恵さんがまだ中学生の頃にちらっと共演したから20年近く前ですね。今回のように肉親・姉妹という近いところで演じるのは初めてなので、私でも緊張していますが(笑)、本当の家族のように自然に仲良く笑い合ったり喧嘩したりできるところまでどこまで近づけられるか、近づかせていただきたいなと思います。

奥菜恵 : 先ほど皆さんのいる控え室に入った時に、あまりにもオーラが出ていて、気分が高揚して鼻息が荒くなってしまいました(笑)。そのくらい興奮して楽しみにしています。

林隆三 : 僕自身は男の三兄弟なんですよ。母親だけが女性でしたので、この年になるまで女性のことは殆どわからずに生きてきましたけど(一同笑)、このキャスティングを聞かされて想像しただけでもワクワクしたり、「俺は大丈夫なのかな」と思ったりもしました。加賀まりことは何度も夫婦役をやっていますので、今回は役名のふじさんに甘えていろいろ教えてもらおうと思います。

加賀まりこ : 本当に手数の掛かる人なので皆さん気をつけてください(会場笑)。今日久々に奥菜恵さんに会って「幾つになったの」と聞いたら30歳を超えているということで、「あ、皆さんそれぞれに修羅を抱えていらっしゃるな」という印象です。なので、これは絶対成功すると安心しています。

ご自身の役柄の似ているところなど、ご感想をお願いします。

浅野温子 : 普通だったら絶対に私には回ってこないキャスティングだなと。このメンツだったら絶対に長女は慶子ちゃんでしょう。慶子ちゃんがやる巻子役が絶対に私なんですよね。キャスティングが普通よりは違う感じがしますが、私にとってはチャンスですね。普通では回ってこない役なので、役者としてチャレンジですし、普段とどれだけ違ったものをお見せできるかということで、自分自身ラッキーだと思っているので、ありがたく頑張らせていただきます。

>華道の師匠ということで和服で登場するシーンもありそうですね。

浅野温子 : 今日着ている服からして逆でしょ(笑)。このメンツで母親は浮気されている、私の役は不倫をしているという、この複雑な役をやってこの5人の中でどうすっとぼけるか、家族の中での修羅をどう演じるか、自分の中で非常にチャレンジですね。

荻野目慶子 : 私は全員2歳違いの兄、私、弟、妹の4人兄弟で育ったので、小さい頃は同じサヤの中でちょっとずつ大きくなりましたけど、徐々に恋をしたり結婚したり他の家に嫁いでいったりで、考え方もパワーバランスも家族の中で大きく変わるものだと感じました。2番目ということで役柄と一緒ですけど、上にも下にも気を使いつつ、顔色見ながら育った自分がいるので、巻子さんに似ているところもありますし、感じるところがたくさんありますね。

>役柄の中では夫の浮気に気づきつつも直接言わないところがありますよね。

荻野目慶子 : 私も人に強く言えないタイプですね…。33年前に娘役で出演した時に、八千草薫さんの演じる巻子さんが夫の浮気を疑っている場面でそれを私が見てしまう場面があったんですけど、演出の和田勉さんに「笑えばいいんだ!笑えばいいんだ!」(一同爆笑)と言われてなんでこの場面で笑えばいいんだろうと思いながら、笑いながら駆け去る演技をしたんですけど、その時の八千草薫さんの目の妖しく輝いた色っぽい表情が強く残っていて、それを今度やらなくちゃいけないなと思っています。

>では、図書館勤めで、生真面目な性格の三女・滝子についてはいかがでしょう。

高岡早紀 : 私はピッタリだと思います(会場笑)…え、なんでそんな失笑が…(笑)。浅野さんが仰っていたように、私自身、今回のような生真面目で男性に対しても消極的な役柄は、まずきません!(笑)今回こういう役をいただきましたが、私の中にそういう部分がないわけではなく、生真面目な部分や家族思いでみんなのことを心配して、どうしたらみんなが仲良くいられるか常に考えている女性というのは、私にはぴったりだと思っています。あまりやってこれなかった役をこの舞台で演じさせていただくので、本当に楽しみですし、「高岡さんにピッタリだ」と言われるようになりたいと思います。

奥菜恵 : 私は実際には三姉妹の長女なんですけど、うちの三姉妹の一番下の末っ子と、私の演じる四女はやはりちょっとキャラクターがかぶるというか、若さ故の勢いとか甘えもあるんですけど、姉妹の中では一番しっかりしているというか、よく見ていて、上に心配をかけないように、自分だけで物事を決めて進めるとか、そういうしっかりしているところは、自分の妹を参考に活かそうかなと思います。

林隆三 : 自分が男兄弟育ちなので、こんな豪華な阿修羅も初めてですけど、だからこそしっかり愛そうかなと思います。皆さん、自分と性格が逆のようなことを仰りましたけど、僕は若い時にある演出家に「僕にこの役は実際と違うので難しいと思います」と言ったところ「役者と実際の君とのギャップがある方が面白いんだよ」と言われたんですよ!だからきっとこの芝居は滅茶苦茶面白いと思いますし、稽古場で僕もドキドキしながら一緒に作っていけると思います。僕もこんな色っぽい役は「誘惑」くらいでめったに無いんですよ。「たけしくん、ハイ!」の酒乱の親父とかね。ギャップがあるというところで非常に楽しめると思います。

>ご自分では恒太郎についてどう思いますか。娘たちがいて妻がいて…でも他の女性に惹かれるのは。

林隆三 : 信じられないですよね。ただ、女ばかりの中にいると、ありうるなとは思いますけどね。このシチュエーションはギャップがあって楽しめると思います。松本さんにはいろいろ演出していただいて楽しみたいと思います。

>加賀さんはいかがですか。

加賀まりこ : ものすごくギャップがありますよ。この方は大正生まれの女性で、私の知っている限り、昭和のはじめに結婚して子どもを産んだ女性の旦那さんで浮気していない人はまずいないような時代ですから、私なんかはそういうご家庭も見てきたので分からなくはないです。実際に私があそこまで懐深くいられるかというと無理。この役の人は本当にどっしりされてますけど、私は逆に甘えてやろうと思っています。

向田和子さんに質問ですが、『阿修羅のごとく』に関する印象深いエピソードなどは?

向田和子 : 脚本は掛け算だと思うんです。『阿修羅のごとく』は100点の脚本だとしても、それを演じる役者、演出家、カメラマンらが集まってできあがったものを観た時に向田邦子は「えっ!」と思ったはずです。100点の脚本が300点、500点に化けたと思うんです。姉は誉められると木に登るようなタイプだったので、良い反応にさらに力が湧いてきて、役者さんも音楽も気に入って自分の力以上のものが書けた作品だと思います。だからこそ、映画を作ってもらったり、こういう風に声をかけてもらえたと思いますね。姉の熱意とか嬉しそうな声を思うと私には引きずるものがありましたけど、30年も経ってしまって、また皆さんに取り上げてもらえたので、こうなったら皆さんにはめちゃめちゃにはじけてもらいたいと思います。今回の『阿修羅のごとく』の脚本を読ませてもらいましたけど、これは素直にとてもいい脚本だと思いました。場面が浮かぶし、何重奏にもなるという演出家の言葉も読み取れたので、良いものになると思います。それと、過去のことは抜きにして、平成の今の皆さんの感性で演じてもらうことをお願いしたいです。

『阿修羅のごとく』という作品の印象と、昭和の家族を演じることについてお聞かせください。

浅野温子 : 私は子どもの頃から女優をさせていただいていて、逆にその当時のTVや映画の名作を観られなかったので、向田作品とはタイムリーな接点が全く無いんです。平成の今『阿修羅のごとく』を演じるということについて、家族の中にある修羅というものは普遍的ですし、どういう形で演じていくかは演出していただきながらみんなで作っていけたらと思います。

荻野目慶子 : 小さい頃は四人兄弟であることが面倒くさいとか一人っ子だったら楽しそうと思うこともありましたけど、大人になってみると、兄弟がいると会った時に助けられたりとか、年を取るごとに兄弟というものをしみじみと感じます。いま時代がこれだけ激変していて昭和の懐かしいものとは違うので、向田さん独特の日常のゆらめきの中で描かれた兄弟とか家族とかを感じながら演じられるのは嬉しいし、それを楽しんでいただけたらいいなと思います。

高岡早紀 : 向田さんの作品はリアルタイムでは小さかったので全然観られなかったので、今回話をいただいてからドラマや映画など観させていただきました。私は、どちらかというと姉妹の絆が深い私生活で、それこそ昭和の大家族のように、一緒にみんなで遊んだりすることもありますし、母親のありがたみだったり、常にこうやって仕事していく中で感じざるをえないような状況にいます。こういう作品を演じさせてもらうことで、いま核家族化している世代ですけど、あらためて家族のありがたみを感じてもらえるような、家族が沢山いると楽しいよということも伝えていきたいなと思います。

奥菜恵 : 私はドラマ放送の年の生まれなので、映画の方の印象の方が強いです。中でも好きなシーンが、おかきをみんなで食べるシーンで「お母さんの踵みたいね」というセリフがあって、血がつながった姉妹なんだけどそれぞれの性格がすごく出ていて象徴的でした。この台本を読んでいてもそのシーンは笑いが止まらないというか、うちも三姉妹なのでそれぞれの見方で笑い合ったりすることがあったので、そんなところにいろいろ感じるところがあります。

林隆三 : 向田邦子さん脚本の「隣りの女-現代西鶴物語-」を浅丘ルリ子さんと桃井かおりさんと根津甚八さんとで演じていて、とてもあたたかい眼差しでセリフが選りすぐられているというか、セリフの中にキャラクターが織り込まれてそのハーモニーが面白いとその時も思いました。この『阿修羅のごとく』の芝居は意外にタイムリーだと思っています。こんなキャスティングでいま『阿修羅のごとく』を演じるということで、リアリティを感じています。

加賀まりこ : 向田さんは俳優の声の色を気になさる方で、私が初めてお会いしたのは30歳くらいの頃で、「あなたがどんな声を出す人か知りたかったの」と言ってもらえて、その後何本も出演させていただきました。当時の『阿修羅のごとく』の初本読みの後に向田さんお宅に行ったところ機嫌が良くて、「演出家がどんな人か気になっていたんだけど、最初にこの音楽を使いますとトルコの軍隊行進曲(※「ジェッデイン・デデン」会場でもかかっていました)を聴かせてくれたのを見て、この人は信用置けるわと思ったので、今回絶対成功するのよ」と言われたのを思い出しました。

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阿修羅とは、インドの民間信仰上の神のことで、外には仁義礼智信を標榜しますが、内には猜疑心が強く、日常争いを好み、偽って他人の悪口を言う。怒りや争いの象徴とのことです。

有名な本作品にちなんで、
皆さまの“阿修羅な”エピソードなどあればぜひお聞かせください。

Information

舞台『阿修羅のごとく』

東京公演:2013年1月11日(金)~29日(火)ル テアトル銀座by PARCO
大阪公演:2013年1月31日(木)~2月3日(日)森ノ宮ピロティホール
名古屋公演:2013年2月9日(土)~10日(日)名鉄ホール

主催:東京・大阪公演:Quaras、名古屋公演:東海テレビ放送、Quaras

昭和54年冬。久し振りに竹沢家の四姉妹が集まった。
70歳を迎える父・恒太郎に、愛人がいるというのだ。俄かには信じられないが、滝子の雇った探偵の写真には、見知らぬ女性と子供と写る父の姿があった。
母・ふじの耳には入れないようにしよう、と約束する姉妹。この事件を機に、一見平和に見えた女たちがそれぞれに抱える、日常のさまざまな事件が露呈してくる。

原作: 向田邦子
上演台本: 瀬戸山美咲
演出: 松本祐子
出演: 浅野温子 荻野目慶子 高岡早紀 奥菜恵
大高洋夫 中山祐一朗 広瀬友祐 彩夏涼 山本亨 伊佐山ひろ子
林隆三 加賀まりこ

料金:9,800円(税込)※未就学児童入場不可、営利目的の転売不可

公式サイト: http://www.ashura-stage.com

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