OKStars インタビュー

Vol.227 『アウトロー』

来日記者会見

OKStars Vol.227はトム・クルーズ主演『アウトロー』来日記者会見!トム・クルーズ、ロザムンド・パイク、クリストファー・マッカリー監督が出席した会見の模様をお送りします!

ではまずはご挨拶をいただきます。

クリストファー・マッカリー : 本日はお集まりいただきありがとうございます。今までにもメディアの皆さんには良い質問をたくさんしていただき、感謝しています。

ロザムンド・パイク : 日本に来られて大変嬉しく思います。東京が大好きで、世界一COOLな街だと思っています。今回この『アウトロー』を紹介できて嬉しいです。

トム・クルーズ : ありがとうございます。昨日も空港で大変暖かい歓迎を受けました。新作を携えて日本に来られて嬉しいです。

新たなヒーロー、ジャック・リーチャー役について、注意したことや苦労したことをお話しいただけますか。

トム・クルーズ : クリストファー・マッカリー監督の書いた脚本が素晴らしいんだ。実は『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』もクレジットされていないけど彼が書いたんだ(会場:どよめき)。クリス(※監督)とは何年も前から友人で、映画好きだし、いつも新しいストーリーを考えているし、会うといつも映画のことを話すんだ。
この『アウトロー』はリー・チャイルドの小説を原作としているけど、ジャック・リーチャーという男は非常に古典的なんだ。映画の役柄で言えば、西部劇の用心棒や、サムライや浪人のようなスピリットを持っている男だね。このデジタルの時代にネットもやらない、携帯電話も持たず公衆電話を使うアナログ人間というわけだ。そして人の味方である。さらに、知的で、肉体的にも訓練されているから、役者としては演じたくてしょうがないくらい魅力的なキャラクターなんだ。アクションもユーモアもあるし、今回はカーチェイスで新しいアプローチもしたんだ。さらに、ロザムンド・パイクのような美しい共演者に恵まれたからね。しかも、彼女は撮影当時、妊娠していたんだ!(会場:どよめき)みんな驚いてるね。撮影後に男の子を出産したんだよ(会場拍手)。だから、彼女のお腹が大きくなっていく前に撮り終えなければならなかったんだ(笑)。そのため、昼間に彼女が撮影に臨む第1ユニット、そして夜に危険なカーチェイスの撮影をしたんだ。そして、カーチェイスはスタントなしで全て僕が演じた。カーチェイスのシーンで面白いのは、クリスはエンジン音をBGMに変えてしまったことだね。そしてこのシーンはCGは一切使っていないんだ。だから生々しい男の強さを出すことができただろうし、お客さんはきっと座席から身を乗り出して観たくなるはずだよ。モダンなハイテクももちろん使ってはいるけど、僕にとって大事なのはハイテクよりもストーリーを語ることなんだ。僕が一番注意を払うのは、お客さんがこのエンターテインメントを楽しめるかどうか。だからストーリーをしっかり語ることでキャラクターの魅力に観客を引きずり込むんだ。カーチェイスのシーンの話に戻ると、ジャック・リーチャーという人物は決して運転がうまいわけではなくて、むしろ危なっかしい運転をする奴なんだ(笑)。なのでね、撮影用のクルマを8台廃車にしてしまって1台だけが残ったけど、その1台は撮影後に誕生日のお祝いにもらうことにしたよ(会場笑)。一番大切なクルマなんだ!

キャスティングにはどのくらいトム・クルーズさんの意向が反映されているのでしょうか。

トム・クルーズ : もちろん僕もキャスティングに口を挟むけど、クリスのキャスティングの素晴らしい本能を信じているので、彼が決定権を持っているんだ。それとこの『アウトロー』は僕の映画だとは決して言わないよ。“Our Movie”なんだ。スタッフみんなでストーリーを見せる映画を作り上げたんだから。プロデューサーとしてはクルーを守る部分もあるけど、スタッフを尊敬して、僕らみんなのがんばりを結実したものにしようと努めたんだ。僕の仕事はスタッフひとりひとりが仕事に専念できるようにすることだった。チームとしてまとまって、僕らができるベストなものを作れるようにね。役者としては、クリスの演出で演じるだけだった。何より信頼しているからね。そうだ、次回の『ミッション:インポッシブル』はクリスが監督をするよ!(会場拍手)…クリス、こんなところで何やってるんだい?早く準備をしないと(笑)

原作の「ジャック・リーチャー」シリーズは大ベストセラーということで、その映画化に対して原作ファンに気を使ったところと、原作者のリー・チャイルドから何か要望はありましたか?

クリストファー・マッカリー : 僕は「ジャック・リーチャー」のファンの方というのは、「ジャック・リーチャー」というフランチャイズだったり株式を買った人のように受け止めているんだ。原作がベストセラーなのもファンがたくさんついたからなので、彼らは大切だし、とても尊敬しているんだ。一方で、映画化にあたってあまりにも原作に忠実に再現しようとすると、あまり良い作品にはならないこともある。だから僕たちは何が一番大切なのかを検討し、それをきちんと出していこうとした。それで一番大切なのはジャック・リーチャーという人物だという結論に達したんだ。
リー・チャイルドについて言うと、彼の作品はそもそも映像化しやすいんだ。もともとTV関連の仕事をしていた人だから彼が書くトーンやユーモア、ビジュアルの描写は、非常に映画化しやすかったんだ。だから彼も映画を観てとても喜んでくれたよ。僕たちの映画でもあるし、リーの映画でもある、彼もまたパートナーなんだ。

トム・クルーズ : リーは本当にクリスの脚本に惚れ込んでいたよ。実はね、リー・チャイルドも『アウトロー』にカメオ出演しているんだ。

クリストファー・マッカリー : タネ明かしをするとジャック・リーチャーにパスポートと歯ブラシを渡すシーンの人物だね。なぜなら、ジャック・リーチャーの所有物として原作で描かれていることを象徴的に表しているからさ。

ロザムンド・パイクさんは、男性がたくさん出てくる中で存在感を発揮していましたが、苦労したところと良かったところをお聞かせください。

ロザムンド・パイク : 男性がとても多い中で数少ない女性のキャストということで、こういう素晴らしい機会を与えてもらったことを嬉しく思いますね。トムと監督のすぐ分かり合えるような友情と信頼関係のコラボレーションの中に私も入っていこうと努めました。それと、撮影前に脚本の読みあわせをそれこそ10回くらい行なってから、撮影に臨みました。こういった女性キャラクターが少ない映画だと、たいてい女性が窮地に陥って、男性に助けられる展開になってしまいますが、私の演じたヘレンもまた窮地に陥りますが、自分を持った女性でもあるんです。作品を通して彼女は成長し、より良い弁護士になっていくところは良かったですね。

トム・クルーズ : もしもヒッチコックが生きていたら、彼女をあらゆる映画に起用したと思うんだ。多分ヒッチコックのタイプだからね(会場笑)。先にキャスティングしたことをヒッチコック先生は妬んで怒っているだろうね(笑)。

マッカリー監督は『M:I』最新作の監督を務められる、と今お話しがありましたが、監督から見て俳優トム・クルーズについての魅力を。

クリストファー・マッカリー : 映画を作ることは一番大変な作業であるけど、同時にものすごく楽しい経験ができることなんだ。とりあえず、映画を作り始めるとトムと僕は寝ません(会場笑)。僕らはお互い、日夜、映画の仕事をしていることに気づけて嬉しいですね。脚本執筆は孤独な作業だけど、トムと一緒にいるとそうは感じないんだ。それとトムという人物は常に学ぼうという姿勢を持っている人でね。現場にやってきて自分のやり方を押し付けるようなタイプではないんだ。トムはそのキャリアの中でスピルバーグをはじめ、20世紀を代表する素晴らしい監督と仕事をしてきた。なので、トムと仕事をするということは名監督と一緒に仕事をすることと同じだし、僕の仕事はずっと楽になるんだ。

『アウトロー』にはハラハラ・ドキドキするシーンがたくさん出てきますが、とくにお気に入りのシーンを教えてください。

トム・クルーズ : カーチェイスのシーンの話になるけど、あらかじめこうやろう、という計画を立てて撮影に臨んでも、その場の状況や突発的なアクシデントによってどんどんシナリオも変わっていくし、変えていったんだ。このカーチェイスの撮影の時は冷え込んでいて、道路が濡れている悪条件だったんだ。あの時使ったシボレー・シェベルはスタント用の特殊なクルマではなく普通のクルマなんだ。クルマというものには1台1台に違った癖があるので、きちんと試験走行をしてその癖をつかまなければならない。そして、高速でとばせばハンドルも揺れるから、運転が難しいし、しかもジャック・リーチャーは凄腕ドライバーというわけではない。実際に走らせる時には、撮影ポイントをきちんと通過しないといけない。そこが難しいんだ。障害物にぶつかればただじゃすまないし、撮影ポイント側にも様々な配線があって、そっちに突っ込んでもやっぱりただじゃすまないからね。ちなみに、映画会社はそんな危険な撮影をしているとは全く感知していなかったよ(笑)。
僕の運転するシボレー・シェベルがトンネルから出てきて壁の前に積まれた障害物に曲がりきれずにぶつかるシーンがあるけど、実はシナリオではそこはかすめて通り抜けるはずだったんだ。だけどスピードは出しているし、路面も滑りやすかったから、9台しかない貴重なクルマをぶつけてしまったわけだ。ここで撮り直しをしようとすると、様々な準備が必要だし、クルマの癖を知る時間もかかってしまう。だからその場の判断で続行することにしたんだ。あの場面、曲がりきれずに障害物にぶつかってしまった時にクルマがエンストしてしまったから、内心マズイと思いつつ、エンジンをかけ直してまた走り出すことができた。ワンショットの撮影だったんだけど、ワイドカメラの撮影から、エンストしてクルマがストップしたのがきっかけとなって寄りのカメラが入っていけたので、結果的に素晴らしい映像になったんだ。
もうひとつ気に入っているのは、やはりカーチェイスのシーンで、丘を下って行くところ。僕の横顔をカメラが捉えて、後ろには追跡してくるパトカー、前方には逃げる敵。75マイルくらいのスピードでとばしていくんだけど、ワイドレンズだから前方を行くクルマが遠く感じるんだ。だからもっとスピードを上げて近づかないといけなくて、撮影ポイントとカメラのフレーム、それと相手とのタイミングを考えながら、ぶつかる寸前ギリギリのところでやってのけたんだ。

トムさんのプロデューサーとしての印象をお聞かせください。

ロザムンド・パイク : 『アウトロー』をご覧になると分かると思いますが、これだけ興奮できる映画はそうそう無いし、トムの30年に渡るキャリアがなせることだと思います。そしてこれだけ長い期間、映画作りに携わり、専門知識もあるのに、『フレンチ・コネクション』とかを観ながら「こういうのをやりたいね」などと話していたり、今なお学ぶ姿勢を持っていることが素晴らしいです。それと、監督に編集の時間と選択肢を多く与えようとしていました。テイクを多めに撮るようにしたり、そういう配慮もありました。

クリストファー・マッカリー : 僕の映画人生はトムと比べると対照的で苦難の多い道程だったんだ。1本映画を作る陰で、5本くらい作れなかった映画があるから。そんな生活を20年もしていると、何かやり方を間違ったんじゃないかと思うこともあった。そんな時にトムと出会って初めて話した時に、彼は自分とは違うという先入観を持っていたけど、実際には共通の価値観を見つけることができたんだ。それは映画作りで最も大切な「ストーリーテリング」、ストーリーを語るという手法で同じ意見だったんだ。それと、これはみんな知らないことだけど、トムは最も説得力の必要な人物なんだ。だから逆に言えば、トムさえ説得すれば、他の人を説得する必要はなくなるんだよ。トムが説得してくれるからね。僕とトムは現場で対立も口論もなく、一緒に映画作りの素晴らしさを体験できた。振り返ると、20年かかって僕と同じように間違っている人(笑)と出会えたことは幸運だね。

では最後に『アウトロー』公開へのいきごみをお聞かせください。

トム・クルーズ : プロデューサーとしての僕の信念でもあるけど、すべてのお客さんを楽しませるためにベストフィルムを作りたい。いつもそういう気持ちで取り組んでいるんだ。今回はアクションも満載だし、魅力的なキャラクターが登場する。製作予算はそれほど大きくなかったけど、ハイクオリティな映画に仕上がったと自負しているよ。尊敬できるスタッフを集められたし、僕も身を粉にして働いたんだ。とにかく映画作りは楽しい。好きな仕事をしている人たちと仕事をすることは素晴らしいし楽しいんだ。45時間ぶっ続けの撮影なんてこともあったけど、それでも楽しいんだよ(笑)!

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『アウトロー』というタイトルにちなんで、
みなさんには“アウトロー”の要素がありますか?どんなイメージでしょうか?
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Information

『アウトロー』
2013年2月1日(金)より丸の内ピカデリー他全国ロードショー

6発の銃弾、5つの死体。事件は闇に葬られるはずだった…。
ピッツバーグ近郊。白昼に6発の銃弾が発射され5人が殺害された事件で、元軍人のスナイパー、ジェームズ・バーが逮捕される。そして彼は、刑務所への護送中に他の囚人たちに、襲われ意識不明となってしまう。事件が闇に葬り去られようとした時、警察にジャック・リーチャーが現れる。彼は一見単純なこの事件の闇にある、隠された真相に挑むのだった…。

監督・脚本:クリストファー・マッカリー(『誘拐犯』監督、『ユージュアル・サスペクツ』『ワルキューレ』脚本)
主演・製作:トム・クルーズ
出演:ロザムンド・パイク、ロバート・デュバル 他

http://www.outlaw-movie.jp/
https://twitter.com/outlawmovie
https://www.facebook.com/outlaw.movie

配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン

(C)2012 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

Profile



トム・クルーズ
1962年7月3日、アメリカ・ニューヨーク州シラキュース生まれ。
俳優、プロデューサー、また慈善家として、30年以上にわたるキャリアで偉大な功績を成し遂げている。アカデミー賞(R)に3回ノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞を3回受賞した。また彼の作品は、全世界で80億ドル以上を稼ぐという比類ない業績をあげた。そのうち17作品は米国内だけで1億ドル以上の収益を出し、18作品が全世界で2億ドル以上を稼ぎ出した。
今後の最新作は、ジョセフ・コシンスキー監督の『Oblivion』(13)で、2013年4月に公開が予定されている。続いてダグ・リーマン監督のSFスリラー『All You Need is Kill』(14)の撮影が始まる。

ロザムンド・パイク
1979年1月27日、イギリス・ロンドン生まれ。
現代的で多面性があり、舞台と映画両方で世界的な評価を得て、急速に注目され始めた女優である。
主な受賞歴には、『リバティーン』(04)で英国インディペンデント映画賞助演賞、『プライドと偏見』(05)でロンドン映画批評家協会賞を受賞。

クリストファー・マッカリー
アメリカ・ニュージャージー州プリンストン・ジャンクション生まれ。
脚本家、プロデューサー、監督として活躍している。
1995年、『ユージュアル・サスペクツ』の脚本を手がけ、アカデミー賞(R)、英国アカデミー賞、エドガー賞、インディペンデント・スピリッツ賞の脚本賞に輝く。トム・クルーズ主演作品では『ワルキューレ』(08)の共同脚本、プロデュースを担当した。
次のプロジェクトには、ジェームズ・マンゴールド監督の『The Wolverine』(13)、トム・クルーズ主演の『All You Need is Kill』(14)の脚本がある。

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