OKStars インタビュー

Vol.237 製作発表会

『攻殻機動隊ARISE』

OKStars Vol.237は2013年2月12日に開催された、全世界を席巻する攻殻機動隊シリーズ待望の最新作『攻殻機動隊ARISE』製作発表会の模様をお送りします!

登壇者:石川光久(Production I.G社長)、黄瀬和哉(総監督)、冲方丁(脚本)
司会:吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)

TVシリーズや劇場版で黄瀬監督が担当されるのは初めてですか?

石川光久 : 初めてです。脚本の冲方さんもですが、この作品でないとこれだけのスタッフは集まらなかったと思いますし、集まったスタッフは世界で勝負ができると思います。

今のお気持ちは?

黄瀬和哉 : 正直、場違いだと思います(苦笑)。絵ばかりを描いてきた人間が演出できるのかと、自信があるわけではないし、最初に話を聞いた時にはゴネたこともあります。

冲方丁 : 僕は大変嬉しいです。怖い気持ちもありますし、ゴネたこともあります(笑)。非常に影響を受けた作品でもあるし、それに対する恩返しの気持ちと挑戦の気持ちの2つで作品を作ろうと思っています。

『攻殻機動隊ARISE』成り立ちについてお聞かせください。士郎正宗先生とお話をされたのですか?

石川光久 : 2010年の夏に新しい攻殻機動隊を作りたい、という話をしました。その時に士郎先生とお話したのは、今の海外ドラマ「CSI:科学捜査班」のような作品は脚本がすごくいいという話をして、1時間枠でああいう作品ができたらいいなと話しました。それであればぜひ描いてください、とお願いしたところ、士郎さんからは冷静に断られたんです。でも、断わられた思っていた2ヶ月後にはこの作品のプロットとキャラクター原案を描いていらっしゃったんです。ですが、これがまた、物凄くハードルが高い。そのハードルが高いのをそのまま冲方さんにスルーしたんです。

>では黄瀬さんよりも先に冲方さんにお話が行ったのですね。

石川光久 : この話は最初に士郎さんがハードルを上げてしまったし、ものすごいプロットだったので、それを読解するところも含めて、これを受け止められるのは冲方さんしかいないだろう、と思いました。

ではこの原案を受け取られて冲方さんはどんなリアクションを取られましたか?

冲方丁 : 素晴らしい、と言うよりも、「こんなこと考えてたの?」というくらいに、これまでの攻殻機動隊では見たことのないものでした。こんな情報を見られて嬉しいと思う反面、石川さんからの「これで「CSI:科学捜査班」みたいなのを書いてよ」に、思わず「おい!」と言いたくなるくらいハードルが高いわけです。悩みましたけど、ビジョンが明確にあるのと、士郎正宗さんがすごいと思うところですけど、自由度もすごく高いんですね。「お前はこれを見せられて何か作れるか?何を作れるんだ?」と問われているような設定・プロット・キャラクターで、見たこともない新しいキャラクターもいるわけです。そういったキャラクターを従来の攻殻機動隊と新しい攻殻というものをちゃんと接点を持って描いたらどうなるんだろうと。とにかく情報量の多い作品なので、監督と綿密に話し合いながら作っている感じですね。

石川社長に押し切られて、黄瀬さんも連れても来られちゃった感も見受けられますけど、実態はいかがだったでしょう。

黄瀬和哉 : はっきり言うと社命でした。「これからいう話を断るな」という前提で聞かされましたので。

>冲方さんも最初は悩まれるようなハードルの高さだったということで、それを受け止めてどう感じましたか。

黄瀬和哉 : 僕は内容面に関しては冲方さんにお任せ、という状態だったので、デザイン面、ビジュアル面をどうしようというのが先でしたね。

>キャラクターは公安9課の面々が出てくるのだな、というのは分かりますが、デザインは大きく変わっているとも思います。その辺りはどうしようと考えましたか。

黄瀬和哉 : 最初はもっと士郎さんに寄せようと考えてラフを出しましたが、士郎さんから「男性側のキャラクターがリアルなので素子もそちらに寄せて欲しい」と言われたので、だったら最初の「GHOST IN THE SHELL」から派生したキャラクターにしようとシフトを変えました。

どんなことを考えながら脚本作業に当たられましたか。

冲方丁 : 絶対ぶれていけない軸は草薙素子という人間物語があるということ。彼女を人間として捉えて、生い立ちとか、なぜ草薙素子が草薙素子になったのか、をしっかりと目をそらさずに書こうとしました。彼女のちょっとした感情とか生々しさ、テクノロジーが発達しているからこそ浮き立って来る人間の生々しさにちゃんと目を向けようというところが重要かなと思っています。

>話を作るやり取りの中で、何かきっかけになったことはありますか?

黄瀬和哉 : 士郎さんのプロットは自由度が高いので、過去にも未来にも触れてしまえるんですね。だったらここで過去をやってしまおうか、と会議で話し合いました。その時に“ARISE”というサブタイトルをその場で決めて、その時からいろいろなことがすっと進み出しましたね。

>ではこの“ARISE”は士郎正宗さんがつけたものではないんですね。

黄瀬和哉 : そうですね。冲方さんから幾つか案を出していただいて、この“ARISE”に決めました。

2010年に作ろうと決めてから、2013年に発表ということで、ここまで時間がかかった理由は?

石川光久 : 理由は様々で一言では言えませんが、今の話の流れで言うと、黄瀬が描いてきた草薙素子の絵を見た時に「ヤバイ」と思いました。黄瀬は本気だと思ったからです。このキャラクターは相当クオリティが高くないとできない、つまり、黄瀬のキャラクターはまだ完成形ではなくて、これが動いて作画監督して初めてキャラクターが完成するので、現場も大変だろうなと。そういうこともあってこれは時間がかかるだろうなと思いました。黄瀬の絵を見て本気度を感じたのは今回が初めてですね。身震いしましたね。

冲方さんはデザインを見てどう思いましたか?

冲方丁 : ファッショナブルですよね。共感を持たれるようなデザインだと思います。これが動いたらすごいぞと思ったのと、これを動かせるのか?、というヤバさを僕も感じました。でも、脚本を書く立場からすると幸せですよ。物語にこういう風に命が吹き込まれるんだと、ぞくぞくしました。

>冲方さんはアニメの脚本や制作のご経験もありますが、今回は脚本を書く上で現場がどうなるかは意識されましたか?

冲方丁 : 最初は意識した方がいいのかなと思っていましたが、書いているうちにどんどんタガが外れて「いいのかこれで?」という風になっていきました。でも、誰もNGを出さないし、黄瀬監督も全く反対しないんですよ。絶対に現場の作業は大変なはずですので、Production I.Gは手加減なしで大丈夫だぞ、という意味では楽でもあるし大変ですね。その分、跳ね返ってもきますからね。

本作は音楽をコーネリアスが担当していますが、このアイディアはどこから?

石川光久 : これまでに音楽を担当した川井憲次さんと菅野よう子さんがあまりに偉大すぎるので、攻殻機動隊の世界を構築できる音楽家はいるのかなと悩みました。紆余曲折ありましたが、コーネリアスなら自力で世界を構築できるだろうし、世界に発信するのならコーネリアスにやっていただけたらというのが製作委員会の思いでした。最終的には黄瀬監督とコーネリアスさんが会っていただいて、決まったという経緯ですね。

黄瀬和哉 : お会いして、「大丈夫ですよね」「はい、大丈夫です」という感じでした。今まであるようなものではないものが来るだろう、という信頼はありました。ファン心理で楽しみでした。

>メッセージを預っていますので代読しますね。
「攻殻機動隊は設定やストーリーが面白くて、小6になる息子と一緒にハマりました。僕が音楽を作る「ARISE」では攻殻機動隊の世界に今までと少し違った感覚を加えていきたいなと思っています。バイオロイドにも喜んでもらえる音楽になればいいなと思います。 コーネリアス」

キャスティングはいかがだったでしょう?

石川光久 : 最初の攻殻機動隊の「GHOST IN THE SHELL」の設定が2029年です。今回、士郎正宗さんから上がってきたプロットが、その2年前の公安9課に素子が誕生するまでの話なんです。そういうことになると一番新しい攻殻機動隊と言ってもいいので、キャストに関しては全く今までのキャストではなくて、まっさらに決めてもいいと言えるんじゃないかなと。それが最初に浮かびました。

黄瀬和哉 : 僕はアニメの業界は長いですけど、実は声優さんのことはほとんど知らなくて、今回もボイスデモを聞いて選んだので、周りが「このキャスティングでいいの?」というようなキャストを選んでいることもあるようです。決めたところで声優さんのお名前がすっ飛んでいるので、3人くらいのお名前しか覚えてないくらいです。

冲方丁 : 黄瀬監督はそうやってすっとお話しされていますけど、集中力は桁違いでしたから、キャストについては僕が口出しするような隙はなかったですよ。

【ここで、声優陣が発表され、スペシャルゲストとして、草薙素子役に決まった坂本真綾さんが登壇されました。】

草薙素子を演じる坂本真綾さんにお越しいただきました。坂本さんは攻殻機動隊に関わられたことがあるんですよね。

坂本真綾 : はい。95年の「GHOST IN THE SHELL」と02年の「STAND ALONE COMPLEX」の時に、“こどもとこ”として素子さんが少女の擬体の時に私がやらせていただきました。

>元々のシリーズと離れて全く新しいシリーズを作るというところに、運命的なつながりがあったということでしょうか。選ばれていかがでしたか?

坂本真綾 : すごく嬉しかったのと、これはきっといろんなご意見があるだろうなと(笑)。私自身、攻殻機動隊シリーズが大好きなので、キャストが替わるということについては、そのことに慣れていただくまでには頑張らないといけないなと思います。“こどもとこ”として演じた経験があるので、今回も役立てることができれば嬉しいなと思います。

>“こどもとこ”ってさらっと言っていますが、公式な名前でしたっけ?

坂本真綾 : あれ?台本には書いてあったような気がするんですが…(会場笑)

>黄瀬監督、いかがですか?

黄瀬和哉 : その頃は絵しか描いてなかったので…。

坂本真綾 : 監督が私の名前は覚えていらっしゃるかが気がかりです。

黄瀬和哉 : はい、それは大丈夫です。

>こんなこと言っていますけど、黄瀬監督の意見が非常に強かったと聞いておりますよ。

黄瀬和哉 : はい、それは間違いありませんね。

坂本真綾 : そうなんですね。アテレコもこれからですし、監督には、どんなイメージで選んでいただいたのかをお聞きしたかったんです。“こどもとこ”を演じていたからではないんですよね。

黄瀬和哉 : それは無いです。今回の声を聞いて、というだけです。

>草薙素子のビジュアルをご覧になってどんな感想をお持ちですか?

坂本真綾 : ちょっと若返ったのかなと。少し幼さがあるというか。以前から知っているキャラクターである安心感と、髪型のせいなのか、前よりもちょっと表情が出やすそうな気がするので、そこに以前との違いがあるのかなと勝手に想像しています。

では最後に一言メッセージをお願いします。

坂本真綾 : キャスト一新ということで私たちも緊張していますが、“ARISE”の世界を作っていく一部として、一人一人頑張っていきます。私自身は、95年に初めて攻殻機動隊の世界に参加した時に15歳でした。いま32歳になり、また同じ延長線上で演じられることにご縁を感じています。愛情をもってすべてをかけて受け取らせていただきますので、よろしくお願いします。

冲方丁 : 僕も攻殻機動隊を初めて知ったのは16歳の時でした。それから20年、これまで自分が学んできたことをこの作品に叩きこみ、また新たな作品を作っていきたいと思います。全力を尽くします。よろしくお願いします。

黄瀬和哉 : 今までは絵だけを描いていればよかったのですが、これからは他のことも頑張っていかなければならないので、なるべく期待に沿えられるように、現在も頑張っているスタッフ共々と頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

石川光久 : 今回、黄瀬が総監督をやって、錚々たる作監の顔ぶれです。やはり、ベテランの域に達して、意地があるんです。そこに中堅、若手が戦いを挑んでいく。そういうチームができていますので、ぜひ期待して、皆さんに感想と夢を与えたいと思いますので、よろしくお願いします。

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Information

『攻殻機動隊ARISE』
2013年6月22日(土)より、『攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain』
TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、新宿バルト9ほかにて全国劇場上映【2週間限定】
全4部作。

※2013年3月30日(土)より、『攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain』劇場前売鑑賞券発売スタート!

【CAST】
草薙素子:坂本真綾
荒巻大輔:塾一久/バトー:松田健一郎/トグサ:新垣樽助
イシカワ:檀臣幸/サイトー:中國卓郎/パズ:上田燿司/ボーマ:中井和哉

【STAFF】
原作:士郎正宗
総監督:黄瀬和哉
構成・脚本:冲方丁
音楽:コーネリアス
制作:Production I.G

公式サイト
公式Facebook
公式Twitter

(c) 士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員会

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