OKStars インタビュー

Vol.242 アニメ監督

寺本幸代

OKStars Vol.242は『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』の寺本幸代監督へのインタビューをお送りします!

これまで2007年の『のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~』(以後、『新魔界大冒険』)、2011年の『新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~』(以後、『新・鉄人兵団』とリメイク作品を手がけてこられましたが、今回初めての新作を手がけられて、いかがでしたか?

原作にないオリジナルストーリーを作るというのはすごくエネルギーのいる作業で、藤子・F・不二雄先生の世界に近づけるために、とにかく原作を読み込みました。それと、今回はひみつ道具がたくさん出てくるので、『最新ひみつ道具大事典』(小学館刊)などの関連書籍を、頭から終わりのページまで熟読しました。ひみつ道具のリストアップに思った以上に時間をかけてしまって、1年間という制作期間で、公開に間に合うかどうか不安になったほどです(笑)。作品全体の雰囲気としては、これまで手がけてきた『新魔界大冒険』、『新・鉄人兵団』がシリアス系でしたので、今回はとにかくギャグをたくさん入れて、楽しい映画にしようという意識で作りました。

「ひみつ道具」について映画で描こうと考えたきっかけを教えてください。

ひみつ道具をフィーチャーするために「ひみつ道具博物館(ミュージアム)」を舞台にするというのは、藤子プロさんとむぎわらしんたろう先生が共同で作られた企画が元になっています。2011年9月に「藤子・F・不二雄ミュージアム」がオープンしたので、その記念もあって生まれた企画なんじゃないかと思います。ひみつ道具の種類は、今までの公開されたドラえもん映画の中では一番多く出ているはず。みんなが知っている代表的なひみつ道具の「どこでもドア」や「タケコプター」は、初期の古いバージョンから、もっと進んだ未来バージョンまで登場させました。原作でちょっとしか登場していないひみつ道具もこっそり入れているので、映画を観て気になった人は、DVDが発売されたら一時停止しながら探して欲しいです(笑)。

「ひみつ道具」を作る専門の職人がいて、彼らの集まる「島」があるという設定になった経緯を教えてください。

まず、“「ひみつ道具博物館(ミュージアム)」がある島”に関してですが、これは藤子プロさんから最初にいただいた企画書のなかに、フランスのモン・サン=ミッシェルのような島というメモがあったんです。それをキーワードにして島のイメージを作り上げていき、美術監督たちと話し合って少し不思議な感じの島にしてみました。この島にひみつ道具職人が集まっているだとか、ひみつ道具に特殊な鉱石が使われている……といったアイディアは、スタッフみんなでの会議をするなかで生まれたものです。

なぜ今回、のび太を探偵にしたのでしょうか?

今回『ドラえもん』の原作(3巻)に登場した、「シャーロック・ホームズセット」というひみつ道具が出てきますが、元になっている小説、『シャーロック・ホームズ』シリーズは私も大好きです。この小説が今の時代まで長く愛されている理由は、優れたミステリーというだけじゃなくて、ホームズとワトスンの友情がちゃんと描かれているからこそだと思っています。のび太とドラえもんも、ホームズとワトスンのような友情関係として描きたかったので、のび太をシャーロック・ホームズ、ドラえもんをワトスンに見立てて、お話を作ってみようと思いました。

寺本監督の作品ではキャラクターの繊細な描写も多く、女性らしさを感じますが、意識して描かれているのでしょうか?

私は人間の感情を描くのが好きなんです。アクションやミステリー、楽しい要素も取り入れつつ、ちゃんとキャラクターたちの気持ちも描きたい。「ドラえもん」「のび太」「しずか」「ジャイアン」「スネ夫」のレギュラーキャラの5人はどの子もとても愛おしいので、大切に描きたいという想いが常にあります。今回「ドラえもんの鈴」を取り上げたのも、ドラえもんとのび太の友情を描きたかったから。脚本を担当いただいた清水東さんが書かれたプロットのなかに“鈴を探す”という土台があったので、「これだ!」と思い、自分のなかで二人の友情を伝えられるようなエピソードを膨らませていきました。

今回、さまざまなゲストキャラが登場しますが、特に好きなキャラは誰ですか?

今回登場したゲストキャラの中では、館長が一番好きなんですが、ポポンもかわいくて好きですね。ポポンは「ひみつ道具博物館」でのび太と友達になるクルトという男の子が偶然作ってしまった軟体生物のようなロボットなんですが、物語のキーを握っているキャラでもあるので、どんな活躍をするのか楽しみにしていてください。地下に隠れて実験をしている車椅子に乗ったペプラー博士も、いかにも探偵小説に出てきそうなキャラで好きですね(笑)。怪盗DXとマスタード警部のひみつ道具合戦も必見ですよ。楽しいお話にしたかったので、みんな根っから明るくて、ポジティブな性格にしています。クルトが想いを寄せている、ペフラー博士の孫娘・ジンジャーも可愛いキャラですので、注目してください。彼女については尺があればもっと描きたかったです。

ゲストとして出演された松平健さんの印象はいかがでしたか?

今回、松平健さんにはマスタード警部を演じていただいています。以前に個人的に松平さん主演の舞台を観に行ったことがあるので、マスタード警部をお願いすることになってびっくりしましたし、同時にすごく嬉しかったです。マスタード警部役では、すばらしい声を当てていただき感無量です!まさにマスタード警部のイメージにぴったりでした。

今回出てきたひみつ道具の中で、小さい頃に使ってみたかったひみつ道具や、今現在、使いたいひみつ道具を教えてください。

小さい頃は、「どこでもドア」にすごく憧れていました。でも、大きくなってスケジュールに追われながら仕事をしていると「コピーロボット」が欲しいなって切実に思います。自分のコピーがいたら、仕事がもっとはかどるんじゃないかと淡い期待を描きますが、実際はどうなんでしょうね。仕事の譲り合い合戦になるのかな(笑)。

完成した映画『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』の見所を教えてください。

とにかくミュージアムには相当数のひみつ道具が出てくるので、濃厚な画面をすみずみまで楽しんでください。そして、笑いあり、アクションあり、ミステリーあり、友情あり、心がほっとするような話もあり、いろいろな要素が詰まった、「なんでも館」みたいな映画なので、そこを楽しんでいただけたらと思います。もちろん映画ではお約束の“しずかちゃんのお色気シーン”も入ってますよ(笑)。子どもたちはもちろん、お父さん、お母さん世代の方もいろいろなひみつ道具が出てくるので、懐かしい気持ちを味わえるかも。肩の力を抜いて理屈抜きで楽しめる映画ですので、皆さんに心から笑っていただけると嬉しいです。

寺本監督からみんなへの質問

『ドラえもん』の原作の中で、一番好きなセリフは何ですか?

Information

『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』
2013年3月9日(土)全国東宝系ロードショー

ある日、昼寝をしていたドラえもんは、謎の男・怪盗DXに鈴を盗まれてしまう。「シャーロック・ホームズセット」で探したところ、未来にある「ひみつ道具博物館」に手がかりが…。 鈴を取り戻すために、のび太たちは未来へ向かう!
そこはすべてのひみつ道具が展示してある夢のような博物館。見習い道具職人でガイドのクルトに博物館を案内してもらっていたのび太たちだったが、ひみつ道具博物館でも怪盗DXによってひみつ道具が次々となくなる事件が!
はたしてドラえもんの鈴は無事に取り戻せるのか!? 怪盗DXの正体とは? ひみつ道具の謎がついに明かされる!!

ドラえもん:水田わさび
のび太:大原めぐみ
しずか:かかず ゆみ
ジャイアン:木村 昴
スネ夫:関 智一
ドラミ:千秋

原作:藤子・F・不二雄
監督:寺本 幸代
脚本:清水 東
音楽:沢田 完
主題歌:Perfume「未来のミュージアム」(ユニバーサルJ)

公式サイト

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2013

Profile

寺本幸代

2005年4月よりリニューアルされたテレビアニメ『ドラえもん』で絵コンテ・演出を手がける。『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~』(2007年)では映画ドラえもん史上初の女性監督に就任。『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~』(2011年)では二度目の監督を務めた。女性らしい感性でキャラクターの心情の変化などを繊細に描き、注目を集めている。

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