OKStars インタビュー

Vol.246 アニメ監督

細田雅弘

OKStars Vol.246は劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』の細田雅弘監督へのインタビューをお送りします!

本作に携わることになったきっかけを教えてください。

はじめに声がかかったのは、企画サイドで大筋のシナリオが出来ている段階でした。前々から僕の名前が挙がっていたようでしたが、それさえ知らなかったのでとても驚きました(笑)。僕はTVアニメ『ドラゴンボールZ』(1989~1996年放映)のスタッフだったので、この作品に携わるのはすごく久しぶり。『ドラゴンボール』は絵や世界観が特徴的なので、TVアニメに関わったことのある、慣れているスタッフのほうが良いというのが企画サイドの判断だったようです。声をかけてくださったのは、TVアニメ『ドラゴンボール』シリーズのプロデューサーをされていた森下孝三さん。元々アニメ監督をなさっていた方で、30年くらい前、僕が東映アニメーションに入社したばかりの頃の師匠でもあります。当時の業界は「弟子は師匠の背中を見て覚えろ」というのが当たり前でしたが、まさにそんな感じの方でした。ただ、単純なミスは別として、作品の内容的なミスは一切怒られたことがありません。僕なんかは若いスタッフに対して小さいことで怒っちゃうほうなので、今になってなんて太っ腹な人だったんだろうと思いますね。そんな尊敬する師匠からのオファーだったので、純粋に嬉しかったです。

久しぶりの『ドラゴンボール』作品。まず何から取り組んだのでしょうか?

知っている作品とはいえ時間が経っているので、鳥山明先生の原作を1巻から読み直して、おさらいするところから始めました。あらためて読んでみて、一人ひとりの世界観や個性がきちんと練りこまれた作品であることを実感しました。悟空はもちろん、その仲間たちや敵キャラ……、どれをとってもそれぞれのエピソードでキャラクターが確立しているから、ピッコロがどういうキャラで、クリリンがどういうキャラで……というのを作り直す必要がない。そういった意味では描きやすかったです。それと、鳥山先生の世界に出てくる悪役って、どのキャラクターも徹底的な悪い奴じゃなく、ちょっとお茶目ですよね(笑)。そこがファンの方から長く愛されるところだとあらためて感じました。

今回の映画は、『ドラゴンボールZ』と『ドラゴンボールGT』の間の物語ですが、どのように描きたいと思いましたか?

『ドラゴンボールZ』の最終章「魔人ブウ編」(1993~1996年放映)が終わったところで、悟空はこれ以上強くなるにはどうすればいいんだろう?というところまで強くなってしまった。だから今回の映画では、フリーザ、セル、魔人ブウを超越する存在として、「破壊神ビルス」という新たな敵キャラを鳥山明先生が設定されたのだと思います。と言っても、ただ強いキャラを出すというのは短絡的で面白くない。また、脚本を担当されている渡辺雄介さんが書いたシナリオを鳥山先生に監修していただくなかで、ビルス様はいろんな性格の持ち主であるということが分かったので、圧倒的に強いビルス様のお茶目なところを登場シーンから強調して描こうと思いました。作品全体としては“鳥山明テイスト”を打ち出せるように描いたので、ド派手なバトルシーンを描きながらも、ギャグを含んだ楽しい作品に仕上がっています。

強い敵が出てくるとワクワクする悟空ですが、監督ご自身が本作の制作においてワクワクしたことはありますか?

悟空もそうですが、実はビルス様も強敵を前にすると嬉しくてワクワクする性格。ビルス様は最初、悟空に対してハンデをつけて余裕で戦いますが、どんどんパワーアップする悟空を前に戦い方が変わっていきます。そんなビルス様の高揚感を描くときに、「これだな」って思う彼の表情が描けると、僕もテンションが上がってワクワクしました。

声優さんとはどのようなやり取りをしたのでしょうか?

『ドラゴンボールZ』の放映から約17年経っていることもあって、メインキャラクターを演じた声優さんがみんな大御所クラスに。みなさん超多忙なので全員集まってのアフレコができず残念でしたが、孫悟空・悟飯・悟天役の野沢雅子さんが、最初に悟空を力強く演じてくださったおかげで、他のキャストの方も録音された座長(野沢さん)のテンションの高さに引っ張られるように、みなさん頑張ってくれました。ベジータ役の堀川りょうさんにいたっては、ベジータが長く絶叫するシーンで、1回目から僕らが想像していた倍くらいの長さで叫んでくれたので圧倒されました。他の声優さんも久しぶりということもあって、現場のテンションもすごく高かったです(笑)。声としては問題ないと思ったので、敵のビルスとウイスのキャラクター付けをしっかりして、あとは絵を頑張れば成功するぞ、ということがアフレコのときから見えました。

本作の中で、監督のお気に入りのキャラクターを教えてください。

ビルス様と行動を共にしているウイスです。実は原画段階ではもうちょっと荒っぽいイメージのキャラクターだったのですが、それを上品な感じに修正してもらいました。セリフだけ見ると少しオカマちゃんですが、お姉系にしてしまうとよくいるキャラクターのイメージになってしまう。そこでウイスには中性的な要素を入れたいと思いました。声は森田成一さんに担当していただき、最初のアフレコで10何テイクも録ったのですが、何度も聞きなおしてみると、やっぱり1テイク目がいいかなって思ったりして(笑)。こちらのイメージに合わせるため、森田さんはかなり大変だったと思いますが、非常にいい芝居をしてくれたので感謝しています。そうやって時間をかけて、性格付けをしていったキャラクターなので、僕の中では一番のお気に入りですね。

ドラゴンボールを7つ集めると、神龍(シェンロン)が1つ願い事を叶えてくれますが、もし現われたら何をお願いしたいですか?

本作には「地球っていろんな揉めごとがあるけど、健全な魂を持った人々がたくさんいる美しい星なんだよ」という鳥山先生のメッセージが込められていると思いながら作りました。だから神龍に願いを叶えてもらうとしたら、「みんな仲良く世界平和」がいいですね。若いときは違う願いをお願いしたのかもしれないけど、そろそろいい歳なので、自分の欲望を叶えたいという気持ちがなくなっちゃって(笑)。

作品を楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

『ドラゴンボール』ファンの方には、自分の好きなキャラクターを中心に観ていただき、『ドラゴンボール』初体験の方は、この作品の中からお気に入りのキャラを見つけてくれたら嬉しいです。当時のファンの方たちが、子供と一緒に観に行けるようなファミリー向けの映画にしたいというのが鳥山明先生の希望でもあるので、親子で映画館に足を運んでいただければ、とても嬉しいです。子供が「あれは誰?」って聞いたときに、親御さんがいろいろ答えてあげれば、株がちょっと上がるかもしれませんよ(笑)。

細田雅弘監督からOKWaveユーザーに質問!

久しぶりの『ドラゴンボール』アニメ映画ですが、
みなさまの期待を裏切っていないか、
公開されたら感想をぜひ聞かせてください。

なお、回答いただいた方の中から抽選で5名の方に
『ドラゴンボールZ 神と神』プレスシート(非売品)をプレゼントします!
奮ってご回答ください。

Information

『ドラゴンボールZ 神と神』 2013年3月30日(土)全国ロードショー

フリーザ、セル、魔人ブウ。すべてを超越する存在がいた。
宇宙の運命を賭けた魔人ブウとの壮絶な戦いから数年後、平和な地球に再び危機が訪れようとしていた…。
「この世には星や生命を生み出す神がいれば、破壊する神もいる…」全宇宙のバランスを保つ破壊の神・ビルスが長い眠りから目覚めてしまった!気に障ることがあると破壊の限りを尽くすというビルスの目覚めに、界王はおろか、界王神までもが恐怖を抱いていた。フリーザを倒したサイヤ人の噂を聞きつけて、界王星にいる悟空の元へやってきたビルスとウイス。久々に現れた強敵を前にワクワクする悟空は、界王の忠告を無視してビルスに戦いを挑むが、その圧倒的なパワーを前に手も足も出ずに敗れてしまった!そして、ベジータ、悟飯ら地球の戦士たちにも忍び寄るビルスの脅威…はたして悟空たちはビルスの破壊を止めることができるのか!?そして、ビルスが探し求める“伝説の戦士”とは一体…?
今、闘いの歴史が変わる。

原作・ストーリー・キャラクターデザイン:鳥山明
監督:細田雅弘
キャスト:野沢雅子、山寺宏一、森田成一、佐藤正治、鶴ひろみ、田中真弓、堀川りょう、古川登志夫、古谷徹、緑川光、草尾毅、八奈見乗児
公式サイト:http://www.dragonball2013.com/
配給:東映

(c)バードスタジオ / 集英社 (c)「2013ドラゴンボールZ」製作委員会

Profile

細田雅弘

1982年東映アニメーションに入社。TVアニメ『ドラゴンボールZ』(1989年~1996年)や『遊☆戯☆王』(1998年)、『デジモンクロスウォーズ』(2010年~2012年)で演出として活躍している。

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