映画監督 大林 宣彦
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N:ナレーター  O:大林監督

最後に当インタビューを読んでくださった人に、メッセージをお願いします。

芸術文化というのは、今まさにみなさんが知ってる“オンリー1”の世界でね、“No.1”の世界ではないんです。No.1の世界というのは結局は戦争に繋がるんですよ。競い合って高めあえればいいんですが、No.2を滅ぼせば自分はNo.1になるという方向に人間はいっちゃうんでね。むしろ僕は21世紀は競い合って高めあうのではなく、許しあって深め合う時代になると思うんです。お互いの違いを傷つきあっても理解しあって許しあう。それによって共に生きる幸福感を得ると。お互いみんな違うよと。そして互いを尊敬し合えば、つまり平和になるのですよね。それが芸術の夢なんです。

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そうですね。この映画をご覧頂いた方ですと、まずどうご覧いただいたのか。
一人一人に映画や夢や希望や絶望があって、あなただけのこの映画の感想を聞いてみたいです。
もう1つは、映画とはこの世にいる人の数だけそれぞれに存在するものです。あなたの場合の「その日」はどのような映画になっているでしょうか?
『その日のまえに』

『その日のまえに』
売れっ子イラストレーターで、デザイン事務所を経営する日野原健大。
育ち盛りの息子二人の子育てに奮闘中の妻・とし子。
二人は、18年ぶりに結婚当初に住んでいた街を訪れる。その頃 健大は収入もなく、暮らしは貧乏だった。

とし子の余命はあとわずか。絶望の中から「その日」までを一生懸命前向きに生きようと決心した2人は、今は思い出の中だけに残る情景を確かめていた。

同じく、何かを求めてこの町に降り立った佐藤俊治。シュンと呼ばれた少年時代を過ごした街で、どうしても会って話したい旧友を訪ねるために、俊治は、もう治る見込みのない身体に無理をしてやって来たのだった。

様々な人が今を一生懸命に生きている。そして、「その日」を知る人はどう「その日」までを生き、死に向かっていくのか。
「この映画は死に向かうロードムービーである。」と言い切った大林監督が、映画にするには困難な重松清の文学的創造力を、映像的創造力世界に置き換えた『冒険ファンタジー』!
主演夫婦に、舞台・落語・狂言などコメディアンの枠を超えた活躍を見せる南原清隆と、同世代に絶大な支持を得る永作博美を据え、筧利夫、今井雅之、風間杜夫、原田夏希、柴田理恵、根岸季衣ら個性派、実力派の豪華俳優陣が脇を固め、群像劇を彩る。

出演:南原清隆、永作博美、筧利夫、今井雅之、勝野雅奈恵、原田夏希、風間杜夫、他
監督:大林宣彦
脚本:市川森一
配給:角川映画(C)2008「その日のまえに」製作委員会 WOWOW FILMS

公式サイト

映画監督:大林 宣彦

1938年広島市尾道生まれ。映画監督だが本人は“映画作家”と称す。
1956年上京し、8mm作品を発表し反響を呼び自主製作映画の先駆者として早くから名前を知られる。1960年代後半からはCMディレクターとして名を馳せ、10年間で2,000本をも越えるCMを手がける。1977年、『HOUSE/ハウス』で劇場映画に進出。7人の少女が生き物のような“家”に食べられてしまうという“ホラー・ファンタジー”を様々な特写を使用し華麗でポップな映像世界で、世の少年達を魅了する。1982年自身の郷愁を込めて尾道を舞台とした『転校生』を発表。後に『時をかける少女』『さびしんぼう』と合わせ“尾道三部作”として多くの映画ファンに愛されている。昨年、『転校生 さよならあなた』、『22才の別れ Lycoris葉見ず花見ず物語』の2本を公開。また、第21回日本文芸大賞・特別賞を受賞した『日日世は好日』など、著書も多数発表。
今回『その日のまえに』の脚本を担当した市川森一とは、1988年『異人たちとの夏』(日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞)、2000年『淀川長治物語・サイナラ』以来のコンビとなる。

映画監督:大林 宣彦