OKStars インタビュー

Vol.295 女優

大谷澪、花井瑠美

OKStars Vol.295は映画『R-18文学賞 VOL.2 ジェリー・フィッシュ』主演の大谷澪さん、花井瑠美さんへのインタビューをお送りします!

どういう気持ちで作品に挑もうと思いましたか?

大谷澪 : 台本を読んで、夕紀も叶子もとても魅力的だったので、純粋にこの女性たちを演じて作品の一部になりたいなという気持ちでした。

花井瑠美 : 女優をやってみたいと決めてから今回初めてオーディションを受けたので、お芝居をするのも初めてでした。最終的に金子修介監督が叶子役に決めてくださって、素直に嬉しい気持ちでした。現場の経験もなくて不安もあったので、金子監督とはクランクイン前に話し合いましたが、自分の思う叶子を演じればいいよと言ってもらえて、安心して演じられました。

お互いの印象は?おふたりは本作で初対面だったんですよね。

大谷澪 : 花井さんはオーディションでお芝居してみて、すごく雰囲気を持っている子だなと思いました。決まったことを聞いた時にものすごく喜んでいて、その様子に私はびっくりして元気な人だなというのと、でも、同い年か年下かと思っていたので年齢を聞いてびっくりしました。自然体な人ですね。

花井瑠美 : オーディションはいろんな人と組んで演じましたが、初めてなのでどういうのが芝居が上手かさえ分からないんです。でも澪ちゃんと組んだ時は何でこんなに自然に芝居じゃないように話せているんだろうと感じて、監督にもそう言ったら、それは彼女が芝居うまいからね、と言われてそれで納得したんです(笑)。それよりも、私、自分が男だったら澪ちゃんみたいな童顔の子がタイプなんですよ!(笑)それでオーディションにかわいい子が来たな~とドキドキしていて、そのドキドキが素直に表現できたところもあるかもしれません(笑)。

どんな風に役作りをしていきましたか?

大谷澪 : 私は今までやってきた役が叶子タイプというか、物語を動かしていく「動」のタイプが多かったので、今回の夕紀は「静」のタイプだし、普通の女の子なので、逆に難しかったです。オーディションの時は叶子の方がしっくり来ていたし演じやすかったので、夕紀になったのは監督たちに何か考えがあったのかなと思います。だから夕紀を演じきったら私も何かが変わるだろうなと思いました。撮影前に2人でリハーサルをした時に、夕紀は特別なことを考えて演じなくてもいい子なんだなと確信したので、特別な役作りはないですね。

花井瑠美 : 私は役作り自体が初めてなので、叶子の生い立ちを分析して現場に入りました。でも、現場に入ったら夕ちゃん(夕紀)がいるので、叶子の根本のところが分かっていれば、後は夕ちゃんとのコミュニケーションは頭の中にあるものではなくて自然に演じることができて、正直自分の中では演技をしている感覚もなかったです。初めてだったからなおさら芝居に対してできることというよりは、叶子としてやっただけですね。

演じる上で難しかったところ、苦心したところは?

大谷澪 : 夕紀はとくに最初の方は喋るところもなく、表面には感情も出ないけど、感情が無いわけではないので、感じている部分や動かされている部分を喋らずにどう表現したら観ている人が見えるんだろうと思ったのが難しい部分でした。変にやり過ぎるとこの世界観を壊してしまうとも思いましたけど、演じていてもしっくり来なくて自分で観るまでどれが正解だったか分からなかったのです。
でも自分で観てみると私が作った感情が観ている方にも伝わって貰えたらな思います。表情だけで表現するのは何万通りもあるのでやっぱり難しかったです。

花井瑠美 : 全部が難しかったと思いますけど、芝居の経験がないので、何が難しいとは考えていなかったです。叶子の役に入っている時に夕ちゃんに対する感情面で苦しかったりするのを経験できたのは集中できているというか幸せなことかなと思います。それと、最終日の撮影は27時間くらいかかったのが苦しかったです。

現場ではいかがでしたか?

大谷澪 : 監督は基本私たちに任せてくれていました。だから大きくこうしなさいというのはなくて、私たちが分からないところを「こういうのでいいですか?」と聞いても「うん、いいよ」という感じだったので(笑)、本当に2人が作った夕紀と叶子を信じてくれて、成立させてくれる映像を撮ってくれたのでありがたかったです。監督の持っている優しい雰囲気が現場を包んでくれていたので、金子さんならではの現場という感じでした。

花井瑠美 : 金子さんが作る雰囲気自体が演出だったんだろうなと思います。自分たちが思っている状態というか、2人が演技ということを忘れて演じられる雰囲気を作ってくれたのが監督なので、最初は「これで大丈夫ですか?」って聞いたら何でも「うん、大丈夫」と答えられてむしろ不安だったんですけど(笑)、「叶子を一番愛しているのは花井さんだし、夕紀を一番愛しているのは大谷さんだから」と言って信じてくれていたことに安心して演じられたところはあります。

>他のキャストの方とはいかがでしたか。

大谷澪 : 私は大先輩の役者の方とのシーンが多かったので、緊張感は全然違いましたし、主演として一番前に名前を出してもらって先頭を歩かなければならない責任感みたいなものもあったので、どんなに大先輩の役者さんでも負けちゃいけないという気持ちはありました。ここで芝居を喰われたら私の負けだし、だからと言って構えすぎてもダメだと思いすぎて、お会いする前も当日もすごく緊張していました。だからお腹いっぱいな感じでした(笑)。

花井瑠美 : 私は彼氏役の川村亮介くんと最後に一緒にいる方と澪ちゃんくらいでしたけど、川村くんからは「花井さんは自由だね」って言われました。でも何が自由なのか分からなかったです。こう来るんじゃないかと構えている逆の芝居ばかりをしていたみたいで、演じていて面白かったと言われたんですけど、こちらはごめんなさいとしか言えなくて(笑)。みんなが私が初めてだということを理解して引っ張ってくれていたと思います。

主題の1つでもある女性同士の同性愛ということについての感覚や演じる上での入り方はいかがでしたか?

大谷澪 : やっぱり演じる前は特別なことだと思っていました。でも演じていくうちに気づいたのは異性を愛するのと何ら変わりはなくて、たまたま好きになったのが女性だったというくらいなので、それは観てもらえば分かるし、何も特別なことはなくて、構えていた自分が恥ずかしいくらいです。思っているほど浅はかではないし、構えるほど奥深くもなくて普通なんですよね。それを自分がそう感じたから、それを見せたいと思ったし、世間一般の人が構えてしまう感情を取り除けるように、映画を通して観てもらいたいという思いが強くありました。

花井瑠美 : 映画ってリアルなようでも実際にはリアルではなくて、だから両方あり得ると思っていました。日本ではタブー視されているような同性愛も、だからこそ面白いなと思いました。芝居は初めてだし、同性愛の経験もないので考えても分からないけど、台本を読めば読むほど叶子自身を愛おしく感じてきて、本当に寂しくて孤独を感じていて、わがままなんだけどその寂しさを聞いてほしくて、それを夕ちゃんが受けとめてくれたから愛につながったというだけで、本当に私が想像していたのとは違いました。中学生くらいだと女の子同士でヤキモチ焼いたりとかあると思いますけど、その純粋さの延長線上みたいな感じで、これは何かに縛られない純粋な愛なんだなって演じていても自分で観てからも感じました。

ご自分で気に入ってるシーンは?

大谷澪 : 私は叶子の彼氏と言い合うシーンですね。台本を読んでいる時から楽しみにしていたシーンです。2人の世界を壊すような世間一般の正論をつきつけられて胸が痛いシーンではあるんですけど、夕紀の中のピークがそこだと思うんです。そこで痛みを覚えて強くなるし、特別なことをしていたと気づく瞬間なので、台本を読むだけで胸が痛かったです。それと川村くんは芝居が上手なので、役者のエネルギーのぶつかり合いみたいなのも楽しみでした。本番は時間の都合でリハーサルも無しで長回しを何本か撮る感じでしたけど、物語的にも折り返しですし、特別な思いがありますね。

花井瑠美 : 叶子が彼氏にフラレて、やっぱり自分は夕ちゃんのことが一番、という思いで、散らかっていた部屋もきれいにして夕ちゃんを迎え入れるんだけど、身体は違った、というところに私自身ショックを受けました。そのシーンが本当に苦しくて、本当に夕ちゃんのことが好きなんだけどそのことがきちんと伝えられない辛さ、そこが叶子の感情のピークで好きなシーンですね。

『R-18文学賞 VOL.2 ジェリー・フィッシュ』の見どころをお聞かせください。

大谷澪 : 女子高生のお話なので、同性愛というテーマもありますけど、異性に恋をしているのと何ら変わりはないので、観ていて懐かしい気分になる人はきっといるでしょうね。経験したことは無いのにこの懐かしさは何だろう、という気にもなると思います。この世の中に夕紀と叶子のような子はたくさんいるだろうし、世間の現実と今も戦っている人もそれを乗り越えた人もいるだろうし、ちょっと非現実的な世界と思われがちだけどやっぱり現実的なんですよね。近くに2人みたいな人もいるかもしれないし、こういう世界があることをちょっと近くに感じるかもしれないし、自分がどれだけ狭い世界で生きてきたんだろうと私自身感じたので、自分にとっても成長できた作品だと思います。観てみると何か世界が変わると思います。

花井瑠美 : 今の世の中は決められたレールのようなものがあって、本当はこうしたいという気持ちがあっても親や先生にこうしなさいと言われて囲われて生きている人が多いと思います。もしかしたら子どもよりも大人こそそういうことを感じている人は多いんじゃないかなとも思います。本当はみんな自由に生きていけたら幸せだろうから、そういう意味で『ジェリー・フィッシュ』には懐かしい気持ちにさせられる部分があると思います。純粋無垢に自分の気持ちに素直に生きている2人を見て、恋愛だけではなくていろんな視点で本当の自分を知って自分の生き方を考えたりできたらいいなと思います。同性愛だけを描いているわけではないので、本当にたくさんの方に観てもらいたいです。

ご自身の今後の抱負などお聞かせください。

大谷澪 : 芝居は好きなのでずっとやっていきたいし、自由でいたいので、あんまりいろんなことには縛られたくないと思います。5年くらい女優を続けているのでやっぱりこういう役を演じたいというのはあるんです。でもこの作品で今までと違う役を演じてみて、その難しさを目の当たりにして、分からないことがいっぱい出てきて、しっくりしないこともあって、自分の中の引き出しだけが正解ではなくて、自分が気持ち悪いと思っていたことが正解のこともあることに気がつきました。難しいことをやっていてもそれが楽しいと思えるようになりたいです。『ジェリー・フィッシュ』を演じる前は、この作品で主演をやれてゴールだと思っていました。でもこれを撮影を終えた今は、全然ゴールではなくて通過点なんだなあと思いました。また主役もやりたいし、もっと違う作品にも携わりたいです。デビュー前には20歳までに主演を、と思っていてこの作品で夢が叶ったので、そうやって目標を掲げてやっていけば思いが叶うことも分かったので、これからもやりたいことを自分らしくやっていけたらいいなと思います。

花井瑠美 : 私は3歳から21歳まで新体操をやってきて、その時は新体操をずっとやっていくだろうと思っていました。それがケガで挫折を経験して、絶望も味わった中で、次にどこに進めばいいんだろうと悩んでいました。新体操は自分の経験で物語を作ってそれを身体で表現するということだと教えられていたので、どこかしら表現者の部分があると思います。そんなことがあって映画を観ている時に、言葉も使って表現できる女優に自分もなろうと決意しました。最初の作品で主演でデビューさせていただいてありがたい話ですし、映画に自分の人生が救われた気持ちもあります。今後はスキルを学んでも変に演技がうまくなるというよりはリアルでいたいと思います。そのきっかけになったのがこの作品なのでそこは変わらずに頑張っていきたいと思います。

OKWaveユーザーにメッセージをお願いします。

大谷澪 : どんな興味でも構わないので、観てもらったら絶対何かが変わる深い映画なので、同性愛とか性とか生命とか、言葉にすると軽すぎるけど、監督をはじめ、スタッフとキャストで作り上げたので、言葉よりも説得力のあるものができあがりました。後悔はさせませんので、ぜひ観てください。映画は公開されたら終わりというものではないので、小さな興味でも構わないので観ていただいて、その感想をいろんなところに広めて力を貸してほしいと思います。

花井瑠美 : 聞き入って感動しちゃった。

大谷澪 : 私が話している間に考えなきゃ!(笑)

花井瑠美 : そのままです、言いたいですけど(笑)、一言で言ったら本気で頑張ったんです。それと、この1本の映画ができるまでに私はすごく感動していました。スタッフさんは坂道を何回も走って往復していたり、たくさんの人が本気で作りました。同性愛だから、裸だからというよりももっと深くて繊細な映画だと思うので、観て良かった、という声も聞きたいですし、観てくれた方ひとりひとりに力を貸してほしいと思います。

OKWaveユーザーに質問をお願いします。

大谷澪 : コンビニのおにぎりを開ける時ですが、真ん中を開けた後、右と左とどっちから開けますか?

花井瑠美 : 私、両方いっぺんに引っ張るかも。でも何でそんな質問?

大谷澪 : 子供の頃は健気に説明書きを守ってたけど、よりうまくいく方法を考えるようになりましたので(笑)。

花井瑠美 : 私からは「生きていることを感じる瞬間」というこの映画のテーマに合わせて、皆さんの「生きていることを感じる瞬間」を聞きたいです。

>おふたりはどんな時にそう感じますか?

大谷澪 : 本当に本当に嫌なことがあったりすると、夜中に大泣きしたりもするけど、どんなに落ち込んでもいつかは寝ちゃうし朝は必ず来るし、忘れているし、結局生きているんですよね。

花井瑠美 : 私は毎日「生活している」というよりは「生きている」と思っていますけど、やはり楽しい時にはそう感じないというか辛い時苦しい時にこそ生きていることを感じるんじゃないかなと思います。上を目指そうと頑張っている時ですね。

Information

『R-18文学賞 VOL.2 ジェリー・フィッシュ』
2013年8月31日(土)シネマート六本木他全国ロードショー

クラスの中で浮いている高校生・宮下夕紀はある日、水族館のクラゲの水槽の前で同級生の篠原叶子に声をかけられ、そこで戸惑いながらも唇を重ねた。
二人は次第に心惹かれ合うようになっていく。
平凡な家庭に育つも、どこか日常への不満を抑えきれずに、レンタルDVDショップの店長に身体を委ねたこともあった夕紀にとって、叶子はかけがえのない存在でもあった。しかし、常に孤独の闇を抱えている叶子は、そんな夕紀の想いを知りながら、突然クラスメイト平井からの告白を受け入れ、彼とのSEXに興じるようになる。同時に、彼女が中学時代に妊娠して堕胎したという噂まで聞こえて来て、夕紀の心は激しく乱れ始めていき……。

出演:大谷澪 花井瑠美 川田広樹(ガレッジセール) 川村亮介 奥菜恵 秋本奈緒美 竹中直人
監督:金子修介
脚本:高橋美幸
作家:雛倉さりえ

公式サイト

Profile

大谷澪
1992年7月13日生まれ、A型、大阪府出身。
2008年のミスマガジン審査員特別賞受賞をきっかけにデビュー。ドラマ「おひとりさま」、「めざましテレビいまドキ★ムスメ」「サプライズ」「方言彼女。0[LOVE]」等に出演。2012年沖縄国際映画祭出品作品地域発信型映画『ガマゴリ・ネバーアイランド』にヒロインとして出演。来春公開『僕は友達が少ない』の公開が控えている。

http://ameblo.jp/ootani-mio/

花井瑠美
1987年9月30日生まれ、O型。東京都出身。
元新体操選手。3歳の頃、元オリンピック選手、山崎浩子のスクールで新体操を習い始める。新体操を始め21歳までの18年間で数々の大会に出場し新体操選手として実績を残す。北京五輪に出場予定も怪我の為断念。
2010年デビュー。2011年9月神戸コレクション2011ワンライフモデルオーディションにて、審査員特別賞を受賞。2011年10月アパレルブランド“ARIKI”モデルとして東京コレクションに参加。2013年『R-18文学賞 VOL.2 ジェリー・フィッシュ』映画初出演にして女優デビュー。

http://ameblo.jp/hanai-rumi/

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