OKStars インタビュー

Vol.297 TV/映画監督

中尾浩之

OKStars Vol.297はNHKの人気TVシリーズ「タイムスクープハンター」を手がける中尾浩之監督に2013年8月31日公開の『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』についてお聞きしました!

「タイムスクープハンター」映画化についてのご感想をお聞かせください。

僕の場合は別の作品でもそうなんですが、最初に企画を考える時に世界観を作るところから入ります。TVではこうしようとか、これを映画にしたいとか、発展させて漫画にしようとか、メディアをまたいでいろんなところに出せるような企画を考えてしまうんです。「タイムスクープハンター」は初めから映画にもなり得る企画だと思っていました。ですので、TVでずっと観ていただいたファンの方の声に支えられてここまで来ることができたと思います。5年間続けたからこその劇場版だとも思います。TVから始めてここまで来たのは、1つの通過点として嬉しいです。

今回の劇場版ではどのようなことを考えていましたか?

「タイムスクープハンター」は従軍記者のようなイメージのフェイクドキュメンタリーとして企画が始まっています。最初に考えていたのも、戦国時代の戦や、落城する様をリアルに描きたいということでした。TVの30分の枠では語れないストーリーを、映画という長尺の中で描きたいと思いました。それで実際にどの城にしようかと調べていくと、安土城の焼失はミステリーになっていて、いろんな説があるんですね。そこを映画で描くと、エンターテインメントとしても面白いし、題材として使おうと思いました。

撮影現場ではどのような演出だったでしょうか。

基本的な演出スタイルはTVと同じで変えていません。ただ、撮影するカメラ機器が映画だと大きくて重いので、カメラワーク的には規制される部分もありますが、その中でもドキュメンタリーテイストを保つように、なるべく同じようなスタイルで進めました。

映像が臨場感にあふれていて斬新でびっくりしました。

映画作りは作曲と同じだと思っていて、映画全体が1つのメロディのようになっていないといけないと思います。盛り上げの緩急とかテンポとか、人間が気持ちいいと思うリズムを常に意識しなければなりません。この作品もあっという間に観てもらえると思います。そこは映画もTVシリーズでも一番気にしているところですねね。

要潤さん、杏さんらレギュラーキャスト、夏帆さん、時任三郎さんら、映画のキャストに求めたことは?

最初、夏帆さんはびっくりしていましたけど、皆さん才能のある方なのでリハーサル無しで撮っていく僕の演出スタイルにすぐ馴染んでいました。皆さんTVシリーズを観ていただいて、普通の演出手法ではないと思って来ていただいていますので、僕の方もやりやすかったです。

本作での一番のこだわりは何でしょう?

TVシリーズでは名も無き人をフェイクドキュメンタリーで撮ってきた、というコンセプトがありますが、それをそのまま長い尺でやっても映画でやる意味が無いと思います。映画が持っているカタルシスは絶対に出さなければならないと思いました。映画的な面白さを追求しようと、TVシリーズのコンセプトは踏襲しつつ、その先を行くストーリー構成を堪能できるようにしました。そこが難しくもあり、労力も使いました。役者のパフォーマンスもスタッフワークも素晴らしいですし、音楽もすごいです。作曲者の戸田信子さんにはマケドニアやブルガリアでオーケストラの録音をしていただきましたが、これはDVDとかではなく映画館でしか体験できないものだと思いますので、ぜひ劇場で体験してほしいですね。エモーショナルで迫力ある音楽は他では体験できないと思います。

劇場版の製作を経て得たことや新たに発見したことは?

これは再確認したことですが、僕が今まで培ってきた映像技術を全部出せるのが映画というメディアだと思いました。ですので、早く次の映画を作りたいという欲求が高まってしまっています。作れば作るほど、もっと作りたくなります。やっぱり僕は映画が好きなんです。

今後の展望をお聞かせください。

もちろん僕自身は「タイムスクープハンター」はTVシリーズも映画もこれで終わりだとは思っていませんし、作りたい題材もいっぱいあります。いろんな可能性があると思っています。それと、フェイクドキュメンタリーをずっとやって来ましたけど、真逆の表現もやりたいですし、ジャンル問わず作りたいなと思います。

では最後にOKWaveユーザーにメッセージをお願いします。

この『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』は体験するという言葉が一番合う映画だと思います。劇場で席に座って、最初の1分くらいでジェットコースターに乗ったような気分になると思います。一緒に戦国時代にタイムワープするアトラクションのような気持ちになると思いますので、ぜひ劇場でお楽しみください。

中尾監督からOKWaveユーザーに質問!

皆さんがタイムスクープハンターだったら、
どの時代に行って何を取材したいですか?

Information

『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』
2013年8月31日(土)土新宿ピカデリー他全国ロードショー

タイムスクープ社の時空ジャーナリスト・沢嶋雄一(要潤)は、“本能寺の変”直後の京都にいた。今回の取材対象者は、幻の茶器を持つ商人を博多まで護衛する命を受けた名もなき侍・矢島権之助(時任三郎)。彼らに密着取材を試みる沢嶋だが、事態は思わぬ展開に。“未来の武器”を持つ謎の山伏に襲われ、茶器が滝壺へ流されてしまったのだ。このままでは歴史が変わってしまう!ただちに歴史修復作業に取り掛かる沢嶋と、新人ジャーナリスト・細野ヒカリ(夏帆)。消えた茶器の捜索の末、彼らが最後に辿り着いた先は、信長の居城、安土城。奇しくもその日は、安土城が焼け落ちた“最後の1日”だった。

キャスト:要潤 夏帆 杏 時任三郎 上島竜兵 小島聖 カンニング竹山 嶋田久作 宇津井健(特別出演)
監督・脚本:中尾浩之(NHK「タイムスクープハンター」シリーズ)
配給:ギャガ
公式サイト:http://timescoop.jp/

(C)2013 TSH Film Partners

Profile

中尾浩之

1968年生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒。P.I.C.S.所属。
実写とCGを組み合わせた独自のスタイル“ライブメーション”による「スチーム係長」が1998年のMTV Staion-IDコンテストにてグランプリを受賞。2000年カンヌ広告祭におけるニューディレクターズショーケース(サーチ&サーチ主催)で世界の新人監督8人に選出される。
NHK「タイムスクープハンター」シーズン1~5までの全話の監督・脚本を手がける。本作が長編初監督となる。

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