OKStars インタビュー

Vol.298 アーティスト

正山陽子

OKStars Vol.298はアルバム『Yoko Masayama』でデビューするアーティスト正山陽子さんへのインタビューをお送りします!

まずはアルバムタイトルについてですが『Yoko Masayama』とした意図は?

何より自分の1stアルバムであることですけど、自分の名前をつけてしまうことは、名刺代わりにもなることなので作品に自信がないとつけにくいんですけど、素晴らしい出来だと胸を張って人に薦められる作品になったので、自分の名前をつけました。昔からあたためてきた曲や、今もライヴで歌っている「バイバイバイ」のような作品をリアレンジしたものと、今回アルバム用に作った「街の花」のような、これまでの曲とは違う次の作品にもつながるような曲があって、過去と今と未来がつながっているような、自分のいろんなものが濃縮されたアルバムになったので、自分の名前にしたいと思いました。
でも、初めはキーワードになるような言葉があって、違う名前も考えてました。

アルバムの構成はどんな風に考えていましたか?

自分の気に入っている曲のデモを作って、人に薦められるものを集めた結果がこの10曲なので、コンセプトアルバム的なものはないですね。

では、曲作りはどのように進めるのでしょう?

作曲についてはワンフレーズが浮かんできて、そのワンフレーズをどう発展させていくかというひらめきが基になっているものと、こういう曲が作りたいという意識的に曲調から作っていくようなものと2つですね。その時に大事になってくるのはアレンジの曽谷晃平くんで、彼はみみずくずというスリーピースのロックバンドのロックギタリストなんだけど、アレンジャーとしての引き出しの幅が面白くて、私の曲のアレンジの原型に対して、じゃあこうしてみたら?という提案をしてくれて、そこに対して私の要望も入ってより曲調を明確にしていく感じです。

>曲を作っているところからアレンジも同時に行われていくような感じなんですね。

そう。私がプリンスみたいに全部自分でできるわけではないから(笑)曽谷くんの要素が大事になってくるんです。「暁のリズム」みたいなブラジルの要素が強い曲とか「オリオン座で待つ」のジャズの要素も、私も曽谷くんもそれだけしかやっていないわけではないので、専門にやっている人とは少し変わったアレンジになっていると思います。

>歌詞はどの段階で書くのでしょう?

高田健一郎くんの作曲のものは、1番は高田くんで2番は私が、というように同じイメージを共有して書いていますけど、私が書くものは、今までは全部作詞が先でした。歌詞があってそれにどうメロディをつけるか考えてましたけど、今回の「バイバイバイ」と「カナリア」はメロディと歌詞が同時に出てきました。たとえば「バイバイバイ」はサビのバイバイバイ♪のメロディと歌詞が同時に浮かんだので、そこから歌詞とメロディ両方を組み立てていきました。この先こういう曲が増えてくると思います。

歌いたい内容としてはどんなテーマなんでしょう?

社会的なメッセージとかはとくに無いけど(笑)、「バイバイバイ」「カナリア」「スイングラジオ」なんかは、以前の自分の生き方からの脱却がテーマになっていて、ちょうど今までよりもより良い方向に行くためにどうしたら良いかということを悩んでいた時期だったので、どの歌詞にも現状もがいていたり焦っていたりする部分と、明るい展望があって、そこにどう向かおうかという部分が表れていますね。
以前は人の持っている暗い情念の部分をテーマにしていましたけど、今は世相が暗いので、暗い中にも何か希望があって、丁寧に生きていくとその中に何かキラっと光る素敵なことが見つかるとか、恋愛にしても切ない気持ちよりはより幸せな瞬間を表現したいとか。だから、テーマ的には新しい方向に行きたいということで、気持ち的には明るさに焦点を当てたいと思っています。他人にエールを送るというよりは「オリオン座で待つ」で言えば空を見上げた時に思わず歌いたくなるような、どこかに向かって歩いている時に思わず口ずさみたくなるよな曲であるとか、歌うことで気持ちが明るくなるような。ちょっとしたことでの生活のスイッチみたいなもので人が明るくなったりするとこに焦点を当てています。

>パーソナルなもの、というのとも若干違う感じがしました。

最近は私小説的だったり応援歌ぽい歌詞を書く人も多いし、歌い方にしてもマイルドかそれこそディーバ系が多いけど、私は洋楽ばかり聴いてきたからだと思うけど、私小説的なものは作る気が起きないし、ワンフレーズから発展させる曲が多いから全体に洋楽的だとは思うんですよね。

サウンド面でも非常に楽しめる作品になっていますが、レコーディングの様子はいかがだったでしょう?

P-VINEのプロデューサーの井上厚さんからの提案でもあるんですけど、今回のレコーディングは完全アナログレコーディングにしようと決めました。でも、アナログレコーディングだと細かい修正ができない分、演奏スキルも問われるんですよね。しかもその中でクリックも聞かずにみんなで合わせるのが大事なので、瞬発力と集中力があってかつ巧いだけではなくて音楽に深い愛情がある人に頼まないとダメだろうなと思いました。なので、そういう条件にあった人を探して私からオファーしました。
みんなで「せーの」で録るので実は歌もその時のものが一番良かったりすることもあって、演奏も歌もだいたい2テイクくらいまでで録っています。演奏面では「暁のリズム」「スイングラジオ」「オリオン座で待つ」なんかは鍵盤の小林岳五郎くんの音楽センスがよく出てますね。「ハートブレイカー」ではサックスの安田将人くんが良いアレンジをしてくれて、デモのままではなく、アナログレコーディングならではの各自の提案があってまるでひとつのバンドのように作ることができたのが大きかったです。みんなの愛情とアナログレコーディングならではのメンバーの呼吸のようなものも聞こえてくるので、じっくり聴いてもらうとライヴを聴いているような感覚にもなってくると思います。

「バイバイバイ」のacoustic versionについては?

ブルーノ・ジルさんというフランス人のギタリストと2人でやってます。もともと「バイバイバイ」はジャンゴ・ラインハルトみたいなギターが入れたかったんです。ベースの大和康夫くんとそういうギタリストを探している時に、偶然ブルーノさんを知ってライヴを観てこれは本物だ(笑)と思ってその場で音源とスコアも渡してこれをやってくださいってお願いしたんです(笑)。彼も聴いて気に入ってくれてこれなら協力できるよと言ってから3日後にレコーディングしてました(笑)。その時には完全に暗記した状態で来てくれたのでレコーディングもつつがなく済んだんですけど、その後に彼から「バイバイバイ」をもっとファンキーなギターでやってみない?とその場で弾き始めたギターがすごく良かったので、せっかくだから私も歌ってその場で録ってしまいました。マイクも録音用のものでもないし、完全に即興なんですけど、みんなで聴いたらクオリティが高かったので最後にボーナストラックとして入れようということになりました。ライヴのリアル感があると思うので、2人だけのアコースティックなものでもこんなに格好いいことをやっているんだと思ってくれるといいなと思いました。

アルバムを作って気付いたこと、発見したことは?

自分の未熟さですね(苦笑)。レコーディングの時にみんながマジックを起こしてくれて、それが自分が思い描いていた想像よりも良いものになっているので、いい意味では楽曲が良いからどうアレンジしても良くなると言えるけど、優れたミュージシャンがいて彼らの愛情が加わってより良い曲になっていく、ということは自分はまだまだ未熟だいうことと、もっと努力しなくちゃということを感じました。
楽曲の中身で言うと、デモを作って人に聴かせられるものを集めたものだったのが、以前の自分に対して決別して明るい方に行きたいというメッセージが気づいたら付加されてたところですね。それは作ってみないと分からなかったところです。それと、以前は自分が録音したものを聴きたくないと思っていたけど、今回に関してはレコーディング中も自分もすごく楽しんでました。今まで3枚アルバムを作ったけど毎回もっとこうしたいという気持ちが強かったので、今回は心から楽しく作ることができたアルバムですね。

そんな正山陽子さんの音楽のルーツは何でしょう?本作ではジャズやブラジル音楽ということで、いわゆるJ-POPの王道とはだいぶ違いますよね。

私はR&Bもソウルも好きだけど、自分の身に染み付いてはいないので、1stアルバムは自分のルーツに立ち返りたいという思いがありましたね。私の両親とおばあちゃんの影響ですけど、エラ・フィッツジェラルドだとかスイングジャズとかジャズ・ジャイアントなんかが常にBGMとしてかかっていて、子守唄のように聴いていたところがあるんですね。だから頭の中で曲調を考えた時には自然にそういう音が出てくるんです。今までやっていたBardSyrupとかではそういうのをあえて避けてオーガニックソウルとかどんなビートを使うかとか実験的なことを求めていたけど、今はそういう時期を通り越したので、自分の気持ちに素直なものを作りたいと思いました。

今後の展望などは?

今回は高田くんの曲で思い入れのあるものや私のために書いていてくれたものを採用しているけど、次にはそれが無くなるのと、染み付いているジャズの匂いや色合いは大事にしながら、「街の花」みたいなブラジルっぽいテイストのものが増えてくるのかなと思います。今回はスイングジャズですけど、もうちょっと自由なリズムでやろうかなと思っています。

正山陽子さんの“モットー”をお聞かせください。

太らないこと!これはダイエットではなくて、一番好きなボーカリストがセックス・ピストルズのジョン・ライドンなので、ボーカリストは痩せていないとダメ!という理想があるので、私がボーカリストであり続ける限りなるべく太らないでいようとしています。でも、ラッパーは太っていてもいいかなと思ので(笑)私が太り始めたらヒップホップに移行するのかなと思ってください(笑) もうひとつは「自分に厳しく、他人に優しく」です。20代の頃は自分にも他人にも厳しかったけど、プリンスを引き合いに出したけど、彼のように1人で何でもできるとある意味他人の力を借りる必要がないけど、自分の作品を構成してくれる人も、支えてくれるお客さんもそうだし、自分にできないことをどんな人でも持っているので、そういう意味でも人に対するリスペクトを忘れないとか、相手に対して最大限誠実であることという気持ちは強いです。自分自身にはより厳しい視点で作品作りも生き方も見ていたいと思います。

OKWaveユーザーにメッセージをお願いします。

9月4日に1stアルバム『Yoko Masayama』が出ますが、朝、昼、夜いつどこで聴いても良いアルバムになっていますので、ぜひ聴いてください。CDを聴いて楽しいなと思ったらライヴに来てほしいです。私にとってライヴでのパフォーマンスが真骨頂だからです。

正山陽子さんからOKWaveユーザーに質問!

太らないことと言いながら私は無類の甘いもの好きです!
ですが、一度もケーキバイキングに行ったことがありません。
お金は多少高くても、食べて幸せになれる
美味しいケーキバイキングを教えてください。

Information

1stアルバム『Yoko Masayama』(PCD-18751)
2,500円(税込)

2013年9月4日発売
1. オリオン座で待つ
2. バイバイバイ
3. 暁のリズム
4. ハートブレイカー
5. スイングラジオ
6. カナリア
7. 微笑を交わす
8. ゆうべのあのこ
9. 街の花
10. 雨また雨
11. バイバイバイ(acoustic version)
【「バイバイバイ」PV】

Profile

正山陽子

7月24日生まれ。兵庫県宝塚市出身。現在東京在住。
オーガニックソウルユニット「BardSyrup」として、ジャズパーカッショニスト、ジェフリー・ヘインズとの演奏を含めた1stアルバム『Syrup No.1』(universal IMS)を2001年にリリース。次のマキシシングル『好きなひとよ』は、表題曲を聴いた廣木隆一監督の強い要望により、映画『恋する日曜日』の挿入歌に抜擢。2010年、ソロ活動を開始。オルタナティヴ・ジャズのエッセンスを取り入れたサウンド、親しみやすいメロディー。しかし決して甘くない、パンクやソウルの精神を感じさせる独特のボーカルワークは、幅広い年齢層に支持されている。またライブパフォーマンスでは強烈な個性を放ち、Jill-decoy association、Dorlis、竹本健一、奇妙礼太郎、コトリンゴ等様々なジャンルのアーティストと共演、好評価を得ている。また、総合エンタメアプリ「UULA」配信の映画『透明ポーラーベア』(戸田恵梨香主演)では、ジャズシンガー役で出演するなど、活動範囲を広げている。

http://p-vine.jp/artists/masayama-yoko

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