OKStars インタビュー

Vol.310 映画監督

オリヴァー・ヒルシュビーゲル

OKStars Vol.310は、今なお人々の心に生き続けるダイアナ元妃の“真実”を描いた『ダイアナ』のオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督へのインタビューをお送りします。

監督はこのオファーをどう感じましたか?

実は私はダイアナさんにそれほど興味があったわけではないんです。脚本が送られてきた時も最初は読む気にならなかったくらいですが、スティーヴン・ジェフリーズという素晴らしい脚本家の本だから読んだ方がいいと勧められて読んで驚きました。全然知らない面がたくさんあったからです。そしてこの脚本の核には普遍的な美しいラブストーリーがあって、そこに響きました。実は以前から少し古風なラブストーリーを手がけたいと考えていたので、これだと思いました。

『ダイアナ』の中心にはラブストーリーが据えられていると感じましたが、そこは狙い通りだったのですね。

そうですね。ダイアナさんは皆さんご存知の通りの波瀾万丈とも言える人生を送っていますが、私はとくに最期の2年が興味深いと思いました。最期の2年間の彼女のイメージはグラマラスだったり、ヘリコプターやヨットといった派手な“有名税”とも言うべきイメージが強く残ってしまっているのですが、それは当時のダイアナさんの半分にも満たないものだと思います。本当の彼女は世界を舞台に活動した責任感の強い女性で、ただ慈善事業を支えているだけではなく、地雷廃絶運動など本当にアクティブに活動をしていました。ハスナット・カーンに出会うまではどこか必死だったり、一抹の悲しみを抱えているところがあったと思います。それでいてジョークを言ったり、自分の思っていることをはっきり言ってしまう面もありましたが、最期の2年間はよりひとりの女性として魅力的だと感じましたので、そこを描きたいと思いました。

ナオミ・ワッツには実在の人物を演じてもらう上でどのような演出をされましたか?

私は今回の映画を作るにあたって膨大なリサーチをしています。同じことをナオミ・ワッツにも求めたわけですが、彼女は元々リサーチをしっかりするプロの女優なのでその点では心配はしていませんでした。それと同時にダイアナさん独特の話し方や佇まいなどを身につけてもらう必要がありました。ナオミはどちらかというと理性的な女性です。私はどちらかというとスピリチュアルな方です。そして私が感じるところではダイアナさんもスピリチュアルな面の方があると思いましたので、ナオミにはそういう女性を演じてもらわなければなりませんでした。普段のナオミは理詰めで論理的にからかってくるようなタイプですが(笑)、演じているうちに彼女自身も段々とスピリチュアルになっていったので、普段のナオミがしないような行動が不意に出てくることがあったのは面白かったですね。

ケンジントン宮殿や、人道支援活動で世界各地を巡ったダイアナさんの再現という部分ではいかがだったでしょうか。

ケンジントン宮殿のガーデンと門の撮影許可を得ることができました。内部での撮影は残念ながらできませんでしたので、そこは3つの建物を使って再現をしています。そしてこの宮殿の内装ですが、実際の宮殿の中よりも少しだけ映画の方が壮麗になっているんです。

>地雷原を歩く象徴的なシーンの再現などについてはいかがでしょう?

アンゴラの地雷廃絶活動のところは、今はアンゴラの政治も安定していますが映画の撮影ができるほどの環境ではなかったので、モザンビークで撮影しました。南アフリカから慣れたスタッフに参加してもらったり、モザンビークはポルトガル領だったことがあるので、ポルトガル語が通じるところもロケの面では助かりました。それとびっくりすると思いますが、ハスナット・カーンの家族が住むパキスタンのシーンの撮影もこのモザンビークで撮影しているんです。パキスタンからの移民の方も多いのですが、彼らも英語とポルトガル語で会話をして撮影しましたが、パキスタンの方に観てもらってもパキスタンで撮ったようだというお墨付きをもらいました(笑)

オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督からOKWaveユーザーに質問!

私はデジタル機器も使っていますが結構アナログ派です。
スマートフォンやPCを一度も使わなかった日は何日前ですか?
それと最後にアナログレコードで音楽を聴いたのは何年前ですか(笑)?

Information

『ダイアナ』
2013年10月18日(金)よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー

1995年、夫と別居して3年、ダイアナは、ふたりの王子とも離れ、寂しい暮らしを送っていた。そんなある日、心臓外科医のハスナット・カーンと出逢い、心から尊敬できる男性にやっと巡り逢えたと確信する。BBCのインタビュー番組に出演して別居の真相を告白、“人々の心の王妃”になりたいと語って身内から非難された時も、ハスナットだけは「これで、君は自由だ」と励ましてくれた。
それから1年、離婚したダイアナは、地雷廃絶運動などの人道支援活動で、世界中を飛び回る。自分の弱さを知るからこそ弱者の心を理解できるダイアナは人々を癒し、政治をも動かす力を持ち始めていた。
一方、永遠の誓いを交わしたハスナットとの愛は、ゴシップ紙に書きたてられ、彼の一族からも反対される。ダイアナはドディ・アルファイドとの新しい関係に踏み出すのだが…。しかし、その瞬間は刻一刻と近づいていた。最期まで彼女が求めていたものとは?

監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル(『ヒトラー ~最期の12日間~』)
出演:ナオミ・ワッツ(『21グラム』) / ナヴィーン・アンドリュース(『イングリッシュ・ペイシェント』)

配給:ギャガ

公式サイト:diana.gaga.ne.jp

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Profile

オリヴァー・ヒルシュビーゲル

1957年、ドイツ、ハンブルグ生まれ。
ハンブルグ芸術大学で学んだ後、1986年にTV映画「Das Go! Project」で監督デビュー。その後、「ザッピング/殺意」(92)、「小さな刑事 ベビー・レックス」(97)などのTV映画を手掛ける。2001年には、スタンフォード大学心理学部で実際に行われた模擬刑務所の実験を基に描いた『es[エス]』を監督。人間の心理の闇に迫る問題作として批評家の絶賛を浴び、モントリオール世界映画祭最優秀監督賞を受賞する。2004年、ヒトラーの個人秘書の目を通して独裁者の知られざる顔に迫った『ヒトラー ~最期の12日間~』でも高く評価され、アカデミー賞(R)外国語映画賞にノミネートされた他、英国インディペンデント映画賞、ロンドン映画批評家協会賞など数々の賞に輝き、ドイツが誇る監督として広くその名を知られる。 その他の作品は、ニコール・キッドマン主演の『インベージョン』(07)、サンダンス映画祭の監督賞を受賞した『レクイエム』(09/未)、TVシリーズ「ボルジア 欲望の系譜」(11)など。

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