OKStars インタビュー

Vol.313 映画監督/脚本家

ブライアン・ヘルゲランド

OKstars Vol.313には、黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンを描いた『42 ~世界を変えた男~』のブライアン・ヘルゲランド監督へのインタビューをお送りします。

ジャッキー・ロビンソンを映画にしようと思ったきっかけは?

私はアメリカ人ですので、元々ジャッキー・ロビンソンについてある程度の知識を持っていました。今回の映画化ですが、ジャッキーの奥さんのレイチェルさんが彼の物語を映画にしようとずっと動かれていたそうです。プロデューサーのトーマス・タルが交渉していて、彼からアイディアを求められました。その日のうちにジャッキーの自伝を読んで翌日にはプレゼンという状態でしたが(笑)、マンハッタンの彼女のデスクでプレゼンをして「ではやってみてください」ということになりました。ジャッキーは彼女の人生にいまだに生き続けているところがあり、彼女はジャッキー・ロビンソン財団を率いて、何千人もの学生に奨学金を出しています。ジャッキーは1972年に亡くなっているので40年以上も経ちますが、私の祖母も同じような境遇で、いつでも亡き夫が今もいるように、いつでも帰ってくるように振舞っていたので、それと同じように彼女の人生にはジャッキーが生き続けていることが、彼女の部屋のジャッキーの写真や財団の活動を通して伝わってきたので、彼らのストーリーを映画化したいと思いましたし、観客の皆さんにもぜひ伝えたいと思いました。

2人の関係が素晴らしく描かれていましたが、やはりそこが本作で一番描きたかったところでしょうか。

はい、そこは重要でした。2人はパートナーですし、ジャッキーが成し遂げた偉業はレイチェルさんと共に成し遂げたことでもあるからです。そもそも2人はチームだったわけですけど、最初に南に向かう時からジャッキーは彼女を伴って行きました。当時の南部に黒人の女性が行くというのは相当勇気が必要だったと思います。僕が思うに、彼があれだけのことができたのはやはり彼女の支えがあったからですし、このストーリーを描くにはその面を見せないといけないと思いました。

ブランチ・リッキーの存在はどう描こうと思いましたか?

ジャッキーには夫人とのパートナーシップがあったのと同様に、ブランチ・リッキーとの強いパートナーシップもあったと思います。そもそもジャッキーがプレイするためにブランチが球団GMとして道を切り拓きましたし、黒人選手を入れることを決めた時には、いろいろな選手を見てジャッキーに決めたわけです。ブランチ・リッキーという人物は人を見る目があったと思います。先に待っているものを理解し、それを乗り越えて生き延びる強さを持った人物を選んだということです。ジャッキーにはやり返してはいけない、と言うものの、そのジャッキーが一番やり返せる男であるというのが皮肉なところですが、それだけ強い男を選んだということです。ブランチ・リッキーは野球を愛し、野球に人生を捧げた人物で、非常に善き人でもある。野球の中には不公平さがあるということを知っていて、自分のではなく野球の贖罪のためにジャッキーにプレイしてほしいと願っていたんです。

試合のシーンについてはどういう演出を心がけましたか?

ジャッキーは試合に出場して、一度出塁してしまえば、自分のことを隠す必要がなく、本当の自分を出すことができる、それを見せたいと思いました。ジャッキー・ロビンソンがプレーを通して自分を表現している様を描きたいと思ったのです。試合は打撃や走塁といったアクションとしての見どころもありますが、同時にジャッキーがそれまで隠さざるを得なかった面がオープンになる、彼が誰なのか分かるシーンにしたかったので、その表現のためにはありとあらゆる演出をしました。カメラを地面に埋めてしまって低いアングルから撮影したり、ジャッキーが走塁する時に、カメラが一緒に動けるようなものを用意して、彼のスピードを捉えるような工夫もしています。キャラクターの行動は、そのキャラクターが誰なのかということと結びついていなくてはいけないと思うので、それが体現できる形で演出しました。ドジャースでジャッキーが野球をする喜びや野球への愛を体現していると思います。

ブライアン・ヘルゲランド監督からOKWaveユーザーに質問!

日本のプロ野球で初めてプレーした黒人選手は誰ですか?

Information

『42~世界を変えた男~』
2013年11月1日(金)全国公開

ジャッキー・ロビンソンなくして、野茂やイチローの登場なし。ほとんどの日本人が知らない“ヒーローになった男”の真実の物語。

史上初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンと、球団ドジャースのジェネラル・マネージャーのブランチ・リッキーを中心に、白人選手以外に開かれることのなかったメジャーリーグ界の堅牢な門戸をこじあけ、世界に本当の自由を示した男たちの真実のドラマ。
チームが、観客が、世界が変わる瞬間を、その目で見届けてほしい。そこにあるのは本物の希望だ。

監督/脚本:ブライアン・ヘルゲランド(『L.A.コンフィデンシャル』(97)米アカデミー賞脚色賞)
出演:
チャドウィック・ボーズマン
ハリソン・フォード
ニコール・べハーリー
クリストファー・メローニ
アンドレ・ホランド

配給:ワーナー・ブラザース映画

URL:http://wwws.warnerbros.co.jp/42movie/

(c)2013 LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

Profile

ブライアン・ヘルゲランド

監督/脚本家
カーティス・ハンソン監督の犯罪ドラマ『L.A.コンフィデンシャル』(97)の脚本をハンソンと共同で執筆し、米アカデミー賞脚色賞を受賞。そして、クリント/イーストウッド監督、ショーン・ペン主演の『ミスティック・リバー』(03)で再び脚色賞にノミネートされたほか、ゴールデングローブ賞等にもノミネートされた。デリー・ヘイズと共同脚本を手がけたスリラー『ペイバック』(99)で長編監督デビュー。
脚本を手がけた映画には『陰謀のセオリー』(97)、『ブラッド・ワーク』(02)、『マイ・ボディガード』(04)、『サブウェイ123 激突』(09)、『グリーン・ゾーン』(10)、『ロビン・フッド』(10)など。

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