OKStars インタビュー

Vol.320 映画監督

スティーブン・チョボスキー

OKStars Vol.320は「ライ麦畑でつかまえて」の再来と絶賛され社会現象となった青春小説の金字塔を自ら監督した2013年11月22日公開の映画『ウォールフラワー』スティーブン・チョボスキー監督へのインタビューをお送りします!

この『ウォールフラワー』には本当に感銘を受けたのですが、この作品を描こうと思ったきっかけは何だったのでしょう?

僕はこの映画の舞台にもなっているピッツバーグで育ったのですが、その頃から自分の中にこのストーリーがありました。大学時代に書いていた別の小説の中に出てきたセリフがタイトルになると気づいて、それから5年後にはなりましたがこの話を書きました。その時のきっかけは、当時の彼女とヒドイ別れ方をしたので、その失恋の痛手から何かを書かなければということでしたけど(苦笑)、それは偶然にすぎなくて、自分にはこの作品を書く必然性があったのだと思います。

小説としてベストセラーになった後、ご自身で撮ろうと思った理由は何でしょうか?

他の方に監督をしてもらったら、このストーリーは自分の思うものとしては伝えられないだろうという確信がありました。些細な気づかれないような部分がこのストーリーにはたくさんあるので、他の監督はそういうところを追いかけたりはしないだろうと感じられたからです。他の都市へと舞台を変えられたかもしれないし、ピッツバーグという街が持っているブルーカラーの労働者階級が持っている精神を感じられない作品になったかもしれません。こういう芯に迫った物語よりもセンチメンタルなメロドラマに仕立てられるのも嫌でした。

キャストの3人が生々しくて素晴らしかったですが、キャスティングの意図と彼らにはどんな演出をしましたか?

ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラーの3人に共通して僕が求めたことはリアルであること、そして心優しくあることでした。3人とも才能があるのは分かっていましたので、後はキャラクターとストーリーに忠実にあってほしいと思いました。小説を出して以来、この作品が多くの人にとって大きな意味を持っていることも分かっていましたので、その分だけ心優しくあってほしいと思いました。作品の作り方としては、エマ・ワトソンの演じたサムのキャラクターを固めていき、続いてチャーリーというやり方をしました。なぜエマかというと彼女はこのキャラクターが持っている要素を全て持ち合わせていたからです。とても心が広くて、優しくて、孤独なところも持っていて、それらを内包しながら前向きなところがある、まさにサムのキャラクターそのものでした。ローガン・ラーマンはオーディションで本当にずば抜けていました。そういう才能ももちろんありますが、このチャーリーというキャラクターはどんなに苦しくても最後には乗り越えてくれるだろうと感じさせてくれる必要がありました。なぜならこの作品は希望のあるものにしたかったからです。それを感じさせてくれる資質があったのが決め手でした。この2人が『ハリーポッター』と『パーシー・ジャクソン』という非常に成功したシリーズ作品に出ているということも、希望を届けたいというキャラクターの役割を成功させたとも思います。エズラ・ミラーはこの2人をより面白く、楽しくしてくれると思って選びました。みんな彼がいるだけで楽しくしていましたね(笑)。

90年代の高校生活が舞台ということでの、若い彼らへの演出の部分ではいかがでしたか?

チャーリーがミックステープを作っていて、途中でテープが終わってしまい舌打ちをするシーンがありますが、ローガンはカセットテープを知らない世代なので、そのシーンの意味が分からず、ミックステープとは何かというところから説明が必要でした(笑)。その他は大丈夫でした。

車の荷台に立つシーンは音楽も含め見どころのひとつですが、どんなアイディアだったのでしょう?

生まれ育ったピッツバーグは非常にマジカルな場所だと思っています。このシーンの、トンネルを抜けて広がる風景はピッツバーグのダウンタウンで、僕自身がトンネルを抜けた時に感じる胸いっぱいの感情を、いつか自分の作品の中で描きたいと思っていました。それだけでは面白く無いので荷台に立つことを考えましたが、あれは危ないので皆さんにはお勧めしません(笑)。

あのシーンもそうですが、使われている音楽がとにかく秀逸でした。選曲は監督自ら行ったのでしょうか?

はい、100%僕が選びました。とは言え、みんなの貢献も大きくて、とくに作曲をしているマイケル・ブルックとミュージックスーパーバイザーのアレクサンドラ・パッドサヴァス、そしてあまり表に名前が出てこないけれども素晴らしい仕事をしてくれたミュージックエディターのジェニファー・ナッシュ、彼らの努力のおかげで素晴らしいサントラも出来ました。

スティーブン・チョボスキー監督からOKWaveユーザーに質問!

『ウォールフラワー』の中ではどの曲が気に入りましたか?

「OKGuide」の楽曲解説をチェック!
「映画『ウォールフラワー』をサントラで楽しむガイド」

それともう一問、ここ10年くらいの日本の小説や漫画などの出版作品で、
ハリウッドで映画化されたら嬉しいものは何ですか?
もしかしたら僕が作るかもしれませんよ(笑)

Information

『ウォールフラワー』
2013年11月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー!

16歳のチャーリーは、友だち0人。彼女なんて論外だ。いつも人の輪に入れない“壁の花”のチャーリーの存在を初めて認めてくれたのが、上級生のサムとパトリックだ。義理の兄妹の二人は、何よりも自由を愛するはみ出し者で、学園カーストとは関係のない“特別席”で、眩しいほどに輝いていた。そんな二人のグループに仲間として迎え入れられ、閉ざされた世界から解き放たれていくチャーリー。刺激的なパーティに真夜中のドライヴ、理由なんて無いバカ騒ぎ、胸を揺さぶる音楽や小説との出会い、悲しい時に側にいてくれる友だち、そして息も出来ないほど切ない初恋。だが、チャーリーの過去に秘められた“ある事件”が、光に満ちた日々に影を落としていく。

監督、脚本、原作: スティーブン・チョボスキー
出演: ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー 他

配給:ギャガ
公式サイト:http://wallflower.gaga.ne.jp

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Profile

スティーブン・チョボスキー

1970年、アメリカ、ペンシルべニア州生まれ。
南カリフォルニア大学映画・テレビ学部脚本科卒業。
初監督作『The Four Corners of Nowhere』(95)は、サンダンス映画祭でプレミア上映された。
1999年、小説「ウォールフラワー」を出版。米国内で100万部以上を売り上げ、14か国において12の言語で出版される。高校や大学でも頻繁に授業で使用され、推定読者数は500~700万人にのぼる。また、過去10年間に5度、アメリカ図書館協会の“最も頻繁に問題視される書籍10冊”のリストに挙がっている。21世紀に禁書となった全書籍のトップ100では、15位になる。
その後、ブロードウェイの大ヒットミュージカルを映画化した『RENT/レント』(05)の脚本を手掛け、高い評価を得る。世界滅亡後を描くTVシリーズ「ジェリコ ~閉ざされた街~」(06~08)では、脚本と製作総指揮を務める。このシリーズは、打ち切りに対して怒ったファンが、抗議としてTV局に4万ポンド(約1.8トン)のピーナッツを送ったことでTV史上に名を残す。
現在、2作目となる小説を執筆中。

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