OKStars インタビュー

Vol.323 女優

工藤夕貴

OKStars Vol.323は女優の工藤夕貴さんが登場!2013年12月7日公開の『りんごのうかの少女』についてのインタビューをお送りします。

弘前市役所職員の提案による、弘前発という『りんごのうかの少女』ご出演の経緯についてお聞かせください。

映画では『青い山脈'88』に出演して弘前でロケをさせていただいて以来です。私の父が弘前出身なので、子どもの頃は弘前への里帰りが楽しみでした。工藤という苗字も東京だと学校にも私だけだったのが弘前ではたくさんいるのが嬉しい、というような素朴な思い出ばかりです。それと冬の雪の中で木に取り残されたりんごは雪の中で赤く残っているんです。弘前はそれこそりんごの街なので、里帰りした時に泊めていただいていた叔父の家の近くで見たその光景が強烈なイメージとして残っています。ですので、弘前発の映画ということを聞いただけで絶対に出たいと思いました。

演じられた母親・真弓役はいかがでしたか。

私自身が娘のりん子のような役をずっとやってきたので、時代の流れみたいなものを感じました。私もそういう子どもを抱える年齢になったんだなあと思いました。でも子どもを指導できるような人間にはなれていなことも感じてしまいました。
問題を抱えていますが、人間は不器用にできているから美しいし、映画も生まれるのだと思います。人間が人間らしく葛藤している姿はすごく好きです。とはいえ、自分はそうならないように、普通でいたいとは思います。
役作りは自然体でした。かつて知ったるではないですが、永瀬正敏くんもいるし、娘を抱えて葛藤している役柄なのでそのままぶつかれば、そのままのものが出てくると思いました。

全編、津軽弁についてはいかがでしたか。

難しいです!親戚の津軽弁を聞いているのと自分が話すのとは大違いで、頑張って努力はしましたけどやはり難しかったです。字幕がないとわからないかもしれませんね(笑)。

横浜聡子監督の演出はいかがでしたか。

私は横浜監督が大好きだったので、台本を読んだ時からこれはすごく良いと思っていました。こんなに当たり前の話なのに、こんなに違う世界観を出せるのかと思いました。当たり前の話だからこそ当たり前になってしまいがちなのが、横浜監督が書くとそうならないのがすごいところですね。『カラカラ』でモントリオール映画祭に行っている時にお話しをいただいたのですが、台本を読んで即決でした。若い時とはこれが良いという尺度が違っていて、今は自分にその台本の世界観がどれだけ入ってくるか、役柄よりも作品が良いかどうかというところで関わっていけたらと思ってるので、横浜監督は今までの作品も良いですし、同じ女性としてすごく面白い面も持っていて大好きです。学生さんみたいな方で純粋に映画に関わっているのが好きなんだなというのが伝わってきて、学生映画ではないですけど、一緒に作っているような感覚もあってすごく面白かったです。母親の在り方のような役柄についてフランクにお話できて、監督自身が元々持っていたイメージからさらに膨らむところがありました。一緒に仕事をさせていただいてすごく楽しい現場だったので、こんな素敵な映画に出演する機会をいただけて監督には感謝しています。

ジム・ジャームッシュ監督の『ミステリー・トレイン』で永瀬正敏さんと共演されて、今回ある意味ローカルな映画で再共演されて、いかがでしたか?

すごく懐かしかったですけど、性格的なものや考え方はあまり変わっていないねってお互いに話していました。ですので、しばらく会っていないという感じではなかったですね。撮影中は思い出話もして楽しかったです。でも、あれだけ自由に横浜から出て旅をしていたふたりが、何年も経って結婚して、こういう娘ができて、こんなところでりんご農家をやっているのは、これが現実なのかなという不思議な感覚があって、行き着いたのがここなのかと、世知辛い気分にもなりました(笑)。

工藤さんは農業もやっていらっしゃるということで、役との接点についてはいかがでしたか。

「作業着がしっくりきますね」とみんなに言われて、それに喜びつつ言葉通りに捉えていいのかと複雑な気分でした(笑)。農作業をしている時には作業効率も考えて作業着を選んだりもしているので、何事も女優の仕事には無駄にならないものだと思いながら、一番板についていると思いながら実作業もさせていただきました。農業全般に興味があるので、りんご農家のことや、りんごの剪定の仕方も指導いただいて良い勉強にもなりました。

りん子役のときさんらとの交流はいかがでしたか。

思ったほどの交流の時間がとれたわけではないですけど、ときちゃんは演技が初めてだったのでいろいろ話をしました。彼女が持っている本気のようなものに対して、自分としても結構本気でぶつかったところもあるので、相性的なものも良かったと思います。彼女の世代が持っている生の感覚のようなものにそのまま触れることもできました。お芝居を勉強している子ではないからこそ持っている、一瞬出てくる本物のようなものが引き出せた時には、自分も見ていて嬉しくなったし、一緒に演じていて楽しくなりました。

『りんごのうかの少女』見どころについてお聞かせください。

まず、みんなが共通で持っている懐かしさを感じる映画だと思います。どんな人でも通り過ぎたり、これから通りすぎるであろうものを感じることが多い映画です。当たり前だけど当たり前ではない、横浜監督の演出の仕方や日常の切り取り方がも独特で、作品として個性的ですし楽しめると思います。長編ではないですし説明調でもないので、感性を磨きに観に来ていただきたいと思います。観に行って良かったと思える映画だと思いますのでぜひ観てほしいです。

>私は親目線で観てしまいますけど、りん子の目線と両方で見られますよね。りん子側で見た時の反応も知りたいですね。

子どもは親に反抗するものなので、親はある時期から反抗する相手として存在することはありますよね。子どもはその反抗を通じて成長していくところもあるので、人が通っていかなければならない大事な通過点だと思いますし、その時に何が大事かということを決して押し付けているわけではなく、感じられる映画です。親子の在り方も一つではないけど、形は違えど普遍なものが見つけられる映画だとも思います。

工藤夕貴さんの“モットー”をお聞かせください。

足るを知って、日々を楽しく生きる、です。無い物ねだりをせずにあるものの中からどれだけ今日1日を楽しく過ごせるかということが、20代後半くらいからの私自身のモットーです。
与えられているものは本当に限られていますよね。私自身、20代で外国に移り住んで、一時期体調を崩したこともあって、食べ物の大事さや与えられた命の大切さと真剣に向き合う機会になりました。そして親や親戚を亡くしたことで、今あるものに感謝していれば無いものへの不満も無くなることを知りました。Today is good day to dieというインディアンの言葉がありますが、現代人は物事が存続しているのが当たり前だという安定的な中で生活している人が多いですが、いつ何があるかわからないというのが本来の人間が生きていく日常だと思いますし、そういうものが感じられない生活に浸かっているのも問題だと思っています。ですので、自分自身はあるものへの感謝を忘れずに日々できるだけ楽しく生活するようにしています。

ではOKWaveユーザーにメッセージをお願いします。

ぜひ自分の感性を磨く意味も込めて、誰もが経験する日常の生活の場面を切り取ったような、ある意味芸術作品である『りんごのうかの少女』を、ぜひ映画館で観ていただければと思います。

工藤夕貴さんからOKWaveユーザーに質問!

皆さんが幸せだと感じる瞬間はどんな時ですか?

私はたくさんありすぎて…
朝起きて富士山が綺麗に見えている時、お風呂に入る時、
ご飯を食べる時、布団に入る時、家族や友達と一緒にいる時…
基本的には1日何度もあぁ良かったと思っています。

Information

『りんごのうかの少女』
2013年12月7日(土)より、渋谷ユーロスペース他にて全国順次公開!

岩木山の麓で、りんご農園を営んでいる三上一家。長女で中学生のりん子(とき)は、学校にも行かず恋人の健一郎たちとともに、家出を繰り返している。りんご農家を必死に守っている母の真弓(工藤夕貴)だが、何かと作業に口出しをしてくる祖母のもとで、子育てにもりんご育てにも気苦労の絶えない日々を送っている。
りん子の誕生日を間近に控えたある夜、夫の玉男(永瀬正敏)が「りん子への誕生日プレゼントだ」と、リボンを付けた馬を連れて帰ってきた。いつも自分勝手な玉男に、真弓の気苦労は増していくばかり。
金を無心しようと、久々に家に戻ったりん子。だが、そこで目にしたものは、玉男の残した一頭の馬と、りん子の胸に深い悲しみをもたらすものであった。

監督:横浜聡子
出演:とき 永瀬正敏 工藤夕貴
配給:リトルモア
公式サイト:http://littlemore.co.jp/ringo/

(C)2013 弘前市

Profile

工藤夕貴

1971年生まれ。東京都出身。
『逆噴射家族』(84/監督:石井聡互)で映画デビュー。同作にてヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞する。『台風クラブ』(85/監督:相米慎二)に主演後、今井正監督の遺作となった『戦争と青春』(90)に主演し、ブルーリボン賞主演女優賞、日本アカデミー賞優秀主演女優賞等を受賞する。カンヌ国際映画祭芸術貢献賞を受賞したジム・ジャームッシュ監督の『ミステリー・トレイン』(89)で、国際的な脚光を浴びたのを皮切りに『ピクチャー・ブライド』(96/監督:カヨ・ハッタ)、『ヒマラヤ杉に降る雪』(00/監督:スコット・ヒックス)、『SAYURI』(05/監督:ロブ・マーシャル)、『ラッシュ・アワー3』(07/監督:ブレッド・ラトナー)など海外作品にも数多く出演。日本=イラン合作『風の絨毯』(03/監督:カマル・タブリージー)ではアソシエイトプロデューサーも兼任し、同作は2003年度イラン・ファジール映画祭にて観客賞、審査員特別賞、世界教会賞のトリプル受賞を果たす。近年の出演作に『L change the WorLd』(08/監督:中田秀夫)、『春よこい』(08/監督:三枝健起)、『リミッツ・オブ・コントロール』(09/監督:ジム・ジャームッシュ)、『座頭市 THE LAST』(10/監督:阪本順治)、『カラカラ』(12/監督:クロード・ガニオン)等がある。 現在は女優業と共に、富士山麓で農業生活に取り組んでいる。「あゝ上野駅」等数々のヒット曲がある演歌歌手で父親の井沢八郎は、本作の撮影地である青森県弘前市出身である。

工藤夕貴オフィシャルウェブ

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