OKStars インタビュー

Vol.332 俳優

水嶋ヒロ

OKStars Vol.332には3年ぶりのスクリーン復帰作となる2014年1月18日公開の映画『黒執事』主演の水嶋ヒロさんへのインタビューをお送りします!

 『黒執事』主役のセバスチャンのオファーを受けられて、当初は断られた、ということですが、最終的に演じようと決めた理由は何だったでしょうか?

共同プロデューサーとしてゼロから携われたところが大きかったです。自分が良い作品を作りたいという一心で1年半かけて脚本作りをしてきました。自分が良いと思う作品を作るということは、自分が出たい作品を作るのとイコールだと思いますので、出来上がった脚本を前にあらためてオファーをいただいた時には断る理由がなくなっていました。作品に対する愛着もそうですし、プロデューサーから必要とされている喜びも膨らんでいました。自分がセバスチャンを演じることのハードルの高さは変わらないことですが、役作りの時間も沢山ありましたし、自分の考えを伝えられる環境でもあったので、勇気を出してやってみようという気持ちになっていきました。

セバスチャン役の「ハードルが高い」と感じられたのはどの部分でしたか?

全てにおいて完璧、と言われている役なので、常に気を張ってないといけないことは、原作を読まなくても想像できていました。漫画が原作ですので、すでにあるビジュアルに寄せていくのは、今まで演じてきた役柄でもとても大変だった経験から苦手意識もありました。そして、なにより漫画を実写化することの難しさですね。実写化する意味だったり、実写化することでの良さを出していく大変さを全てクリアしていくのは気が遠くなる作業です。一緒に創る人達が同じビジョンを共有してくれるかどうかもわからない。最初の段階からセバスチャンの要素が1つでも備わってる人が演じた方が、早いし良いのではと思っていました。

>では、脚本作りの段階ではセバスチャンというキャラクターを水嶋さんに近づけていったのでしょうか?それとも水嶋さんが役柄に寄せていったのでしょうか?

脚本を仕上げるまでは他の役者さんが演じることを前提に僕は取り組んでいたので。ただ、他の方が演じる場合でも、ビジュアルを原作に寄せてもらうつもりはありませんでした。その人にできる範囲で構築してほしいと。それぞれのキャラが自由にビジュアルを詰めていける余白を作ることで、実写化の場合は実在感が増すと信じていたからです。なので、原作とは異なるセバスチャンでありながら、原作のセバスチャンの中身(悪魔)が宿っているようにすることで、原作とのリンクを作りたい思いがありました。僕が演ることになったので、ビジュアルは僕のできる範囲で悪魔を宿す人間をイメージしながらゼロから構築していきました。

『黒執事』は主従関係の部分が面白さのひとつだと思いますが、セバスチャンと清玄(きよはる)との関係性をどんなものにしようと思いましたか?

僕が心がけたのは主に対して情の欠片も抱かないこと。他人の前では従順な執事に見せるけれど、ふたりきりになると決してそうではない関係が面白いところですね。ベースとして執事らしく振る舞っていますが、遥か上から見下ろすような態度を常に心の中では含んでいます。何より二人の間には命と引き換えの契約があり、二人の絆が深まる程に先の無い未来が哀愁を感じさせます。

執事、というキャラクターを演じる上で準備されたことはありますか?

執事の基本的な所作やルール等はレッスンを受けました。現場で給仕する際には、執事指導の方に動きはチェックしてもらいましたし、他にも姿勢の良さ、優雅に上品に、というところがこの役にはとても大事な要素だと思っていましたので、どんな時も気を緩めないで演じようと思いました。計算をして事前の準備をすることも大事で、素が出てしまうことがないように、自分でこうすると決めてから演じるようにしました。

>役作りのために体重を50kg台まで絞り込んだそうですね。

見た目をシャープに見せたかったのと、身長が180cmの僕にとって50kg台というのは未知だったので、もしかしたらその半病的とも言える見えた方が、役作りにプラスに働くかもしれないと思いました。そうすることで悪魔としての雰囲気に近いものが自然と出せるかもしれないという期待がありました。
ただ、現場に入ってからも続けなければならなかったので、撮影中はお腹が空いていて本当にキツかった(笑)

アクションも見どころですが、その動きも従来の活劇とは異なっていたと思います。その準備はいかがでしたか?

アクションは4ヶ月間トレーニングを重ねました。とくに冒頭のアクションは、女性の方にも楽しんでいただきたいという思いがありましたので、残虐な中にどこか上品さや優雅さが感じられる新しいものにしようと、アクション監督の大内貴仁さんに相談して臨みました。

>トレーニングの内容としてはいかがでしたか?

過去にもアクションの経験はありましたので、どうすれば自分が本番を最高の形で迎えられるかはおおよそ分かっていました。それで、撮影開始時までに本編の3つのアクションを全て完成した状態で用意してほしいという要望を出して、そこから4ヶ月間立ち回りを反復し続けて身体に叩きこんでいく練習方法にさせてもらいました。ですので、基礎的な動きというよりは、現場で実際に行う動きをひたすら繰り返す練習方法でした。

>舞っているようなアクションで素敵でした。3つのアクションはそれぞれコンセプトが異なっていましたね。

そうですね、3回のアクションでは、戦う相手の人数が減っていきます。最初は自分が悪魔だということを証明するアクションにしたかったので、悪魔だという説得力を持たせるためにも1対多数という形にしています。人間対悪魔の戦いで、人間よりも一段か二段上の領域にいるアクション。人間を圧倒する動きを見せていくことで、自分が悪魔だというのをお客さんに信じてもらえるだろうと考えました。2回目の警察署でのアクションは少し気楽に見られる、ある意味滑稽にも見えてしまうような、そういった差別化をはかっています。最後はクライマックスなので、1対1の人間を超越した者同士のぶつかり合いを描きたかったので、そのような戦いを作りました。

共演者の方々についてはいかがでしたか?

この作品に出演して下さる皆さんには、どうせなら黒執事の撮影が良い思い出として残ってほしいという思いが強くあって、できる限り楽しい時間になるように、撮影の合間はずっとお話しをしていました。

>製作に携わっていたからこそでしょうか?

そうですね。思い入れが深い作品なので、また一緒に仕事がしたいと思っていただけるような現場にしたいという思いでした。

>監督がふたりという体制についてはいかがでしたか?

大谷健太郎監督が演出にまつわる部分をすべて担当していましたので、現場では混乱することもなかったですね。

作品の設定や時代などの世界観をゼロから作り上げていくのは大変でしたか?

今回、俳優出身のプロデューサーとして関わることでできることがあると思いました。例えば編集の時に、役者があるシーンで取り組んだ芝居で、それがほんの一部分しか使われなかった。でも演者としてはその部分だけ使われても、前後の微妙なところが無かったら本意とは違うものになったりする。そんな演じ手と作り手との間にはイメージのギャップもあります。ですので、役者の目線でこの人のこの芝居はここから始まりここで完結している、ということを編集の場ですり合わせることで、役者にとってもより良い作品にしていけると思いました。

>今後、そういった視点から監督業には興味はありますか?

考えてないですね(笑)。監督をやるには、人間としてもっと成長しないとできないんじゃないかと思っています。

俳優として製作にも携わるという部分について、振り返って思うところはいかがですか?

原作そのままを描くとなると予算が合わなくなる。だからといって、日本で英国風に作り込んで撮影してもつっこみどころを隠しきれない。現代で、日本で撮影をするという条件から撮影のできる現実的な範囲内でアイデアを形にしていくと、この設定に辿り着きました。やはり無理の無い範囲で最大限できることを足していくと、例え架空の世界や設定であってもリアリティのあるものに仕上がっていくと思うんです。少し先の未来と言う部分に関しては、誰も知らない未知の可能性を置くことで、こちらも限られた条件の中であっても自由度を確保出来る。クリエイティブを上げることにも繋がりましたね。世界観は原作の怪しくも妖艶な雰囲気が描けるように、映像の質感からこだわって、隅々にまで気を配りました。大変だったけど楽しかったです。

>では一番苦労した部分は?

脚本を作る作業が楽しくもあり、苦労もしました。キャストが決まってくると、そこから書き換える部分も出てきますし、撮影してみて、物理的に難しいところが出てくると、次の日に撮影する台本を作り直すこともありました。脚本作りは一筋縄ではいかないなと思いました。

20代最後の作品となると思いますが、どんな30代を目指していますか?

20代は常に3年ごとの目標を決めてきましたが、30代は少し受け身になるかもしれません。今できることを精一杯やろうという気持ちの方が濃くなってきています。まずはこの作品をひとりでも多くの人に観ていただけるように頑張って、その結果を受け止めた自分が何を思うかというところに耳を傾けたいと思います。

水嶋ヒロさんからOKWaveユーザーに質問!

皆さんは、自身のどういうところに強みがありますか?

Information

『黒執事』
2014年1月18日(土)全国ロードショー

舞台は、近い未来、西洋と東洋の文化が入り乱れた大都市。
ミイラのように干からびた死体と、そこに残された「悪魔」のタロットカード。犠牲者は各国の大使館員ばかり7名にのぼり、不安は世界中に広がった。
謎の解明に乗り出したのは、幻蜂清玄(げんぽうきよはる)伯爵と、その執事セバスチャン。幻蜂家は代々、巨大玩具メーカー、ファントム社を経営する一方、その裏側では女王の密命を帯びた闇の貴族「女王の番犬」として、表沙汰にできない事件の処理や、内密の諜報活動にあたっていた。今回の“連続ミイラ化怪死事件”の解決も女王からの指令だった。そして、幻蜂清玄伯爵の実の名が汐璃しおりで女であることは、知られてはならない秘密だった。10年前、何者かに父と母を目の前で惨殺されて以来、清玄は女である自分を捨て、まったく別人の男として爵位を継いだのだ。
謎を探るうち、犠牲者たちは皆、生前ある男と接触していたことがわかった。男のもとに潜入した清玄は、手足を縛られた大勢の少女たちが木箱に詰められ、どこかへ運ばれていく異様な光景を目にする。しかし、男からそれ以上の情報を得ることはできず、ついに8人目の犠牲者が出た…。

ミイラ化した死体、悪魔のタロットカード、消えた少女たち……。
すべてがひとつにつながるとき、恐ろしい事件の全貌が浮かび上がる。

水嶋ヒロ
剛力彩芽
優香・山本美月・大野拓朗 栗原類 海東健 ホラン千秋・丸山智己
城田優 安田顕 橋本さとし/志垣太郎・伊武雅刀 岸谷五朗

原作: 枢やな『黒執事』(掲載 月刊「Gファンタジー」 スクウェア・エニックス刊)
主題歌: ガブリエル・アプリン「Through the ages」(ワーナーミュージック・ジャパン)
監督: 大谷健太郎 さとうけいいち

配給: ワーナー・ブラザース映画

公式サイト: http://kuroshitsuji-movie.jp

©2014 枢やな/スクウェア・エニックス ©2014 映画「黒執事」製作委員会

Profile

水嶋ヒロ
1984年4月13日生まれ。東京都出身。
主な出演作は、08年『Room Of King』、09年『ドロップ』、09年『東京DOGS』、10年『BECK』などがある。俳優以外にも多岐に渡るコンテンツのプランニングやディレクション及びクリエイターとしての活動もしており、映画『黒執事』では共同プロデューサーとして、本名の齋藤智裕でも表記されている。
オフィシャルサイト:http://mizushimahiro.jp/

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