OKStars インタビュー

Vol.338 記者会見

『KILLERS/キラーズ』

OKStars Vol.338は日本とインドネシア合作の衝撃の映画『KILLERS/キラーズ』の記者会見“KILLERS Roppongi Session”と、監督チーム モー・ブラザーズへのインタビューをお送りします。

“KILLERS Roppongi Session”
登壇:モー・ブラザーズ(ティモ・ジャヤント、キモ・スタンボエル)、北村一輝、高梨臨

過激で衝撃的な作品ですが、演じられた役柄についてはいかがでしたか?



北村一輝 : 演じた野村という男には全く共感できなくて(苦笑)、監督にはなぜこの映画を撮るんだ?というところから聞きました。その時に言われたのが、アジアの人間として映画を作る者として、こういうジャンルを選んで世界に通用する作品を作りたいんだ、ということでした。それで、ティモから一言、野村は「神だ」と言われました。インドネシア人のバユは理由があって人を殺してしまいますが、野村は理由がない。お腹が空いたら食事をするように、目の前に人間がいて、2人きりになると殺してしまうようなキャラクターだと言われました。監督たちには細かく演出してもらい、指示の中で野村という人物を作っていきましたね。

高梨臨 : 演じた久恵は普通の女性ですけれど、弟のことや過去の悩みを引きずっていて、繊細な部分もありますが、女性としての強さも持っている人物ですね。

>アッバス・キアロスタミ監督の撮影も経験していて、今回はいかがでしたか?

高梨臨 : 海外の監督だから、というのはあまりなくて、日本人でも監督によって演出は違います。今回は2人の監督でしたけど、混乱することもなくやりやすい現場でした。

>北村さんはいかがでしたか?

北村一輝 : 監督が2人ということでは、ティモが子どもですね(笑)。キモがまとめる感じで、2人で相談して作っていました。意見が食い違うこともなく、どちらに聞いても答えは一緒でした。
インドネシアでの撮影は未知で、ジャカルタという町のこともあまり知らずに現地に行きました。ジャカルタに行ってびっくりしたのは町のパワー。町の7割くらいが若者で、右肩上がりになってきているのを目の当たりに感じました。映画の撮影も、日本の3倍くらいのスピードで進んでいきました。日本は職人気質というか、技師の方たちが100点の状況をつくってフィルムを回していくのですが、デジタル化もあって、スタッフもみんな若くて、全員がiPadを持っていたし、現場にコード類もほとんどなくて、編集もその場でやっていました。どちらがいいということではなくて、新鮮な気持ちでできました。良い部分も学びましたし、俳優にとってはテンションを保てるので、やりやすかったです。

日本人の方が抑圧されたイメージがあるのですが、北村さんとオカ・アンタラさんの演じたキャラクターが、どうしてこういうキャラクターになったのかお聞かせください。

ティモ・ジャヤント : 今回の脚本を書くにあたって日本人の内面を描くために牛山拓二さんに参加していただきました。牛山さんにずいぶんと質問をさせていただきました。日本社会の方がより完璧でなければいけないというようなプレッシャーが大きいのかなと思います。ただ、野村という人物は、日本の社会から生まれてはいますが、すでにモンスターなんです。社会的な影響を超越してしまっているキャラクターで、野村は神のような存在だと思っています。社会的な規範からも抜け出てしまっているわけです。それに対するコントラストとして、ジャカルタに住んでいるバユを描きました。ジャカルタの町は、夜の2時に歩いていたら、もしかしたら事件に巻き込まれるかもしれないくらいの暴力性があります。その中でバユは良き人物であろうとしているので、その分、抑圧されてしまいます。良くあろうとすればするほど、抑圧されてしまうキャラクターなんです。

北村さんを演出したご感想をお聞かせください。

ティモ・ジャヤント : 演技を一目見てすごいと思いました。北村さん自身は決して野村のようなクレイジーな存在ではないですが(笑)、演じているとそこに野村が存在しているんです。監督が思い描いているものを何でも演じきれる人だと思いました。この作品に出演していただいたことを嬉しく思いますし、高い経験値を持つ偉大な役者だとも思っています。

キモ・スタンボエル : 北村さんも役柄をイメージして現場に入る方なので、自分たちが持っていたイメージと合わずに話し合うこともありました。それで北村さんのイメージで演じてもらった後に、編集の段階で見比べると、北村さんのアプローチの方が正しいと感じることが多々ありました。野村を平面的なキャラクターではなく多層的なキャラクターにしたいんだなと思いました。キャリアの浅い自分は撮影の時には理解できていなかったと思いました。

北村さんはオカ・アンタラとの共演はいかがでしたか?

北村一輝 : オカとはいろんなことを話しながら共演しました。彼のストイックさとプロ意識がすごかったです。尊敬に値する俳優だと思うし、画面の外に伝わってくるパワーのようなものもすごいです。共演できて幸せだと思いました。これからも刺激あえる関係であればいいなと思います。

モー・ブラザーズのおふたりの演出の分担や、東京とジャカルタでの撮影はいかがでしたか?

キモ・スタンボエル : 我々にとっても日本とインドネシアの合作は初めての体験でしたので大変な作業でした。プリプロダクションの段階で演出面については2人で詰めてから撮影に入りましたので、現場で口論するようなことはありませんでした。自分は日本の製作チームともうまくコミュニケーションを取ることができたと思います。

かつての日本では中学生でもこういった内容の映画を観ることができましたが、インドネシアではいかがでしょうか。

キモ・スタンボエル : インドネシアも3段階のレイティングがあり、18歳以上向けとなります。

ティモ・ジャヤント : 映画を作る上で、どの国向け、という考え方はしないようにしています。1人の映画監督として臨むべきである、と考えているので、その国の検閲に合わせて映画を作るべきではないのかなと思います。

野村は殺人の様子を動画サイトにアップしていきますが、そういった心理をどう思いますか?

北村一輝 : 人間としてあるまじき行為ですので全く理解できませんよね。ただ、感情移入できる人物だけを演じるのが俳優ではないとも思っています。それと、野村の周りにいる久恵の日常や、インドネシアのバユの日常が描かれていますので、どこを見るか、どの目線で見るかですね。僕自身から言えるのは、こういうことをやったらダメだ、ということですね。

高梨臨 : 私はバイオレンス映画は嫌いではないですけど、現実にやるのは絶対にダメですよね。

この作品を通して伝えたいことは?

ティモ・ジャヤント : 非常に暴力的な作品だと思われてしまうかもしれませんが、観終わった後に何かを考えてほしい作品です。人にとって暴力とは何なのか、我々の人生に何をもたらすのかを考えてほしいです。北村さんが演じた野村というキャラクターは人を殺すことを謳歌しています。インドネシアのバユは良く生きようとするけれど暴力のスパイラルから逃がれることができません。2人とも、彼らの人生において暴力がひとつの鍵となっています。暴力は我々の人生においても大きな関係性があります。そういう部分は共感したり考えるきっかけになると思います。

本作の製作総指揮のギャレス・エヴァンスの『ザ・レイド』の続編への出演が、本作撮影中に決まったそうですね?

北村一輝 : 『ザ・レイド』を観てすごい映画だと思ったので、出してくれと言い続けました(笑)。ギャレスもティモとキモもインドネシアではファミリーみたいで、一緒に食事中に『ザ・レイド GOKUDO』の話をしているので、オカ・アンタラも出るのだったら自分も出してほしいという話をして、1シーン足してもらっての出演になりました。撮影の仕方が新鮮で、『ザ・レイド GOKUDO』の現場は楽しかったし、いい経験になりました。

おふたりは日本にもよく来られるそうですが、日本の印象と影響を受けた日本の監督がいたらお聞かせください。

ティモ・ジャヤント : 日本に来る前のイメージは日本のポップカルチャーに対する印象を持っていましたが、実際に来てみたらもっとすごい所だと感じました。実は映画作家になりたいと思ったきっかけが黒澤明監督です。彼の『赤ひげ』を観た時に映画監督になりたいと思いました。

キモ・スタンボエル : 日本はとても好きで今回が4回目くらいの来日になります。黒澤明監督をはじめ日本映画から影響を受けています。とくに『リング』には多大な影響を受けました。同じアジア人同士、何か共通しているところがあるのかなと思います。

日本とのコラボレーション作品を今後も作っていきたいですか?

ティモ・ジャヤント : 日本での撮影は素晴らしかったです。キャリアはそんなに長くないけれど今までで最高の体験をさせてもらいました。僕はわりと気が散ってしまう性分なので、『KILLERS/キラーズ』の撮影中も、次は何を作ろうかと考えていました(笑)。東京で作るアイディアもたくさんありますので、また日本で撮影したいと思います。

キモ・スタンボエル : 素敵な体験ができたし、日本のスタッフとの作業は本当にやりやすかったです。ぜひプロジェクトがあればやってみたいです。たとえ、それが寒い冬だったとしても(笑)

Information

『KILLERS/キラーズ』
2月1日(土)よりテアトル新宿ほか全国公開

キャスト:北村一輝、オカ・アンタラ、
高梨臨 、ルナ・マヤ、黒川芽以、でんでん、レイ・サヘタピー

製作総指揮:ギャレス ・エヴァンス(『ザ・レイド』)
監督:モー・ブラザーズ(ティモ・ジャヤント、キモ・スタンボエル)
配給:日活
公式HP:http://www.killers-movie.com

(C) 2013 NIKKATSU/Guerilla Merah Films

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