OKStars インタビュー

Vol.357 「金閣寺」

初日開幕直前会見レポート

OKStars Vol.357は三島由紀夫×宮本亜門×柳楽優弥「金閣寺」初日開幕直前会見レポートをお送りします。

登壇(敬称略):宮本亜門(演出)、柳楽優弥、水橋研二、水田航生、市川由衣

まずはご挨拶をお願いします。

宮本亜門:いよいよ再々演という形で赤坂ACTシアターで開催できて嬉しいです。時代の変化とともに何を感じてもらえるのか、この舞台は変わってきています。前のバージョンとは違うし、前回は3時間以上の内容でしたが、今回は2時間半ほどに凝縮ましたし、改作したと捉えていただいても結構です。そしてこの新しいキャストを迎えて、とても稽古をしました。柳楽くん曰く、「宮本亜門が優しいだなんて、冗談じゃねえよ!」(笑)と言うくらい葛藤し、1ヶ月間やってきてできた舞台を観ていただければと思います。

柳楽優弥:溝口という役を演じさせていただきます。稽古中、亜門さんに叱咤されながら水口に自分を近づけてきました。それを舞台で表現できるよう、挑んでいきたいと思います。

水橋研二:柏木役を演じます。まだまだできること、やれることがあると思いますので、本番中も一歩ずつ前進できればと思います。

水田航生:鶴川役を演じます。稽古を1ヶ月やってきて、まだまだいい悩みを続けております。舞台の幕が上がる1秒前まで悩み続けて、お客さんの前ではその場所で生きたいと思います。

市川由衣:有為子とお花の師匠役を演じます。1ヶ月間稽古をしてきて、たくさん悩んだり、いろんなことを考えてきました。本当に早く皆さんに観てもらいたいなという気持ちでいっぱいです。初日が始まってからも変わっていくと思うので、自分も楽しみです。

2011年に初演とニューヨーク公演が行われました。その後、再演がありましたが、もう一度上演したいと思った理由と、「金閣寺」の魅力をお聞かせください。

宮本亜門:「金閣寺」という作品は時代と呼応しています。初演は震災の前で、再演は震災後ということで、意味合いが大きく変わっています。今の日本の社会は大きな転換の時期にあると思います。三島由紀夫が描いているのは戦前・戦中・戦後です。その中で人間はどう生きていくのかを高校生、大学生という設定ではありますが、そこでの自分と社会との関係を描いています。高校生や大学生の悩みの話ではあるけれど深い話なので、いろんな世代の方に考えてもらうきっかけになる話だと思いますし、そこを三島由紀夫も狙ったんだろうと思います。今の時代を考えたい人、これからの日本を考えたい人に向けてこの「金閣寺」を上演したいという思いがありました。

>普遍的なテーマを持っているということですね。

宮本亜門:そうですね。初演の後に書店に原作本が並んだり、ネットに読後の感想をアップする若い人が多くて、それは文豪・三島由紀夫の作品だからということではなく、今の時代に関連することが多いからです。今回の舞台では文学作品というよりは分かりやすく身体的にも音楽的にもエンタテインメントのある作りなので観客にも喜んでもらえると思います。

溝口という役に共感できる部分と、稽古をして見えてきていることをお聞かせください。

柳楽優弥:稽古に入る前は溝口の吃音の部分を意識していました。稽古に入ってからはむしろ内面の部分を大事にしなくてはいけないと強く感じました。

>亜門さんは「宮本亜門が優しいだなんて…」と仰っていましたが、今はどうでしょうか。

宮本亜門:本当のこと言っていいよ。

柳楽優弥:とても厳しい方です(全員笑)

宮本亜門:だいたい、誰に優しいって言われたの?

柳楽優弥:ライターの方に…

宮本亜門:その方が間違っていたんだね(笑)

柏木役についての抱負をお願いします。

水橋研二:柏木は、はっきり物事を話す、現代にはあまりいないんじゃないかと思う人間です。なので最初は難しくて、亜門さんには本当にご迷惑をお掛けしました。でも今は亜門さんとも相談させていただいて、こういう人間がいたらすごく楽しいなと、彼の言動が面白くてしょうがないです。

鶴川の溝口に対しての接し方など、お聞かせください。

水田航生:最初は溝口の光でなければならないと思って稽古に臨みましたが、溝口のことを最初に置くのではなく鶴川は鶴川として生きることが溝口を引き立てたり、鶴川の魅力が出るのかなと感じました。溝口の内面に渦巻いているものを鶴川は察知していて、それを尊敬できる部分を持っているから、溝口と鶴川がお互いにそういう思いを持った関係なのかなと稽古を通じて感じました。ですので、溝口の光である部分や、彼の持つ闇の部分を意識するよりも、鶴川としてしっかり生きたいと思います。

溝口にとっての女性像の象徴である有為子とお花の師匠役について、いかがでしょうか。

市川由衣:女性の出演シーン自体が短いですけれど、その中で生き様や生き方をどう見せるかには最初は悩みました。亜門さんからヒントをいただいて想像して、溝口の心に残る女性を自分の中で作り上げました。とくに女師匠は京都のキリッとした女性で、私はそういう役の経験がなく難しかったのですが、亜門さんが実際に演じて見せてくださって、それがまたすごく格好良くて、学ばさせていただきました。

宮本亜門:女師匠にかぎらず、全部の役をやっていますね。

柳楽さんは京都のお寺に修行に行かれたそうですが、役作りにどう活かされたのかということとエピソードをお聞かせください。

柳楽優弥:たまたま入山した同じ日にご一緒になった方が本当に鶴川みたいで、そういう方と出会えたことが嬉しかったです。その気持ちを水田さん演じる鶴川に重ねられるようになったのが良かったです。厳しい稽古をする上で、座禅を組んだりしたことも自然と勉強になりました。

今回ならではのこだわった部分などは?

宮本亜門:柳楽さんの溝口は内面の葛藤を露骨に出すので、全員が舞台上で生で存在してほしくて、それが竜巻のようなエネルギーの圧縮になるように、細かい点を変更して芯を作っています。戦後の三島由紀夫の言う“甘ったるい世界”、面と向き合わない、形だけの世界に対するいらだちと混乱が、彼の中に渦巻いています。時代と共鳴するかもしれないし、震災以降、皆さん良くも悪くも露骨に語り出していると思うので、観客の皆さんがどこに共鳴するかは開けてみないと分かりませんが、前回よりも露骨な表現を撮っているのは事実です。。

柳楽さんは坊主頭にされましたが、奥さんや周囲の反応は?

柳楽優弥:芝生みたいと言われました。坊主頭にしていると楽なのでつい触っちゃいます。これからもこの頭でいたいなと思いますけど、「それだと他の役ができないでしょ」と言われました(笑)。

では意気込みをお聞かせください。

市川由衣:2014年版「金閣寺」が幕を開けます。この舞台を観に来てくださったお客様には体感いただく舞台だと思っています。ぜひ劇場にいらしてください。

水田航生:いろんなものを感じてもらいたいし、お客さんひとりひとりがそれぞれに感じ取れる舞台になっていると思います。一度にかぎらず何度も足を運んでください。

水橋研二:本当に素敵な舞台になっていると思います。みんな汗をかいて頑張っていますのでぜひ観に来てください。

柳楽優弥:周りのキャストの方に支えられながら、僕の代表作にするという強い気持ちで挑みたいと思っています。

宮本亜門:代表作になると思います。そのくらい彼も高いところからダイブしていますし、正直に言うと全員が一度は悔し涙を乗り越えているので、すごい瞬間がたくさん出てくると思います。今だから観てほしい、人間同士の語らいが描かれていますので、ぜひお越しいただければと思います。

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Information



「金閣寺」

2014年4月5日 (土) ~2014年4月19日 (土) <公演中>
会場:赤坂ACTシアター

2014年春、あらたに「金閣寺」の幕が開く。
2011年KAAT神奈川芸術劇場オープニング作品として初演、そして同夏、ニューヨーク リンカーン・センターフェスティバル正式招待。絶賛を受けた舞台「金閣寺」が新たな息吹とともに上演決定!
その言葉が肉声となり、魂を揺さぶる。

原作:三島由紀夫
演出:宮本亜門
原作翻案:セルジュ・ラモット
脚本:伊藤ちひろ 宮本亜門
出演:柳楽優弥、水橋研ニ、水田航生、市川由衣
高橋長英、大西多摩恵、花王おさむ、山川冬樹、磯部勉
大駱駝艦(村松卓矢、湯山大一郎、若羽幸平、橋本まつり、小林優太、宮本正也)、岡田あがさ、天正彩

入場料金:S席8,500円、A席6,000円(全席指定、税込)

総お問合せ:パルコ 03-3477-5858
http://www.parco-play.com

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