OKStars インタビュー

Vol.373 俳優

藤原竜也 山田孝之

OKStars Vol.373は初共演となった『MONSTERZ モンスターズ』(2014年5月30日公開)についての藤原竜也さんと山田孝之さんへのインタビューを送りします!

脚本を読んだときの感想を聞かせてください。どんなところが面白いと思ったのか、期待したことは?撮影ではどのシーンが楽しみでしたか?

藤原竜也:大変な話だなというのと、面白いところに目をつけたストーリーだなと思いました。“目”で全世界を支配する、“目”で見たものすべてを操るって、新しいなと。そして、ひとり絶対的な彼に屈しない、決して折れない男(終一)の登場によって、自分の世界が崩壊じゃないけれど、彼の人生は狂っていくんですね。それがなんだかとても魅力的だと思ったし、何よりも終一役の山田孝之くんとは共演しているようでしていなかったので、初共演ということにも魅力を感じました。そういうのをすべてひっくるめて、中田監督の得意とするジャンルでどう描かれるのかとても楽しみだったんです。

>かなり期待は大きかったんですね。

藤原竜也:そうですね。ただ、細かく台本を読んでいくと、“男”はどこまでの人を操れるのか、視界に入った人ぜんぶなのか、自分が狙いを定めたターゲットをどこまで操れるのか、とか難しい課題も出てくる。その点はどう対処するのか、撮影中も苦労しました。面白そうだなという期待の反面の苦労もありましたね。

>山田さんはいかがでしたか?

山田孝之:こういう作品が来たか、というのがまずありました。日本の映画でこの手の映画は漫画原作だったらよくある世界観、よくある話だと思うんです。特殊能力とか。それが、漫画原作ではないものがこうして映像化される、日本映画でそういうものがもっともっと増えていってほしいと思っているので、それは貴重だなと思ったし、ぜひ出演したいと。ごくふつうの青年の田中終一役でオファーをもらえたのも嬉しかった。いつも前後1年ぐらいで最近、どんな役を演じているかを考えるんですけど、最近の感じからいくと、“男”の役のオファーだったら断っていたかもしれないです。
この手の作品って言いましたけど、なんかこういう作品って構えて観る人が多いと思うんですね。観る人たちがどう入り込んで、どう観たらいいのか悩む作品だと思うんです。というのも、『MONSTERZ モンスターズ』は人を操れる人間と操られる人間が出てくる映画、そういう情報をもとに人は映画館に行くわけじゃないですか。それってどういう映画なんだろうと。たとえば、「死神が出てくる映画です」と言うと「何それ?」って「?」がつくけれど、「原作は『DEATH NOTE デスノート』です」というと、死神が出てくるという言葉もなるほどって納得する。今回は漫画原作ではない分、それが弱みでもあり強みでもあるんですよね。

唯一操れない男、終一を演じた山田孝之さんについて。楽しみだったという山田さんとの共演の感想を聞かせてください。

藤原竜也:対立する役ですから、だらだらと一緒にいたりしていたわけではなかったんですけど、隣で山田くんの寡黙な姿、田中終一という絶対的な強さ<治癒力>を持った男の作り方を間近で見ていて。本当に格好良かったですね。変な言い方ではなく、いい緊張感を出してくれていました。僕の演じた“男”という役も、田中終一=山田孝之くんの存在感と空気に引っぱられていた気がします。いまふり返ってみても、いいひと夏を過ごさせてもらったなと。設定についても2人で話し合ったりしました。最初の台本では、突然2人が何か超越して、絆が深まって、友情が芽生えたりしていたんですけど、その設定は難しいよね?と2人で話していて。で、監督とも話し合って、みんなが納得する台本になっていったんです。すごくいい現場でしたね。

では山田さんは、藤原さんとの共演はいかがでしたか?感想を聞かせてください。

山田孝之:82年、83年生まれの同世代の俳優は、みんな十代の頃から役者をやっている、芸歴の長い人たち。そのなかで意識していたひとり、いつか共演したいなと思っていたので、単純に嬉しかったですね。竜也くんの舞台や映画を観に行ったこともあります。舞台だけでなく映像であっても、竜也くんの芝居には圧があるんです。芝居の力のある人。共演したいという以上に、その圧を間近で感じてみたいという気持ちが大きかったというか。それを体験できたことは嬉しかったです。本当にすごかったですよ、あの圧は。

他人を操れる“男”について。このキャラクターをどう捉え、どんなふうに演じようと思ったのか?演じるうえで大切にしたことはどんなことですか?

藤原竜也:孤独な人生を歩んで、過去のトラウマを引きずって、たったひとりで自分の世界を作り上げているキャラクターですね。寂しくもあります。そして、終一の存在によって“男”の人生は崩れ、でも最後のひと言に全部が現れているのかもしれないとも思っていて。個人的には、目ですべてを操る役というのは面白かったですけどね。貴重な、いい経験をさせてもらいました。

操るときの“目”がとても印象的でした。目の演技についてどんな工夫があったのか、どんなことを意識していたのか、目の演技について聞かせてください。

藤原竜也:実はまったく意識していないんです。ただ、こんなにも目のカットは必要ですか?っていうほど、右目、左目、両目、右から左から、いろいろな目のカットをたくさん撮っている、それだけです(苦笑)。しかも、かなり撮っているのに「たっちゃん、もう一回だけ、もう1カットだけ撮らせて!」って監督が……。ほんとにそこまで必要ですか?っていうほど目を撮られました。目だけしか撮られていない。セリフもほとんどないですからね(苦笑)。ものすごいカット数でした。 あと、これはアクション映画でもあって、山田孝之くんのアクションシーンも見どころなんです。で、なぜ山田孝之くんがアクションをくり広げるかというと、終一の周りの一般市民を僕が目で操り、終一に攻撃を仕掛けるからで。そういうシーンでは、僕は目を30 カットくらい撮って終わり。僕の撮影は目だけで終わっちゃうんです。ほんとに目しか映っていないので、藤原竜也の後に、“(目)”って、目を入れてくれないかなぁ(笑)。人生でここまで“目”を撮られたのは初めてでしたね。

>実際に目で操れる力があったら、どうしますか?

藤原:楽しいと思いますよ。うん、楽しいはず。

では山田さんは“操られない男”、終一のキャラクターをどう捉え、どんなふうに演じようと思ったのか、演じるうえで大切にしたことはどんなことですか?

山田孝之:ビジュアルも固定されていないので、終一はある程度自分で作らせてもらいました。動き、表情、髪形……ですね。驚異的な治癒力はあるけれど、スーパーヒーローじゃないんです。それを観た人たちにすぐに理解してもらわなきゃならないなって思って。後半は対決シーンもあって、人もたくさん出てきて、表情も芝居もすべてが大きくなっていくので、そこに繋がるように展開を作る必要があるなと思いました。スーパーヒーローならふつうの青年でもマスクを付けて出ていけば、口調もなにもかも作っていいけれど、終一はそうじゃない。あくまでもふつうの人間なんだ、というのを最初にしっかり分かってもらう必要がある。だから、友だちの晃やジュンと接しているときのしゃべり方や居ずまいを、どこにでもいるような若者のようにしようと。ナチュラルにやろうと。それが、徐々に“男”と接触して、いろいろなことが起きて、後半は自然と特別な能力のある青年になっていく。その過程をいかに自然に演じるかは気を付けましたね。
あと、緊迫しているのに笑っちゃうところもあるんです。でも、それでいいと思っていて。特殊能力で操られる人間と操られない人間がいて、人が死んでいくんですけど笑っちゃうところがあるんです。この撮影に入る前に『スパイダーマン』とか『HEROES/ヒーローズ』を見たんですけど、見て思ったのは、いきなり覚醒してそれやっちゃったら、今後の展開はなんでもできちゃうだろっていう(苦笑)。やっぱり笑っちゃった。でも、それでいい。だから、この映画もそういう感覚で観てもらっていいと思うんですね。なぜ、この人はこうなったんだとか深い真理を追究する必要はない、気楽に観てほしいです。

>そういう意味では、どんなに深い傷を負っても死にそうな状況であっても、死なずに何度も回復してしまう終一の能力もそれらと共通する面白さですね。

山田孝之:しかも、終一の存在を“男”が知ったときの心情とそこで起きることが面白いんです。自分は世界の中心で神のような存在だと思って生きてきた“男”にとって終一は、コイツだけは操れないという怒りとか恐怖がある。であるのに、その矢先、終一は思いっきり車にボンッと跳ねられるんです。あれはもうギャグですよ(笑)。

その車に跳ねられるシーンを筆頭に、アクションシーンが続いていきます。何度も傷つけられる役柄でした。藤原さんも見どころと仰っていましたが、アクションシーンで特に大変だったこと、もしくは印象深く残っているシーンはどこですか?

山田孝之:全部、ですね。基本僕が出演するシーンはアクションシーンだったので。ただ、ワイヤーで吊られて人波を駆けていくとかは今までやったことがなかったので、いい経験でした。とにかく、驚異的な治癒力を除いて終一はふつうの青年なので、アクションで気を使ったのは、決してスマートに見えてはいけない、格好良く見えてはいけないこと。それは意識していました。必死でなんとかギリギリかわしている……いや、かわしてないですね(苦笑)。かわしていないけど治癒力でギリギリ生還するという感じなんですよね。格好良くならないように、格好良くならないように気を付けていました。

人を操れる力、驚異的な治癒力、どちらかの能力が手に入るとしたら、どちらがほしいですか?

藤原竜也:やっぱり健康が一番なので、治癒力ですね(笑)。もう少し若かったらまた別の考えだったかもしれないけれど、やっぱり今は健康が一番(笑)。

>では山田さんは?

山田孝之:うーん……仕事を続けていくことを考えたら、やっぱり治癒力ですよね。無茶できるし。アクションシーンもやりますって言える。たとえ腕が一本折れたとしても、次の日には撮影できますから、それはもう便利ですよね。でも、楽しく生きるなら絶対“男”の能力かな。うん、操れる力でいろいろいたずらしてみたいです(笑)。

>たとえば?

山田孝之:小さいことから大きいことまでいろいろ。飲んでいるときに、グラスをろうそくに変えたりとか、そういうことも含めて、いろいろ(笑)。

中田監督について。人間の怖さや愛の深さ、迫ってくる恐怖を描くことに長けた監督ですが、さすが中田監督だなぁと思ったシーンや、撮影時のエピソードを聞かせてください。

藤原竜也:監督とは2回目の共同作業ですけど、とにかくプロフェッショナルですね。撮りたい画も明確に自分の頭のなかにあるし、仕事も早いし、こだわりますし、妥協はしないですし。そして、つねに笑っている方なので、本当に映画の撮影、映画の現場が好きなんだなって思いました。

山田孝之:けっこう冗談を言うお茶目な人でした。現場での監督は「もっと息を!もっと息を荒く!もっと目を見開いて!もっと強い目で!」という演出がほとんどでした(笑)。でも、セリフについては、監督と竜也くんと「ここどうしますか?」って相談したこともあって、そういうときはどうするかを話してくれました。撮影前にはそういう時間をしっかりと取ってくれて、そして現場に入ると「息!」と「目!」の演出でしたね。

完成した映画を観た感想も聞かせてください。

藤原竜也:ものすごく格好良く『MONSTERZ モンスターズ』の世界を表現してもらったなと。こだわりがすごかったですね。カメラアングルも照明もぜんぶ、全スタッフがこだわりぬいて撮っている、スタッフさんひとりひとりの想いがこもっている気がしました。そして作品全体的には、まったく新しいエンターテインメント作品になっていると思います。あとはとにかく、僕の“目”ですね(笑)。

>その“目”以外では、印象に残っているシーンはどこですか?

藤原竜也:やっぱり、“男”が田中終一と初めて対峙するシーンですね。人を操っていた日常から唯一その世界で動ける男が現れる部屋のシーン。去年の夏って、すごく暑い夏だったじゃないですか。そういう暑いなかで、あの部屋で、よくやったなぁと。そのシーンを含めて、山田孝之くんとの戦いの山場がいくつかあるんですけど、田中終一とのやりとり、心理戦はどれも楽しかったです。

最後に、“モンスター”とはどういう存在、どういうものですか?

藤原竜也:この映画では僕の役も山田孝之くんの役もモンスターと言えるけれど、僕にとってのモンスターのイメージは『超人ハルク』とかかなぁ(笑)?

山田孝之:欲、じゃないですか、人間の欲。いろんな欲があるけれど、自分にとってのモンスターは自分の欲深さ、ですね(笑)。

藤原竜也さん、山田孝之さんからOKWaveユーザーに質問!

“男”の「人を操れる力」と、
終一の「驚異的な治癒力」、
手に入るとしたらどちらの能力がほしいですか?

聞き手:新谷里映さん

Information

『MONSTERZ モンスターズ』
2014年5月30日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー

ひと目見るだけで、すべての人間を思いどおりに<操れる男>と、唯一<操れない男>。対立する能力を持って生まれた宿命の二人が出会ってしまった時、生死を懸けた壮絶な闘いが幕を開ける!
視界に入った人間を自由に操れる、それは世界を簡単に手に入れられるほどの恐るべき能力だ。だが、“男”は必要な時だけ力を発揮し、誰にも存在を知られることなく、たった独りで静かに生きてきた。“男”はそんな絶望の闇に包まれた孤独な人生を、死ぬまで続けるつもりだった。田中終一という、その力が全く通じない相手に会うまでは。見た目はごく普通の青年だが、実は終一も他人とは違う特別な能力を秘めていた。瀕死の重傷や病気も数日で完治する、驚異の回復力と強靭な肉体を持っているのだ。さらに、思いどおりにならないばかりか、自分の存在さえも脅かす終一を抹殺するために、群衆を操って一大軍団を形成する“男”。“男”を止められるのは自分だけだと確信し、大切な人たちを守るために独りで闘う終一。果たして、生き残るのはどちらか? そして、闘いの果てに明かされる、驚愕の結末は?

藤原竜也 山田孝之
石原さとみ
田口トモロヲ 落合モトキ 太賀 三浦誠己 藤井美菜
松重豊 木村多江

監督:中田秀夫
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト: www.monsterz-movie.jp

©2014「MONSTERZ」FILM PARTNERS

Profile



藤原竜也
1982年5月15日生まれ。埼玉県出身。
1997年、蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」のロンドン公演で主演デビュー。以来、舞台を中心に国内外で活躍する。映画初主演作となった、深作欣二監督の『バトル・ロワイアル』(2000)で数多くの新人賞を受賞、高く評価される。三池崇史監督の『藁の楯 わらのたて』(2013)は、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品される。他の主な映画出演作は、『DEATH NOTE デスノート』シリーズ(2006)、『カイジ』シリーズ(2009、2011)、『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』(2010)、『I’M FLASH!』(2012)など。最新作は、『神様のカルテ2』『サンブンノイチ』『るろうに剣心』の『京都大火編』と『伝説の最期編』(いずれも2014)など。

公式サイト:http://tatsuyafujiwara.jp/

山田孝之
1983年10月20日生まれ。鹿児島県出身。
TVドラマ「ウォーターボーイズ」(2003)などで注目を集め、『電車男』(2005)で主演を務める。『クローズZERO』(2007)、『十三人の刺客』(2010)、『悪の教典』(2012)、『土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官REIJI』(2014)など、三池崇史監督作品で知られると共に、数多くの作品で個性的な役を演じる。他の主な映画出演作は、『ドラゴンヘッド』(2003)、『手紙』(2006)、『鴨川ホルモー』(2009)、『GANTZ』(2011)、『太平洋の奇跡─フォックスと呼ばれた男─』(2011)、『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』『闇金ウシジマくん』『その夜の侍』『ミロクローゼ』(いずれも2012)、『凶悪』(2013)など。『闇金ウシジマくんPart2』(2014)公開中。

公式サイト:http://official.stardust.co.jp/takayuki/

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