OKStars インタビュー

Vol.409 『フューリー』

インタビュー pt.1

OKStars Vol.409は2014年11月28日公開の『フューリー』特別編第1弾!主演・製作総指揮のブラッド・ピットとデヴィッド・エアー監督のインタビューをお送りします!

■ 主演・製作総指揮:ブラッド・ピット

出演に加え、製作総指揮をされるほど惹かれたという脚本についてお聞かせください。

まずプロデュースについてだが、僕はそれほど重要な役割は果たしていないんだ。今回は演技に専念し、役づくりに入魂する必要があったからね。この映画は惨たらしさという土壌の中で人間性を見出す話だ。自分では戦争は体験していないが、人間経験を積むことで真実を見る目が養われるのではないかな。美化されない真実が大切であると感じるようになった。この映画が見るものに問いかけるのは、睡眠もとれず困憊した状態で、戦争の悲惨さに直面し、罪なき人や仲間が無残に殺されるのを目の当たりにした時、それが人間の心にどんな影響を及ぼすのか、そしてそれを人はどう生き延びるのか、ということなんだ。そこにはヒロイズムがあるのか。この映画では、戦車部隊というミクロな世界が描かれる。大戦も終わりに近づいたころ、長年連れ添った5人が1人の隊員を失い、新しい隊員が加入する。戦争は終盤で、経験のある隊員は見つからず新隊員は全く経験のない若者だった。この無垢な若者に、僕の役は父親的な気持ちから戦争の酷さを教え込もうとするんだ。荒々しく教え込むことで、ほかの隊員が危険にさらされることを阻止しようとするわけなんだ。

今回演じた“ウォーダディー”というキャラクターについていかがでしょうか。

乗組員たちの命を預かっている車長であり、責任者であり、戦車のオペレーション全般を見るし、また、皆の士気を高めなければならない。小隊の司令官でもあるので他の4両の戦車にも指令を出さなければならず、交戦する際のナビゲーションも戦略的に考えていかなくてはならない。敵との距離も図り、どこに脅威が潜むかも見定めなければならない。全てが彼の判断に委ねられるんだ。だから隊員たちの信頼を勝ち得なければならないし、自分自身でも確信がなければならない。皆の生死は彼の判断一つにかかってくるからね。

本作でのリアルな映像作りはどのように準備されたのでしょう。

デヴィッドのリアルへのこだわりは相当なものだ。おかげで素晴らしい経験になったよ。第二次大戦の退役軍人達にも会うことができ、彼らは今はもう90歳を過ぎているが、ノルマンディー上陸作戦やバルジの戦いの体験談を聞かせてくれた。頭の下がる思いだった。

クランクイン前に行われたブートキャンプ(新兵訓練)についてご感想をお聞かせください。

1週間ほどブートキャンプへの参加を課せられたんだ。1週間と言っても、実際に訓練している兵士たちからしてみたらほんの一瞬だと思うんだけどね。僕らの体験は観光程度の優しさだったろう。それでも毎朝5時起床の本格的なトレーニングだった。フィジカルトレーニングを2時間、その後に講義、労働、障害物トレーニングなどが夕方まで続く。ご飯は冷たいし、雨の中で寝たり、夜中に起きて見張り役をやったりもしたんだ。とにかく全力投球だった。訓練は皆を追い込み、戦場がどんな感じだったのか少しでも実体験できるように組み立てられていたし、最悪の状況の中でも士気を奮い立たせるようにもできていて、なかなか面白かったよ。またチーム内で序列が構築され、皆が一丸となって苦難を乗り越えられるように仕組まれているんだ。苦難と言っても本物の兵士たちが日々感じている苦難とは比べようもないだろう。訓練のおかげで固い絆ができたし、心構えもでき、達成感も感じた。それがスクリーンに滲み出ていると思うよ。父親として子どもを育てる上で役に立つことも多く学んだし。チームでもお互いの弱点も分かるようになったので、補完し合えるようになったからね。みんなが大好きになったよ。訓練を終えるころには俳優といえどもタンクを操縦できる5人になっていた。映画の保険会社は気が気でなかっただろうけどね!

実際に戦車を操縦してみて、戦車の乗組員についてどう感じましたか。

戦車の乗組員は1つの機械として機能しなければならない。つまり乗組員たちはお互いの役割をちゃんと分かっていなくてはならず、一人がやられたら他の人がすぐに代わりを務められるようにしなければならない。ほんの小さな失敗でも全員にとって命取りなんだ。

『フューリー』は仲間の絆がとても丁寧に描かれた作品ですが、劇中のように自身が仲間に助けられたというような経験はいかがでしょう?

その辺が、この物語の誰にでも共感できる点ではないかな。家族を持っている人なら誰でも共感できると思うよ。家族というのは、どこの家庭でも愛や絆や、不満や怒りや思いやり、協力、落胆、様々な要因で結ばれていると思うからね。

■ デヴィッド・エアー監督インタビュー

なぜ今この作品を製作しようと思ったのでしょう。

人間というものは最悪な状況に置かれても生き延びることができる、ということを見せたかったんだ。この映画では戦争の惨たらしさについて取り組みたかった。惨たらしい状況のなかでさえ見いだせる人間性に目を向けたかったんだ。映画などで第二次世界大戦を描く場合、神格化されたり美化されたり、または白黒はっきり一面的に描かれがちだ。戦場にいる兵士にとって戦争はそんなに単純ではないと思う。寒さ、疲労、空腹といった辛さは全ての兵士が直面する共通の現実なんだ。

本作のストーリーについてお聞かせください。

ある意味、とてもシンプルなストーリーで、基本的なものなのだが、戦車の中で運命を共にする仲間についての物語だ。そしてまた戦争において育まれた絆、兄弟愛、友情の深さ、仲間意識がいかに展開していくかということについての作品となっている。これは過酷な状況下にある一家になぞらえることができるね。しかも戦争という、想像を絶する凄惨な状況だ。戦争は人を狂わせるが、“家族”の輪の中ではその狂気がさらにむき出しになるんだ。よく感謝祭で食卓に集まる一家が喧嘩になったりしておかしなことになることが多いが、この戦場はその感謝祭ディナーの極限の状態と考えてくれると良い。しかも舞台は戦車内という密室。これはそういう家族の話でもあるけれど、同時にとある青年の成長物語でもある。ローガン・ラーマンが演じる青年が疲弊しきったよれよれの“家族”の仲間入りをし、皆に認められなければならない。この青年の厳格な父親的な存在になるのがブラッド・ピット。青年が生き残れるようにその美しい心と喜びと無垢をむしり取り、彼を軍人にしていく。愛情と気遣いと敬意あってのムチであることがよく分かるからとても面白い関係性だし、美しくも悲惨なストーリーなんだ。

そういった戦争の酷さをリアルに体験できる映画を作るためにはどんなところに気をつけましたか?

ビジュアル的に美しく、眺めていればいいという程度の映画に終わらせるつもりはなかった。もちろん視覚的にも観客を引き込むものにしたかったが、それだけでなく、登場人物の精神世界にも引き込みたかった。この映画には真実が宿る。映画に真実が宿ると、観客は自ら戦場を経験していなくともリアルな体験として感じ取り、吸収することができる。キャストの皆さんも戦場で実際に戦った男たちに対して敬意を持って取り組んでくれたし、彼らの経験についてできるだけ多くを学ぼうと懸命に取り組んでくれた。彼らには退役軍人達に実際に会ってもらい、軍人達の思考と精神に入り込んでもらうことで、戦場で男達が経験してきた歴史、トラウマ、喜び、喪失をしっかり表現できるように備えてもらった。迫り来る体験ができる映画にするには、映像的にも忠実性を心がけ、キャストからも誠実な芝居を引き出さなければならない。

本作では本物の戦車を使用しました。そのこだわりについてお聞かせください。

視覚的に本物を使うのはとても重要だよ。この戦車は70年前に作られたもので、あるシーンでは10台を使用した。これまで映画で使用したことのないドイツの戦車も使用した。また、軍服や、兵士の見かけなどもリサーチして正確に表現した。当時について知らない人が見ても、詳細にこだわったことで、視覚的なテンションが上がり真実性が増したと思う。それに、フィルムを使用して昔ながらの方法で撮影したんだ。戦争映画ではあるが、視覚的、感情的な体験ができる映画さ。多くの人が驚くはずだよ。

軍服などもリサーチされたとのことですが、衣装へのこだわりについては?

戦争映画の衣装は下ろしたてのような均一的な感じがすることが多い。皆が一様に緑っぽいものを身にまとっていたり、いかにも同じ工場で一斉に作ったような感じのする軍服が多いね。この映画は8週間後にはドイツが降伏するという終戦間際が舞台だ。戦争がもうすぐ終わるというのに戦死なんてしたくないわけだからみんな必死に生きながらえようとしているので、それが伝わらなければならない。また、今回は米国軍が参戦していた4年間にわたって使われてきた様々な武器やユニフォームを登場させている。だから軍服一つとっても色も形も様々だし、戦ってきた男達の歴史を細かいディテールでもって見せている。例えばコートを切ったり、ユニフォームを破いては手縫いで縫い合わせたりして、当時のものを細かく再現しているんだ。

主役の5人が乗る戦車である、シャーマン戦車“フューリー”について。

フューリー号として使用したのは、「イージーエイト」と呼ばれる、戦争後半に、より進んだドイツの戦車と対戦するために改良されたモデルだった。この戦車は博物館が提供してくれたが、ペンキを塗り直すことを許可してもらったんだ。そしてその戦車が当時の姿を再現できる様に、少し微調整することも許された。我々一同はこの戦車フューリー号に惚れ込んだよ。とくにブラッドをこの戦車から引き離すのは難しかったんだ!映画の撮影では、大概、「カット!」と言わると、役者はその場を去っていくものだが、今回は、戦車の中に入り込み、その場で時間を過ごそうとしていたからね。とても居心地がよさそうだった。彼らはまさにその戦車の一部となっていったんだ。そして、戦車もまた彼らの一員となっていったし、まさに映画の中のキャラクターのひとつだった。キャラクター中心の映画であり、我々はある意味、戦車に魂が宿っていることに気がついた。キャスト同様、戦車ファンがなぜこれらの戦車に惚れ込むのか理解できたんだ。

撮影前に行われたという訓練についてその意図をお聞かせください。

プリプロダクションでも、彼らは戦車を使用して訓練を受けた。戦車クルーとして、どのように操作したら良いかを学んだんだ。キャスト全員が、戦車内でのそれぞれのポジションを学んだ。ジョンとシャイアはマシンガンを分解し、兵器を外すことができるようになったし、基本的な手入れもできるようになった。ブラッドは、戦車の司令官としてどのように振る舞ったら良いかを学んだ。これは39トンもの重さがあって、本当に危険だから、彼は安全に作動させる義務を担っていた。マイケル・ペーニャは運転し、優秀な戦車の運転手になった。彼が到底不可能と思われる様なカーブを、建物にぶつかったり、人を引いてしまったりということなどなしに、見事に運転する様子が見られるシーンがあるので注目してほしい。

撮影中にブラッド・ピットが役と同じようにリーダーシップを発揮したところは?

彼はとても強烈な個性の持ち主だが、同時にとても仕事熱心な人だ。リーダーシップには、模範を示すことも含まれているが、ブラッドはいつでも模範を示してくれた。彼はどんな時でもセットにいてくれた。トレーラーに戻ってひと息いれるチャンスがある時でさえも、戦車の中にずっといたんだ。彼はセットを離れることがなかった。彼のそういう態度が刺激になって、他の役者たちもずっとセットにいた。これはめったにないことだね。

監督業の楽しさについてお聞かせください。

監督業は何と言っても俳優との仕事が楽しい。俳優は大好きだ。素晴らしい友情が築ける。私は監督として俳優たちの中に入り込み、彼らの心の内に入り込み、彼らの生活の中に、家族の中に、世界の中に入り込むというアプローチを取る。そうやって彼らの真実を引き出し、パフォーマンスに活かせるようにするが、この作品はそれに加えて戦車の操縦もあるし、P51マスタング機が頭上を飛んだりするから最高だ。こういう戦争ものは皆子どもの頃に大好きだったはずだからね。私も子供の頃にプラモデルを作ったりしたが、今回は本物が目の前にあったわけだ。監督業はそういうことがあるから楽しい。こうやって多勢を集めて同じ目標に向かって一緒に取り組めるから素晴らしいんだ。

日本のファンにメッセージをお願いします。

『フューリー』を楽しんでいただく日本の皆さんへ、私の映画へようこそ!

OKWaveユーザーに『フューリー』オフィシャル質問!

『フューリー』では百戦錬磨のチームに実戦経験のない新兵が加わります。
あなたが新人としてそういうチームに加わった経験、または新人を迎え入れた際の思い出深いエピソードを教えてください。

Information

フューリー 『フューリー』
2014年11月28日(金)公開

1945年4月、戦車“フューリー”を駆るウォーダディーのチームに、戦闘経験の一切ない新兵ノーマンが配置された。新人のノーマンは、想像をはるかに超えた戦場の凄惨な現実を目の当たりにしていく。やがて行く先々に隠れ潜むドイツ軍の奇襲を切り抜け進軍する“フューリー”の乗員たちは、世界最強の独・ティーガー戦車との死闘、さらには敵の精鋭部隊300人をたった5人で迎え撃つという、絶望的なミッションに身を投じていくのだった……。

製作総指揮:ブラッド・ピット
脚本・監督:デヴィッド・エアー
出演:ブラッド・ピット、シャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン、マイケル・ペーニャ、ジョン・バーンサル
配給:KADOKAWA

公式HP:http://fury-movie.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/fury_jp
公式Facebook:https://www.facebook.com/fury.jp

© Norman Licensing, LLC 2014

Profile
ブラッド・ピット & デヴィッド・エアー

ブラッド・ピット

日本でも圧倒的な人気を誇る、ハリウッドを代表する俳優。
デヴィッド・フィンチャー監督の2作品『セブン』(95)、『ファイトクラブ』(99)でその演技が批評家から高い評価を受け、一躍世界から注目される。その後、『スナッチ』(00)、大ヒット作となった『Mr.&Mrs.スミス』(05)などに出演し、人気を不動のものとした。
2008年にコーエン兄弟の『バーン・アフター・リーディング』に出演。主演のジョージ・クルーニーとは、スティーヴン・ソダーバーグ監督のヒット映画『オーシャンズ11』(01)、『オーシャンズ12』(04)、『オーシャンズ13』(07)でも共演している。2009年にはクエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』に出演。
2011年にはカンヌ映画祭でパルムドールに輝いたテレンス・マリック監督『ツリー・オブ・ライフ』とベネット・ミラー監督『マネーボール』に出演し繊細な演技が高い評価を受け、『マネーボール』では全米映画俳優組合賞、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞、アカデミー賞®の主演男優賞にノミネートされた。その他これまでの受賞歴として、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(08)、『12モンキーズ』(95)でアカデミー賞®男優賞にノミネートされ、『12モンキーズ』ではゴールデン・グローブ賞助演男優賞を受賞。『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』(94)、『バベル』(06)でもゴールデン・グローブ賞にノミネートされている。また去年主演をつとめた『ワールド・ウォーZ』(13)は日本でも記録的大ヒットを記録し話題となった。
さらに、近年では俳優業にとどまらず製作にも活躍の幅を広げており、プロデューサーをつとめた『それでも夜が明ける』(13)は、第86回アカデミー賞®作品賞をはじめ、数々の映画賞を総なめにした。

デヴィッド・エアー

18歳でアメリカ海軍に入隊し、潜水艦の乗組員として勤務した後『U-571』(00)の脚本チームの一人として脚本家デビュー。その後『トレーニング デイ』(01)、『ワイルド・スピード』(01)、『ダーク・スティール』(02)、『S.W.A.T.』(03)などの脚本をつとめ、2005年にクリスチャン・ベール主演の犯罪映画『バッドタイム』で監督デビューを果たす。『フェイクシティ ある男のルール』(08)のあと、2012年に手掛けた『エンド・オブ・ウォッチ』では手に汗握る臨場感溢れるアクション描写が評価され、インディペンデント・スピリット賞、放送映画批評家協会賞などにノミネートされた。2014年はアーノルド・シュワルツェネッガー主演の麻薬捜査官を主人公としたアクション映画『サボタージュ』(14)も公開された。

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