OKStars インタビュー

Vol.414 映画監督

ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ

OKStars Vol.414は世界各国で歴代インド映画興収No.1記録を更新する『チェイス!』のヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督へのインタビューをお送りします。

『チェイス!』は元々シリーズ作品(原題『Dhoom 3』)ということで、本作はどんな考えで作ろうと思いましたか。

前2作はインドで大ヒットしましたので、今回観に来る観客ははじめからきっと面白いだろうと思って観に来ます。インド人にとって本シリーズはエンタテインメント性の強い楽しい作品だと思われていますので、本作では楽しいだけではない作品にしようと思いました。ストーリー性の高い、もっと感情に訴えかけられるような作品にしようと思いましたので、今までのアクション映画だけの作品にはならないと確信していました。そして、そのように作ることができたので、このシリーズにとっても大きな一歩を踏み出せたと思います。

撮影の様子についてお聞かせください。

撮影を行ったシカゴにはインド人がたくさん住んでいて、主演のアーミル・カーンは大スターですので、撮影しているとみんな見学に来るんです。アーミルはとても気さくに写真撮影などにも応じたので、さらに見物客が増えてしまいましたが、だからと言って撮影が混乱する程ではなく、むしろそうやって見学に来てくれるのが心強くて嬉しかったですね。

アクロバティックなバイクのチェイス・シーンの撮影についてお聞かせください。

アリ役のウダイ・チョープラーはかなり練習していたのでほとんど本人が乗っています。アーミルもバイクでの綱渡りのような大掛かりなスタント以外は本人が演じました。

子ども時代の経験が本作の鍵となりますが、監督自身に何かそういう経験があったのでしょうか。

私自身はこの映画のような出来事は経験していませんが、主人公サーヒルのように大切な人を亡くす経験はあります。映画の中でサーヒルは銀行を襲う人物ですが、なぜ彼がそういう人物になってしまったのかを、サーヒルの子ども時代を描いて子役を起用したことで、元々ピュアだった彼の中で何かが芽生えたということを表現できたと思います。

監督はジャンルに対するこだわりは?

私は元々映画が大好きなのでいろいろなジャンルのものを観ます。ホラーだけは苦手なので観ないのですが。映画を作ることに関しては、映画の作り手は自分の一部を表現することだと思います。そして映画を作るときには観客に愛されるものを作りたいので、エンタテインメント性の強い作品も、感情に訴えるドラマ性の高い作品も撮りたいと思っています。哲学性や思想性の高い作品もありますが、観客がつまらないと思うのなら撮っても仕方がないと思いますので、映画を撮る上で考えているのは退屈させるような作品は撮らないということですね。ただ、私は芸術映画も好きですし、日本で言えば、黒澤明監督の作品は言葉がわからなくても観ているだけで目が離せなくなるし、とても興味を惹かれます。黒澤監督の『羅生門』は本当に素晴らしいし、あれを観て退屈だと言う人はいないでしょう。哲学性や思想を問いかける作品でも、黒澤監督やタルコフスキーなど、人々の心を掴んで離さない芸術映画もあると思っています。人は楽しむために映画を観ますが、映画監督は娯楽映画であっても、どうまとめるかということに監督としての力量が表れるのだと思います。

では監督業の面白いところは?

愚かさですね(笑)。そもそも私には映画を撮ることしかできません。元々は演劇を学んでいました。その時に自分が世界をどのように見ているか、ということを学ぶことができました。監督業というものは良い意味で権力を持っています。監督が自分の映画の全てをコントロールできますし、脚本を書くことと、映像で描くということは作家と同じです。映画で自分の思い描いていた世界を描けることが監督をやりたかった理由で、自分の物語を自分の言葉で考えて表現しています。何年もかけて映画を作りますが、その間もずっと人間を観察しています。つまるところ、私は人間が好きなんだと思います。

日本とインドの観客の違いはありますか。

インドの観客は自分も映画の中の一員だという認識でやってきます。なので、映画を観ている間は映画の世界に入ってしまうので手を叩いたり、とても賑やかに観ます。日本ではみんな礼儀正しく静かに観ているようですね。

では、どんな風に観てほしいですか。

日本の方もインド人のように楽しんで観てもらえたら嬉しいです。

本作はバイク・アクションもさることながら、音楽とダンスも素晴らしいです。音楽とダンスについては監督の好みでしょうか、それともインド映画ならではのことなのでしょうか。

曲と歌とダンスがあるからインド映画がインド映画になりうるんだと思います。こんな表現を入れる映画は他の国にはないでしょうね。インド人にとってはなくてはならないものです。インドの結婚式ではよくみんな踊っていますし、度が過ぎているところはありますけれど、これが私たちの文化です。歌と踊りはお祝いで必ず行われます。元々、インドでは神話劇という伝統芸能がありますが、それには歌と踊りがつきものなので、私たちインド人のDNAに染み込んでいるんだと思います。私自身は普段から踊ったりはしませんが、やはり踊りを見るのは好きです。

OKWaveユーザーにメッセージをお願いします。

できる限りたくさんの方に何度も観てほしいと思います。日本の映画ともハリウッド映画とも違う何かがあると思います。私たちが作った『チェイス!』に愛情を注いでいますし、それを皆さんと分かち合いたいと思います。日本で私が見た皆さんの礼儀正しさ、清潔さ、そして日本酒の素晴らしさをインドに持ち帰りたいと思います。

ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督からOKWaveユーザーに質問!

私たちはもっと日本に行きたいと思っています。そして皆さんには、ぜひインドに来てほしいです。インドも日本同様に歴史の長い国なので歴史的名所がたくさんあります。タジ・マハールや南インドの寺院、仏陀が悟りを開いたというブッダガヤなど。もしムンバイに来てくれたら私がご案内します(笑)

質問は、皆さんはインドに行ったことがありますか?インドで訪れたところなどをお聞かせください。

チェイス!
Information

『チェイス!』

2014年12月5日(金)TOHOシネマズみゆき座他全国ロードショー

マジックとダンスを融合したゴージャスなショーを繰り広げて、シカゴ中を熱狂の渦に巻き込むサーカス団を率いる天才トリックスター:サーヒル。その裏の顔は、幼いときに父を破滅に追い込んだ銀行への復讐を誓い、犯行を重ねる腕利きの金庫破りだった。犯人をインド系と特定した警察は、本国から犯罪検挙率No.1の刑事ジャイとその相棒アリを投入する。しかし、捜査を開始するジャイの前に現れたサーヒルは、人生最大のトリックを隠していた…。

監督・脚本:ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ
主演:アーミル・カーン、アビシェーク・バッチャン、カトリーナ・カイフ、ウダイ・チョープラー、ジャッキー・シュロフ
提供:日活
配給:日活/東宝東和

公式サイト:http://chase-movie.jp/

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Profile

ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ

ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ

監督業のほか、脚本家、作詞家としても活躍している。2004年『チェイス!』の1作目となる『Dhoom』にて脚本家デビュー。『Dhoom:2』(06)でも脚本を担当し、一躍人気脚本家となる。08年には、アクシェイ・クマール、カリーナ・カプールというスターを揃えたアクションフィルム『Tashan』を監督。『チェイス!』は監督2作目にあたり、脚本、劇中歌の作詞も担当している。

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