話題の映画などの作品にまつわる、俳優・女優、映画監督、アーティストらへのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

OKStars Vol.484 映画監督 アンドリュー・ニコル

OKStars Vol.484は2015年10月1日公開の映画『ドローン・オブ・ウォー』アンドリュー・ニコル監督へのインタビューをお送りします。

Q 『ドローン・オブ・ウォー』の映画化を始めた時、どうして無人戦闘機(ドローン)パイロットをテーマにしようと思ったのですか?

Aアンドリュー・ニコル数年間、考えていたことだったし、まさに絶好のタイミングだったんだ。ニュースでドローン攻撃が報道されるようになったからだ。僕はどうしてそんなことが起こるのか、考え始めた。誰がスイッチを押すのか?そういう人間はどこにいるのか?いくつかはラスベガス郊外の基地にあるが、そこに興味をそそられたんだ。これまで見たことのない、全く異なる戦争行為だということがわかるだろう。彼らはタリバンと1日12時間戦ったあと、子どもをサッカー場に迎えに行く。これまで戦闘機パイロットがそんな戦い方をしたことは一度もないんだから。

Q 監督は非常にハイコンセプトなアイデアとストーリーで知られていますが、本作は異なるタイプの映画だと思います。もっと現実に根差している。そういうスタイルに切り替えることを目指したのでしょうか?

Aアンドリュー・ニコルそんなに簡単ではないんだ。ストーリーが僕の方にやってきて、影響を与える。僕が何かやろうとすると、ストーリーが「違う、ちゃんと書け!」と言う。だから僕にはコントロールできないことなんだ!

Q 本作での監督のスタンスは、政治的なものでしょうかか。それとも自分の言いたいことを描いているのでしょうか?この映画がこういったドローンの使用倫理を問い掛け、おそらくそれは必要悪ではないかと言っているところが、とても興味深いと思います。

A『ドローン・オブ・ウォー』アンドリュー・ニコル確かに。それは“最悪の中で一番マシな選択肢”と言われてきた。僕が気に入っているのはその曖昧さだ。そこには正しい答えなんてない。ドローンはこの上なく正確なんだ。人間が戦争で引き起こす巻き添えの被害が最小限で済む。無差別爆撃ではなく、非常に正確だ。ある家をレーザー攻撃するなら、その家に向かう。だが、本当にその家なのか。そこが問題だ。人間はあらゆる分野に踏み込み、戦争を簡単にする。誰も戦地に行かず、1万キロ以上離れた場所にいて、上空からドローン攻撃する。規制の枠がまた一つ破られる。誰も遺体袋で帰還する兵士を見なくて済む。ただ、そうはいかないんだ。

Q 人々は、これらの兵士が夜には自宅に戻れるとしても、こういった情緒不安を抱えていることに気づいていないと思います。

A『ドローン・オブ・ウォー』アンドリュー・ニコル主人公のトミー・イーガンは大きな恥辱を感じているんだ。「なぜ俺はこんなに気分が悪いのか?」と。それは高解像度画面で戦地を見ているからだし、危険が全くないからだ。実際、このドローンパイロットに勲章を与えようとした時期もあった。ところがほかの軍部から凄まじい抗議が起こって、叙勲を撤回せざるを得なかった。それがドローンパイロットにとってどんな意味をもつのか。彼らはきっと自分に価値がないと思うだろう。勲章を差し出して、引っ込めたのだからね。

Q 『ガタカ』(97)でイーサンと仕事をしてから約20年になります。映画製作のプロセスや、映画業界への監督の見識はどのように変化しましたか?

Aアンドリュー・ニコル現在のスタジオで『ガタカ』を作ることはできないと思う。実際、スタジオ映画ではないしね。でもある意味奇妙なことに、僕は変わっていない。今でもテクノロジーと人間性の交わりに興味があるからね。

Q 次のプロジェクトについてお聞かせください。

Aアンドリュー・ニコルわからないよ。かなり縁起を担ぐ方なんだ。今ここで何かを言うと、実現しない気がするよ!

Qアンドリュー・ニコル監督からOKWaveユーザーに質問!

アンドリュー・ニコル本作で主演のイーサン・ホークは戦場と家庭を行き来する現実感のない生活を送っていますが、これまで皆さんの生活の中で、現実感のない体験をしたことがあれば教えてください。

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■Information

『ドローン・オブ・ウォー』

『ドローン・オブ・ウォー』2015年10月1日(木)TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐の赴任地はアジアでも中東でもない。
ラスベガスの基地に設置されたコンテナ内で無人機ドローンを遠隔操作し、1万キロ余りも離れた異国でのミッションを遂行している。クリックひとつでミサイルを発射する爆撃は、まるでゲームのように現実感が欠落しているのだ。
一日の任務を終えると、車でラスベガスのきらぎやかな歓楽街を通り抜けて、整然と区画された住宅街のマイホームへ帰り、美しい妻モリーとふたりの幼い子供との生活に舞い戻る。繰り返されるこの毎日がトミーの日常であり、異常な現代の戦争の姿だった。

監督:アンドリュー・ニコル(『ガタカ』『TIME/タイム』)
出演:イーサン・ホーク  ブルース・グリーンウッド ゾーイ・クラヴィッツ  ジャニュアリー・ジョーンズ
提供:ブロードメディア・スタジオ/ポニーキャニオン
配給:ブロードメディア・スタジオ

公式サイト:www.drone-of-war.com

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■Profile

アンドリュー・ニコル

アンドリュー・ニコル『ドローン・オブ・ウォー』1964年、ニュージーランド・パラパラウム生まれ。
21歳の時に母国からロンドンに移り住み、長らくCMのディレクターとして活躍する。その後、映画監督に転身するためロサンゼルスに拠点を移し、イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ出演の『ガタカ』(97)でデビュー。遺伝子の優劣によって人間が選別される近未来社会を創造した同作品は、卓越したヴィジュアルとエモーショナルなドラマが融合した傑作として絶賛を博した。続いてピーター・ウィアー監督、ジム・キャリー主演のブラック・コメディ『トゥルーマン・ショー』(98)に脚本を提供。究極の美貌を誇るCG女優をめぐるSF映画『シモーヌ』(02)を発表。スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演のヒューマン・ドラマ『ターミナル』(04)には、製作総指揮と原案で携わった。ニコラス・ケイジを主演に迎えた監督第3作『ロード・オブ・ウォー』(05)は、史上最強の武器商人と呼ばれた男の半生をたどった社会派映画。その後6年のブランクを経て発表した『TIME/タイム』(11)は、貧しき者と富める者の余命の格差を斬新な発想で映像化したSFサスペンスで、日本でもスマッシュ・ヒットを記録した。「トワイライト」シリーズのステファニー・メイヤーのSF冒険小説に基づく監督第5作『ザ・ホスト 美しき侵略者』(13)も記憶に新しい。