話題の映画などの作品にまつわる、俳優・女優、映画監督、アーティストらへのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

OKStars Vol.492 俳優 池田純矢

OKStars Vol.492は中島らも幻の名作をG2演出で上演する『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について~』主演の池田純矢さんへのインタビューをお送りします。

Q 『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について~』はこの時代に上演するにふさわしい内容かと思いましたが、印象はいかがだったでしょう。

A池田純矢第一印象としてはまさに今の時代のために必要な作品なんじゃないかと思いました。初演は23年前ですけど、今も変わらない普遍的なテーマで、全く古くささのようなものを感じさせない台本なのですごいなと思いました。それこそ、まだ23年ですが、ここから100年後、200年後に、シェイクスピアの作品のようなものになりえるような作品だという印象を受けました。

Q 本作の出演についてはどう感じましたか。

A池田純矢お話をいただいた時はとてもありがたいと思いました。中島らもさんの事はすごく好きでしたし、演出のG2さんの舞台もずっと拝見していたので、そういう方たちが作る世界観で自分が演じられるのは純粋に嬉しかったです。今まで自分がやってきたアプローチとは違った挑戦があるだろうなとも感じたので、若干の不安や恐怖心もありました。でも、今は面白いものができそうな期待感が強いです。

Q 演じられる内海少尉の役どころはいかがでしょう。

A池田純矢池田純矢難しい役だなあと(笑)。どちらかというと僕が普段演じさせていただくのは物語を動かすきっかけになるような役が多いですけど、今回はある種受け身というか、周りに翻弄されて、引っ張られて自分の感情を動かしていく役どころなので、そういう意味で難しいと思いつつ、観ているお客さんにとっては一番前にあるフィルターになるんじゃないかなと思います。この時代に生きてきた人たちのリアリティは追求したいですけど、戦争という時代背景があって、そこで何かが変わってしまった上官がいたり、必死に生きている人や笑っていられる人たちが出てきますが、その表面を見るのではなく、その背景にあるものは、この内海というキャラクターがその時代の普遍的でありきたりな人間だからこそ、分かりやすくそのフィルターを通して登場人物のみんなが輝けるんじゃないかと思います。そういう難しくも素敵な役どころだと思います。

Q かつて日本が戦争に突き進んでいった時代の物語ですが、そういう時代背景のキャラクターをどのように掴んでいきますか。

A池田純矢満州事変があった時代には、日本軍が70万人近く中国に駐屯していたらしいです。そこには年間何百もの慰問団が訪れていたそうです。サーカス団が来たかどうかまでは分かりませんが、芸人や歌手ら、森光子さんも訪れたそうです。慰問団が軍を訪ねるという部分はリアルな設定かなと思います。内海という人物はその慰問団を監視する役どころです、「敵性語を使うな」とか「軟弱なものはダメ」という、今の時代には考えられないような不条理なチェック項目があるんですが、多分、内海自身は慰問団の芸人たちを観られるという事を純粋に嬉しがっていると思います。当時の普通の青年たちが持っていたような感情の高まりのようなものを、軍隊である、というような集団意識で蓋をして、律しなければならないのは、なかなか苦しいことだったと思います。そういうところをしっかり感じながら演じたいと思います。

Q 舞台上ではどんな物語が繰り広げられるのでしょう。

A池田純矢この物語はバラエティに富んでいて、一本筋の通った物語はもちろんありますけど、そこがふとした時にはコメディに振れたり、グッと感動させる方向に行ったり、ショー的なエンターテインメントを見せる要素もあるので、それこそ全てが詰まっています。それでいて、お互いが邪魔せずに、ミリ単位で噛み合って、ひとつの完成された一本になっているので、相当見応えがあると思います。

Q 共演の方々についてはいかがでしょうか。

A池田純矢いろんなプロフェッショナルな方たちが集まっているので、僕もすごいキャストが集まっているなと思います。いろんな意味で尖っている人たちが揃っていますが、これがうまく絡み合った時にはどうなるのだろうと期待しています。

Q 稽古の雰囲気はいかがでしょうか。

A池田純矢池田純矢最初の二日間は本読みを中心にやっていましたけど、雰囲気を感じるというものではなく、最初からしっかりと作りこむ本読みでした。1日に何度も読んで、G2さんからはこの物語の意味であったり、ひとりひとりの感情の成り立ちだったり、それこそ自分が言っているセリフの前に相手が言うセリフを言わせるには、逆算すると台本の数ページ前からその感情をぶつけていないといけないね、とか、セリフひとつひとつを丁寧に作っていました。それから立ち稽古になって、そのひとつひとつの答え合わせをしていくような感じで、ものすごく緻密な計算の上に成り立っています。計算するからこそ感情の流れを自分もしっかり理解できています。感情的でありながら、その感情的にならざるをえないほどしっかりと計算を立てるということなので、素敵な作りだなと思いながら稽古をしています。

Q ちなみに曲馬団、サーカスについて何かイメージを持っていましたか?

A池田純矢サーカスは「シルク・ドゥ・ソレイユ」くらいしか観たことがないんですが、派手なイメージですし、一生に一回は観たいもの、という感じですね。

Q どんなところが見どころになってくると思いますか。

A池田純矢稽古に入る前からG2さんは「この『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について』はすごく中島らもさんらしい」と仰っていました。「中島らもという人自体がすごく余白がある人で、シャレの効く人だった。この作品にもすごく余白があるんだ」と。「表面上の物語をただ読んでしまうのではなく、その余白からは裏の、そのさらに裏、というくらいに深い意味が読み取れるんだ」と話されていたので、この物語が始まる前のことから準備をしなければいけないですし、僕ら役者はその余白を埋めるべく、いろんなことを作りこんでいる最中です。これがうまく絡み合えば、そういう余白の部分が一番面白いことになるんじゃないかと思います。もちろん、舞台上で繰り広げられるダンスや曲芸も視覚的に楽しめるし面白いものになると思いますが、真意はそちらにあるんじゃないかと思います。

Q 池田純矢さんからOKWaveユーザーにメッセージをお願いします。

A池田純矢兎にも角にも面白い物語だと思っています。純粋に面白いと思えるのはすごいことだとも僕は思います。作品を観た時に「ここがこうだったから面白い作品だった」というのももちろんいいですけど、一言「面白かった!」と言える作品は素敵ですし、『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について~』はまさにそう言える作品だと思います。それこそ「シルク・ドゥ・ソレイユ」ではないですけど、人生で一回は観た方がいい類の作品になると思います。きっと楽しませることができると思いますし、観て良かったと思える作品になると思います。ずっと心に残る作品だと思いますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

Q池田純矢さんからOKWaveユーザーに質問!

池田純矢皆さんにとっての「面白い」ということは何でしょう。

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■Information

『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について~』

「ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について~」2015年11月7日(土)~14日(土)Zeppブルーシアター六本木

昭和6年(1931年)、満州のとある戦場で幕を開ける。
第二次世界大戦に日本が突き進んでいた時代、堂山中尉と八代少尉の二人は爆撃から逃れてとある塹壕に潜んでいた・・・。

それから10年、昭和16年。
いよいよ日本が第二次世界大戦に突入しようとしている時。
満州の新京。
とあるサーカス団が、軍隊の慰問をするために活動を開始している。
その慰問が適正かどうか視察にきているのは、八代大佐率いる一同。
見世物が終わって、八代大佐のもとに集まってくる、サーカス団の連中。

「サーカスではない、曲馬団だ」
士気を鼓舞するための慰問だ、間違っても敵性語を使用してはならない。

「そういえばここには動物はいるのか」
八代大佐に問われて、象やらがいると答える曲馬団の一同。
日本国中が食べ物を制限している中、餌をやることに不服をぶつけられて、サーカスの連中が思わず放った言葉は
「餌を食わない動物もいるんですよ」
餌を食わない動物なんているはずがない!と息巻く八代大佐のもとに連れてこられた一頭の動物。
「ベイビーさんで。」

こうして、ベイビーさんと曲馬団と八代大佐たちは出会ったのだった・・・。

作:中島らも
演出:G2
出演:池田純矢 鈴木勝吾 井澤勇貴 入来茉里/小須田康人/松尾貴史 ほか

チケット料金:8,500円(全席指定・税込)

公式サイト:http://baby-san.com/

お問い合わせ:セガ・ライブクリエイション 03-6871-7680 ※10:00~18:00(土日祝を除く)


■Profile

池田純矢

池田純矢1992年10月27日生まれ、大阪府出身。
2006年、第19回JUNONボーイコンテストにて、史上最年少準グランプリを受賞しデビュー。
その後、「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」「斉藤さん」「DIVE!!」など数々のドラマ、映画に出演。2011年スーパー戦隊35年記念作品「海賊戦隊ゴーカイジャー」のゴーカイシルバー/伊狩鎧役で注目を集める。2012年から舞台作品にも積極的に参加し、代表作に「ミュージカル『薄桜鬼』」シリーズ等。また、2013年には「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」にて主人公の一人を演じ、声優としてのキャリアもスタートさせた。他代表作に「牙狼~闇を照らす者~」などがある。映画『ライチ☆光クラブ』が今冬公開。主演舞台『アヴェ・マリターレ!』が2016年3月17日~21日まで紀伊國屋サザンシアターにて上演。

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