話題の映画や作品等にまつわる、俳優や映画監督、アーティストら“Stars”へのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

OKStars Vol.495 作・編曲家 木村泰輔

OKStars Vol.495は米国L.A.で作・編曲家として活動する木村泰輔さんへのインタビューをお送りします。

Q L.A.のスタジオでの仕事についてお聞かせください。どのようなことをされているのでしょうか。

A木村泰輔主な仕事は映画、TV、CMの作曲、編曲をしています。また映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『コンスタンティン』などの音楽に携わったイアン・ハニーマン、またジャッキーチェンの主演映画『ランブル・イン・ザ・ブロンクス』、『CZ12』などの音楽を手がけたネイサン・ワンなど、ハリウッドの第一線で活躍している作曲家と共に作曲活動やまたアシスタントとしての仕事もしています。今現在はDiscovery Channel / Investigation Discoveryの新しいTVシリーズ ”True Nightmares”、”The Demon Files”、映画”Lost In Time”, ”Meister des Todes”などの作品に関わらせて頂いています。

Q 映画音楽やTV番組の音楽製作(作/編曲)について。どのような過程で楽曲を作り、仕上げていくのでしょうか。

A木村泰輔木村泰輔映画音楽というとストーリーに合わせて後ろで流れているBGMと一括りにされてしまいがちですが、実は映画の中で出て来る音楽は大きく分けて4つに分けられています。
1つ目は映画の中のキャラクターには聴こえていないが、オーディエンスには聴こえている音楽。作曲家によって作られる曲のことで「アンダースコア」と言います。
2つ目はキャラクターにもオーディエンスにも聴こえる音楽。通常、映画の中のラジオやTV、ジュークボックスなどから流れてくる音楽。既にある曲や昔の曲などが主に使われます。これを「ソースミュージック」と言います。
3つ目は作曲家によって作られる曲で、キャラクターにもオーディエンスにも聴こえる曲。映画の中のキャラクターが楽器などを弾いている時などに使われるもので、「ソーススコア」と言います。
最後に4つ目は歌詞が付いている曲。主にバンドなどによって作曲、演奏される曲で「ソングスコア」と言います。
私が担当しているのは主に1つ目のアンダースコアと3つ目のソーススコアになります。
作曲の過程としては、まず始めに映画、TV、CMなどのディレクターとミーティングし、どのシーンに、どういった音楽がどれくらいの長さで必要かという事をじっくり話し合います。そしてお互いのアイディアをすり合わせていった後、映像を見ながら作曲に取りかかります。
作曲をする際に一番大事な事、それはいかにその映画、TV、CMの全体の雰囲気や、作品が伝えたい事、意図を汲み取れるかという事です。ですので、最初に何度か繰り返し映像を観てその作品に合うムードや音、メロディーを考えていきます。この最初の過程が間違ってしまうとその後の全体の作曲に大きく響いてしまうので、私はここの部分に特に時間をかけるよう心掛けています。
ある程度コンピューター上で音の再現をした後、 ディレクターと再度ミーティングを行い
Goサインが出れば予算内で出来る限り生演奏のレコーディングを行っていきます。やはりコンピューター上で作る音楽と比較すると音の質が全く違い人間味が出るので、同じ音楽でも全く違う曲に聞こえます。レコーディングした後はミキシングと呼ばれる音のバランスの調整作業を行い、出来上がった音楽を映像にはめ込み完成となります。地道な作業で大変だなと感じる時もありますが、やはり完成した映像を観ると色々な思いが詰まった作品なのでいつも嬉しい気持ちになります!

Q スタジオワークでの印象的な出来事についてお聞かせください。

A木村泰輔昔からスターウォーズやインディージョーンズなど、ハリウッド映画の音楽はよく聴いていて、将来ハリウッドのオーケストラと一緒に仕事が出来たらなと憧れていましたが、今年7月にLAにあるイーストウェストというレコーディングスタジオでハリウッドオーケストラのレコーディングに関わる機会があり、彼らの生演奏を聴いた瞬間、全身に鳥肌が立った事を今でも覚えています。

Q 日本の大学卒業後にバークリー音楽学院に進学されていますが、その道を選んだ経緯をお聞かせください。

A木村泰輔木村泰輔クラシック好きの父親の影響で幼少期から音楽や楽器に触れる機会はありましたが、日本の大学進学は実は音楽とは全く関係のない国際関係学に進学しました。卒業後には会社員も3年半ほど経験しましたが、昔からずっと音楽に触れていたため音楽の事が忘れられず、どうせ一度の人生であれば悔いない人生を送りたいと思い、26歳の時に思い切って進路変更をしました。
ただ、今まで音楽理論などをしっかりと学校で学んだ経験がなかったため、まずは学校選びから始まりました。当初は日本の音楽大学、また専門学校への進学も少し考えましたが、ただ国際学科での経験から将来は日本と海外を繋ぐような役割を担いたいという強い思いがあったため、 海外の人達とのコミュニケーションに必要になる言語、異文化、そして音楽が学べる海外の大学にしようと考えました。そして、どうせ挑戦するのであれば世界最高峰の大学でチャレンジしてみたいと考えバークリー音楽大学への進学を決めました。
過去の事にはなりますが、バークリー音楽大学卒業後にインタビューも受けています(こちら)。

Q 今後の目指していることをお聞かせください。

A木村泰輔まずはここハリウッドで日本人作曲家として活動し、自分の音楽を通して一人でも多くの海外の方に日本の文化、音楽、また日本という国にもっと興味を持ってもらえるよう活動の幅を広げ、そして将来的には「日本と海外を繋ぐ」をモットーとした音楽プロダクションを立ち上げていきたいと考えています。なお私は日本在住中に伝統芸能の「能楽 (観世流梅若派)」で舞台に立った経験もありますので、その経験も将来何かの役に立つチャンスがあればとも思っています。

Q 木村泰輔さんからOKWaveユーザーにメッセージをお願いします。

A木村泰輔映画やTVのシーン毎で流れる音楽には必ず何かしらの意味合いが込められています。
次回みなさんが映画やTVなどを観る時には「この音楽は何を意味しているのか、なぜこのタイミングなのか」など音楽に少しだけ注意を向けて観て頂けるとまた別の楽しみ方が出来ると思いますので、是非チャレンジしてみてください。

Q木村泰輔さんからOKWaveユーザーに質問!

木村泰輔みなさんが今までに観た映画、TV、CMの音楽で一番印象に残っている音楽は何ですか?

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■Profile

木村泰輔

木村泰輔バークリー音楽学院・映画音楽作曲家(ボストン, マサチューセッツ)を2014年8月卒業。
作・編曲家、スタジオアシスタントとして米国L.A.を拠点に活動中。
2015年に関わった作品は以下の通り。
・ディスカバリーチャンネル/インベスティゲーション・ディスカバリーTVショー“True
Nightmares” (作曲・編曲)
・ドイツ映画“Master of Death”(編曲)
・中国映画 “Door Guardians” 2016年1月公開(テクニカルスコア・アシスタント)
・ショートフィルム”Lost In Time”(編曲)
・NGO“カタリバ”震災復興支援・全国高校生My Project Award(作曲)
・ドキュメンタリー“Biography, Battels and Bernard”(テクニカルスコア・アシスタント)
http://taisukekimura.com
http://soundcloud.com/taisuke_kimura