OKWAVE Starsは、ここでしか読めない、俳優・女優、映画監督、アーティストへのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

Vol.515 生物学者/脚本家 ステファン・デュラン(『シーズンズ 2万年の地球旅行』)

OKWAVE Stars Vol.515は映画『シーズンズ 2万年の地球旅行』(2016年1月15日公開)の監修を務めたステファン・デュランさんへのインタビューをお送りします。

Q 本作に関わったきっかけや、いきさつを教えて下さい。また、共同脚本について、ジャック・ペラン監督、ジャック・クルーゾ監督とはどのように本作を描いていこうと思いましたか。

A『シーズンズ 2万年の地球旅行』ステファン・デュラン18年位前からジャック・ペラン監督とはずっと仕事をしているんだけど、ジャック監督は本当にノンストップの人で、 映画が一本出来上がったらすぐ次の企画にスライドする人なんだ。だから、前作の撮影が終わってすぐに本作に取り掛かった。『WATARIDORI』や、『オーシャンズ』の撮影では、世界各地を巡って撮影出来たから、今作は違う挑戦ということで、“ヨーロッパ”という場所に焦点を絞って、“野生の多様性”というものに限定した。まだアフリカや北極に残っているような野生の姿を見せたいと思ったんだ。でもこの企画は、我々にとっては大きな賭けというか挑戦だった。現在ヨーロッパには野生の動物というのはほとんど生き残っていないからね。また、企画を考え始めた時から、実はヨーロッパにもアフリカのような野生の時代があり、非常に豊かで多様性のある時代があったという事実を表現するためには、まるでタイムマシンで歴史を遡るように、時間を遡らなきゃいけないという話になったんだ。

Q 映画の中では、多くの動物達が登場しますが、ステファン氏が特に注目した動物を教えて下さい。

Aステファン・デュラン良い質問だね(笑)!クワガタのシーンにはすごく思い入れがあるんだ。クワガタが森の中を悠々と飛ぶ姿を撮影することは、世界初の試みだったんだ。シナリオを読んだスタッフは、興味を持つ人も少なくて撮影も難しいからってみんな乗り気じゃなかったんだけど、僕一人だけやる気満々だったんだ(笑)。これはアピールしないとこのシーンが残らないと思って、すごくアピールしたんだよ!そのおかげでこの素晴らしいシーンを撮影出来たし、成功したと思っているよ。木から飛び立って空を超えて、森の中を突き抜けていく様子を撮ることが出来て本当に良かったよ!

Q 本作の臨場感溢れる映像の撮影における監修を務められていますが、撮影においてとくに苦労したこと、工夫したことなどお聞かせください。

A『シーズンズ 2万年の地球旅行』ステファン・デュランやっぱり森を駆け抜ける動物たちを撮影していくことが一番苦労したね。普通の映画の移動撮影は、レールを敷いてカメラ撮影ができるけど、森の中ではレールを敷けないんだ。それは、ジグザクで森の中をすり抜けていくということが出来ないからで、そんなレールを敷いてしまったら動物達が怖がって逃げてしまうからなんだ。それに、けたたましいエンジン音でも逃げてしまう。そういうわけで、森の中をジグザクにすり抜けて、しかも動物達が怖がらないマシーンを発明しなければいけなかった。それで発明したのが小音電動バギーなんだ。これを開発するのに1年位かかったよ。そういったやり方で、自然の中をリアルに映し出したかったんだ。

Q 人間と自然の動物の関わりについて、多くのメッセージが込められていましたが、本作に描いた中でとくにステファンさんが問題意識を持っていることは何でしょうか。本作を通じてステファン・デュランさんからメッセージをお願いします。

A『シーズンズ 2万年の地球旅行』ステファン・デュラン最初は、人間も自然と調和して生活していたけれど、農業が出来て少しずつ人間が野生の世界から遠ざかっていく時期が来るんだ。現在我々は、野生とは完璧に切り離された世界で生きている。そんな中の朗報として、徐々に野生動物たちが人間に近づいてきてくれているという現象が最近見られているんだ。ヨーロッパで絶滅してしまった動物たちがたくさんいたけれど、50年位前に我々が狩猟するのを禁止した事によって、姿を見なくなっていた動物たちが少しずつ戻ってきている。フランスでは、1950年代には大きな鳥とか、大きな動物たちがすっかり姿を消してしまったため、自然学者は何も観察しようがない状態だった。当時の自然学者たちは、現在のように野生の動物たちが戻ってくるなんてことは想像なんて出来ないぐらい絶望的状況だったんだ。言いたいのは、ちゃんと我々が野生動物たちに、生きるスペースというのを残しておけば彼らは戻ってくるんだよ。人間と動物とが調和を保ち生きることは可能なんだということを伝えたいんだ。共生は可能だという事、だから諦めることは何もないんだ。我々と同じ地球というテリトリーに住んでいるんだから、動物とシェアするということが大事だと思う。この映画が提示しているように、我々と同じ歴史をシェアしているわけだから、テリトリーをシェアすることも不可能ではないと思うんだ。

Qステファン・デュランさんからOKWAVEユーザーに質問!

ステファン・デュラン最近自然と接してみて、ハッと思い知らされたような体験はありましたか?
例えば、野生動物と触れ合う事によって一日ハッピーになったとか、ポジティブなことが人生や日常にもたらされた経験はあるのかなって事が知りたいかな!

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■Information

『シーズンズ 2万年の地球旅行』

『シーズンズ 2万年の地球旅行』2016年1月15日(金)、TOHOシネマズ 日劇他 全国拡大ロードショー

2万年という悠久の時間、そこで懸命に生きる生命をドラマティックに描いた壮大な旅。ここには、この地球のすべての生命の希望に満ちた未来がある。氷河期が終わり、あらゆる生命が春を謳歌し始めた2万年前から現在、そして未来へと至る地球の歩みを、動物の目でとらえる全く新しいネイチャー・ドキュメンタリーが誕生した。

監督:ジャック・ペラン(『オーシャンズ』)、ジャック・クルーゾ(『オーシャンズ』)
日本語版ナレーション:笑福亭鶴瓶、木村文乃
配給:ギャガ

http://gaga.ne.jp/seasons/

期間限定 こども500円
2016年1月15日(金)~4月8日(金)
※小学生以下(通常の小学生、幼児料金の対象者)に限り、<500円>でご鑑賞いただけます。
※保護者同伴にて鑑賞される場合に限ります。
※他優待券、割引券制度との併用不可。
※一部劇場除く。

(C)2015 Galatee Films – Pathe Production – France 2 Cinema – Pandora Film – Invest Image 3 – Rhone-Alpes Cinema – Winds – Pierre et Vacances


■Profile

ステファン・デュラン

ステファン・デュラン(『シーズンズ 2万年の地球旅行』)生物学者、鳥類学者、科学ジャーナリスト
1997年以降、ジャック・ペランのドキュメンタリー作品の共同脚本、監修を務め、映画『WATARIDORI』、『オーシャンズ』、『シーズンズ 2万年の地球旅行』など、ジャック・ペランと映画的冒険を共にしている。同時に他の監督たちのドキュメンタリー「パンダの大地で/Sur les Terres du Panda」、「ゾウたちの夜/La Nuit des Eléphants」に脚本家として参加する他、『WATARIDORI』、『オーシャンズ』、『シーズンズ 2万年の地球旅行』の関連書籍を執筆している。