話題の映画などの作品にまつわる、俳優・女優、映画監督、アーティストらへのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

Vol.526-2 『夢の劇 -ドリーム・プレイ-』製作発表

『夢の劇 -ドリーム・プレイ-』製作発表会見の模様をお送りします。

登壇者(敬称略):白井晃、長塚圭史、森山開次、早見あかり、田中圭、江口のりこ、玉置玲央、那須佐代子、山崎一

>Vol.526 『夢の劇 -ドリーム・プレイ-』主演・早見あかりさんインタビュー

Q ご挨拶をお願いします。

A『夢の劇 -ドリーム・プレイ-』白井晃長塚圭史さんに、KAATの芸術監督としての第一作を一緒に作っていってほしいとお願いしました。昨年イプセンの『ペール・ギュント』を上演しましたが、今回はヨハン・アウグスト・ストリンドベリの100年以上前に書かれた『夢の劇』という作品を、できる限り我々の生活感に近い形でできないかと思い、長塚さんに台本をリライトしていただいて、創作しています。森山開次さんの振り付けとダンサーの皆さんにも加わっていただいて、ミュージカルな面も強調して、空間全体を作っていければと思います。昨年の『ペール・ギュント』もですが、100年前の作品が現代とシンクロするものを感じ、登場人物の不安感や心象が、産業や社会の変化と同期しているような気がしています。描かれているのは幸福な人物ばかりではありませんが、夢が醒めた時に一縷の光を見る、そんな希望がある作品だと読み取りました。ここに集まった皆さんと面白い作品が作れればと思います。

長塚圭史今回関わらせていただいて光栄に思います。僕は台本と出演という、今までやったことがない形で関わります。神様の娘が、ある種、絶望的な人間界を旅し冒険していく物語です。アリスが不思議な国を旅したように、彼女がグロテクスな人間の世界の旅をします。白井さんが仰ったような明るくない世界が広がっています。そこでインドラの娘は一縷の光を見出そうとします。これが物語の一本の筋となって見えればいいなと思っています。早見あかりさんの演じる神様の娘は田中圭さんが演じる詩人を頼りにします。いろんな人が出てくる中で詩人を支えにするということに人間賛歌を見出しました。世の中が絶望的な状況になった時に、この詩人や、劇作家や演出家、俳優は真っ先に必要ではない存在になってしまいます。その時に神様の娘が詩人を支えにすることは芸術賛歌でもあると思います。この作品がKAATの最初の作品になるということには明るい予感がしています。
僕は昨年夏から白井さんと台本のためのワークショップを、大変重たいのですが(笑)、部屋にこもって行いました。僕が書き上げて、白井さんが読んで、また僕が書いて、ということを繰り返しました。昨年末にも行いましたが、そういう辛い作業を繰り返しています(笑)。白井さんからは注文がさらに増して今も創作を続けています。『夢の劇』は難しい部分もあると思う方もいるかもしれませんが、光が差すような華々しい作品になればと思います。そして、また観たいと言ってもらえるような作品を目指していきます。

森山開次このメンバーでどんな創作が行われるか楽しみにしています。白井さんの稽古場は逃げ場がないものだと思っています。出演者としても振り付け者としてもチャレンジしていきたいです。この難解な台本を読んで、鍵は身体表現にあると思います。物語は夢を見ているような話で難解ですが、よくよく考えると自分の夢も訳がわからない世界なので、そういう夢の世界で、みんなの身体性を引き出していければいいなと思います。ダンサーも4名参加します。新体操やポールダンスなど、様々な身体性を持った人たちが参加しますので、これはお芝居ですけど、役者の皆さんにもぜひダンスをしていただきたいと思っています。

早見あかり本格的な舞台は初めてで、右も左も分からずにここに立っています。緊張というよりも不安というよりも怖いという気持ちが私の心の声で自分の気持ちを表せる言葉かと思います。普段、舞台を観に行くことや、出演のお声掛けをいただいても、何となく避けてきてしまったのはその怖い気持ちが前に出てきてしまっていたからです。避けてきたものにチャレンジするので、たくさん迷惑をかけてしまうと思います。でも、頑張りたいと思っています。
(ここで思わず涙ぐんでしまいました)
こんなことは初めてです…。初主演というのも強調しないでほしいなと思いながら真ん中に立たせていただいています。すごく不安ですが、稽古を重ねて初日を迎え、千秋楽を迎えた時に自分の中で何か変化が起きると思います。これからお芝居を一緒に作っていくキャストの方々やスタッフ皆さんと一緒に素敵なものを作っていけたらなと思います。幸せな記者会見の場で泣いてしまいましたが頑張ります。

田中圭白井さんとは、僕がまだ2度目の舞台の時からお世話になり、今回で4度目になります。今までとちょっと違うなと感じていますし、ダンスはセンスが無いのでどうしようかと思っています。ポスターの撮影の時に白井さんはご自分の役を決めていなくて、今日聞いたら神だと。白井さんが神様として出てきたら、僕は何もできないんじゃないかと思います(笑)。それを克服するために稽古場を使いたいと思います(笑)。皆さんで一つの舞台を作るのは楽しいですけど辛さもあって、きっとその辛さの中に楽しさがあるので、皆さんと密な時間を過ごしていければと思います。

江口のりこ私は白井さん演出の作品に一度出させていただいて、すごくいい時間を過ごすことができたので、また白井さんの演出に参加できたらいいなと思っていたので嬉しいです。圭くんが「ダンスのセンスが無い」と言っていましたが、私はきっと圭くん以上にセンスが無いのでそこが不安ですが頑張ります。

玉置玲央士官を演じます。今回の座組みで初めての方ばかりです。精一杯できることをやらせていただきます。なかなか戯曲の世界観が難解ですけど、今に通じることがいっぱいあると思っています。そういうことがお客様に伝わっていい作品になればいいなと思います。

那須佐代子士官の母親役を演じます。私が役者をやろうか考えていた頃に白井さんが役者として活躍されていて、劇場に観に行ったこともあります。私が役者をやりたいという気持ちにかなりの影響を受けましたので、今回ご一緒させていただくのを光栄に感じています。その時に観ていた作品は夢の様な世界だったなと思いますので、『夢の劇』という作品でご一緒することは私にとって意味のあることだなと思います。そして、キャスト、スタッフ、初めましての方ばかりで新人のような気持ちで臨んでいます。横浜というデートでしか来ないような素敵な場所に毎日通えるので嬉しいなと思っていましたが、噂によると稽古がみっちりあるとのことなので、そんな楽しい気持ちで通えるかどうか分かりませんが、時間があれば中華街くらいには行きたいなと思います。

山崎一士官の父親役を演じます。白井さんとは同い年で、同世代の方が頑張っているということにすごく力がもらえます。白井さんから出演依頼をいただいて、脚本が長塚さん、振付が森山さんということでふたつ返事でお受けしました。その後に台本を読みましたが、「これ、どうやって作るんだろうな」というのが感想でした。夢そのものを台本にした戯曲で、映像ならすぐに思い浮かぶのですが、舞台でどうやるのかはすぐには思い浮かびませんでした。ただ、何度か読むうちに面白さが徐々に分かってきました。ですので、僕は一生懸命にこの芝居を遊びたいと思います。

Q いつから考えていたのかと、舞台にも立たれることについてはいかがでしょうか。

A白井晃この作品自体は10年くらい前から、内容は訳が分からないのですが、読んでいるうちにどんどん好きになって、いつかやってみたいと思っていました。ただ、実現する機会はなかなか無かったです。それで芸術監督になって好きにやっていいと言われたこのタイミングしか無いだろうと。長塚さんにはこの作品ありきで声をかけたのではなく、その作品がいいかお互いに出し合う中で、切ってはいけないカードを切るように『夢の劇』を提案しました。長塚さんはしばらく黙って「これ?」という空気でしたけど、「でも、好きだよね?」と畳み掛けて「うん、そう思う」という言葉を引き出しました。最初の段階から自分たちも出演するということを条件として進めました。

Q 舞台初挑戦の抱負についてお聞かせください。

A『夢の劇 -ドリーム・プレイ-』早見あかりずっと避けてきた舞台で「なぜこの舞台を選んだの?」と聞かれても自分でも正直よく分からないです。でも分からないからこそ面白いなと自分でもワクワクしている部分があります。役が神様インドラの娘で、訳がわからないまま放り出されて旅をして冒険して戻る、ということが自分と一緒だと思います。彼女が何かを見つけるように、私もそこで何かを見つけられるように、このキャスト、スタッフの皆さんと頑張りたいと思いっています。

Q 白井さんや長塚さんの作品や演出の印象などお聞かせください。

A田中圭僕も今回、山﨑さんのように「やります」と言ってから台本を読んだのですが、作品には救いがなくて暗いなあと思いましたが、白井さんが演出するのに暗い作品になるわけがないと思うし、最後には光を持ってきてくれると思います。白井さんには稽古をやっているうちに自分が気づかなかったことを教えてもらえるのが好きです。稽古が長いので本当に嫌なんですが(笑)、台本からは気付かないことをみんなで探って気付かせてくれるので、白井さんはどこまで見えているのだろうと不思議に思うこともあります。ですので台本は難解ですが不安はないです。

森山開次白井さんとはミュージカル「星の王子さま」の再演のヘビ役でご一緒しました。僕はダンサーや役者の区別をつけるのがあまり好きではないのですが、その時には僕のわがままを聞いていただいて、踊りながら声の芝居もある役を経験させてもらいました。白井さんは音楽や踊りにも詳しくて、役者やダンサーという垣根を作らないので、僕はダンサーですけれど、役者としても演じたいと思います。今回出演するダンサーらにも役者として出てほしいとも思っています。

江口のりこおふたりとも演劇が好きで好きで仕方がない、という印象です。面白いかどうかに関わらず、おふたりがいま何に挑戦しているのかに興味があります。

玉置玲央自分が演劇を始めた頃に白井さん、長塚さん、森山さんの舞台を観ていましたので今回参加できて光栄です。自分にとっては夢の様な現場です。

那須佐代子ビジュアル撮影の際に、これも白井さんの指示で行われましたが、非常に素敵なものができました。演出家の方が撮影の際に「ちょっと上を見て」などの指示を出すような撮影は初めてだったので、白井さんの意気込みを感じましたし、ビジュアルに対するこだわりやイメージのようなものもいただけました。非常に広がりのある可能性を感じましたので、楽しみにしています。

山崎一白井さんの演出は10数年ぶりです。今回、白井さんが演出だけではなくて役者もやるというのが楽しみです。白井さんが演じるのは本当に楽しいんです。以前参加した時も白井さんは出演もしていて、その稽古中、演出をする白井さんの代役の方にも白井さんは散々演出するんです(笑)。それでいざ白井さんが入って演じると、それを全部すっ飛ばしている(笑)。役者としての白井さんは本当に面白いです。今回の作品では演出家、脚本家、振付師が出演するので、すごくワクワクしています。難解な作品とは言ってきましたが舞台でやるのには最適な作品かもしれないとも思っています。観客から観ると、何もない空間の中でいろんなことが起きて、世界が変化していくのは舞台ならではだし、そういうところも楽しみです。

Q 注目のポイントをお聞かせください。

A『夢の劇 -ドリーム・プレイ-』長塚圭史様々な人間風景が表現されて、それのつながりが難しく感じさせてしまうのですが、山﨑さんが仰ったように演劇に適した題材だと思います。面白く作ればどんどん先に行ける作品だと思います。僕自身、夢の様な話は大好きだし、ストーリーがガッチリ決まったものよりも、詩のような作品に良さを感じてしまうので、難しいけれど好きだし、演劇性によって大いに超えられると思います。これは西洋の話ですが、西洋の従来の宗教観のようなものを吹き飛ばそうという想いが原作には感じられます。ストリンドベリは神様との関係性を冒涜しているような一面もあったそうなので、普通の西洋の作品よりも入りやすいし、宗教も含め、人間の起こす様々な事象は普遍的なところもあると思います。早見さんが中心になって、神様の娘がある意味汚れた人間の世界を白馬のように駆け抜けていってもらえれば、祝祭のようになるし、人間讃歌、芸術賛歌のような作品になると思います。それに白井さんと森山さんがいるので大丈夫だと思っています(笑)。

白井晃一つ一つの会話や事象は何も難しくありません。それが夢のように脈絡無く変化していくので、読む側には難しく見えると思います。僕は意外と立体になれば何も難しさも不思議さもないと思っています。僕ら自身、何事も論理に則っているとは限らないし、今思ったことが急に違う方向に転換することもあると思います。万華鏡のようにパカっとシーンが変わりたい、と思った時に、どうするかはまだ分かりませんが、それを作っていくのが面白いなと思っています。人間関係の難しい作品もたくさんありますので、それに比べたら全然簡単だと思います(笑)。僕はそれほど心配していません。全体を包む空気が見えてくればいいなと思いますし、ひとりひとりの人生がにじみ出てくればいいなと思います。

Q早見あかりさんからOKWAVEユーザーに質問!

早見あかり今まで見た夢で一番幸せだった夢は何ですか?

回答する

>Vol.526 『夢の劇 -ドリーム・プレイ-』主演・早見あかりさんインタビュー


■Information
『夢の劇 -ドリーム・プレイ-』

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『夢の劇 -ドリーム・プレイ-』

神インドラの娘アグネスが地球へ降り立ち、そこで様々な人々に出会い、それぞれの暮らしを経験して、再び天空=神の世界へ戻っていく過程を描く。地上に降り立ったアグネスは恋人を待ち続ける士官、自分が扱った犯罪・悪行を反映して苦悶に満ちている弁護士等、苦難に満ちた人間たちと出会い、人間の存在の痛みを経験する。それぞれの場面は、“夢”の断片をつなぎ合わせたような構成になっており、インドラ神の娘が天空に戻るさまは、まさに、人が“夢”から目覚める合図のようにも見える。

原作:ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ
構成・演出:白井晃
台本:長塚圭史
振付:森山開次
出演:早見あかり 田中圭 江口のりこ 玉置玲央 那須佐代子 森山開次/
山崎一 長塚圭史 白井晃 ほか

2016年4月12日(火)~30日(土)KAAT神奈川芸術劇場<ホール内特設ステージ>
※4月12日(火)・13日(水)はプレビュー公演

チケット料金(全席指定・税込):
・プレビュー公演(4月12日・13日)一般7,500円、U24チケット(24歳以下)3,750円、高校生以下割引(高校生以下)1,000円、シルバー割引(満65歳以上)7,000円
・本公演(4月15日~30日)一般8,500円、U24チケット(24歳以下)4,250円、高校生以下割引(高校生以下)1,000円、シルバー割引(満65歳以上)8,000円
※U24チケット(24歳以下)、高校生以下、シルバー割引(満65歳以上)はチケットかながわの電話・窓口で前売のみ取扱い(枚数限定)
※未就学児入場不可

チケットかながわ
http://www.kaat.jp/
0570-015-415(10:00~18:00)
窓口:KAAT神奈川芸術劇場2F(10:00~18:00)

2016年5月4日(水・祝)、5日(木・祝)まつもと市民芸術館 実験劇場
チケット一般発売:2016年2月13日(土)発売
チケット料金(全席指定・税込):一般5,500円、U-25 3,500円(要年齢確認証提示)
※未就学児入場不可
お問合せ:まつもと市民芸術館 0263-33-3800

2016年5月14日(土)、15日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
チケット料金(全席指定・税込):1階8,500円、2階4,500円
お問合せ:芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00~17:00、月曜休 ※祝日の場合翌日)
※未就学児入場不可

公式サイト:http://www.yumenogeki.jp