話題の映画などの作品にまつわる、俳優・女優、映画監督、アーティストらへのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

Vol.535 映画プロデューサー デニス・リーム(『アーロと少年』)

OKWAVE Stras Vol.535は『アーロと少年』(2016年3月12日公開)の製作を担当したデニス・リーム プロデューサーへのインタビューをお送りします。

Q 本作の企画の経緯をお聞かせください。

Aデニス・リーム当初の監督だったボブ・ピーターソンが恐竜好きで、彼のアイディアが基になっています。彼が子どもの時に見た1965年シカゴ万博の恐竜展からインスピレーションを受けたそうで、いつか恐竜の物語が描きたいというアイディアから本作が生まれました。

Q 映画製作に先立って、リサーチのために大自然に身を置いたそうですが?

A『アーロと少年』デニス・リームワイオミング州のジャクソンホールという所が舞台のモデルのひとつになっていて、リサーチのため、私とピーター・ソーン監督、テクニカルチームらで行きました。そこでは川下りをしたり、トレッキングを体験しました。また、テクニカルチームのメンバーは川の水の動きや流れ方をCGで再現するために、専門的なリサーチを兼ねた川下りもしました。監督は都会っ子でジャクソンホールのような大自然の中に入ったことがなかったので、彼にとっては途方に暮れるくらいの“大自然の中で迷子になってみよう”をテーマとしたリサーチの旅でした。

Q 背景の映像が今まで以上に美しいですが、どのような取り組みをされたのでしょう。

Aデニス・リーム果てしなく広がるような広大さを表現したくて、新しいツールも開発して映像を作りました。広い空間に何もなくても困るので、1つ1つ手作業で岩や茂みを描いて空間を埋め尽くしていく作業は本当に大変でした。それと今回は容積のある雲をアニメで描くのが初の試みでした。今まではマット・ペインティングという平面的な描写手法でしたので、今回のCGアニメーションでは容積のある雲を100%再現しています。そのツールを開発するのは大変でしたが、それができたことで一気に描き上げて作業工程もずいぶんと短くすることができました。

Q 恐竜の動きは想像の部分もあったと思いますが、どのようにアーロの動きを描いていきましたか。

A『アーロと少年』デニス・リーム恐竜の専門家にもリサーチしましたが、一番参考にしたのはゾウの動きです。ゾウは現存する生き物で一番恐竜に近いので、ゾウが動いた時に皮がちょっと伸びてシワができるところや、歩いている時の骨格などを参考にしました。後は試行錯誤で、描いてはアニメーションにして何度もブラッシュアップをしていきました。一番気を付けたのは恐竜ならではのサイズ感と重量感です。あまり軽やかすぎないように見せるようにしました。
恐竜が農地を耕すというアイディアは、アパトサウルスが首を曲げて土を耕している絵をピーター・ソーン監督が最初に描いたのが始まりです。あれをCGアニメーション化するのはかなり難しい作業でした。土が舞うアニメーションを再現するレンダリングにも時間がかかっています。

Q 恐竜のアーロが少年スポットと友情を結んでいく話ですが、物語についてのメッセージをお願いします。

Aデニス・リームアーロという怖がりの主人公は、恐怖心にがんじがらめになっていますが、スポットという人間の少年と出会うことで生まれた友情や愛情で、そういう恐怖心を乗り越えましたので、恐怖心は克服できるということを伝えたいです。特に日本では春は新学期、新生活といった新しいスタートの季節と聞いています。自分の人生を変える大事な出会いが待っているかもしれませんので、心を大きく広げて新しい出会いに尻込みせずに、いろんな人と友情を育んでほしいと思います。

Qデニス・リーム プロデューサーからOKWAVEユーザーに質問!

デニス・リームアニメーションに限らず映画を観る時に、笑える映画と泣ける映画、どちらかしか選べないとしたらどちらを選びますか。

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■Information

『アーロと少年』

『アーロと少年』2016年3月12日(土)全国ロードショー

『モンスターズ・インク』『トイ・ストーリー』のディズニー/ピクサーが描く感動のアドベンチャー・ファンタジー。もしも地球に隕石が衝突せず、恐竜が絶滅しなかったら…そこは恐竜だけが言葉を持つ世界!大きいけれど弱虫な恐竜アーロと、小さいけれど勇敢な人間の少年スポット。すべてが正反対で、言葉も通じない二人のたった一つの共通点は、どちらも“ひとりぼっち”。初めての友情が、永遠に続くことを願う二人だったが…。
監督:ピーター・ソーン
日本語吹替版キャスト:安田成美:アーロを信じて待つ“ママ”役、松重 豊:[Tレックス一家]頼りになる父“ブッチ”役、八嶋 智人:[Tレックス一家]好奇心旺盛な弟“ナッシュ”役、片桐 はいり: [Tレックス一家]おてんばな姉“ラムジー”役、石川樹:恐竜なのに怖がりで弱虫な“アーロ”役

配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

http://www.disney.co.jp/movie/arlo.html

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■Profile

デニス・リーム

デニス・リーム(『アーロと少年』)アメリカ、カリフォルニア州出身。
カルフォルニア大学バークレー校で学び、低予算の映画やCM、ミュージックビデオの製作アシスタントとしてキャリアをスタート。その後、SFXの第一人者リチャード・エドランドが立ち上げたボス・フィルム・スタジオで製作を務めた。5年後にILM(インダストリアル・ライト&マジック)に移籍。13年間の在籍中に『ディープ・インパクト』(98)、『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(05)、『ミッション:インポッシブル3』(06)など数多くのヒット作に携わる。06年に『カールじいさんの空飛ぶ家』(09)のアソシエイト・プロデューサーとしてピクサー・アニメーション・スタジオに入社。『カーズ2』(11)で製作を担当し、本作がピクサーで2作目のプロデュース作品となる。