話題の映画や作品等にまつわる、俳優や映画監督、アーティストら“Stars”へのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

Vol.577 映画監督 山本透、漫画家 杉作(『猫なんかよんでもこない。』)

OKWAVE Stars Vol.577は風間俊介さん主演・感動実話コミックスの映像化『猫なんかよんでもこない。』(2016年7月13日Blu-ray/DVD発売)の山本透監督と原作者・杉作さんへのインタビューをお送りします。

Q 映像化の経緯についてお聞かせください。

A山本透あるプロデューサーから紹介されて原作の「猫なんかよんでもこない。」の単行本を渡されたのがきっかけです。当時はまだ1巻が出たばかりでしたが拝見して「面白いですね、映画化したいです」とすぐに言いました。脚本家の林民夫さんが脚本を書いていて、そこに自分も手を加えていきました。それを先生にも読んでいただいて。その頃に第2巻が発売されたので、その内容も入れようと第一稿からは大きく変えて、そこからは自分で書いていきました。第1巻の内容だけだとなかなか映画になりにくいかなと思っていたので、ちょうど2巻から出てくる映画では松岡茉優さんが演じたウメさんというキャラクターを入れて、1巻ベースの2巻が混じった台本を書いていきました。

Q 先生は映画化の話を聞かれてどう感じましたか。

A杉作話を聞いた時は「まず無いな」でした(笑)。なかなか映像化はうまくいかないという話を知り合いの漫画家からも聞いていましたので。もちろんうまくいけばいいなとは思いました。

山本透映画が公開されるまで時間はかかりました。先生にお会いしてから、キャストを決めたりいろいろあって撮影までには2年以上かかっていますし、撮り終えててから公開までを入れると3年以上経っていますね。このBlu-ray/DVD発売までだと4年くらいになります。

Q 猫たちがとにかくかわいいですが、撮る前には想像できていたのでしょうか。メイキングではかなり苦労されている様子も垣間見られますね。

A『猫なんかよんでもこない。』山本透自分も猫を飼っているので何とかなるだろうと思っていましたが、いざ撮影になると思い通りにはならなくて、初日は結構へこみました。大人の猫ならまだしも、2匹の子猫の撮影でしたので、走り回ってしまってどうにもならない。フレームに全然収まってくれないので、芝居どころではなく途方に暮れました。

Q キャストの方々は猫との触れ合いの面ではいかがだったでしょうか。

A山本透主に風間俊介くんですが、ひたすら向き合っていました。初日の撮影が思い通りにいかなかったので、人間が猫に何かやらせるよりも、猫に人間が合わせなければダメだと気づきました。風間くんはなるべくミツオとして猫たちと向き合って生活に馴染んでいっていました。撮影も猫たちがご飯を食べたくなったら食事のシーンを撮るなど、猫のやりたいことに合わせました。風間くんには猫がどこに行っても、僕がカットをかけるまでは芝居を続けてほしいと伝えました。撮っていて「これは風間俊介にしかできないな」と思いました。何が起きても動じずに芝居を続けるというのはなかなかできることではありません。人間相手ならアドリブでできるかもしれませんが、動物相手ですからね。すごく頑張っていただきました。

Q 猫たちの芝居はどのように撮られたのでしょう。

A山本透実際に歩かせたりしているのを撮っています。餌を使って呼ぶと走ってしまうし、何かを仕掛けてるわけではなく、上手く歩いてくれるのを待っていました。

杉作映像だけ観ていると苦労の跡が見えないですよね。

Q 自伝的な作品でもありますが、風間さんの芝居はいかがだったでしょう。

A杉作自分の若い時とは全然違うなとは思っていましたけど、映像で見ると完全にミツオにしか見えなかったのが驚きでした。風間さんは猫を飼ったこともないそうですし、漫画を描くような経験もなかったそうですし。

山本透練習したいと本人は言っていましたが、下手でも一生懸命描く様子が伝わればいいかなと思いました。猫への向き合い方もやっていくうちに自然にミツオになっていました。

Q 1シーン出られていかがでしたか。

A杉作監督にお願いして出させていただきました(笑)。こんなチャンスは二度とないので、貴重な体験ができました。

山本透現場でセリフを振ってみたらナチュラルにできていて最高でした(笑)。それでもう1カットは好きに喋ってもらいました。

杉作普段は自分一人だけで描いているので真逆の経験ですね。あれだけ人がいる中で何かをするということはサイン会くらいしかないですから。

Q 撮影中の様子などは見られましたか。

A杉作アパートでの撮影も一度見ました。猫たちとも触れ合いましたが、その日のクロ役は人懐っこくてかわいかったです。狭いアパートの室内セットの中、チンは撮影に入っていて、その後ろにはたくさんのスタッフが控えていましたが、そういう風には見えないのがすごいですよね。

Q 今回の作品を通じて得た気づきを教えてください。

A『猫なんかよんでもこない。』山本透やはり動物は難しいなと思いながらも、型にはめようとするのではなく、その場で生まれてくるライブ感にいかに対応するかということは勉強になりました。言葉の通じない相手を導くという、いい経験になりました。ですので、猫の出ない撮影はすごくホッとしたし、言葉が通じて楽だとも思いました(笑)。撮影をしていると自分の作家性の方向に寄せてしまいがちですが、もう少しナチュラルにやっていくものの中から自然なものが生まれてくるんだなと思いました。

杉作今までも他の人の原作漫画のアニメや実写を観ていて、自分の作品だったらどうなるのだろうと思っていました。それが実際に作品になると、全然違う面白さになるんだと思いました。漫画とはまた違った別ものになるんだということが感じられて良かったです。

Q 見どころをお聞かせください。

A『猫なんかよんでもこない。』山本透やはり猫の自然な姿を見たい人が多いと思います。猫好きな人が見たら猫が嫌がっているかどうかは分かってしまうので、少しでも自然な様子を撮れたらと頑張りました。今までの猫映画とは違う自然な猫たちの表情がたくさん見られる映画になっていると思います。それとやはり原作が素晴らしいです。ただかわいいだけのペット映画ではないし、生き物と暮らす大変なところも描いています。でも一緒に暮らしていくということはそういうことなので、先生がチンとクロとの生活を通して自分の失ったものを生活の中から取り戻していくことや、日々の積み重ねの中にあることを描けているんじゃないかなと思います。動物好きな人にかぎらず、生き物同士、寄り添って支え合って生きていくのが良いことだと思ってもらえるかなと。老若男女、動物好きにかかわらず、さらにたくさんの方に観てもらえればと思います。

杉作この映画のイベントで11回観たというお客さんがいたんです。映画の中には辛いシーンも出てきますが、それでも何回も観たいという人がいるので、いい作品になったんだなと思いました。自分の漫画だとやはり厳しいシーンもあると1回読んだらもう見られない、という声も聞くんです。それが毎回お金を払って何度も観ていただけているので、このBlu-ray/DVDを一度買えば何度でも観られるのでおすすめです(笑)。

Q山本透監督、杉作先生からOKWAVEユーザーに質問!

山本透動物のジャンルで、どんな映画が観たいですか?

杉作『猫なんかよんでもこない。』を観て猫に対する見方が変わった人はいるでしょうか?

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■Information

『猫なんかよんでもこない。』

2016年7月13日(水)Blu-ray&DVD発売 ※同時レンタル開始
Blu-ray(GNXD-1029)4,700円+税
DVD(GNBD-1588)3,800円+税
特典(※はブルーレイのみ収録)
チンとクロの撮影日誌/『猫なんかよんでもこない。』イベント集/web動画集※/アニメ動画集/超特報/アニメ番宣/劇場予告

 

☆「猫なんかよんでもこない。」発売記念キャンペーン実施中(9月30日まで)

 

ボクシングに人生を捧げる三十路寸前の男・ミツオのもとに、子猫の兄弟“チン”と“クロ”が現れた!漫画家であるミツオの兄が拾ってきた2匹は<超やんちゃ>で<超気まま>。用意したエサは気にいらないと完全ムシ、命より大事なボクシンググローブは、猫の必殺技“猫キック”の練習道具に使われたりと、猫嫌いのミツオは振り回されっぱなしだ。だが、アパートの大家さんや猫好きの女性・ウメさんの応援もあって、ちょっとずつ距離を縮めながら、彼らは極貧生活を支え合う運命共同体になっていく。
そんな中、大きな変化が訪れる。試合でのケガがもとで、プロボクサーとしての道が閉ざされてしまったのだ。生きがいを失い、新たな一歩を踏み出せずにもがくミツオ。対照的に、チンとクロは新しい世界へ飛び出そうと爪を研いでいた。
楽しい日々も、ちょっと切ない日々も、いつも一緒。1人の男と小さな2匹の、かけがえのない猫デイズが始まった!

出演:風間俊介 つるの剛士 松岡茉優 内田淳子 矢柴俊博/市川実和子
原作:杉作「猫なんかよんでもこない。」(実業之日本社刊)
監督:山本透
脚本:山本透 林民夫

発売元/販売元:NBCユニバーサル・エンターテインメント

http://www.nbcuni.co.jp/movie/sp/nekoyon/

© 2015杉作・実業之日本社/「猫なんかよんでもこない。」製作委員会


■Profile

山本透

1969年3月20日生まれ、東京都出身。武蔵大学を卒業後、TV番組制作会社勤務を経てフリーランスの助監督になる。以後、ドラマや映画など多数の作品作りに関わり、山崎貴、利重剛、平山秀幸、中村義洋などの助監督として活躍している。長編映画初監督作は08年の『キズモモ。』(脚本も担当)。12年には麻生久美子と大泉洋が競演したホームコメディ『グッモーエビアン!』がスマッシュヒット。同作でヒロインの三吉彩花に第67回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞をもたらした。2015年10月16日に公開した冒険コメディ『探検隊の栄光』では藤原竜也とタッグを組んでいる。現在、短編映画『Do You Belive in Love?』の編集中。

杉作

マンガ家。元プロボクシング選手。新潟県新潟市(旧亀田町)出身。1999年「イモウトヨ」で青木雄二賞受賞。「猫なんかよんでもこない。」(実業之日本社)他、著書多数。