話題の映画などの作品にまつわる、俳優・女優、映画監督、アーティストらへのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

Vol.589 俳優 森岡龍、前野朋哉(『エミアビのはじまりとはじまり』)

OKWAVE Stars Vol.589は『エミアビのはじまりとはじまり』(2016年9月3日公開)W主演の森岡龍さん、前野朋哉さんへのインタビューを送りします。

Q 『エミアビのはじまりとはじまり』W主演の話を聞いた時のご感想をお願いします。

A『エミアビのはじまりとはじまり』森岡龍一昨年の秋くらいに、お笑いの映画を撮る、という話を聞いたのが最初です。

前野朋哉僕が話を聞いた時には森岡君が出ることが決まっていました。森岡君と共演できるのでやったー!という感じでした。

森岡龍撮影以前から友だちだったので嬉しかったですね。

Q 芸人の役を演じるということについてはいかがでしたか。

A森岡龍前野くんとは仲も良かったし、最初は大丈夫だろう、と思っていました。

前野朋哉でも実際にはハードルだらけでした。

森岡龍ものすごく難しかったですね。

前野朋哉「漫才」の正解もわからないですし。自分たちが面白いと思う方向で、謙作さん(渡辺謙作監督)と3人でネタを作っていく試行錯誤の繰り返しでした。

Q 芸人の話でもあり、その相方が亡くなってしまってからの再起の物語でもある本作ですが、台本の印象はいかがだったでしょうか。

A『エミアビのはじまりとはじまり』森岡龍台本を読んだ時はどんな映画になるのか分からなかったです。身近な人の死を乗り越えて再生する物語ではあるけれど、前野君演じる死んでしまった海野のことも半分くらい描写されている回想劇なので、不思議な映画になるなという印象でした。

前野朋哉台本の段階では正直どんな映画になるか想像できず、謙作さんに会ってみないと分からないことがたくさんあるなという印象でした。この映画はファンタジーの要素がたくさんあって、でも、僕はそれを安易にファンタジーと言い切れないなと完成した映画を観て思いました。観る人が自由に感じていい映画だと思います。

Q 漫才もしなければならない役柄でしたが、それぞれのキャラクターはどのように作り上げていきましたか。

A森岡龍漫才のネタによって、キャラクターが変わってくることもありました。ある段階で実道はモテキャラにしよう、ということになって、ネタはいい感じになったのですが、僕はモテキャラを演じたことが無かったので謙作さんに「どんな感じでやればいいですか」と聞いたら「GACKTさんになれ」と言われて(笑)。物理的に無理だ!と思いながらもGACKTさんの画像を見て研究しました(笑)。それと実道はある種ドライな人間なので、笑わず、常にシリアスな顔をしていることを心がけました。とにかく優しさが出ないように。

前野朋哉僕は死んでしまう役ですけれど、海野には幸せな時間があった、ということをずっと意識していて、彼女の雛子と一緒にいるシーンは幸せな時間になればいいなと思いながら演じました。ですので、あまり考えすぎるよりもその場を楽しもうという気持ちが強かったです。

Q 演じたキャラクターのどんなところに魅力を感じますか。

A前野朋哉海野は自分のことよりも人のために何かをしてあげられる人です。人として難しいことを素直にできるというのは羨ましくもありますし、海野は格好いい男だなと思います。

森岡龍実道の嫌な部分でもありますが、上昇志向が強いところです。それ故に実道は近寄りがたい雰囲気を身にまとっていたり、相方に対してもドライですが、それはお笑いに対して真摯に向き合っているからで、そういうところは短所でもありますが、魅力的な部分だと思います。

Q 黒沢先輩役の新井浩文さんとの共演はいかがでしたか。

A前野朋哉黒沢先輩はエミアビにとって大きな存在です。新井さんと僕ら、黒沢先輩とエミアビの二人の関係性はすごいリンクしていて、言動ひとつひとつに先輩からのメッセージが込められていて説得力があり、黒沢先輩に僕らが突き動かされていた部分がとてもたくさんありました。

森岡龍新井さん自身も黒沢先輩も本気でぶつからないと同じ土俵に立てない相手です。だからといって敵ではなく、適度な距離感で僕らを押し上げてくれるような目線もあって、大きな背中という印象でした。

Q 映画の中でも披露された漫才のネタの練習はどのくらいされたのでしょう。

A『エミアビのはじまりとはじまり』森岡龍ほぼ1ヶ月くらいですね。

前野朋哉最初はふたりの距離感を縮めようと、CDの貸し借りから始まって(笑)、練習後には映画やお笑いも観に行ったりもしました。謙作さんにネタを見てもらって相談しながら変えていきました。劇中では2つネタを披露しますが、エミアビが新人の頃のネタは早い段階で固まりましたが、エミアビが売れてからのネタは難しかったです。

森岡龍売れているということはスタイルも固まって鉄板ネタも確立されているということだろうから、若手の頃のネタとは違って難しかったです。何度も変更して「エマ・ワトソンのネタ」が出てきたのはかなり後になってからです(笑)。

前野朋哉謙作さんがネタを書いて、それをふたりで練習して、変える時は謙作さんと3人で話し合ってやっていました。

森岡龍ひとつのネタがあって、それを誰がやっても必ずしも面白いものにはならないんだということが、実際にやっていて分かったことですね。ネタと各々のキャラクターの相性というのかな。

前野朋哉僕のリアクションが大きかったので、実道は海野のリアクションを楽しむようにしようとか、やっていくうちにネタの流れができていきました。

Q エミアビとしてM-1にも参戦されました。一回戦突破おめでとうございます。

A森岡龍ありがとうございます。

前野朋哉映画ではやっていないネタを謙作さんが書いてくれて、ネタ合わせの時間が今回は少なかったですが、1年前に映画でやっていましたので出来上がるのは早かったです。

森岡龍「ここはこうした方がいい」というやり取りが早かったです。1年前に練習していた時は、「さて、何から始めよう」というところに時間がかかっていましたから(笑)。

前野朋哉今回は練習する度に成果を感じられるようになれた、そこがこの映画を通して成長できたところです(笑)。

Q 漫才の他に、この映画を通じて学んだり、再発見したことはいかがでしょう。

A『エミアビのはじまりとはじまり』森岡龍僕はこの映画を通して俳優にさせてもらった、という感覚が強いです。僕は映画を作る側でもあったので、客観的に役を捉えすぎていた部分があって。そのストッパーが外された、というか、外れざるを得ない役柄及び監督の演出でした(笑)。

前野朋哉再発見ということでは、当たり前のことかもしれませんが「撮りきれた、やりきれた」ということです。主演ということもあったからだと思います。

森岡龍この現場をやりきれたんだ、という感覚は僕も大きいです。

Q 撮影中に何かハプニングやエピソードなどありましたか。

A前野朋哉毎日何かしら事件がありましたが、海野に関しては、“飛ぶ”シーンです。僕自身は高所恐怖症で、ワイヤーで飛ぶ練習もして、何度かやるうちに飛ぶのは何とかなりそうだと思えるようになりました。でも、浮くよりも落ちる方が怖かったです。最初は海野ではなく僕自身が絶叫しているだけでした。これが最後の撮影で時間もあまりなかったので、僕の中ではもうやるしかない、と相当な覚悟でやりました。

森岡龍僕は黒沢先輩にネタを見せるシーンです。新井さんを本気で笑わせにいかなければならないのに、新井さんは本当に怖い、迫真の演技でした(笑)。階段落ちもあって大変でしたが、泣けないキャラの実道として演じなければと思いつつ僕自身は泣いてました。

前野朋哉あれは映像で見ていても怖いです。現場にいなくて良かったと思いました(笑)。

Q 完成した作品を観て、手応えはいかがだったでしょう。

A『エミアビのはじまりとはじまり』森岡龍すごくいい映画になったなと思います。自分で分からなかった部分が映画という具体的な形になった時に、前野君のパートも含めて、死んでしまった人との回想劇と残された人の再起がない混ぜになって、お笑い芸人エミアビというものがしっかりと立っていて、いろいろな側面を持った豊かな映画になったと思います。死からの再生だけではなくその人といた時間というものがない混ぜになっているので、不思議な手触りだけど映画体験としていい作品になったと思います。

前野朋哉僕は森岡君の今までに見たことのない表情が劇中で見られたので、それが一番印象に残っています。苦しい表情やちょっと晴れた表情が印象的です。新井さんが演じる黒沢先輩にキレられてる状況で笑わせなければならない前半が一番笑えました。森岡君のパートは自分も死んだ気で(笑)、海野が死んだ後、実道はこんな顔をしていたんだなとか思いながら観ることができたのが良かったです。撮って良かったなと思いますし、骨太な人たちの人生の一部を見た、という実感があります。

Q 森岡龍さん、前野朋哉さんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。

A前野朋哉実道と海野のエミアビというコンビですが、お笑い芸人というだけでなく、一人の人間としても観られる作品です。観て損はさせませんよ、というのが本音の作品になりました。

森岡龍僕と前野君だけでなく、新井さん、黒木華さんも皆、演技を超えた芸を見せていると思います。そういうところが見どころのひとつだと思いますのでぜひ楽しんでいただきたいです!

Q森岡龍さん、前野朋哉さんからOKWAVEユーザーに質問!

森岡龍今までで、他人からされて最も面白かった質問はなんですか?

前野朋哉僕は映画を観に行くときに余裕があれば、わざと遠い映画館に歩いて行ったり、その映画を味わうための焦らしというか、試練を自分に与えて観に行ったりします。そうすることによって、映画体験を特別なものにしようとしているのですが、みなさんは自分なりの映画(映画館)の嗜み方をはありますか?是非教えてください!

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■Information

『エミアビのはじまりとはじまり』

『エミアビのはじまりとはじまり』2016年9月3日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー!

人気漫才コンビ“エミアビ”の、金髪ロン毛で自称モテキャラの実道と、三枚目キャラの海野。人気絶頂の矢先、片割れ・海野がある日突然自動車事故で死んでしまう。
遺された相方の実道はマネージャーの夏海を連れ、海野の車に同乗していた雛子の兄・黒沢に会いに行く。黒沢もかつて天才芸人と呼ばれ数年前までお笑いの世界にいた、エミアビの先輩であり恩人だった。しかしある悲しい過去をきっかけに、ステージから降りてしまっていた…。
どん底の笑えない現実に直面した彼らは果たして、もう一度笑うことができるのか?もう一度跳ぶことができるのか!? そんな矢先、彼らに思いもよらない奇想天外な“ドッキリ” が舞い降りる…!

出演:森岡龍、前野朋哉、黒木華、山地まり/新井浩文
監督・脚本:渡辺謙作(『となり町戦争』『フレフレ少女』)
配給:ビターズ・エンド

公式サイト:http://bitters.co.jp/emiabi/

ⓒ2016『エミアビのはじまりとはじまり』製作委員会


■Profile
森岡龍、前野朋哉(『エミアビのはじまりとはじまり』)

森岡龍

1988年2月15日生まれ。東京都出身。多摩美術大学卒業。
『茶の味』(04/石井克人監督)で映画デビュー。『君と歩こう』(10)、『あぜ道のダンディ』(11)、『舟を編む』(13)など石井裕也監督作品の常連となる。ほか、『グミ・チョコレート・パイン』(07/ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督)、『ハッピーフライト』(08/矢口史靖監督)、『色即ぜねれいしょん』(09/田口トモロヲ監督)、『超能力研究部の3人』(14/山下敦弘監督)、『イニシエーション・ラブ』(15/堤幸彦監督)などに出演。また「人生ごっこ」(13/CX)でTVドラマ初主演を果たし、「あまちゃん」(13/NHK)、「天皇の料理番」(15/TBS)、「64」(15/NHK)、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(16/CX)などに出演。映画、TVに出演する傍ら、映画監督としても大学在学中から活躍しており、12年に劇場初公開した映画『ニュータウンの青春』は、PFFアワード2011エンタテインメント賞(ホリプロ賞)を受賞、第16回釡山国際映画祭A Window on AsianCinema 部門招待作品となり、話題を呼んだ。
https://twitter.com/gocinemago

前野朋哉

1986年1月14日生まれ。岡山県出身。
『剥き出しにっぽん』(05/石井裕也監督)で映画デビュー。主な出演作に、『指輪をはめたい』(11/岩田ユキ監督)、『桐島、部活やめるってよ』(12/吉田大八監督)、『図書館戦争』(13/佐藤信介監督)、『潔く柔く』(13/新城毅彦監督)、『大人ドロップ』(14/飯塚健監督)、『青天の霹靂』(14/劇団ひとり監督)、『鬼灯さん家のアネキ』(14/今泉力哉監督)、『ぶどうのなみだ』(14/三島有紀子監督)、『日々ロック』(14/入江悠監督)、『娚の一生』(15/廣木隆一監督)、『イニシエーション・ラブ』(15/堤幸彦監督)、『秘密 THE TOP SECRET』(8月6日公開/大友啓史監督)など。主なTV出演作は、「マッサン」(14/NHK)、「恋仲」(15/CX)、「おかしの家」(15/TBS)、「重版出来!」(16/TBS)、「石川五右衛門」(10月期放送/TX)など。auの三太郎シリーズCMでは、一寸法師役に抜擢され話題を集めている。
https://twitter.com/maenotomo18