OKWAVE Starsは、ここでしか読めない、俳優・女優、映画監督、アーティストへのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

Vol.613 鼓童 船橋裕一郎(「鼓童ワン・アース・ツアー2016 ~螺旋」)

OKWAVE Stars Vol.613は鼓童代表の船橋裕一郎さんへのインタビューをお送りします。

Q 「鼓童ワン・アース・ツアー2016 ~螺旋」について、コンセプトなどお聞かせください。

A船橋裕一郎今回は、演出の坂東玉三郎さんが頭の中で描かれた演目をまず提案されて、そこから膨らまして作っていきました。これまでは一つの楽器、一つの音から着想を得て作っていくこともありましたが、今回は今まで培ってきた演目が基になっています。今年創立35周年を迎えた鼓童の創立の頃からあった演目や、自分たちの世代で作り上げてきた演目などを、今の感覚でどう演奏していくのかを、螺旋を描くように登っていくイメージでまとめ上げていきました。ですので、創立当初の演目であってもかなり新しいアプローチで取り組んでいる面白さがあります。音一つとっても、以前とはかなり変わってきたなと、自分自身、16年舞台に立っていますが、こういう音が出せるようになってきたんだなと実感できるものとなっています。

Q 「鼓童ワン・アース・ツアー2016 ~螺旋」の見どころをお聞かせください。

A船橋裕一郎音の種類が多いのが見どころ、聞きどころです。太鼓のイメージをより広げていく作品になっていますので、音の出し方や、複数の太鼓の音の合わさり方など、太鼓のイメージが変わると思います。公演タイトルでもある「螺旋」という演目はこれまでの軌跡があったからこそできた曲だと思います。鼓童の前身グループの鬼太鼓座の時代に演奏していた演目も新しいアプローチで演奏していますが、最初の楽譜を見た時には原点に帰った気持ちにもなりました。そういった意味でも、昔からの演目も新しい演目も見どころはたくさんあると思います。
日本の太鼓以外にも西洋の楽器とも合わせていますし、それらをどう合わせると心地よくなるのかを考えて取り組んでいます。玉三郎さんの感性が鋭くて、そこへのこだわりは大きいですし、自分たちの耳も段々とそういう感覚になってきています。

Q 船橋さんご自身は舞台に立つ時はどのようなことを心がけていますか。

A船橋裕一郎気持ちを上げすぎるよりも、むしろ普通の気持ちのまま立つようにということを意識しています。普段の生活や佇まいがそのまま舞台での表現に出ると思っているので、普段どう過ごすかを大事にしています。自分が緊張してしまうとお客様も緊張してしまうし、それではお客様にも失礼なので、自分がリラックスした状態で、お客様にもリラックスして楽しんでいただけたらと思っています。そういう関係性ができたらいいなと思っています。

Q 35周年を迎えられた鼓童にとって“激動の年”のような一年はありましたか?

A船橋裕一郎むしろ毎年激動です(笑)。16年前から玉三郎さんが演出や共演という形で新しい風を吹き込んでくださったので、今振り返ればその時に大きな転換点はあったと思います。

Q では、鼓童の変わらない部分と大きく変わった部分は?

A鼓童(撮影:岡本隆史)船橋裕一郎鼓童のメンバーは太鼓に真摯に向かいますし、何事にも真面目に取り組むところは変わらないです。変わったところは、音の出し方やアプローチの方法が玉三郎さんから教わってだいぶ変わってきたと思います。玉三郎さんが来られた当初は「こういうことはできないの?」と聞かれた時の戸惑いが大きかったです。今でもびっくりするような角度からの提案をされることもありますが、それに対してメンバーが取り組むスピードは早くなっていると思います。
今年の8月にはサントリーホールで創立35周年記念コンサートを行いましたが、3日間全く違う演目で公演を行いました。そういう対応力や柔軟性は身についてきたのかなと感じます。でも、とても大変でしたね(笑)。

Q 地域や海外での客席の反応についてお聞かせください。

A船橋裕一郎たとえば関東と関西でも微妙な変化があります。関東は開演前には静かになりますが、関西では開演直前まで話し声がずっと聞こえてきます(笑)。その分、演奏を終えた後の反応も大きいですね。国によっても反応が違います。海外のお客様は演奏中にはあまり拍手は起きず、演奏が終わると大きな反応が返ってくるので、すごく集中して聞いていらっしゃると感じます。
印象的だったのはドイツでは演奏後に皆さんから足踏みで反応された時ですね。すごく大きな音でしたし、びっくりしました。

Q 船橋さんご自身の太鼓との出会いについてお聞かせください。

A船橋裕一郎今の若手メンバーは子どもの頃から和太鼓に接しているメンバーが多いですが、僕は大学に太鼓のクラブがあって、そこで始めたのがきっかけです。大学では考古学を学んでいましたが、好きなことを仕事にしたいと思っていたら考古学よりも太鼓の腕の方が上がっていったので(笑)、こちらを極めようと、鼓童の研修所に入って2年間の研修を受けてメンバーになりました。
自分が研修所時代に初めて当時のメンバーから習った時の衝撃は今でも忘れられないです。太鼓を打った時の音が違いすぎて、それまでやってきたことはいったん忘れて学び直さないといけないと思わされました。プロの出す音は違うんだとすごく感じました。

Q ツアーで多忙かと思いますが、リハーサルなどはどのようなペースで行っているのでしょう。

A船橋裕一郎ツアーの合間に佐渡に戻って、ツアーでやっている演目の洗い直しをすることもあれば、並行して行っている他の公演のリハーサルや、新しいものの準備だったり、佐渡にいる時は公演をしている時よりもむしろめまぐるしいです(笑)。

Q 楽曲はどのように生み出しているのでしょう。

A鼓童(撮影:岡本隆史)船橋裕一郎伝統的な作品から着想を得て生み出すものと、作曲家の方に依頼して作っていただくものと、メンバー自ら着想を得て作り出すものがあります。最近は玉三郎さんから「こういうイメージの曲はありますか?」というところからメンバーが提案して、それに玉三郎さんが返して、さらに膨らましていくということが多いです。グループでやっていますので、作曲は一人でも、ある部分は別の人が膨らましたりもできるので、そこが鼓童のグループとしての強みですね。

Q 太鼓を打っている皆さんは肉体美を体現されていますが、日頃打っているから鍛え上げられる部分と、逆に鍛えていないと打てない部分もあると思いますがいかがでしょう。

A船橋裕一郎自分たちは見せるだけの筋肉は欲していませんし、太鼓を打って鍛えられる筋肉がきれいだと思っています。その方がお客様にとっても腑に落ちると思います。とはいえ、年齢を重ねていくと太鼓を打っているだけでは維持できないので、それなりに補強しなければならない部分は出てきます(笑)。

Q 鼓童として今後目指したいところは?

A船橋裕一郎常に挑戦していくことが大事だ、ということは玉三郎さんからも教えていただいて実感しています。太鼓自体は伝統のあるものですが、舞台で太鼓を演奏してツアーをする、ということはそこまで古いものではありません。まだまだ可能性があると思いますし、その可能性にチャレンジするためには昔のものをしっかり勉強しなければなりません。その繰り返しをずっと続けることが大事だと思います。続けることで鼓童を世界中の人に知ってもらったり、太鼓の音や舞台の素晴らしさをもっと多くの人に感じてもらえたらと思います。

Q 船橋裕一郎さんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。

A船橋裕一郎太鼓の音や躍動感は生でこそ伝わってくるものだと思いますので、まだ観たことがないという方はぜひ一度会場に足を運んでいただけたらと思います。よくご覧いただいている方も、今回はまた新しいアプローチで太鼓に挑戦していますので、この挑戦をぜひ観ていただいて感想をいただけたら嬉しいです。

Q船橋裕一郎さんからOKWAVEユーザーに質問!

船橋裕一郎皆さんにとって太鼓はどのようなイメージでしょうか。太鼓のどんな表現を見てみたいですか。

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■Information

「鼓童ワン・アース・ツアー2016 ~螺旋」

鼓童(撮影:岡本隆史)全国ツアー開催中

芸術監督・坂東玉三郎さんから:
「今回は「螺旋」という作品を上演いたします。
この作品は、今年創立35周年を迎えた鼓童が、これまでに演奏してきた曲の数々をたどりながら、現在の鼓童の舞台表現をお楽しみいただけるように創りました。またこの作品のために新しい曲も数曲作りました。
過去から未来へと螺旋を描きながら進化して行く鼓童。皆様に十分にお楽しみいただけましたら幸いでございます。」

2016年11月23日~12月出演予定:船橋裕一郎、坂本雅幸、中込健太、内田依利、蓑輪真弥、小松崎正吾、地代純、鶴見龍馬、渡辺健吾、池永レオ遼太郎、大塚勇渡、北林玲央、三浦友恵、井戸こはる、宮城紘司

☆2016年12月21日(水)~25日(日)文京シビックホール
S席7,000円、A席5,000円(全席指定、未就学児の入場はご遠慮ください)

http://www.kodo.or.jp/index_ja.html

(本文中の公演写真、「螺旋」宣伝写真撮影:岡本隆史)


■Profile

船橋裕一郎

船橋裕一郎(鼓童・代表)1974年5月9日生まれ、神奈川県出身。
考古学を専攻していた学生時代に太鼓に出会う。1998年に研修所入所。2001年よりメンバーとして舞台に参加、太鼓、鳴り物、唄などを担当する。これまでに国際芸術祭「アース・セレブレーション」城山コンサートや、「P.P.C」「五衆」など小編成公演の企画演出、「BURNING」などの作曲も行う。交流学校公演、海外での共演など様々な分野を牽引。落語やプロレス観戦など様々な趣味を持ち、柔らかな口調と人情味溢れる人柄でメンバーの頼れる相談役。また2012年4月より4年間、鼓童の副代表に就任。2016年1月より鼓童代表に就任し、鼓童全体を率いる。