話題の映画や作品等にまつわる、俳優や映画監督、アーティストら“Stars”へのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

Vol.645 作曲家 アラン・メンケン(映画『美女と野獣』インタビュー)

OKWAVE Stars Vol.645はオスカー受賞歴8回を誇る作曲家アラン・メンケンさんへの映画『美女と野獣』(2017年4月21日公開)についてのインタビューをお送りします。

Q 『美女と野獣』アニメーション版の音楽を手がけられたメンケンさんが、今回実写版の企画を聞いた時の印象と、ご自身が関わることになったご感想をお聞かせください。

Aアラン・メンケン実写版の企画を聞いた時はとても嬉しかったです。そして、自分も関われると聞いてより嬉しくなりました。自分が手掛けたものがどうなっていくのか決まるまでは、細かなところが気になってナーバスにもなりました。ビル・コンドンが監督を務めると聞いて安心しましたし、私もどのように仕事を進めるかが明確になりましたので、そこからはやりやすかったですね。

Q 今回書き下ろした新曲についてお聞かせください。

Aアラン・メンケン物語がどのように綴られるかによって楽曲の性質は変わっていきます。今回の『美女と野獣』は18世紀のフランスという時代と場所がはっきりしていて、ベルら登場人物のバックストーリーがよりはっきり描かれます。本作では、キャラクターを意識した新曲を3曲作りました。
ベルの父モーリスがオルゴールを作っている時に流れる「時は永遠に」は、後半にはベルも歌いますが、フランスを感じさせるような曲にしました。「デイズ・イン・ザ・サン~日差しをあびて~」は、皆が眠りにつくララバイのような質感を持った楽曲です。ベルを解放した野獣が歌い上げる「ひそかな夢」は、愛というものが何かを理解し、感謝する気持ちを歌った楽曲です。そのほか、冒頭で王子が野獣に変えられてしまう時に使われる「アリア」という楽曲もあります。この曲は物語の後半にも登場します。

Q 楽曲はどのように作り上げていきましたか。

Aアラン・メンケン新曲で組んだ作詞家のティム・ライスとは『アラジン』や舞台版『美女と野獣』でも共同作業をしています。ロンドンでティムと一緒にスタジオに入りました。楽曲に求められている要素が何かということを設定して作業に入りました。この作品に関して最初にティムとの共同作業を開始したのは2008年です。その時はまだ映画の企画としても初期段階でした。ティムと2人でスタジオに入って意見交換して、その場で実際にピアノを弾いてメロディを決めていき、その場でティムが歌詞を書く、という作業が多かったです。「オルゴールのメロディだったらこうだね」とか「フランス的なハーモニーがいいよね」と話しながら作っていました。一度どういう楽曲にするか設定をしたら、後は自分の中から出てくるものを待つ、という進め方でした。

Q 「強いぞ、ガストン」は楽しい曲ですが、ヴィランズ(悪役)の曲と他の曲では作曲の際に異なるアプローチはありますか。

Aアラン・メンケン答える前に、ガストンはヴィランズとはちょっと違うと思っています。プルタゴニスト(主役)に対するアンタゴニスト(敵役)だと私は考えています。確かに敵役の楽曲は少し違った取り組みをしています。ミュージカルは主人公が一番観客の心を掴むものですが、その主人公の前に立ちふさがるのが敵役です。そこから物語が広がっていきますので、作品にもよりますが、いろいろなことができると思っています。

Q ディズニー映画と音楽は切り離せないものですが、ディズニー作品に関わることについての特別な気持ちはありますか。

Aアラン・メンケン非常に大きな作品ばかりなので楽しんでやってきましたが、もう40年になりますね(笑)。投手の投げる速球に向かう打者のように、与えられた仕事に向き合っています。一番大切なのは、楽曲の課題を設定することなんです。そのためには実際の作曲の作業に入る前に、曲について聞くべき質問をすべて出さなければならないと考えています。
ディズニー作品だからといって特別な気持ちというのはありません。作品によって、様々なインスピレーションを働かせて楽曲を作っていきます。もちろん、ディズニー的な特徴というものはあります。でも、作曲の仕方としてはその時に感じている感情やキャラクターであったり、物語を前に進めることを考えているのはいつも同じです。『リトル・マーメイド』では『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』の先にある作品だと捉えていました。でもこの2つは作品のタイプは全然違いますよね。でも、私にとって作業という意味では同じなんです。

Q ご自身では今まで手がけてきた楽曲では一番のお気に入りは何ですか。

Aアラン・メンケン一番苦手な質問です(笑)。その質問にはお答えできませんが、今まで手がけてきた中では『ノートルダムの鐘』の楽曲は少し毛色が違う作品かもしれません。でも、どの曲も違うものです。

Q 素晴らしい音楽を生み出していくモチベーションはどんなところにあるのでしょう。

Aアラン・メンケン単純明快に作曲するのが好きだからです。作曲が得意だという自覚もありますが、作曲はとても深い充足感を与えてくれます。音楽の力は本当にすごい、という気持ちがいつまでもなくならないからだと思います。

Q アラン・メンケンさんから見た『美女と野獣』実写版ならではの見どころは?

Aアラン・メンケン非常に豊かな経験が劇場で皆さんを待っているでしょう。エモーショナルな作品ですし、深みがあって、観ていて非常に美しく、ロマンティックです。観たままに感じてほしい、そんな作品ですね。

Qアラン・メンケンさんからOKWAVEユーザーに質問!

アラン・メンケン皆さんが『美女と野獣』実写版で最も美しいと思ったシーンはどこでしょうか。

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■Information

『美女と野獣』

2017年4月21日(金)全国ロードショー

魔女によって野獣の姿に変えられた美しい王子。呪いを解く鍵は、魔法のバラの花びらが全て散る前に誰かを心から愛し、そして愛されること。絶望のなか、彼はベルという女性に出会う。自分らしく生きながらも心に孤独を抱えるベル。はたして、その王子の運命を変えることができるか?

監督:ビル・コンドン
出演:エマ・ワトソン、ダン・スティーヴンス、ルーク・エヴァンス
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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■Profile

アラン・メンケン

1949年生まれ、米国ニューヨーク出身。
世界中で愛されるディズニーの名曲の数々を生み出し、存命の個人としては最も多い合計8回のオスカー受賞歴を誇る作曲家。アカデミー賞では『リトル・マーメイド』(89)、『美女と野獣』(91)、『アラジン』(92)、『ポカホンタス』(95)でそれぞれ歌曲賞と作曲賞を受賞したほか、『ノートルダムの鐘』(96)、『ヘラクレス』(97)、『魔法にかけられて』(07)、『塔の上のラプンツェル』(10)でもノミネートされた。ブロードウェイ・ミュージカル『ニュージーズ』(12)の音楽ではトニー賞に輝き、ゴールデングローブ賞7冠やグラミー賞11冠など、数え切れないほどの賞を贈られている。ディズニー以外の映画やTV、舞台作品の音楽も手がけており、幅広く活躍中。