話題の映画や作品等にまつわる、俳優や映画監督、アーティストら“Stars”へのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

Vol.647 女優 松井玲奈(映画『笑う招き猫』インタビュー)

OKWAVE Stars Vol.647は映画『笑う招き猫』(2017年4月29日公開)出演の松井玲奈さんへのインタビューをお送りします。

Q 『笑う招き猫』出演のオファーを聞いたときのご感想をお聞かせください。

A松井玲奈いままでに芸人さんが芸人役を演じる作品をいくつか観ていて、自分が芸人を面白く演じられるのか、漫才を覚えられるのかという不安がすごくありました。それ以外にはむしろ不安はなかったです。飯塚健監督とは別の作品でご一緒していましたし、組んでみたいなと思っていた役者さんもいて、楽しみでした。

Q 金髪のショートヘアについてはいかがでしたか。

A松井玲奈芸人さんはどこかに癖のある方が多いと思っていたので、「金髪にしてほしい」というオーダーをいただいた時は、アカコにビジュアル面での引っ掛かりができると思ってすぐに「いいですね」と答えました。金髪は監督のアイデアですが、ショートヘアは私からの提案です。アカコ自身が活発なのと、女芸人さんは髪が短い、という印象が私の中にあったからです。髪が長いのなら、きっと特徴的な長さだろうから、金髪にするならショートヘアにしたいと思いました。

Q 台本を読んだ印象はいかがだったでしょうか。

A松井玲奈台本を読んだ時はアカコとヒトミが夢に向かいながら、途中で挫折をしても、手を取り合って前に進んでいく話だと思いました。でも、完成した作品を観ると、周りにいるみんなも、がんばろうと前に進んでいるお話だと思いました。リアルなところが多い物語だとも感じました。

Q アカコは感情が表に出やすいタイプで、松井さんご自身のイメージとは違うタイプかと思いますが、演じていて共通点はありましたか。

A松井玲奈私はアカコのように他人に感情をぶつけることがあまり無いので、演じている時は気持ちがスッキリしていいなと思いました(笑)。でもアカコはちゃんと理由があってカッとなるので、すごく正義感の強いキャラクターだと感じましたし、自分の中で腑に落ちて演じられました。誰かを守るために怒るし、譲れないものがあるから意地を張っているので、ただ怒りっぽいとかではなく、ちゃんと筋を通す人ですね。

Q 普段使わないような言葉遣いも多かったと思いますがその点はいかがでしたか。

A松井玲奈あまり気にはならなかったです。「てめぇ!」なんて言ったことはありませんでしたが、映画と合わせて撮っていたドラマの方ではアドリブが多くて、とっさに出てくる言葉もそういう言葉が出るようになったので、いい感じに馴染んでいけたと思います。

Q 漫才師コンビとしてヒトミ役の清水富美加さんとはどんな距離感で演じたのでしょう。

A松井玲奈役柄の話し合いは2人ではあまりしていなくて、ひたすら、なすなかにしさんが作ってくださった漫才を練習していました。待ち時間に、日常会話をどれだけ面白おかしくできるかだったり、相手の言葉を聞き逃さないで言葉のラリーを続けるようなことをしていたのは大きかったと思います。漫才のシーン以外でも監督の指示で演じて芝居を合わせていく感じだったので、次に何が出てくるのか分からない面白さがある撮影でした。

Q とくにドラマでは身体を張った芝居も多かったと思います。それについてはいかがでしたか。

A松井玲奈単純に面白いと思いました。私は普段体験できないことをやりたいと思うタイプなので、どういう風に撮影するのだろうと楽しみにしていました。アカコは芸人ですし、面白いことが大好きで、とくにそれを人にやらせるのが大好きなタイプです。好奇心旺盛なところは自分と似ているなと思いながら演じていました。
それと、「変な顔をした者勝ち」みたいな感覚がありました。とんでもなくひどい顔をスローで撮ることもあって、以前にやっていたアイドルのようにキレイに見せるより、むしろ笑われた方がいい、と思っていました。監督も私がアイドルだったことなど関係なく周りと同じように「変な顔をしろ」と言われましたし、それが良かった時には褒めていただきました。振り切れて演じられたと思います。

Q 飯塚健監督の演出面で特徴的なことなどはありましたでしょうか。

A松井玲奈作品によっても撮り方が違うと思いますが、今回に関しては生のような感覚で撮る、ということが多かったです。台本はあるけれど現場でセリフを足して撮ったり、ト書きだけのシーンにもセリフを足して膨らましていく作業がたくさんありました。そこから生まれてくる監督のアイデアの面白さや、みんながやってみて出てきた新しい面白さがどんどん入ってきて、ちゃんと積み重なっていきました。それがアカコとヒトミの思いにもつながったと思います。私自身、完成した映画を観て、「こういうこともあったな」とそこに映っていないことも思い出しましたし、そういう空気が画面の中に残っている気がして、それが今回の作品の特徴なのかなと感じました。

Q 何かそういった手法での撮影で印象に残っているシーンはありますか。

A松井玲奈オープニングもそのやり方です。カラオケ屋さんで2人がケンカしているシーンから始まりますが、そのケンカも、撮影当日に監督から指示が書かれた紙を渡されて演じました。監督は「台本に書いてあると、それを覚えて演じてしまうのでケンカにならない。その場で渡してやったほうがケンカっぽい生っぽさが出るから」と仰っていました。ケンカのシーンは何回かありましたが、2人の関係性を表すにはいいシーンだったかなと思います。
学生時代の回想シーンでは、実際に台本に書かれている本題に入る前からカメラが回っていて、自分たちがアドリブで話をして、ある程度話したら本題に入る、というやり方だったのが印象に残っています。自分たちの空気感でそういう会話の足し引きをしたのは初めての経験だったので新鮮でした。
河原で漫才の練習をしているシーンも、アカコがヒトミのいるところに行って練習を始める、ということしか決まってなかったので、その場で自分たちそれぞれが考えたことを持ち寄ってやってみるようなやり方でした。

Q 今回の撮影を通じて得た気づきなどをお聞かせください。

A松井玲奈オーディションを受けるシーンで使う履歴書の自己PR欄を自分で書く、という指示が監督からありました。なぜお笑い芸人を目指しているのかとか、自分の長所は何なのかとか、どうなりたいのかを考えて書かなければなりませんでした。アカコはどういう人なんだろう、ヒトミとどう出会って、どうしてこの事務所に入りたいと思ったのだろうと考えて、原作も読みながら、何歳の頃にどういう出来事があったのかなども書き出しました。それをやることで初めて見えることもありました。アカコは野球がすごく好きということもそうですし、こういうやり方で役を掘り下げられたのは、すごく勉強になったなと思います。

Q アカコのお母さんが招き猫を集めていた、という設定ですが、松井玲奈さんが集めているものなどはありますか。

A松井玲奈収集癖はないですが、一度ハマると一気に全部揃えてしまうことはあります。マンガに出てくる料理を再現することに以前からハマっていて、関連している本やマンガをまとめて買ってしまったことがあります。

Q 松井玲奈さんご自身について、今後の抱負をお聞かせください。

A松井玲奈ずっとお芝居の現場にいられるように頑張りたいと思います。新しい作品に出るほど新しい発見や新しい自分にも気づくので、いろんな作品に出られるように頑張りたいです。一緒にお仕事したいなと思う方々ややってみたい作品があるので、それを実現できるようにしていきたいです。

Q ちなみにお芝居を好きになったきっかけは?

A松井玲奈母がお芝居を観るのが好きで、母と一緒に天海祐希さんの主演で三谷幸喜さんが演出された「オケピ!」という作品を観たのがきっかけです。その後に観た蜷川幸雄さんの演出されたお芝居は舞台が客席に囲まれていて、お芝居の表現方法は枠にとらわれないんだなということと、自分が知らない世界の知らない人物を演じることが面白いなと思いました。普段の自分とは違う人になって、誰かに影響を与えることができるのがとても素敵だと思いました。それで私も、違う人になって表現する道に進みたいなと思いました。

Q 松井玲奈さんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。

A松井玲奈夢に向かっている2人の女芸人の生き様を観て、泣いて笑っていただいて、一度ダメになってももう一度立ち上がればしっかり前に進めるんだということを感じてもらえたらいいなと思います。私たちの漫才シーンではぜひ笑ってください!!

Q松井玲奈さんからOKWAVEユーザーに質問!

松井玲奈柏餅の葉っぱを桜餅の葉っぱと間違えて食べたことはありますか?私は高校生くらいまであります(笑)

回答する


■Information

『笑う招き猫』

2017年4月29日(土・祝)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

ヒトミとアカコは、芸歴5年、何度も喧嘩別れをしては腐れ縁の恋人同士のようにヨリを戻す、27歳の女漫才師コンビ。人気も仕事もほとんどない二人は、アカコの幼馴染の自転車屋・蔵前と元いじめっ子の先輩で蕎麦屋の大島とツルんでは、ご近所の厄介ごとに首を突っ込んで、違う意味で慌ただしい日々を過ごしていた。そんな二人に、先輩芸人とのトラブルがきっかけで思わぬチャンスが舞い込んできた…。

清水富美加 松井玲奈
落合モトキ 荒井敦史 浜野謙太 前野朋哉 稲葉友
那須晃行(なすなかにし) 中西茂樹(なすなかにし) 犬飼直紀 森田想
諏訪太朗 岩井堂聖子 嶋田久作 市川しんぺー 中村倫也
角田晃広(東京03) / 菅原大吉 岩松了 戸田恵子
監督・脚本・編集:飯塚健
原作:山本幸久「笑う招き猫」(集英社文庫刊)
製作幹事・配給:DLE

http://waramane.jp/

©山本幸久/集英社・「笑う招き猫」製作委員会


■Profile

松井玲奈

1991年7月27日生まれ、愛知県出身。
2008年にSKE48の1期生としてデビュー。
2015年8月に同グループを卒業後、TVドラマ、バラエティなどに多数出演。2016年のつかこうへい七回忌特別公演「新・幕末純情伝」では主演を務めた。飯塚作品は「神奈川県厚木市ランドリー茅ヶ崎」(16/MBS)に続いて二作目。

https://ameblo.jp/rena-matsui-official/

スタイリスト:鬼束香奈子
ヘアメイク:白石久美子