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Vol.701 映画監督 ナチョ・ビガロンド(映画『シンクロナイズドモンスター』)

OKWAVE Stars Vol.701は映画『シンクロナイズドモンスター』(2017年11月3日公開)のナチョ・ビガロンド監督へのインタビューをお送りします。

Q “怪獣モノ”をメタファーとして描いているのが斬新なアイデアですね。

A映画『シンクロナイズドモンスター』ナチョ・ビガロンドその通りです。僕はアジアの文化が大好きで、日本の漫画もよく読んでいるので、一種のオタクです(笑)。小さな頃から怪獣モノというカルチャーに惹かれていました。若い頃から怪獣映画を撮りたいと思っていました。でも、簡単に撮れるジャンルの映画ではなかったので、どうすれば撮れるかをいつも考えていました。それで思いついたのが、都市を破壊している怪獣を遠くから見ている僕ら、ということでした。TVで怪獣の様子を見ている僕らの映画にすれば成立するぞと。日本での3.11をはじめ、遠くからTVで見ている自分のことを振り返ると、僕らはその画面越しの遠くの出来事にどれだけシンパシーを持つことができるのかと強く考えさせられました。そのこともこの映画の一部になっています。そういうシチュエーションに置かれた時の様々な教訓を込めた映画です。
怪獣とその距離ということをきっかけに始まった作品ですが、本当に面白い企画になったのはグロリアというキャラクターです。グロリアと怪獣のリンクを見出して、彼女が戦わなければいけない事情を描くことでこの映画の骨子ができました。

Q 画面越しに怪獣を見る、という視点が大事だったのですね。

A映画『シンクロナイズドモンスター』ナチョ・ビガロンドいまヨーロッパはテロにさらされています。もちろん友人の安否は気になりますが、僕らはTV越しにその光景に慣らされてしまってもいます。映画を作る上では4つの壁があって、その「撮っている」というメタな感じがその壁を壊してくれます。では実際に僕らがその画面という壁を壊すにはどうすればいいのか。大事なのは事件に巻き込まれた人たちのことを思いやって、何か行動を取ることです。この映画でそのことを描きました。

Q アン・ハサウェイの起用のねらいと、彼女とはどんな話をしましたか。

A映画『シンクロナイズドモンスター』ナチョ・ビガロンドアン・ハサウェイはカメラの前ではもちろん、カメラの後ろでもこの作品にとって大きな助けとなりました。映画製作に向けて出資を募る以前から彼女はこの作品に出たいと言い続けてくれました。彼女がコミットしてくれたからこの映画を作ることができたと言っても過言ではありません。アンに最初に会いに行った時、お互いに飲んでやらかした過去の失敗談も話したほど打ち解けました。アンは、グロリアというキャラクターを決めつけることなく、自分の持つ側面を反映してくれました。彼女はアメリカで取材を受けた際に「グロリアがどのくらい私なのか分からないでしょう?」と話していましたが、まさに良い形でグロリアを作り上げていってくれました。

Q 本作はコメディ要素やユーモアも多く含まれています。

Aナチョ・ビガロンド僕にとってユーモアはとても重要です。スペイン中部のとても小さな町の出身の自分にとって、映画を作ることができること自体が大きな特権だと思っています。映画を作っている時にはいつも喜びを感じるし、その喜びの表現のひとつとしてコメディがあります。

Q この作品を通じて何か新しい発見はありましたか。

A映画『シンクロナイズドモンスター』ナチョ・ビガロンド自分にとって新しいレベルの作品なので、実は少し恐怖心もありました。とくに、ちょっとしたユーモアを、男性が女性を痛めつけている描写と隣り合わせに見せることにはハードルもありました。スペインでもDVは大きな問題となっています。大怪獣という遊び心のあるものを扱いながら、同時にそういうシリアスな問題も描くので、現実のDV被害者へのリスペクトが欠けているように見えないように、すごく気を使いました。そういったところが今回チャレンジしたところであり、新しい発見でした。

Q 松本人志さんがお好きと聞きました。

Aナチョ・ビガロンドそうなんです。大好きで映画も全部観ています。彼の撮った『大日本人』がアメリカで公開された際に僕の別の作品と同じ配給会社だったので観る機会があり、大好きになりました。だからこの映画には彼の影響が見て取れますよ(笑)。北野武監督もそうですが、TV番組で活躍しながら映画監督もできるなんて、日本だけだと思いますので、本当にアメージングなことだと思います。

Q ナチョ・ビガロンド監督からOKWAVEユーザーにメッセージ!

Aナチョ・ビガロンド純粋にこの映画を楽しんでほしいです。そして何かを見つけられるかは皆さんにお任せします。何より楽しんで、驚いてほしいです。

Qナチョ・ビガロンド監督からOKWAVEユーザーに質問!

ナチョ・ビガロンドあなたの好きなスペインの怪獣を教えてください(笑)。ほぼいませんがね(笑)。
もしあなたが怪獣だったらまずどの都市を滅ぼしますか(笑)。ユーモアを持って気楽に答えてくださいね。

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■Information

『シンクロナイズドモンスター』

映画『シンクロナイズドモンスター』2017年11月3日(金・祝)新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

憧れのニューヨークで働いていたグロリアだったが、失業してからというもの毎晩酒に酔って暴走し、ついには同棲中の彼氏ティムに家を追い出されてしまう。 家も仕事も彼氏も失ったグロリアが向かったのは、生まれ故郷の小さな田舎町。 そこでばったり再会した幼馴染のオスカーに誘われ、グロリアはオスカーが営むバーで働くことになる。
グロリアが新生活への一歩を踏み出す中、衝撃のニュースが世界を駆け巡る。 韓国のソウルで突如巨大な怪獣が現れたというのだ。 テレビに映し出された衝撃映像に皆が騒然とする中、ただひとりグロリアはある異変に気付く。 「この怪獣、私と全く同じ動きをする…?!」舞い上がったグロリアは、怪獣を操り世界をさらなる混乱へと陥れるが、そこに「新たなる存在」が立ちはだかる!

脚本・監督:ナチョ・ビガロンド
出演:アン・ハサウェイ ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス、オースティン・ストウェル、ティム・ブレイク・ネルソン
配給:アルバトロス・フィルム

http://synchronized-monster.com/

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■Profile

ナチョ・ビガロンド

ナチョ・ビガロンド(映画『シンクロナイズドモンスター』)1977年4月6日生まれ。スペイン出身。
スペイン出身の監督ナチョ・ビガロンドが、アメリカの映画業界に参入するきっかけとなったのは、2008年のファンタスティック映画祭でプレミア公開され、衝撃的な監督デビュー作となった『TIME CRIMES タイム クライムス』。同作は、数々の一流映画祭で高評価を受け、Magnolia Picturesが映画館で一般公開する前に、オースティン・ファンタスティック映画祭で作品賞を受賞した。続く『エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる』はナチョ・ビガロンド自身が脚本、監督、制作を務め、Focus Featuresによりアメリカの映画館で公開された。2014年には、イライジャ・ウッドとサーシャ・グレイ主演の『ブラック・ハッカー』がサウス・バイ・サウスウエストでプレミア公開され、観客賞にノミネートされた。同作品はトロント・アフターダーク映画祭でも上映され、編集賞を獲得した。さらに、ゴヤ賞では特殊効果部門でノミネートされた。
ナチョ・ビガロンドは、これまでに国内外の映画祭で80以上の賞を受賞している。2005年には、短編映画『午前7時35分』が、アカデミー賞の短編部門とヨーロッパ映画賞にノミネートされた。
俳優としては、ゾーイ・ベル主演の『デッドハント』、『TIME CRIMES タイム クライムス』、『Choque(原題)』、『午前7時35分』に出演している。