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Vol.718 映画監督 リテーシュ・バトラ(映画『ベロニカとの記憶』)

OKWAVE Stars Vol.718は映画『ベロニカとの記憶』(2018年1月20日公開)リテーシュ・バトラ監督へのインタビューをお送りします。

Q 前作『めぐり逢わせのお弁当』は日本でも大ヒットしました。多くの日本人に映画が受け入れられたことについて、どう思われますか。

Aリテーシュ・バトラすごく嬉しい。僕自身日本に行くのが大好きだしね。日本には1週間ほどいたんだけど、本当に楽しかったんだ。その時感じたのは、日本の文化には、ノスタルジアを愛する心があるということ。過去を愛おしく思い、大事にする心があると思った。同時に最新の現代的な世界へ向かう動きも共存しているけどね。でも、僕は、日本にはすごくノスタルジックなところがあって、ものすごく共感できた。だから、日本で映画がヒットしてすごく嬉しかった。

Q 『ベロニカとの記憶』の原作小説「終わりの感覚」は、トニーの一人称で語られています。この小説を映画化するにあたり、大切にした点、苦労した点など教えてください。

A映画『ベロニカとの記憶』リテーシュ・バトラ僕は、映画でもトニーの一人称で、彼の視点を中心に描いたつもりなんだ。それから、脚本は元々素晴らしかったんだけど、僕がこだわったのは、それをさらに編集して可能な限りミニマルにするということ。だからかなり多くを削除していったんだ。僕は、可能な限りミニマルに描くのが好きだからね。そうすることで、観客が自分の考えを巡らす余裕ができる。映画を観ながら観客に、自分の人生が投影できる余裕をもたせたかったんだよね。

Q インド、イギリス、アメリカと、色々な国で映画監督をされていますが、活躍の場が広がっていることについて、いかがでしょうか。

A映画『ベロニカとの記憶』リテーシュ・バトラ僕自身色々な場所に行くのが好きなんだ。色々な場所で、物語を語りたいと思っている。それに、人間の経験には、場所や文化を超えた普遍的なものが存在するはずだと思っている。人間の核にあるものは全て同じだと信じているんだ。だから映画も、文学も、世界中で受け入れられるのだと思う。監督や作家が世界を飛び回って仕事しても不思議ではない。ただ、僕は自分が様々な国で仕事できて、様々な国のキャラクターを描けてすごくラッキーだと思っているよ。

Q 主人公トニー役を演じたジム・ブロードベントについてお聞かせください。

A映画『ベロニカとの記憶』リテーシュ・バトラこの役に、ジムをキャストするのは、すごく当たり前に思えた。彼をキャストしたいと最初から思っていたんだ。この映画は、本当に、“人生”そのもののように感じられる必要があると思った。“作り物”ではなくてね。ジムだったら、“人生”そのもののように自然に、仰々しくなく演じてくれると思った。彼だったらそれが簡単だと思えたし、完璧だと思った。とりわけ、彼のマイク・リー監督作などを観てそう思ったよ。彼とは、一緒に原作を読み、脚本を読みながら、それぞれのシーンについての話し合いをした。最初から彼は非常に協力的だったし、実際セットでも、非常に仕事し易い人だった。僕がお願いしただけ、何度でもやり直しもしてくれる人だった。しかも、色々な方法で演じてくれた。素晴らしいコラボレーションだったよ。

Q 本作に続き長編3作目となる「夜が明けるまで」はロバート・レッドフォード、ジェーン・フォンダ出演でただ今Netflixで公開中ですね。撮影はいかがだったでしょうか。また、次回作のお話もお聞かせください。

Aリテーシュ・バトラロバート・レッドフォードもジェーン・フォンダも素晴らしい人で、本当に最高なコラボレーションだったよ。ロバートは、ソウルのある人で、非常に優しい人だったから。彼は監督でもあるからね。だから最初はナーバスにもなったけどね(笑)。でも、1週間、3人でリハーサルしてそれが最高だったんだ。それに、彼は、監督の意志を大事にしてくれる人だからね。それでこの作品では、俳優に徹したいと思っていたんだ。彼が実は映画のプロデューサーで、僕を監督に指名してくれたんだよね。すごく光栄に思ったよ。
それで、次回作は、『Photograph』というタイトルの作品で、ボンベイが舞台のある種のラブ・ストーリーなんだ。見知らぬ二人が主人公で、フォトグラファーとミューズの物語なんだ。2週間前に、ボンベイで撮影を終えたばかりで、戻ってきたばかりだ。2018年には公開する予定だよ。

Q 『ベロニカとの記憶』は1月20日より日本でも公開を迎えます。日本の映画ファンに、メッセージをお願いします。

Aリテーシュ・バトラこの映画を作っている時、僕が大事だと思っていたのは、人生で二度目のチャンス、やり直しを与えるということ。それから、人生についてある見方をしていたものが、あることによって、それを全く違う方向から見なくてはいけなくなってしまうこと。つまり、もう一つの真実があったことを知るということ。だから、撮影している時に、それを自分の人生に置き換えて考えていた。もちろん、日本の観客の皆さんがこの映画を見て、何を感じてくれるかは自由です。でも、楽しんで観てもらえたら嬉しい。実際の人生は、映画のようにいかないことも多いけれど(笑)。

Qリテーシュ・バトラ監督からOKWAVEユーザーに質問!

リテーシュ・バトラ僕が聞きたいのは、どこの街に行けば、一番美味しいラーメンが食べられますか?だね(笑)。僕は、NYのイースト・ビレッジというエリアに住んでいるのだけど、そこには日本食街があって、僕が大好きなラーメン屋さんがあるんだ。そこにいつも行っているんだ。僕は日本食が大好きなんだ。だから次に日本に行くことがあったら美味しいものをたくさん食べたいと思っている。なので、ぜひお勧めのラーメン店、またはラーメンが美味しいエリアを教えてください。

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■Information

『ベロニカとの記憶』

映画『ベロニカとの記憶』2018年1月20日(土)シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

引退生活を送るトニーの元にある日、見知らぬ弁護士から手紙が届く。あなたに日記を遺した女性がいると。その女性とは、40年も前の初恋の人ベロニカの母親だった。遺品の日記は、トニーの学生時代の親友のものだった。なぜベロニカの母親の元にその日記があったのか?そこには一体何が書かれているのか?
長い間忘れていた青春時代の記憶。若くして自殺した親友、初恋の秘密。べロニカとの再会を果たすことにより、トニーの記憶は大きく揺らぎ始める…。過去の謎が明らかになった時、トニーは人生の真実を知ることになる。

原作:ジュリアン・バーンズ著「終わりの感覚」(新潮社刊)
監督:リテーシュ・バトラ
脚本:ニック・ペイン
出演:ジム・ブロードベント、シャーロット・ランプリング、ミシェル・ドッカリー、ハリエット・ウォルター、エミリー・モーティマー ほか
配給:ロングライド

公式HP:longride.jp/veronica/

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■Profile

リテーシュ・バトラ

映画監督 リテーシュ・バトラ(映画『ベロニカとの記憶』)1979年6月12日、インドのムンバイ生まれ。
カレッジ卒業後に渡米。アイオワ州のドレイク大学で経済学を修め、経営コンサルタントなどの仕事をするが、3年後にニューヨーク大学の映画学部に入学。1年半後に中退してサンダンス・インスティテュートに編入し、ロバート・レッドフォードの指導を受ける。短編を数本作り、『Café Regular, Cairo』(12)はシカゴ国際映画祭やトライベッカ映画祭で注目を集めた。
自作脚本による長編デビュー作『めぐり逢わせのお弁当』(13)は、ムンバイのユニークなお弁当事情を背景にした心温まる物語で、カンヌ国際映画祭の批評家週間でプレミア上映されて大好評を博し、BAFTA賞(英国アカデミー賞)では非英語映画賞にノミネート。米国でも「繊細さとさりげなさが魅力的」(ロサンゼルス・タイムズ紙)、「豪華なご馳走」(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)など各紙で絶賛された。
2017年、長編第2作にあたる本作に続いて、ロバート・レッドフォード、ジェーン・フォンダ、マティアス・スーナールツ主演による第3作「夜が明けるまで」を完成させ、Netflixで配信。同年、ヴァラエティ紙の「注目すべき10人の監督」のひとりに選ばれた。