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OKWave > OKStars> Vol.72 映画監督 李闘士男

「きれいなサンゴの海を、愛する妻と子供たちに見せてあげたい」
ただそれだけの願いから、世界初の養殖サンゴの移植・産卵という奇跡を成し遂げた金城浩二氏の取り組みを岡村隆史主演で映画化!沖縄の空と海の下、豪華キャストで描かれます。
「OKStars 10 QUESTIONS」第72回は映画『てぃだかんかん 〜海とサンゴと小さな奇跡〜』の李闘士男監督が登場!映画監督として脂ののる李監督の映画と沖縄への思いをお聞きしました。

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『てぃだかんかん』を撮られる上で一番大事にしたかったこと、伝えたかったことは?
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人生は豊かにできるぞ、ということですね。残念なことですが幸せにはなろうとしても誰しもがなれるとは思わないんですよ。でも、何かを信じることとか、人生を豊かにするということはできると思っています。とはいうものの『てぃだかんかん』はエンタテインメント作品なのでそういうところを前面に出すのもどうかなと思うので、表現としては異なっています。観て面白いと思ってもらうこと以外に、自分も頑張れるんだとか感じてくれればいいですね。

金城浩二さんとお会いしての印象は?

人ってイイ話をしがちですよね、実際にはいろんなことがあったとしても。でも本当は失敗した話とかが面白いわけで。金城さんはそういった話を隠さずに話してくれて、映画にするにはまずいようなエピソードもたくさん話してくれたので、金城さんがやっていることのリアリティさとかが伝わってきました。イイ話よりも失敗した話や変な話を話してくれたことで素敵な人だと思いました。

岡村隆史さんを主演にしようとした理由は?
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金城浩二さんの話し方ですね。沖縄の方特有の優しい朴訥とした話し方をされていて、そこから僕はピュアであり、実直であり、まっすぐであり、切ない感じということを思い浮かべたら、岡村隆史さんの顔が浮かんだんです。考えたのではなく自然に出てきた、ということなんですが、今でもそれは当たっていたなと感じています。岡村さんは役者出身ではないし、こんなに真面目な役も無かったと思いますが、僕の中では、そのまま演じてもらえば岡村さんと金城浩二さんは繋がっているので、映画の金城健司になる、と伝えました。最後の方は岡村さんは金城健司以外の何者でもない、という風に見えましたね。

では松雪泰子さんの奥様役については?

松雪さんの演じた由莉は難しい役なんです。何かを発信する役って簡単なんですけど、「はい」「はい」「はい」って何かを受取るだけなので、松雪さんからは、私バカに見えてないかしらってよく聞かれました。由莉のそれは最後までぶれないという強さなんですけど、相当上手な人じゃないとダメだし、由莉のポヤンとしているところもないといけないので、以前に出演していただいてすごく信頼しているし、コミュニケーションも取れている松雪さんしかいないだろうと思って。あと、岡村さんと松雪さんの夫婦役は並ぶとかわいいだろうと撮る前から想像していたんです。その時の感覚、かわいい夫婦という要素が大事だと思いました。

実話が元になっていますが、映画ならではの味付けをした部分はありますか?

それがですね、実話よりも削ったところの方が多いんです。現在進行形の物語なので、生々しい話がたくさんあって、面白いエピソードもたくさんあるのですが、家族の話にしたかったこともあって、そういうのはむしろ減らしました。なので、台本を作る時は削ることの方が大変でしたね。まだ足りない、ということはなく、まだ多いなぁって。

李監督がいいシーンだと思うところは?

何気ないところが好きなので、看板が建物に入らないシーンなんてのも、台本では吉沢悠さんが演じた保くんは怒っているという記述だったんですね。でも実際に沖縄に行って撮影になると、沖縄の空気の下にいると、こんなことで怒る人なんていないなって。岡村さんと吉沢さんもそうだねってことで、「おっきいね」「おっきいね」ってのどかな会話に。それがリアルなんだなって。そういう台本に無くて、現場で思いついたり感じたことを俳優さんたちに伝えていったら、みんなもそうですねって。松雪さんには本(脚本)を読んでないですねぇって言われましたけども(笑)。

撮影中の印象的なエピソードをお願いいたします。
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ブリコラージュという言葉がありますが、撮影現場で朝一で岡村さんにこの台詞は変だからこういう風に直そうね、と言わなきゃと思っていたら、岡村さんから話があるって言われて、僕が思っていたことと同じことを仰られたんです。同じ意識で同じ方向を向いて仕事ができたということがすごく嬉しかったですね。金城健司という役をお互いに同じ意識で持てていて、同じ方向を向いていた何よりの証拠ですから。なので、たまに脚本通りにやると松雪さんが冗談で、それでいいんですか?って言うくらいだったんですが、現場での変更を伝えるとすぐに飲み込んであの空気の中で作っていってくれたので、ものづくりの現場としてはすごく楽しかったですね。ブリコラージュの反対でエンジニアリングという言葉もあるそうで、設計図を作ってカチッと作っていく、工業製品なんかがそうですよね。映画で言えばコンテを作って、コンテの絵を撮っていくことですが、僕は全く反対でそのシーンで感じること、伝えたいことはひとつふたつしかないわけで、そこを外さなければ、その場にいる役者さんと場所と空気とで作っていくことの方が大事だし好きなので、役者さんがそれを受け入れてくれて、しかも同じ方向を向いていてくれたのが嬉しかった。 僕らはすごくいい関係でしたね。
現地での撮影の合間のある時に俳優の皆さんから呼ばれたことがあって。監督はどこだ。ってやってきて。何事だと行ってみたら、監督が指示したことがうまくできなかったから俳優部で反省会をしていたから監督に伝えたかったんだって。松雪さんと吉沢さんの市場のシーンの後の橋での会話なんですけど、ふたりが悲しそうにしゃべっているんですね。お互いに「きまずい」という演技をしているんですがそれはいかんと。健司の話をしている時は彼は「てぃだ(太陽)」なので、このシーンの終わりには希望にしなければならないよと伝えたら、ふたりともハッと気付いて。それでそこをもっと突き詰めたいね、ということを話していたらしいんですよ。で、呼び出されて、監督に言われたのは驚きだったし、すごくいいと思うし、それが最初にできなかった自分たちが悔しくて、監督に伝えたかった、ということで。そういう意識をもってやってくれていたことが嬉しかったですね。

主題歌は山下達郎さんですね。イメージされていたのでしょうか。

いろんな音楽を沖縄の海にいる時に聴いたんですね。車の中や屋内ではよくても海の上ではダメで、自然に負けちゃっているものが多かったんです。そんな時に山下達郎さんの曲を聴いたら、どれも負けないわけです。「ヘロン」という曲は僕が思ったことと実にハマっていて、勇気と切なさが入っているのがよかったので考えた末にプロデューサーに山下さんはどうかなって。ダメもとでオファーしたらご快諾いただいて。実は沖縄そば屋さんで山下さんのマネージャーさんの名刺が貼ってあるのを見かけていたんですよ。だから絶対引き受けてくれると(笑)。それで山下さんにはワンダフルストーリー、いつまでも古くならない永遠の物語を作ってほしいというお願いをしました。最初にいただいたものはちょっとだけ自分のイメージしたものと違ったんです。そうしたら次に違う曲が来たんです。山下さんにも感じるものがあったと思うんです。そちらが今回の「希望という名の光」なんですが、伝わるし、素晴らしいなと思いました。それと山下さんの曲は原曲とアレンジが入った後とでは全然感じが変わるのが驚きでしたね。

李監督ご自身は海やサンゴについてどう思っていますか?

沖縄では僕もサンゴの養殖をしてきました。サンゴってダイバーのフィンがだめらしいんです。僕も岡村さんもフィンが絶対に当たらないように、やっちゃったら金城さんに怒られると思って必死にやってたんですよ。そしたら金城さんが僕のサンゴ植える時に手伝ってくれたんですけど、その時に小枝を1本折っちゃったんです。折れちゃったじゃないですか!て僕が言ったら、ここがあれば大丈夫だって(笑)。本当に大丈夫なのか心配なんですが、サンゴが大きくなれば嬉しいので、また見に行きたいなと思いますね。

今後の計画などは?

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今回、沖縄との縁を感じました。大嶺實清さんという沖縄県立芸術大学学長もされた陶芸家の方とお友達になったり、他にもこの人という方と知り合っているんです。今回の映画をきっかけに自分と沖縄の関係がどうなっていくのかということが将来にわたって楽しみです。

>この先も沖縄を題材にした作品を?

沖縄の地理の特殊性とかね、中国に翻弄され、日本に気を使い、アメリカにペコペコしてきたといういろんなコンプレックスを抱えた島なので、リアルさがあって、女性を主人公にした、沖縄を裕福にしたいという想いがある人を描きたいですね。僕、焼き物が好きなので、辰年生まれにちなんで竜の絵が入った焼き物をよく買うんですが、五爪の竜、これは中国の皇帝しか使えなかったそうですが、それを探そうとすると、沖縄には三爪の竜しかない。大嶺先生に聞いたら、四爪の竜は普通の方が使えるので、中国の一般の方は四爪の竜のものを使うんだそうです。で、琉球は気を使ってもうひとつ爪を減らしたんだって。それだけの気遣いがあったわけです。なので親子3代の各時代の葛藤をゴッドファーザーみたいに描きたいですね。できるかできないかはわかりませんが楽しみにしています。
岡村さんとも話したんですが、彼も40を前にしたこのタイミングだったみたいで、何か感じるところがあったみたいで、プライベートでも金城さんに会いにいったみたいですし、今回携わった方が沖縄とどう関わっていくかというのも気になりますし。エンタテインメント作品を作ったということ以上の結びつきができるといいですね。

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■Information

てぃだかんかん 海とサンゴと小さな奇跡

てぃだかんかん 海とサンゴと小さな奇跡

2010年4月24日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー

「きれいなサンゴの海を、愛する妻と子供たちに見せてあげたい」
ただそれだけの願いから、世界初の養殖サンゴの移植・産卵という奇跡を成し遂げた男がいる。その功績により、2007年に青年版の「国民栄誉賞」と称される人間力大賞、さらに環境大臣奨励賞、内閣総理大臣奨励賞をダブル受賞した彼の名は金城浩二。海洋学者でも専門家でもなく、生まれ育った沖縄の海が大好きなだけの男が、家族や仲間たちに支えられながら“奇跡”を起こすまでの10年を、実話をベースに映画化した感動の物語。

岡村隆史/松雪泰子/吉沢悠/國村隼/長澤まさみ(友情出演)/渡部篤郎(特別出演)/原田美枝子
原作:「てぃだかんかん-海とサンゴと小さな奇跡-」金城浩二(小学館)
監督:李闘士男
脚本:鈴木聡、林民夫
音楽:coba
主題歌:山下達郎「希望のという名の光」(ワーナーミュージック・ジャパン)

(C)2010「てぃだかんかん」製作委員会

http://tida.goo.ne.jp/

李闘士男

1964年生まれ、大阪府出身。 大学在学中の80年代から、とんねるず、ビートたけし、タモリ、ダウンタウン、SMAPなどのバラエティ番組の演出家として活躍する。1998年に「美少女H」でTVドラマの演出を手がけ、その後「世にも奇妙な物語」「学校の怪談」などを担当する。2004年、中島らもの小説を映画化した『お父さんのバックドロップ』で映画監督デビューを果たす。2007年には宮藤官九郎脚本、長澤まさみ主演のスペシャルドラマ「ガンジス河でバタフライ」で好評を得る。2008年、同名人気漫画原作、松山ケンイチ主演の『デトロイト・メタル・シティ』が大ヒット、本作に続き『ボックス!』(市原隼人主演、5月公開)と、いま日本映画界で最も活躍が期待される監督の一人となる。

リーライダーす
http://www.lee-riders.co.jp/

李闘士男監督