OKWAVE Starsは、ここでしか読めない、俳優・女優、映画監督、アーティストへのインタビューと、彼らからの「質問」に「回答」できるOKWAVEの特別企画です。

Vol.770 映画監督 中尾浩之(TVアニメーション「スペースバグ」)

OKWAVE Stars Vol.770はTVアニメーション番組「スペースバグ」中尾浩之監督へのインタビューをお送りします。

Q 「スペースバグ」誕生のきっかけについてお聞かせください。

A中尾浩之もともと「虫が主人公で宇宙を舞台に」という設定だけが決まっていました。逆に言えば、それしか決まっていなかったので、そこから僕が入って作っていきました。昔から宇宙実験としていろいろな生き物が宇宙に連れて行かれていますが、その後はどうなっているのだろうと思っていました。宇宙ステーションや火星に人間と一緒に連れられていった虫たちが、もしそこで人間がいなくなったらどうなるのだろうとアイデアを膨らませていきました。虫たちも地球に戻りたいだろうな、とか、自然の中で暮らしたいだろうな、と発想して、遠い宇宙の果てから地球に帰るまでの冒険活劇の物語に至りました。

Q キャラクターデザインにグリヒルさんを起用されたねらいをお聞かせください。

ATVアニメーション「スペースバグ」中尾浩之キャラクターデザインを誰にお願いしようかと検討している中でグリヒルさんを紹介してもらいました。作品集を拝見したら、アメコミらしさと日本的なかわいさのバランスがすごくよくて、ありそうでないところがこの作品にぴったりだと思いました。日本以外の国でも放送されることが決まっていたので、世界のいろんな人に観てもらいたいという思いもありました。それでご依頼させていただいて、出していただいたキャラクターも素晴らしく大満足でした。一緒に仕事ができて本当に光栄です。

Q 主人公をネムリユスリカにした発想をお聞かせください。

A中尾浩之宇宙に連れて行かれた虫の中でも、ネムリユスリカの生態がとてもユニークで面白いと思いました。主人公のミッジには、勇気を持って挑戦していく、強い気持ちを持ったキャラクターをイメージしていました。ネムリユスリカは不死身でどんな環境でも生きられるのがSF的でもあるしキャラクター像ともマッチしているなと思いました。今まで主人公になったことがない斬新さもいいなと思いました。以前僕が手がけた「タイムスクープハンター」もそうですが、普段からヒーローと言われているような人よりも、主役になったことがないけれど、果敢に立ち向かっていくような人が好きなので、僕の好きなキャラクター像ともマッチしました。

Q 虫たちが地球に帰るために奮闘する、という物語を描く上で大事にしたことはいかがでしょう。

ATVアニメーション「スペースバグ」中尾浩之虫たちが地球に帰るといういわば一方向のストーリーに、いろんな星や虫たち、動物との出会いが描かれますので、「銀河鉄道999」のような、ゴールに向かう合間にいろんな冒険があるという構成です。ストーリーとしては連続ドラマですが、1話ずつ観てもそこにアクションとしての盛り上がりとハラハラドキドキがある、という作りになっています。全52話、毎回アクションやサスペンスを入れないとならないのですが、同じようなアイデアは使わないという自分の中で決めたルールがあったので大変でした(笑)。僕が子どもの頃に観ていたドラマやアニメは「次はどうなるのだろう」と毎回ハラハラドキドキしながら観ていたので、ああいう楽しさや躍動感を盛り込もうと思いました。

Q アニメ作品の演出は初めてですね。実写との違いなどはいかがでしたか。

A中尾浩之本格的に取り組んだのは初めてです。僕の中ではアニメと実写の違いはそれほどないです。とくに3DCGの場合は、デジタル上でセットとカメラを置くという違いがあるだけなので、演出や指示の方法は実写とそれほど変わりません。今回もカメラの位置やレンズの種類、カメラワークを細かく指定してスタジオに依頼しました。僕は実写のときも絵コンテを作るので、その点でも違和感はなかったですね。

Q 音楽は臨場感があっていいですね。

A中尾浩之今までの作品でずっとご一緒している戸田信子さんに今回もお願いしています。フィルムスコアリングという作曲法で、シーンごとにキャラクターの心情に合わせたエモーショナルな曲をつけていただいているので、TVシリーズでここまでやるのは他の作品ではなかなかないかなと思います。そこも見どころだと思います。TV作品とは思えないクオリティで飽きさせない作りになっています。

Q SF設定や虫の生態のリアリティと作品としてのバランスをどう取りましたか。

ATVアニメーション「スペースバグ」中尾浩之あまりにリアルにしてしまうと、虫が苦手、という方は結構いますし、ネムリユスリカ、コオロギ、クモが主人公で、カブトムシのようなメジャーな虫でもないので、そこは気を使いました。リアリティとデフォルメのバランスはグリヒルさんがうまく表現してくれました。未知の生き物にならずにリアルさをそぐのは難しい仕事だったと思います。しっぽなどの細かなところにグリヒルさんのこだわりが込められていますので、そこも注目ですね。

Q 家族で楽しめる作品ですね。

A中尾浩之そうですね、大人も観て楽しめる作品です。脚本を作っていて、最初は子どもには難しいかなとも思いました。でも、そこは媚びずに行こうと決めました。僕自身、子どもの頃に観ていた作品には大人向けのメッセージや言葉遣いもありましたし、それを観て楽しんでいましたので、子ども向けだから単純に、とは考えなかったです。お子さんが大人になって見直した時に新たな発見があるような、長く楽しんでもらえる作品になればいいなと思います。

Q 宇宙を舞台にした作品にちなんで、宇宙開発について期待していることなどお聞かせください。

A中尾浩之国産のロケットも打ち上げられていますし、僕自身、とても興味があります。地球の環境や社会にはいろいろな問題がありますが、宇宙という外の世界を見ることで、地球の見方も大きく変わっていくと思います。外から地球を見ると今抱えている問題がすごく小さく見えるかもしれません。地球で起こっていることがより良い方向に向かう開発になってほしいなと思います。

Q 中尾浩之監督からOKWAVEユーザーにメッセージ!

A中尾浩之かつて僕らの世代が観ていたTV番組のような毎週ハラハラドキドキして次回を楽しみに待つ体験を今の時代にも提供できればと思ってこの「スペースバグ」を作りました。
キャラクターも音楽も、3DCGのクオリティにもこだわりましたが、やはりストーリーを楽しんでいただきたいです。かなり時間をかけて練り込んでいますし、アクションも単純そうに見えて複雑に設計していますので、そのバランスの部分も楽しんでいただけたらと思います。
映像ならではのハラハラドキドキ体験をみんなでしていただけたらと思います。

Q中尾浩之監督からOKWAVEユーザーに質問!

中尾浩之このアニメにはいろんな星に主人公たちが行きます。
皆さんはどんな星に行ってみたいですか。

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■Information

「スペースバグ」

TVアニメーション「スペースバグ」2018年7月8日(日)よりTOKYO MXにて放送スタート
毎週日曜あさ10:30〜(1話/約11分・2話ずつ放送)

遥か未来…人類の宇宙開発は目覚ましい進歩を遂げ、宇宙は遠く太陽系の外側にまで開拓を広げつつあった。だが、謎の原因により宇宙ステーションのコンピューターが突然暴走。滞在することが困難になった人間たちは、宇宙船を捨てて地球へ帰還してしまう。
取り残されてしまったのはネムリユスリカのミッジと、コオロギのハカセ、クモのマルボ。同じく取り残されていた、虫を食べたくて仕方がない食欲旺盛なカエルのゲロッパたちに見つかってしまう。ゲロッパたちに追われながらも、ミッジ、ハカセ、マルボは、地球に還るために宇宙ステーションからの脱出を試みるが…!?
宇宙を舞台に小さな虫達が“生きる力”で様々な困難を乗り越える壮大な冒険譚!そして明かされるコンピューターの暴走の真実とは…!?

CAST
ミッジ:小川夏実、ハカセ:丸山智行、マルボ:佐野康之
ゲロッパ:藤原貴弘、イトー:落合弘治、カトー:田中英樹
エレン:ブリドカット セーラ 恵美、ワン:堀越富三郎

STAFF
脚本:中尾浩之
監督:中尾浩之 / YOON Yoo-Byung
キャラクターデザイン:グリヒル
音楽:戸田信子・陣内一真
アニメーション制作:W.BABA / P.I.C.S.
企画:トムス・エンタテインメント
協力:トムス・ジーニーズ
製作:SPC/トムス・エンタテインメント / W.BABA
オープニングテーマ:「THE JOURNEY HOME」ウォルピスカーター
エンディングテーマ:「星の数だけありがとう」上月せれな

http://www.spacebug-special.com/
Twitterアカウント:@Spacebug_jp
【配信情報】
・「dアニメストア」7月8日(日)より配信開始
・「dTV」7月8日(日)より配信開始
・「FOD」7月8日(日)より配信開始
・「あにてれ」7月8日(日)より配信開始
・「J:COMオンデマンド」「ビデオパス」7月9日(月)より配信開始
・「バンダイチャンネル」7月9日(月)より配信開始
・「U-NEXT」7月9日(月)正午より配信開始
・「アニメ放題」7月9日(月)正午より配信開始
※配信開始日は変更となる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。


■Profile

中尾浩之

中尾浩之(TVアニメーション「スペースバグ」)日本大学芸術学部放送学科卒。
実写と CG を組み合わせた独自のスタイル “ライブメーション”による「スチーム係長」が 98年MTV Station-IDコンテストにてグランプリを受賞。00年カンヌ広告祭におけるニューディレクターズショーケースで世界の新人監督8人に選出される。04年オリジナルショートフィルム「ZERO」が、アカデミー賞登⻯門でもあるSHORT SHORTS FILM FESTIVAL にてグランプリ・審査員賞・学生審査員賞をトリプル受賞。09年脚本・演出を手がけた「タイムスクープハンター」がNHK総合にて放送開始。以後6年に渡りSeason1〜6が放送される。13年夏には『劇場版タイムスクープハンター 安土城最後の1日』が公開。18年春に放送された日本テレビ深夜ドラマ「卒業バカメンタリー」でも監督を務めた。