Vol.80 脚本家

マイケル・アーント

この夏、最も優しく切ない“さよなら”が待っている―
「さよなら、おもちゃたち。」
長編CGアニメーション第1作の「トイ・ストーリー」発表以来、数々の感動作で世界中の心をつかみ続けてきたディズニー/ピクサー。その集大成にして最高傑作、それが2010年7月10日公開の『トイ・ストーリー3』。ウッディらおなじみのキャラクターたちがスクリーンに帰ってきました!
「OKStars」Vol.80には、『トイ・ストーリー3』の脚本に抜擢されたマイケル・アーントさんが登場。大ヒット作品の最新作を担当することになったアーントさんの仕事の裏側に迫りました。

今回『トイ・ストーリー3』の脚本を担当することが決まった時はどう感じましたか?

『リトル・ミス・サンシャイン』の脚本を2005年の夏に書いて、その映画の製作で私はロサンゼルスにいたのですが、次はどうしようかと考えていたところにピクサーから会いたいという連絡をいただきました。その時はただもうびっくりしました。

トイ・ストーリーは過去2作ともに大ヒットした作品ですが、そんな前2作を踏まえて『トイ・ストーリー3』に携わることについてはどう思いましたか?

最初はこういった作品に携われるということが只々ハッピーでした。ピクサーは職場という意味でも素晴らしいところだったし、私自身も「トイ・ストーリー」は好きだったから。だけど半年も経ってくると、もしかしたらこれは人生における過ちだったかもしれないと思うこともありましたよ(笑)。

そういう意味ではプレッシャーも?

トイ・ストーリは過去2作とも最高の作品だったから、はたして自分が『トイ・ストーリー3』を作るにあたって前作ほどの素晴らしい脚本を作れるのだろうかと考え込んだこともありました。この作品には3年関わっていますが、時にはパニックになりそうでしたよ(笑)。

脚本作りはどのように進めましたか?

この『トイ・ストーリー3』の脚本は、最初のところから最後まで、ストーリーの時系列通り順番に書きました。この全体のストーリーのドラフトを書くのにおおよそ6週間かかりましたね。

脚本を書き上げた時はどう感じましたか。

脚本を最初のシーンから書くということは当然最後のシーンは最後に書くということですよね。ということは物語とともに自分もキャラクター同様の経験をし、成長し、困難な状況を一緒に乗り越えてきたわけです。
おもちゃたちは苦労してアンディの元に戻ろうとしているけど、果たしてアンディは同じくらいに自分たちのことを考えていてくれるのか、実はもうどうでもいいと思っているんじゃないか、と常に不安に思っているわけです。その中でウッディだけは、絶対にアンディは自分たちみんなのことを思っていてくれるからと言い続けます。そうやって大冒険の末にラストシーンを迎えます。なので、ラストシーンは書いているうちに自分でも涙が出て止まらなくなってしまいました。多分この6週間の間に自分もおもちゃたちと一緒におもちゃたちが辿った旅路を感じてきたからだと思うんです。私自身、このラストシーンには心打たれましたし、その日最後のシーンを書き終えてオフィスを出た時、私だけは目が真っ赤で、他の人は忙しく仕事をしていたから、自分はおかしくなってしまったのかなと思いましたよ(笑)。自分が6週間かけて書いているうちにそれだけキャラクターに自分を重ね合わせて入り込んでいたからだと思いました。

映像になったのを観た時にご自身では見どころはどこだと思いますか?

一番気に入っているシーンは、私があまり関わっていないシーンですが、保育園を脱出する時のミスター・ポテトヘッドのところですね。あのシーンは監督から「こういう風にして」というアイデアをもらっていたのですが、私自身はそのシーンの脚本を書いてはみたものの、これって面白いのかなと少し疑わしく思っていました。だけどアニメになった時に、あの絵や動きはひじょうに面白かったですね。

ピクサーとの仕事の感想は?

先ほどのミスター・ポテトヘッドのシーンの話の続きになりますが、監督からこれをアニメの映像にしたら絶対面白くなるから大丈夫、と言われたものの、アニメーションになったらどうなるのか想像もつきませんでした。だけど彼がそう言うなら、ということでそのシーンを書きました。そして出来上がったそのシーンは本当に面白いなと思いました。人間って自分だけで仕事をしていると自分の仕事に対してこれじゃだめだとかすぐに批判してしまいがちだけど、誰か別の人がうまくやったことに対してはすぐに気に入ると思います。まさにこのシーンがそうでしたね。
それがピクサーで仕事をする醍醐味でもあると思います。とても多くの人と仕事をすることによって思いがけない結果が生まれることもあります。自分が考えもしなかったアイデアが出てきたりするので。それがピクサーから得たことです。

マイケル・アーントさんご自身のおもちゃとの思い出は?

この映画に近い経験がありますよ。私が子どもの頃、お気に入りの小さなロボットのおもちゃをいつも持ち歩いていました。そんなある日、父が家の中の大掃除を始めたんです。父が大きなゴミ袋いっぱいに捨てるものを集めていましたので、私もゴミ置き場にそのゴミ袋を運ぶのを手伝ったのです、お気に入りのそのおもちゃを抱えながらね。ところが何かの拍子に父の車の中にそのおもちゃを置き忘れてしまったのです。それを父がゴミのひとつと間違えて捨ててしまったのです…。私の兄はその時の光景をまだ覚えていると言っていました。それがまさに映画冒頭のゴミ収集車がゴミを収集していくあのシーン。そんな自分の経験が作品に結びついています。

おもちゃとの「別れ」についてのお考えは?

大人になると忘れてしまいがちですが、子どもにとってはおもちゃとの結びつきは強いものだと思います。まさにこの『トイ・ストーリー3』がそうであるように。

ところで日本ははじめて?

そうです。日本はとても楽しくていいですね。

『トイ・ストーリー3』の脚本家、マイケル・アーントさんから質問!

皆さんのおもちゃとの思い出深いエピソードを教えてください!

Information

『トイ・ストーリー3』
2010年7月10日(土)全国一斉公開!
ディズニーデジタル3D&IMAX3D同時公開

この夏、最も優しく切ない“さよなら”が待っている―
「さようなら、おもちゃたち。」

カウボーイ人形のウッディは、ご主人様のアンディの一番のお気に入りだった。だが、アンディはもうすぐ大学に進学するためにこの家を出て行くことに…。そんなある日、ウッディたちは何かの手違いでサニーサイドと呼ばれる保育園に寄付されてしまう。新しい住処を得て、大喜びのバズ・ライトイヤーら仲間たち。ウッディは「アンディを信じろ」と彼らを説得するが、誰も聞く耳を持たない。だがそこは、おもちゃを破壊しまくる凶暴な幼児たちが集まる、おもちゃにとっての地獄だったのだ…。

監督:リー・アンクリッチ(『トイ・ストーリー2』『ファインディング・ニモ』共同監督)
製作総指揮:ジョン・ラセター
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

http://www.disney.co.jp//toystory/

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Profile

マイケル・アーント
脚本家

初執筆となった『リトル・ミス・サンシャイン』の脚本がアカデミー賞をはじめ、多くの賞に輝く。この成功の後、ディズニーとピクサーによる大ヒットCGアニメ『トイ・ストーリー』シリーズの10年ぶりの新作『トイ・ストーリー3』の脚本を担当。

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