Vol.87 劇作家

鴻上尚史

『OKStars』Vol.87には人気劇作家・鴻上尚史さんが登場!ご自身の大ヒット舞台「恋愛戯曲」を映画化した『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』のことをおうかがいしました。

『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』映画化を思い立ったきっかけは?

もともと僕は映画が好きなので、いつも映画が撮りたいなと思っていますけど、『恋愛戯曲』は2001年の舞台初演の時に、『トリック』の堤幸彦監督が観に来てくれて、「これ映画にしたらいいんじゃないの?」って言って帰っていったのが直接のはじまりですね。とはいえ、『恋愛戯曲』は映画にしたら面白い作品だとは自分でも思っていたので、堤監督に言われなくてもいつかは作ろうと思い立ったと思います。

映画化ということでこだわったところは?

基本の構造は舞台と同じで、僕らは第一階層と呼んでいますけど<現実のワガママで男を振り回す人気脚本家>の世界、その次のレベルのその脚本家が書いた<ひじょうに疲れた主婦>の世界。その疲れた主婦が書いたシナリオが逆に<ひじょうにゴージャスな作家>の世界、という設定ですが、舞台だと俳優の演技力で表すしかないのですが、映像ではセットや衣装をその瞬間に変えられますので、その3つの世界をそれぞれ描くということは狙ったところでもありますね。

深田恭子さん、椎名桔平さんらキャストに求めたことは?

深田恭子さんには、第一階層は仕事を頑張ろうとしている女性だし、第二階層は生活に振り回されていて、深田恭子さんが死ぬまでまず着ないような質素な服を着ている主婦で、第三階層は打って変わって、派手な、「ヤッターマン」のドロンジョに近いような・・・、それぞれ違う3つの世界の人物を遊んでやってくださいねってお願いして、椎名桔平らさんにはそのキャッチャーですよと。深田さんが3つの世界でありとあらゆる変化球や剛速球を投げてくるので、それを一所懸命受け止めてくださいねという話をしました。

撮影中のエピソードなどお願いします。

映画には高級なスイートのあるホテルが出てきますけど、僕らがロケハンしてそれこそ一泊80万とか100万とかするようなホテルを廻って見た後に、美術スタッフが見事に日活のスタジオに部屋を二間ぶち抜きで作ってくれました。深田さんたちも驚いていたし、出来がすごくよかったですね。演じる場所として、映画に華を添えたし、豪華になったと思います。 撮影は順調に進んだので、取り立ててドジな話とかはないですね(笑)。別に事件が起きたわけでも綱渡りしたようなところもなく。

舞台と映画での表現の一番の違いは?

これはやはり3つの世界の切り替わりのところですね。

『恋愛戯曲』みどころをお願いいたします。

深田恭子さんの3変化と、椎名桔平さんのコメディ俳優ぶりですね。

シナリオを書くために恋に落ちる、という設定でしたが、鴻上さんご自身は脚本執筆の際に何かやっていることはありますか?

恋に落ちるということではないですけど、自分の経験から広げていくことしかないので、例えばコンビニでニコッと微笑んでくれた店員さんがいたとして、そこから頭の中で恋の妄想を膨らましてみるとか。後から聞いたら何でこんなエピソードが作品になるの?というようなことですが、自分が経験したことを形にしていますね。ただやはりそういう経験の元がないとなかなか次に行かない、というのはありますね。

今後はどのようなことに取り組みたいと考えていますか?

それはもう次の映画が撮りたいですね(笑)。
第三舞台は封印してますけど、虚構の劇団という方は9月10日から舞台をやったのでちょうど映画と近くてもったいないというか(笑)。ただ演劇に関してはやりたいことができるので、映画を次々とできたらいいなと思いますね。

鴻上尚史さんの“モットー”をお聞かせください。

何でも楽しんでやることかな。どんなにしんどいことでも楽しみを見付け出して楽しくできたらいいかなと。

最後に当インタビューを読んでいるOKWaveユーザーにメッセージをお願いいたします。

鴻上尚史さんが今気になっていることを「質問」をお願いいたします。

Information

『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』

2010年9月25日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネセゾン渋谷、新宿武蔵野館他にて全国ロードショー!

「先生、お願いですから原稿書いてください。何でもしますから」
「じゃあ、私と恋に落ちて!」
はじまりは、強制恋愛
全く書けなくなった女性脚本家と、全く冴えないTV制作プロデュ―サー
人生停滞中の2人が巻き起こす、痛快な恋の奇跡!

人気脚本家・谷山真由美(深田恭子)は、とあるTV局のスペシャルドラマの脚本執筆中。しかし・・・締め切りを過ぎても、1行も書けてない!大パニックのTV局内では、「どんな手を使っても谷山先生に脚本を書かせろ!」という指令が。しかし、この大仕事を成功させるためにTV局が谷山のもとに送り込んだのは、よりによって冴えない制作プロデューサー・向井(椎名桔平)だった――。谷山と向井、TV局スタッフたちが繰り広げる、脚本を巡る壮絶な戦い!ぶつかり合う、それぞれの欲望!さあ、原稿はどうなる?!
そして、谷山と向井の、歪んだ恋の行方は?!

監督・脚本:鴻上尚史
プロデュース:春名慶
出演:深田恭子、椎名桔平、
        塚本高史、中村雅俊(友情出演)、清水美沙、西村雅彦、井上順
配給:ショウゲート

公式サイト

(C)2010「恋愛戯曲」製作委員会

Profile

鴻上尚史

作家・演出家
1958年愛媛県生まれ。早稲田大学法学部出身。
1981年に劇団「第三舞台」を結成。以降、作・演出を手がけ、1994年の岸田國士戯曲賞(作品「スナフキンの手紙」)ほか、紀伊国屋演劇賞、読売文学賞戯曲賞(2010年)などを受賞。2001年に第三舞台の10年間封印を宣言し、現在はプロデュースユニット「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を拠点に活動。著作に、多数の戯曲集のほか、週刊SPA!で連載中のエッセイ「ドンキホーテのピアス」を単行本化したシリーズ(全914巻・扶桑社)、「発声と身体のレッスン」(白水社)」、「『空気』と『世間』」(講談社現代新書)など他多数。

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